春先に植えた野菜たちが大変なことになっている。わずか八平方メートルの小さな畑なのだが、収穫期で気ぜわしいのだった。厳しい冬が明けて最初にやったことは畑の鍬入れだった。そして旺盛な雑草を刈る。小さめの畑にして良かった、とこの時に感じる。この春は種を埋めたのではなくすべてがポッドを買い畑に埋め直した。 正直畑仕事は少し面倒だと思っていた。畑に埋めれば勝手に育つ、そう思っていたが違う。手がかかるからだった。しかしなによりも家内が熱中しているので良かったと思うのだった。毎朝いそいそと庭に出て水をやって成長を見ている。まるで我が子を育てているのか、そう皮肉屋の自分は思うのだ。マルチシートと呼ばれる黒い地…