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2023/04/10

  • ユーモア時事川柳・百選 [22]

    麦踏みもゴミ踏みとなり世は進む^^ユーモア時事川柳・百選[22]

  • ユーモア時事川柳・百選 [21]

    オミクロン初見初聞き新語かな^^ユーモア時事川柳・百選[21]

  • ユーモア時事川柳・百選 [20]

    買物券国より地方が優等生^^ユーモア時事川柳・百選[20]

  • ユーモア時事川柳・百選 [19]

    食べたいとスーパー買いに出品は無し^^ユーモア時事川柳・百選[19]

  • ユーモア時事川柳・百選 [18]

    貧乏人財布の重さ裕福感^^ユーモア時事川柳・百選[18]

  • ユーモア時事川柳・百選 [17]

    いつの日かなどと思わず今しよう^^ユーモア時事川柳・百選[17]

  • ユーモア時事川柳・百選 [16]

    煩悩を払うと思う煩悩が^^ユーモア時事川柳・百選[16]

  • ユーモア時事川柳・百選 [15]

    雪降りにお金が降れと思いけり^^ユーモア時事川柳・百選[15]

  • ユーモア時事川柳・百選 [14]

    盆栽や針金かけてまたはずす^^ユーモア時事川柳・百選[14]

  • ユーモア時事川柳・百選 [13]

    ド忘れやアイウエオ順辿(たど)る今日^^ユーモア時事川柳・百選[13]

  • ユーモア時事川柳・百選 [12]

    雪が舞う楽しい頃に戻りたい^^ユーモア時事川柳・百選[12]

  • ユーモア時事川柳・百選 [11]

    芸能人知らぬ人増え老い思う^^ユーモア時事川柳・百選[11]

  • ユーモア時事川柳・百選 [10]

    不眠症元を糺(ただ)せば生活病^^ユーモア時事川柳・百選[10]

  • ユーモア時事川柳・百選 [9]

    明日(あす)こそと思う日々過ぎ除夜の鐘^^ユーモア時事川柳・百選[9]

  • ユーモア時事川柳・百選 [8]

    雪積もる寒い世だから溶かしたい^^ユーモア時事川柳・百選[8]

  • ユーモア時事川柳・百選 [7]

    禍報道知らぬが仏いい湯だな^^ユーモア時事川柳・百選[7]

  • ユーモア時事川柳・百選 [6]

    忙(いそが)しいああ忙しいこともなし^^ユーモア時事川柳・百選[6]

  • ユーモア時事川柳・百選 [5]

    豊かさは物と心が反比例^^ユーモア時事川柳・百選[5]

  • ユーモア時事川柳・百選 [4]

    オミクロンで、その次は…で不眠症^^ユーモア時事川柳・百選[4]

  • ユーモア時事川柳・百選 [3]

    効くはずのワクチン打たず肩狭し^^ユーモア時事川柳・百選[3]

  • ユーモア時事川柳・百選 [2]

    コロコロと変異を重ね強き嫁^^ユーモア時事川柳・百選[2]

  • ユーモア時事川柳・百選 [1]

    ダイコンもちょっと工夫で美味役者^^ユーモア時事川柳・百選[1]

  • 凡太の憂鬱[メランコリー] 再掲

    いつの間にかウツラウツラしてしまって、しくじったか、と私は思った。それで咄嗟(とっさ)の勢いで目覚ましを掴む。昨晩、覚醒のために珈琲(コヒー)を啜ったのがいけなかった。結果として更けても寝つけず、もう朝まで起きていてもいいや…と、投げ遣りな発想に及んだのだが、人間の生理的欲求は妙ちきりんなもので、微睡(まどろ)んでしまったのだ。しかし、この時点では運よく六時前だった。安心して、また微睡む。叩き起こされたのは凡太(ぼんた)によってだった。無意識でアラームを止めていたのか、空が白々と明るさを主張しているのに、私は目覚めてはいなかった。凡太は、家(うち)の飼い猫である。今年で三齢になる雄猫だ。ミャーミャーと呼ぶ声は朝の餌を求めていたのだろうが、私にとっては至極幸いであった。彼が目覚ましの代役を立派に果たしてくれ...凡太の憂鬱[メランコリー]再掲

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [100]

    宇津保イブニングショーに蛸山と海老尾が出演した当日の模様である。「この度(たび)、ノーベル生理学・医学賞を追加受賞され国立微生物感染症化学研究所の蛸山所長と、その助手の海老尾研究員にお越し頂きました…」MCの宇津保は噛(か)まずに言えてよかった!と内心でホッ!と安息の息を漏らしながら二人を紹介した。蛸山は、追加は余計だろう…と思い、海老尾は海老尾で、僕は助手じゃないぞ…と内心で思いながら、しかし、そうとも言えずグッ!と我慢して、二人は笑顔で軽く頭を下げた。「とにかく、お目でとうございます」「はい、有難うございます」蛸山は、とにかくは余計だろっ!と、また内心で怒れたが、そうとも言えず笑顔で応じた。「多くの人々が死の恐怖から救われたという事実は、それだけでも快挙と言えるんではないでしょうか…」「ええ、まあ…」...SFユーモア科学小説ウイルス[100]

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [99]

    「そういうことか…」ともかく海老尾は納得したが、生命の神秘を現実に体験した思いがした。むろん、海老尾自身の夢の世界で、である。朝、目覚めると、まだ早朝の五時過ぎだった。海老尾にしては珍しかったが、どういう訳か眠気はすでに失せていた。「もう、起きるか…」薄っすらと白みかけたサッシ窓を見ながら海老尾は呟(つぶや)いた。脳裏には昨夜見た夢が現実のように思い出される。パジャマのまま着替えることなく玄関へ出て新聞受けから新聞を取り出す。リビングに戻って静かに紙面をめくると、ウイルス関連の記事の見出しが目についた。『なになに…。ワクチンを三回打っても効かなかった人が新ベクター治療ワクチン"#$%&#で回復したか…』蛸山と海老尾が挙げた成果・・それは、人類を救う究極の治療ワクチン"#$%&#を生み出したことだった。冷蔵...SFユーモア科学小説ウイルス[99]

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [98]

    「ところでさぁ~、こんなことは言いたくないんだけど、そろそろ終わりにしないかっ!?」夢の中でも主語抜きのいつもの海老尾の癖(くせ)が出た。『…何を、です?』所長の蛸山と同じような口調でレンちゃんが訊(たず)ねた[微細なウイルスには当然、口などないのですが、飽くまでも夢の中での会話ですから、ある訳です^^]。「何をって、この話をさっ!」『この話って、ユーモア科学小説ウイルスを、ですかっ!?』「ああ、そうだ…」『そんなことは僕の一存では決められません。書いておられる作者の方に(き)いて下さい』「君がこの小説の主役だから訊いたんだけど、君だけじゃダメなんだね…」『というか、僕には決める資格とか権利がありませんから…』「つまり、君にはこの先がどうなっていくかは分からない・・ってことになるけど…」『そのとおりです。...SFユーモア科学小説ウイルス[98]

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [97]

    その頃、海老尾の深層心理に住むレンちゃんは極悪ウイルス消滅後の残務整理に余念がなかった。『これで、しばらくは楽になれると思いますが…』『ああ、君はよくやったよ』『何をおっしゃるやら…。僕は老ウイルスさんに情報を提供しただけです。活躍されたのはあなたじゃありませんか』『ははは…いや、私は何もしていない。実行したのは、すべて私の配下だよ、君』老ウイルスは笑う代わりにレンちゃんの周りを一回転した。『いや、ご謙遜を…。これで私達ウイルスの問題は終わりましたね』『その考えは甘いよ、君。極悪ウイルスは今後も形を変えて出現する可能性はあるんだ』『そうなんですか?それを食い止める手段は?』『今後の人類次第だな…』『と、言われますと?』『人類が今後、どのように文明を進めるか?によって・・ということだよ、君』『進め方次第で今...SFユーモア科学小説ウイルス[97]

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [96]

    「ははは…まあ、こんなもんだよ」蛸山はガックリと肩を落とした訳でもない元気な声でそう言った。だが本心は、かなりガックリしていて再起不能状態だった。「なんと言ったらいいか…」海老尾としても受賞を確信していたからか、返す言葉がすぐ見つからない。「私はどうも、賞に縁遠いようだ…」「いや、これは…何かの手違いでしょう。世界を救った所長をノーベル賞にしない世の中なんてのはどう考えても妙ですっ!所長、もうウイルス研究はやめにしましょう!!」「ははは…馬鹿なことを言うんじゃない。私達は国立微生物感染症化学研究所の職員なんだよ、海老尾君」蛸山は、今日は噛まずに上手く言えたな…と思いながら海老尾を窘(たしな)めた。「すみません、つい、興奮して…」「いや、正直なところ、私も少し予想外だったのは確かだ…」「ですよね。世界を救っ...SFユーモア科学小説ウイルス[96]

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [95]

    ノーベル賞の発表が行われたのは、それから三日後だった。蛸山も海老尾も朝からソワソワと動きにゆとりがない。というのも、受賞決定となれば電話がかかることになっていたからである。ところが昼前になっても、いっこうかからない。^^「海老尾君、電話、故障してるんじゃないかっ!?」「いえ、そんな筈(はず)はありません…」海老尾は、つい先(さっき)、店屋物を頼んだじゃないですか…と言おうとしたが、グッ!と我慢して心に留(とど)めた。それからしばらくして、デリバリーした鰻専門店[蒲末(かばすえ)]の店員がピンポン!!とドアベルを押すと同時に入ってきた。「鰻重、ここへ置いときますっ!器(うつわ)は、いつものように次でっ!毎度っ!!」鰻専門店[蒲末(かばすえ)]の店員がアルミ製のおかもちから鰻重と肝吸い入りの薬缶を取り出し、ア...SFユーモア科学小説ウイルス[95]

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [94]

    「ああ、分かりましたっ!」蛸山は隠しきれず、喜色満面に応諾した。〇▽テレビの局員、烏賊田(いかだ)が帰ったあと、蛸山と海老尾は賑(にぎ)やかに喜びながら握手した。「先生、やりましたねっ!!」「いやいや、テレビに出てくれってだけの話だからさ…」蛸山は、暗にノーベル賞決定じゃないんだから…と、言いたげに謙遜した。「なに言ってるんですかっ!テレビの局がオファー[出演依頼]に来るってことは、決定ってことですよっ!」「そうかな?だと、嬉(うれ)しいんだが…」蛸山は、決定は疑う余地がない…と思いながら、余り期待していないように弱く言った。「間違いないですよっ?、いうことは、僕はどうなるんです?」「決まってるじゃないかっ!君は僕の片腕なんだから、私と同じだよ」「そうでしょうか?」海老尾は、当たり前だろっ!とは思ったが、...SFユーモア科学小説ウイルス[94]

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [93]

    そうこうして数日が経ったとき、研究所へテレビ局の社員が訪れた。「蛸山所長さんでしょうか?」「はい、そうですが…」蛸山は、ひょっとするとひょっとするぞ…という期待感を抱きながら、態度は素知らぬ態(てい)で肯定した。「私、〇▽テレビの烏賊田(いかだ)と申します」烏賊田は自己紹介をしながら名刺を手渡した。名刺には、[〇▽テレビチーフ・プロデュサー烏賊田釣男]と書かれていた。「はあ、そうですか…。で、なにか御用で?」「実は、来週の水曜日なんですが…」「はあ…」「報道番組の[時の人]って番組、ご存じでしょうか?」「[時の人]ですか?ええ、時々、観ておりますが…」「この番組にご出演願えないでしょうか?」「来週の水曜ですか?何時からです?」「午後二時なんですが…」「海老尾君っ!どうだねっ!?」「空いてます、所長っ!」海...SFユーモア科学小説ウイルス[93]

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [92]

    恐竜絶滅のような人類の絶滅を未然に防ぐ新ベクター治療ワクチン"#$%&#の成果に、やはり世界は目を閉ざしていた訳ではなかった。メディアの記者が頻繁に研究所へ出入りするようになったのは、それから半月後である。我が国で広がり始めた極悪変異ウイルスによる死者の数も皆無となり、ひとまず政府は戒厳令を解除した。全国民の外出の自由が回復したということになる。政府の監視下に置かれ、研究所で缶詰状態だった蛸山と海老尾も自宅通勤が許されるようになっていた。「所長、エントランスが急に騒がしくなりましたね…」「ああ、何かあったのかい?」ノーベル賞かも知れんぞ…と薄々、分かっていた蛸山だったが、知らぬ態(てい)で海老尾に返した。「所長!ひょっとするとノーベル賞の候補にっ!」「んっ!?ははは…それはないだろ、海老尾君」「いや、分か...SFユーモア科学小説ウイルス[92]

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [91]

    蛸山と海老尾の研究者コンビは、傍(そば)から他人が聞けば、恰(あたか)も超有名漫才師にも似て面白いのだが、二人はそのことに全く気づいていなかった。ひと月後である。新ベクター"#$%&#ワクチンの配布後の効果は絶大で、瞬く間に世界の死亡者は激減していった。蛸山と海老尾の開発コンビ[二人だからチームではない^^]によるワクチン開発者としての名声は全国各地、いや世界各地に広がった。となれば、蛸山所長が密かに期待するノーベル賞の呼び声である。^^ところが、蛸山が待てど暮らせど、いっこうに呼び声はかからなかった。「死者が激減しているようじゃないか…」「はい、結構なことです…」整理ファイルの入力に余念のない海老尾へ、珍しく蛸山の方から声をかけた。パソコンのファイル入力に集中する海老尾にとって、蛸山の声は雑音である。「...SFユーモア科学小説ウイルス[91]

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [90]

    その後、新ベクター"#$%&#は、蛸山と海老尾の実用段階への応用が功を奏し、第一相治験[臨床薬理試験]のみで治験第二相[探索的試験]なしで緊急承認された。そうなると、各地の病院への増産が緊急課題となる。数日後、厚労省の民間製薬会社各社への協力要請もあり、製薬各社は収益抜きで増産体制へと入った。この迅速な行政→民間の連携した動きは人名が優先されるべき・・という第一義の発想に基づくものだった。「所長、よかったですね…」「なにが?」蛸山は、また主語抜きか…と思いながら、海老尾の顔を見た。「"#$%&#ですよ、嫌だなぁ~」「嫌なのは私だよ。まだ、終息してないんだからね…」「ええまあ、それはそうなんですけど…」「とにかく私達がやれることはやったんだから、その点はいいんだが…」「そうですよ、僕達にはこれ以上やれること...SFユーモア科学小説ウイルス[90]

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [89]

    こちらは蛸山と海老尾がいる研究所である。「それにしても、君の潜在能力には恐れ入ったよっ!」蛸山が海老尾を褒(ほ)め称(たた)える。「いや、そう言って頂くと、かえって恐縮します。マグレですよ、マグレっ!」海老尾は笑いながらマグレを強調して言った。海老尾の潜在意識の中に住むレンちゃんと老ウイルスが極悪ウイルス群のアジト殲滅(せんめつ)させたことを海老尾自身は知らない。海老尾がその事実を知るのは少し先の夢の中の遭遇である。「ははは…マグレで、こう上手(うま)くはいかんよっ!あっ、そうだった!!官房副長官の蟹岡君に知らせんといかんっ!」「それそれっ!!一刻を争います、早く早くっ!!」気づいた蛸山に海老尾が同調して煽(あお)った。蛸山はすぐに携帯を手にした。「蛸山ですっ!ああ、はいっ!ただいま、新ベクターの"#$%...SFユーモア科学小説ウイルス[89]

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [88]

    とにかく"#$%&#が人類を救う究極のベクター[外来遺伝物質を別の細胞に人為的に運ぶために利用されるDNAまたはRNA分子]であることは疑う余地がなかった。蛸山も海老尾も、余りにも予想外の展開が現実に起こっていることに動揺していた。というか、二人とも興奮状態にあったといえる。酒場で飲んでもいないのに、蛸山が茹(ゆだ)ったような美味(うま)そうな赤ら顔で笑う。「ははは…これで今度こそノーベル賞は私のものだなっ!」「こんなときに、なに言ってるんですか、所長!人類が滅亡すれば、ノーベル賞も夢のまた夢なんですよっ!」「ああ、すまんすまん。そうだった、そうだった…」海老尾は困った所長に見込まれたものだ…と瞬間、思った。一方その頃、海老尾の潜在意識で暮らすレンちゃんは老ウイルスとともに、極悪ウイルス群のアジトをガサ入...SFユーモア科学小説ウイルス[88]

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [87]

    「ど、どうしたんだっ!!」蛸山の声が一瞬、上擦(うわず)った。海老尾は静かに腕を上げ、ある物質の方向を指さした。その物質こそ、まさに人類を救う究極の物質だったのである。「"#$%&#か…」「はい、所長!"#$%&#ですっ!」海老尾の声も1オクターブ上擦っている。「まさか、"#$%&#が…」世界の全ての学者が気づかなかったどこにでもある物質は、"#$%&#だったのである。「そうか…人類は機械文明に毒されていたんだなっ!」「はい!文明が作り出した多くの物質に毒されていたんです…」「私達、人類だけならまだしも、地球上の全生物を毒していたのか…」「はい、人類が無秩序に進めた機械文明が作り出した物質で…」「人類は地球上の全生命体を守る責任を放置し過ぎたんだな…」「はい!で、教授、これで救えますが…」「問題は、全人類...SFユーモア科学小説ウイルス[87]

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [86]

    蛸山がその声に驚き、海老尾の席へ近づいたのは言うまでもない。「なんなんだっ、これはっ!!」電子顕微鏡のモニターに映し出された映像には、悪性ウイルス群がことごとくアポトーシス[自然壊死]した様子が映し出されていた。「なんなんだっ、これはっ!!と言われましても、見てのとおりとしか…」「そらまあ、そうなんだが…。どうしたんだっ!?」「いえ、それを私も知りたいんです。偶然、こうなったとしか…」「馬鹿か君はっ!偶然、こうなる訳がないっ!ナニかの結果、こうなったんだっ!」「ええ、そらまあそうなんですが…。そのナニかのナニが分かりません…」「その前はどうしたんだっ!?」蛸山に訊(たず)ねられた海老尾は、自分がした手法と解析機器の手順を蛸山に詳しく説明した。「と、いうことは、このベクター[外来遺伝物質を別の細胞に人為的に...SFユーモア科学小説ウイルス[86]

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [85]

    世界を震撼させるウイルスの猛威はその後も衰えず、かつて栄えた恐竜の絶滅のように、人類もこの地球史から消え去るのではないか・・という危惧(きぐ)が飛び交い始めていた。日本各地にその極悪変異ウイルスの猛威が広がり始めた頃、海老尾の深層心理に住むレンちゃんにも新たな動きが生じていた。『いよいよ、我が配下が動き出すようだ。極悪ウイルスのアジトに潜入させたウイルスの情報だ』『動き出すと、どうなるんです?』『そんなことは言わずとも決まってるじゃないか。相手が全滅するか、失敗してこちらが全滅するか・・の二つに一つだよ、君』『そりゃまあ、そうなりますよね。…で、成功の確率はっ!?』『まあ、五分五分ってところだね。一時間後には結果が分かるだろう…』『成功すればっ!?』『そりゃ君、分かり切った話だ。成功すれば極悪ウイルスは消...SFユーモア科学小説ウイルス[85]

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [84]

    『今のところは・・って、それじゃ国民が困るじゃないですかっ!』『そう言われるあなたはっ!』『申し遅れました。週刊未来の串鳥(くしとり)ですっ!』『なら、逆にお訊(たず)ねしますが、あなたなら、どうされるっていうんですっ!?国民が罹患(りかん)し、死体の山を築いてもいいと言われるんですかっ!!』蟹岡は記者の諄(くど)い質問に、思わず切れて言い返した。『…何もそんなことは言ってないじゃないですかっ!戒厳令解除の見通しが立ってないっていうのは如何なものか、って言ってるんですよっ!外へ一歩も出られないんじゃ国民は餓死しますよっ!』『…言い忘れました。政府としては備蓄した緊急生活物資及び支援物資の放出は考えております』『考えてないで、すぐ放出して下さいよっ!一刻の猶予もないんだからっ!』官房副長官の蟹岡と週刊未来の...SFユーモア科学小説ウイルス[84]

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [83]

    昼前になり、二人は腹が空いていることに、どちらからともなく気づいた。いつもの研究所なら、二人の片方がどちらからともなく声をかけ、昼食にするのだが、戒厳令下の今は、少し事情が違っていた、だが、やはり腹は空くのである。「所長、昼ですが…」「ああ、そうだね。食糧は政府が先に空輸してくれたそうだから、選(よ)り好(ごの)みしなければ、ここ当分は困ることはないだろう」「なんだ、そうなんですか!?そりゃ、有り難いっ!」食べるだけが楽しみの海老尾としては、最高内容の話である。思わず嬉しい本音が出た。「ははは…君は食べることに関しては敏感だからね」「はい、それはまあ…」海老尾は敢(あ)えて否定しなかった。二度目の思わぬ衝突は避けたい…という意識が瞬間、働いたのである。「空輸されたのはレトルトものばかりだそうが、君、管理室...SFユーモア科学小説ウイルス[83]

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [82]

    「以前…といっても、かなり前の変異ウイルスだが、コミクロン株というのがあったろっ?」「ああ。そういや、元号が変わって三年目ぐらいに登場した新顔がありましたね」「そう!!今回の極悪ウイルスは、そのニューフェイスの兄弟の息子の三代ほどあとの親戚らしい…」「…ややこしいんですね。要するにコミクロン株の甥の三代先の親戚なんですねっ!?」「んっ?…ああ、まあそんなところだろう」「それにしてもコミクロン株にすりゃ、遠い親戚とはいえ極悪なのが出て、世間体(せけんてい)じゃなかった、ウイルス体(てい)が悪いでしょうねっ!」「そりゃまあ、そうだろうな。私らだって身内に一人でもそんなのがいたら、親戚全体が迷惑を被(こうむ)るからね」「ですよね…」「そんなこたぁ~この際、どうでもいいから、一刻も早く完璧に治癒する薬剤を完成させ...SFユーモア科学小説ウイルス[82]

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [81]

    屋上に着地した隊員の指示に従い、海老尾はヘリに釣り上げられた海老ではなく人となった。^^『こちら収容機!マルタイ、確保しましたっ!!』『了解!ただちに研究所へ護送願いますっ!』そんなヘリ内部の通話を耳にしながら、海老尾の乗ったヘリは海老尾のマンションを離れた。向かうのは当然、早口言葉で舌を噛みそうな国立微生物感染症化学研究所である。^^その頃、所長の蛸山も蛸壺で釣られるようにヘリに収容され研究所へ向かっていた。「あの…私は研究所に着いたあと、どうすればいいんでしょう?」訊(たず)ねられた隊員はキョトンとして一瞬、沈黙したあと、小さく口を開いた。「さぁ~?自分は確保せよと、上官の命令を受けているだけでありますから…」「ああ、そりゃまあ、そうですよね…」蛸山は訊(き)かなきゃよかった…と後悔した。二人が研究所...SFユーモア科学小説ウイルス[81]

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [80]

    『どうしてっ!』「そりゃ~僕だって、シャワーぐらいはしたいですよっ!」『…まあ、それもそうだが…。この前の三日三晩は、それどころじゃなかったからねっ!』「今だって、それどころじゃないですけど…」『ああ。まあ、とにかく、急いで着替えを準備しときなさい。いつヘリが飛んで来るか分からんからね』「来たら、事前電話は入るんでしょうねっ!?」『ああ、そのはずだっ!』「それじゃ!!」海老尾は慌(あわ)てながら携帯を切った。いつ、ヘリがこのマンションの上空にやって来るか分からないからだ。海老尾は最低限の着替えと必要品をボストンバッグに入れながら考えた。『バッグを持って、マンションの屋上だな…』ヘリがマンションの屋上へ降りるには少しスぺースが足らない。と、なれば、ロープに吊るされて上がり、ヘリに収納される…という図式が海老...SFユーモア科学小説ウイルス[80]

  • SFユーモア科学小説 ウイルス [79]

    『分かればいい。そんなことだから、待機してなさいっ!ヘリが近づいたら電話がかかるはずだっ!』「それはいいんですが、僕や所長を研究所へ移送して、いったいどうするってんですっ!?」『そんなこと決まってるじゃないかっ!研究を続けさせるためさっ!』「研究してる時間があるんですかねぇ~?僕は他の対策を考えた方がいいと思うんですが…」『いや、それは私も考えたよ。しかし、だっ!蟹岡君の話だと内閣が、すでにパニックになってるらしい…』「内閣がパニクってちゃダメでしょ!」『いや、それはそうなんだが…。どうも、打つ手なし・・ってとこらしい』「打つ手なしって、そんな無責任なっ!!」『無責任だが、どうしようもないんだろ。それで、私達になんとかしろっ!てとこじゃないか』「なるほど…。話は分かりました。いや、僕も今、今後の食糧をどう...SFユーモア科学小説ウイルス[79]

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