花より男子の二次小説。つかつくメインのオールCPです。
Re: notitle 44白と黒の部屋に、あたしと花沢さんの会話だけが音だった。そして心臓と血液の流れるようなドクドクとした音は、動揺しているあたしの中だけで聞こえるものだと分かっていても、この状況に逃げ出したくて震えそうになる足にグッと力を入れて踏ん張った。例え部長がいたとしても、この人たちの目的が分からない以上、弱みは見せない。動揺も見せたらいけない。あたしは、ミドウさんの本当の名前も、何も知らない。大丈...
Re: notitle 43今日も一日、何事もなく恙無く。あれから、何かと理由を付けてミドウさんと会うことを断り続けている。仕事が忙しいとか、親戚の法事がとか、友達との約束がずらせなくてとかとかとか。でも、それもそろそろ、限界かもしれない。もう最後にあった日から、二ヶ月以上経っている。他愛無く送られてくるメールも少しずつ、さりげなく返信を遅らせて、内容も当たり障りないものへと変え、返信する回数も減らしていった。...
Re: notitle 42ピンポン、とオートロックのチャイムが鳴る。がんばれ、あたし。大丈夫。いつもと同じで、会う場所が違うだけ。そして、それが今日で終わるだけ。何でもないふりをして、何も知らないふりをして。がんばれ、あたし!そして、玄関のチャイムが鳴る。がんばれ。がんばれ、あたし。あたしは、何も知らない。今まで会って話していたミドウさんしか知らない。ミドウさんの本当の姿を知っていると、思わせたらいけない。大...
Re: notitle 41車に乗る前に見た、メガネを外したミドウさんの素顔。その顔を見た瞬間に、なんで今まで自分は気が付かなかったのか、馬鹿にも程があると思った。知っている名前だけでもと調べてみたら簡単だった。道明寺 司と花沢類。この二人でウェブ検索してみれば、まず出てきたのは「F4」という単語。そこから辿れば辿るほどに、容易く出てくる情報。SNSが発達した今、余程のことでない限り、ある程度は情報として出てく...
総つくです。 少し摺れちゃったつくしちゃんと、やや重めな総二郎のお話なので、純なつくしちゃんが好きな方は読むことをお勧めしません。 「春雷」「『月が綺麗ですね』も、『死んでもいいわ』も、今のあたしには、綺麗、すぎる……」 「……なに、突然」 「どういう恋愛したら、こういう言葉が、出てくるのかなっ、て。……この言葉たちは、愛の最中か、終わりの、どっちかな……」 「……さぁな、どっちだろうなぁ」 「西門さんはさ...
Re: notitle 40テーブルに顔を突っ伏したまま、なかなか顔を上げない彼女の肩を揺すりながら話しかけた。「おい、まさかまた風邪がぶり返して熱があるんじゃないのか?大丈夫か?すげぇ顔が赤いぞ」すると彼女はガバッと顔を上げるから、肩に置いていた手も自然と離れた。風邪じゃないから大丈夫と、なんとも弱々しい声で話す彼女の顔は、まだ赤い。彼女はグラスに入ってるアイスカフェオレをストローで忙しなく動かして氷をカラカ...
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