という記事をAll Aboutで書きました。 話題だけれど、歌舞伎を観たこともないし、原作も読んでないし、それでも楽しめるのかなと二の足を踏んでいる人、いませんか? 歌舞伎を知らない人でも歌舞伎通でも面白い映画、『国宝」の魅力について書きましたのでぜひ参考にしてみてください。 allabout.co.jp
歌舞伎初心者に、歌舞伎の魅力を伝えます。 趣味は歌舞伎、文楽、落語、映画鑑賞。 ブログでは、初心者も通の方も納得する歌舞伎にまつわる楽しい話をつづっていきます。日常生活もぽちっと。
大序 いやー。もう千穐楽が過ぎてしまったのに、今更あらすじもないもんですが。いつかのために。 大序 あらすじ 見どころ 大序の特別感 色の美しさ わかりやすいキャラ 壮大な物語『仮名手本忠臣蔵』の最初にふさわしい幕開けです。プロローグですな。 普通の芝居なら「序幕」というところを「大序」。それだけでも特別感がモリモリです。 通常の歌舞伎座昼の部開演は11時開演ですが、『仮名手本忠臣蔵』の場合は11時10分前から口上人形が出てきて、出演者の名前を紹介していきます。 長いです~。最初は観客も張り切って一人ずつ拍手をしますが、そのうちだんだんパラパラと笑。人気の役者のときにはまた拍手も盛り上がり。今…
今月30日の「古典芸能への招待」は、 『御所五郎蔵』と『釣女』です!2025年3月30日(日)NHK Eテレ 午後9時より昨年12月に京都南座で上演されたもの。 中村隼人、坂東巳之助、中村壱太郎、吉太朗、片岡孝太郎。配役はこの時のものと違いますが、あらすじ・見どころはこちらでご覧ください!munakatayoko.hatenablog.com かっこいいけど短気な五郎蔵が中村隼人、にっくき敵役土右衛門が坂東巳之助、美しい逢州が上村吉太朗、哀しみの皐月が中村壱太郎です。この時の『御所五郎蔵』は私も舞台は見ていないので、楽しみに観たいと思います。『釣女』に関しては浅学のため、どこがいいのかさっぱり…
3月の歌舞伎座は、昼の部夜の部通しての『仮名手本忠臣蔵』でした。 ダブルキャストということもあり、どちらも大変見ごたえがありました。 特に昼の部の特別感。夜の部はそれでも5段目6段目、7段目と上演されることはありますが、昼の部の大序、3段目(松の廊下の刃傷事件)、4段目(判官切腹、城明け渡し)はそこだけ切り取って上演できるというものではありませんから通しの時ではないとみられない貴重なもの。 いやあよかったですねえ。 チケットは仁左衛門の出る昼A夜Bが売れ行きがよく、差がつきましたが、昼B夜Aチームも決して劣ることなく健闘、両方見比べて楽しむことができました。 本日はすべての千穐楽。Xを観ている…
注)タイトルとサムネが合っていなくて申し訳ない(;^_^A 旧暦で3月14日は、1701年、赤穂事件の起こった日です。赤穂事件とは仮名手本忠臣蔵の元となった実際にあった事件です。 赤穂事件 1701年、江戸城の松之廊下で赤穂藩主の浅野内匠頭長矩が、吉良上野介義央に斬りかかり、即日切腹を命じられ、お家は没収となったが吉良におとがめはなく、遺恨が残りました。そして1704年12月14日に大石内蔵助以下47人が吉良邸に討ち入り、吉良上野介を討ち取りました。 12月14日(旧暦)の討ち入りの日がクローズアップされがちですが、その発端となった松の廊下での刃傷事件は3月14日。そしてその日のうちに切腹を命…
第13回木ノ下裕一と田中綾乃の歌舞伎対談 「作者と劇評家のコトバで読み解く歌舞伎のセカイ」は!
ファンの皆様お待たせいたしました~。 第13回木ノ下裕一と田中綾乃の歌舞伎対談 「作者と劇評家のコトバで読み解く歌舞伎のセカイ」の日程とテーマが決まりました! テーマは『勧進帳』です!(^^)/ 『勧進帳』は、5月の歌舞伎座團菊祭~8代目尾上菊五郎襲名披露でも、團十郎が弁慶、富樫が菊之助改め8代目菊五郎、義経が梅玉という夢の顔合わせで上演されます。 また、2023年には木ノ下歌舞伎で『勧進帳』を上演したこともあり、木ノ下さんにとっても唯一無二の大切な演目ではないかと思われます。もう語りたいことが山のようにありすぎて、いつもに増して練り上げられた講座となるのではないでしょうか。田中さんの深掘りも…
本日は能楽堂へ。恋重荷(こいのおもに)やだー。昭和の歌謡曲かよという感じですが、なんと本日見てきた能の演目名です。「能は流石にわかりません」と言った某国総理大臣がいたそうですが、そうでもないのよ。一度観られたし。お話 白河院に使える老人が偶然観た女御に心を奪われます。 臣下は、「この重荷を持って100回1000回庭を歩けば女御は姿を見せるかもー」というので、張り切って重い荷を持とうとするのだけれど、めっちゃ重くて持てません。実は、男に興味がない女御が箱に石を入れていたんですね。全然持てない。重くて。それで老人は嘆いて死んでしまいます(えー)その後、老人は鬼となって、女御を責める!でも次第にやわ…
3月4日に3月歌舞伎座の初日があけました。 ついに鳴り物入りの『仮名手本忠臣蔵』通し上演です。 通しといってもまだ上演されない部分もありますが、とにもかくにもめでたい。 4日は通しでAプロ。5日は通しでBプロ。一応両方の組み合わせが初日を迎えました。 初日4日は、夜の部が打ち出しになったころ、ちらちらと歌舞伎座近くには雪が舞っていたんですねえ。 討ち入りを果たし、引き上げの場まで見届けた感無量の観客の皆さん、興奮のまま外に出たら雪だったわけですね。 役者も熱く演じ、観客も、歌舞伎座内の空気も含め大変盛り上がっていたと聞きます。さらに天まで共に通し上演を演出してくれたとは、胸アツです。 そして、…
阿古屋~動と静、美とおかしみ、理知と邪知のアンサンブルを楽しむ
ブログが滞っていて、申し訳ない。すでに3月になってしまったのだけれど2月のことをぼちぼちと。2月の演目の中で一番多く見たのは『阿古屋』6回。一度、阿古屋(玉三郎)が出の花道でストンと腰を落としてしまったことがあり、驚いた。ところが全く流れが損なわれず、何の乱れもなく、粛々と芝居は続いていったので、何か見間違えたのかと思ったほどだった。阿古屋が引っ立てられていく途中で座り込んだとしてもおかしくはないし、自然と納得してしまった。捕手たちもあわてなかったのがよかったのだろう。上手から、センターから、下手から見たが、上手では岩永(種之助)がよく見えて楽しく。センターでは重忠(菊之助)がほれぼれするほど…
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という記事をAll Aboutで書きました。 話題だけれど、歌舞伎を観たこともないし、原作も読んでないし、それでも楽しめるのかなと二の足を踏んでいる人、いませんか? 歌舞伎を知らない人でも歌舞伎通でも面白い映画、『国宝」の魅力について書きましたのでぜひ参考にしてみてください。 allabout.co.jp
無事に6月の千穐楽を迎えました。おめでとうございます。 今月はあまり観に行けていなかったのですが、今日は夜の部でその分たっぷり堪能しました。しみじみよかったです。また別稿で。 終わって外に出ると、初日の幟が上がっていました。絵看板はまだ6月のままでした。
今月の「古典芸能への招待」はまたまた必見です。 3月に歌舞伎座で上演された『仮名手本忠臣蔵』の昼の部です!! www.nhk.jp あらすじ・みどころ 大序 特別感もりもりのみどころ 三段目 ついに松の廊下で刃傷事件 四段目。慟哭、断腸の思い、そして決意 この公演はAプロ Bプロで配役を変えて行われましたが、今回放映されるのはAプロ。 仁左衛門が大星由良助 塩冶判官が勘九郎 です。道行はないのね~。残念。 でも記念すべき興行でありましたので、ぜひ録画予約のご用意を! NHK Eテレ 6月29日夜9時から。 ほんの3ヵ月前なのにずいぶん昔のような気もします。 なんだか忘れちゃったなあ~とお感じの…
今月は2回リクエストがあり、『車引』をご案内しています。2回目の方は隈取りにご興味がありそうでしたので、歌舞伎座からすぐ近くの東劇ビルまで足を伸ばしてみました。以前は、歌舞伎座ギャラリーの中にあった隈取りがこちらの1階に展示されています。 (そして以前ここにあった本屋はなくなりました 涙)東劇ビルは、歌舞伎座から築地方面を見ると見えます。 (これは先月の画像ですが)この日も「歌舞伎ってすごく気楽に楽しめることがわかってびっくりしましたー」と言っていただきました。また歌舞伎を楽しんでもらえたら嬉しいなあ。リクエストお待ちしています。 初心者歓迎。一幕見で、歌舞伎を安く楽しもう!丁寧にレクチャーし…
いよいよ、明日、映画「国宝」上映開始ですね。 明日は行けませんが、なんとか上映期間中には行くつもりです。 kokuhou-movie.com そして今頃になってようやく原作を読み始めました。 そしたら面白いのなんの。 歌舞伎ファンにとってはたまりません。 歌舞伎の有名な演目もどんどん出てきますし、もちろんフィクションとはいえ、なまなましいセリフの数々にドキドキします。 5月の歌舞伎座で大評判だった『京鹿子娘道成寺』も出てきますね♪ まだ上巻も読み終わっていない状態(今日中に読み終わるかな)ですが、今のところ ・全部原作をなぞるわけにはいかないのはわかるけれど、徳次はでてこないのが残念。(映画版…
6月に入ってしまいましたが、無理やり振り返り。 5月は、八代目菊五郎、六代目菊之助の襲名で夜も日も明けず。 大変濃い1ヵ月となりました。 歌舞伎 文楽 山種美術館 能・狂言 落語 6月の歌舞伎座演目紹介はこちら! 歌舞伎 munakatayoko.hatenablog.com munakatayoko.hatenablog.com munakatayoko.hatenablog.com munakatayoko.hatenablog.com このほか、『勧進帳』では、同い年ながらなかなか共演の機会がなかった8代目菊五郎と團十郎のがっぷり四つが見られました。梅玉の義経が花を添えました。 文楽 m…
夜の部のトップバッターは『義経腰越状~五斗三番叟』 『五斗三番叟』は、とても面白い演目。というか普通の演劇を見慣れている人にとっては、「はあ??」かもしれないけれど、とても歌舞伎らしい感じ。 頼朝の不興を買った義経が、腰越で立往生をさせられるという話をベースに、本当は大坂夏の陣を描いている。だから義経は豊臣秀頼を模している。いつもの義経とはイメージが違い、プリプリ怒りんぼだし、遊興にふけっている。 そこへ軍師として泉三郎にリクルートされてきたのが五斗兵衛。錦戸太郎と伊達次郎というわっかりやすい悪い兄弟にドンドンお酒を飲まされて酔っていく。 実は、遊興にふけっている情けない義経にやとわれたくはな…
あらすじと見どころはこちらを読んでくださいね! munakatayoko.hatenablog.com 今回のレポです! 浜松屋店先の場 もうすぐ祝言を上げるというお嬢様が若党を従えて浜松屋にやってくる。が、実はだましてゆする算段。お嬢様ではなく盗人だ。うまくいったと思いきや、正体を見破られて居直ったあげくすごすごというシーンだ。 実はその正体を見破った玉島逸当も、五人男のリーダー、日本駄右衛門。浜松屋からの信用を得るために若党(南郷力丸)、娘(弁天小僧菊之助)ともいっしょに仕組んだ芝居であるわけなのだが…。 弁天小僧菊之助(八代目菊五郎) いやもう何回観ても粋で面白い!美しいお嬢様が正体を見…
以前、「今までで最高の『道成寺』。そしてこれからも最高を塗り替えてほしい」と書いたブログがこちら 2023年松竹座。 munakatayoko.hatenablog.com そして、今回の道成寺はまた塗り替えてくれた。脱帽。 三人道成寺ということで、他の時と一概に比較はできないのだけれど、今回の道成寺は未来永劫語り継がれるのではないかなと思っています。 まず、3人演じた人が、今この時でしかありえない組み合わせ。 六代目菊之助11歳。八代目尾上菊五郎47歳。坂東玉三郎75歳。この三人が一堂に会する奇跡。花子が3人。皆美しい。現実とは思えない。異界から来た人外のようだった。 例えば同じ昼の部の『勧…
昼の部 元禄花見踊 菅原伝授手習鑑から 車引 寺子屋 お祭り 夜の部 暫(しばらく) 口上 連獅子 芝浜革財布 上演スケジュール チケット金額、売り場 歌舞伎座アクセス 五月に引き続き、六月も襲名披露は続きます♪ 昼の部 元禄花見踊 歌舞伎っていささか季節感を無視するところがありますよね。6月に花見踊り?そういうものだと思って、6月なのにサクラが見られてよかった!程度に思ってください。 明治11年に東京新富座の開場式の時に初演されたそうですから、元禄の女、元禄の男などがとにかく華やか♪に踊ります。 当代きっての若手人気俳優、出雲阿国を尾上右近、恋人の名古屋山三を中村隼人です。 菅原伝授手習鑑か…
▲脇正面席 国立能楽堂で 能・狂言を観る(5月20日) 狂言は「布施無経」 能は「雲林院」 今回、人気の山本東次郎さんを観たくてこの日のチケットをとった。意気軒昂な東次郎さんであった。 住持(お坊さん)が読経をしにやってきた。が、相手がお布施を渡すのを忘れている。これは催促した方がよいのか、気づくようにいろいろと画策をするけれどもちっとも気づいてもらえない。それとも一度くらいもらわなくてよいのかと悩んだり、それが当たり前になっても困るし…という人間臭い坊さんを東次郎さんが演じており、とても楽しい。 一緒に行った友達は、ピアノの先生をしているので、やはり生徒が月謝を忘れているとどうしようかなと悩…
本日で、歌舞伎座の濃い1ヵ月が幕を閉じましたー。 私は昨日がマイ楽だったので、今日の千穐楽は行けませんでしたが、本当にすばらしいひと月でした。皆さんつつがなく終えられたことおめでとうございます。 今日の最後の演目『弁天娘女男白浪』では、菊之助くんがラストに出るサプライズがあったとのこと。 ああ!最後に七代目菊五郎、八代目菊五郎、六代目菊之助と並んだとはなんというサプライズ! いやもうすばらしい。 感想もおいおい書いていくけれど、襲名興行はさらに6月は歌舞伎座、7月は松竹座、10月御園座、12月京都南座来年6月福岡博多座 と続くわけなので。 菊之助くん。どうぞ頑張りすぎず最後まで頑張ってほしいで…
花形演芸会に行ってきました!(5月18日) 今回一番印象に残ったのが笑福亭生寿さんの「狐芝居」でした。 浅学にして、初めて聞いたのですが面白かった。あとでXで感想をつぶやいたら生寿さんが 「大阪でも演り手の少ない噺なので大事にかけております」と丁寧にお返事を書いてくれました。(嬉) 3月にさんざん歌舞伎座で『仮名手本忠臣蔵』を観たものだから、芝居ものとしてワクワク楽しめたこともある。また、初めて聞いたものだから、まったく先が読めず、武士なの?と思ったら町人、町人なの?とおもったら役者。役者なの?と思ったらなんと! というわけで、テンションが上がった。 尾上田螺という役者はお茶屋のおやじに別れを…
ああ!告知を忘れてました! 本日のNHK Eテレ「古典芸能への招待」は 4月に大阪国立文楽劇場で行われた「義経千本桜」文楽です!! 文楽の「義経千本桜」はこれまた文楽ならではの魅力がたっぷりなんです。 ぜひ、9時からEテレ見てくださいね。 アクロバティックな文楽です。 人形遣いも早替わりしちゃうし、圧巻のラストです。 人形の宙乗りは迫力なんですよ~~。 多幸感一杯のラストです。 こちらを読んでくださいね! munakatayoko.hatenablog.com 私はリアタイはできないけれど、録画予約はしてます! 皆さんどうぞお楽しみに!
5月11日(日)暑いくらいの晴天に恵まれたこの日、第13回「作者と劇評家のコトバで読み解く歌舞伎のセカイ~勧進帳」が神楽坂の赤城神社にて開催されました。 特徴的な3つのシーンでの見極めポイント ・山伏問答 ・打擲 ・判官御手 『勧進帳』は歌舞伎のスーパーフード ▲緑の濃い赤城神社です ▲受付では安宅関にまつわる展示も行われました。 ▲田中さんは大島に濃い緑の帯をキリリと。木ノ下さんは安宅関にかけて「ストップ」のブローチ笑 木ノ下裕一さん、田中綾乃さんの元気な登場に客席から拍手がわきます。 今回も歌舞伎の見方について、大きなヒントのもらえる回となりました。 歌舞伎の魅力にはいろいろありますが、そ…
昨日は、文楽を観てきた。 歌舞伎では「葛の葉子別れ」が時々上演されるけれども、なかなか通し上演はないので、今月の文楽はこの1部を選んだ。(2部は義経千本桜、3部は平家女御島~鬼界が島の段) 葛の葉子別れの段も十分ファンタジーだけれど、そこに加茂館の段、保名物狂の段、そして最後の信田森二人奴の段とついて、ますます話の筋がよく通り、十分ミステリアスファンタジーを楽しんだ。 歌舞伎の『葛の葉子別れ』はこちら! munakatayoko.hatenablog.com 加茂館の段は、陰謀渦巻く宮中で貶められる保名と、恋仲の榊の前! 哀れ、榊の前は自ら命を落とし、保名はショックで気が狂う。 文楽人形は、同…
昨日は、一幕見ツアーを開催しました。お客様は男女お二人でした。 あいにく集合時間には雨模様でしたが、一幕見を観て軽食をとった後は何とか雨も上がって周囲を一回りできたのでよかったです。 ゲストは歌舞伎を観るのは全く初めてのことでしたが、興味津々でいろいろと質問をいただき、私も楽しい時間を過ごすことができました。 4階に上がって、中に入った時の景色の良さに思わず出る「うわ~」という声。「かなり傾斜があって、まるでスポーツのスタジアムみたいですね!」と男性の方。確かにそうですね。 昨日観たのは『寿式三番叟』です。色とりどりの三番叟をどう感じたでしょうか。男性の方は「松也がとてもかっこいいですね!テレ…
能の『翁』と狂言の『三番叟』から派生した歌舞伎の三番叟。そこからさまざまなバージョンの三番叟が生まれています。今回の『寿式三番叟』は、その中でも特に祝祭、ご祝儀のときにかかります。今回は襲名というおめでたい節目の幕開けとしてピッタリのご祝儀曲です! 歌舞伎の演目の分類としては、能からきた「松羽目物」です。 文楽の『二人三番叟』は、一人が踊るときに一人がさぼるという愉快な演出ですが、歌舞伎では通常三番叟は一人。二人三番叟でやるときもあります。今回はめでたさも5倍ということなのかどうなのか、三番叟が5人出てくる五人三番叟! 2019年の幸四郎と松也の『二人三番叟』も大変迫力があり見ごたえがありまし…
今日は山種美術館に行ってきました。 時間があったのでどこか美術館に行きたい。でも混んでいるところはイヤ。 と思ってさがしていたのですが、 山種美術館で現在やっている企画展が「桜さくらSAKURA2025」。 3月8日からやっていて5月11日までです。3月ならいざ知らず、5月ではなんとなく「桜かあ~。もう時期、外れているよなあ」という気がしたのですが、 むしろ、すいているかもと思って行ってきました! 展示物が見えなかったり、押し合いへし合い観たいな状況もなく、ゆったりと観られてよかったです。 桜自体は嫌いではないですし。 春の宵のぽっかりと美しい月に映える高台寺の夜桜。(石田武 「春宵」 200…
歌舞伎座 5月初日に行ってきました! 歌舞伎座の5月は毎年「團菊祭」です。 「團菊祭」というのは、明治時代に活躍した九代目團十郎と五代目菊五郎の偉業を顕彰する公演です。いつも2階ロビーに飾られている九代目團十郎と五代目菊五郎の胸像がこの「團菊祭」のときだけは1階に移されているんですね。ちょっと写真を撮るのを失念しました。今度行ったら撮っておこう。今月はそれに加えて、八代目尾上菊五郎襲名披露六代目尾上菊之助襲名披露の興行もあり、大変華やかに盛り上がっています。 木挽町から歌舞伎座へ上がるエレベーター脇にも。 歌舞伎座前には人力車も登場! 特に、昼の部『勧進帳』で十三代目團十郎と八代目菊五郎が共演…
円塚山の場(まるづかやまのば) 『南総里見八犬伝』という長いお話の中の一場面で、上演時間は30分。この場面は仁義礼智忠信孝悌、一字ずつの珠を持つ八剣士の出会いを描くところで、だんまりのみ。 となると、正直言うと特に期待はしていなかったのですが、よかった。 夜の部の幕開きとして、よかったですね。 30分という短い時間の中でも、名刀村雨丸が次々と人の手に渡っていく様子を描く。 浜路が愛する犬塚信乃のために村雨丸を左母次郎から取り返そうとする。志半ばで息絶える。左母次郎が炎の中引きずり込まれていく。寂莫道人が手に入れるというのがスピーディーだし、わかりやすい。 そこへ次々と現れる剣士たち。今はまだ味…
今月は萬屋のおめでたい月。 それでは今月限りのお土産! なんて言われたら買わずばなるまいて。 お饅頭の左には鳳凰、右には萬屋の紋である桐蝶があしらわれていました。 お味は、中はこし餡の上品な味。後援会主催の「舞踊とランチの会」(2022年)でいただいた山田屋のお饅頭もこし餡の上品なタイプでしたから、萬屋さんこれ系がお好きなのかな。 とても美味しくいただきました。 おめでとうございます!
「お弁当の入ったビニール袋などは、座席の下にいれましょう」 歌舞伎座では、上演の前にスタッフが席を回り、携帯の電源をきること、写真や録音をしてはいけないことなどを声を出して、ボードを見せながら回ります。最近、「お弁当の入ったビニール袋などは、カサカサ音がして上演中は大変ほかの方への迷惑になりますので、座席の下などにいれておくようにしてください(大意)」とまで言ってます。座席の下に入れろとまで言ってくれてありがたや。前はそこまで言ってなかったような気がする~なんて感激していた先日のこと。 『妹背山婦女庭訓』が始まってからすぐにカサカサカサ。橘姫が出てきてもカサカサカサ。求女が出てきてもカサカサカ…
『上州土産百両首』は、2014年浅草で、2019年大阪松竹座で上演された作品です。牙次郎役は、2014年には巳之助でしたが、2019年も今回も菊之助です。 あらすじ 見どころ ★牙次郎のピュア精神 ★菊之助の牙次郎に思う ★人情味のある獅童正太郎 ★みぐるみ三次の憂鬱 あらすじ 牙次郎は、何をやってもドジだけれど心はとてもピュア。そしてピュアであるが故に正しいことは正しい、好きなものは好きと言える人。 幼馴染の牙次郎と正太郎。何年ぶりかで再会した二人は、喜んで抱き合ってしまうけれど、正太郎の現在のお仕事はスリ。ついつい仕事の癖がでてしまい、牙次郎の財布を掏ってしまう。。。 俺ってなんてひでえ奴…
初夏の新派祭に行って来た♪ 会場は三越劇場。雰囲気があっていいんですよねえ、ここ。ここは楽屋も狭いため、コロナ禍では全く使えず、もうこのまま三越劇場は使えなくなるのでは?なんて噂も聞いたことがあったけれど、また芝居が見られるようになってよかったよかった。 会場は大入りで、それもうれしかったな。 『蛍』 現代ではあまりなさそうなシチュエーションの話だけれど、新派の芝居らしい昭和初期の風情を楽しんだ。 とき役の河合雪之丞がますます美しい。セリフ回しなどに玉三郎の影響を多分に感じて、ここちよかった。たくさん教えられてきたのだろう。色気たっぷり、情感がこもる。 興味深かったのは、パンフレットにあった雪…
私は常々「歌舞伎はある程度予習しておいた方がいい」と言っているのですが、それは何も「原作を読んでおけ」とか「解釈をしておけ」とか「本は3冊読んでおけ」とか言っているわけではないのです。 今度見るのが、たとえば昼の部であれば、何をやるのか。 (1)それは昼の部全部を使って一つのお話をするのか(通し) (2)それとも、長いお話の中の一部分(見取り)と、別の長いお話の一部分と、まったく関係ない踊りなのか (3)長いお話の一部分であるなら、どの部分なのか くらいはわかっておいた方がいいよ。ということなんです。どうすればよいかといえば、当日チラシの裏を読むだけでもよいですよ! 通常の演劇であれば、当然一…
劇中口上 劇中口上というのは、襲名や初舞台の口上を、劇中に突然やること。劇の流れを完全にぶった切ることになるので、賛否はあります。(私は、キターって感じがするのでそんなに嫌いではありません) しかし、今回は夜の部の『山姥』はともかく、『妹背山』という芝居の緊張の中でやるのはいかがなものかなあと思っていましたが、特に世界観が壊れたという感じはしませんでした(私はね。賛否両論はあります)。 というのは、ちょうどお三輪ちゃんが御殿にはいって、ウロウロ迷って豆腐買いのおむらさんに、求女の居場所を聞くところがあるのですが、そこはちょっとしたチャリ場(笑わせ所)なんです。 求女の居場所を聞こうとしたのです…
妹背山婦女庭訓。とても長いお話です。今回は「三笠山御殿」の中でも姫もどりからのカットバージョンでした。 あらすじ いじめ官女 登場人物 曽我入鹿をやっつけるために必要なアイテムとは なんで鱶七はいきなりお三輪ちゃんを殺したの? 観劇感想 「三笠山御殿」の、詳しくはこちら。 munakatayoko.hatenablog.com 新・時蔵さんが『妹背山婦女庭訓』について語ったインタビューの中で、「不思議の国のアリスのように、異次元の世界に入り込んだお三輪」という表現をされていて、あ!それはすごくわかりやすいなと思いました。 なので、こんな風にあらすじを書いてみました。 あらすじ 恋しい彼 求女さ…
6月は、初代萬壽のお披露目、6代目中村時蔵、5代目中村梅枝の襲名興行と、小川陽喜改め中村陽喜と小川夏幹改め中村夏幹の初舞台があり、とても華やかで浮き立つような歌舞伎座です。その襲名興行・初舞台興行を彩るのが祝幕。 初舞台や襲名興行では新しい祝い幕が披露されてとても心がウキウキしますね。 やっと。まずは夜の部に行ってきました。 いつもの幕とは違う祝幕が披露されます。まずは初代萬壽、6代目中村時蔵、5代目中村梅枝の祝幕「紅白滝図」です。描いたのは日本画家の千住博氏。萬壽さんの小さい時からのお友達だそうです。 natalie.mu ナタリーの記事によれば、 千住氏は、祝幕の制作にあたり 「品格があっ…
めでたい6月が明けました。何がめでたいといって、中村時蔵一家の3代襲名があるからです。正確に言うと、萬壽は新しいお名前なので襲名ではないけれど、とにかくめでたいのだ。 中村時蔵改め萬壽、中村梅枝改め6代目中村時蔵 初舞台5代目中村梅枝 そして、初舞台中村陽喜、中村夏幹 まだちょっと新しい名前には慣れなくて、梅枝が時蔵?大晴クンが梅枝?えー!という感じですが、不思議とほどなくその名前にふさわしい器になっていくのですよねえ。 ではご紹介してきましょう。 昼の部 上州土産百両首(じょうしゅうみやげひゃくりょうくび) 義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)~時鳥花有里(ほととぎすはなあるさと) 妹背山婦…
本日、歌舞伎座の6月の初日です。おめでとうございます! つつがなく千穐楽まで公演が整いますように。 そして8月納涼歌舞伎の演目が発表されました。 詳しい演目紹介は後ほど書きますが、まずはこちらを。 8月の歌舞伎座は、例年3部制。18世勘三郎の声掛けで、初心者でも夏休みのお子さんでも親しみやすいような演目が組まれるようになりました。 ですので、みなさんもどうぞ納涼歌舞伎、楽しんでみてはいかがでしょう。 この中で私が観たことがあるのは『髪結新三』だけなのですが。 munakatayoko.hatenablog.com 新緑の季節に観たいですけれどねえ。カツオの美味しい時期に(;'∀') 真夏では、…
今月は、特に後半、仕事が忙しく、どうやらこうやら月末を迎えたがまだ終わらない。前半にかためて一応歌舞伎座昼の部、夜の部、文楽、能、最後にひょいっと落語には行ったが、感想はあまり書けていない。来月はもう少し余裕があるといいな。色々とニュースもあった。W菊五郎襲名の記者会見の様子などもう少しちゃんと書きたかった。歌舞伎役者さんは忙しい。 千穐楽から初日までの間が数日しかないので、その間に結婚式やら移動やら。 明日が博多座の初日とかで、昨日は舟乗り込みの華やかな写真、浴衣姿の歌舞伎役者さんたちの晴れやかな笑顔がX上にあふれた。私も恩恵にあずかる。團十郎さんは大阪で「にらみ」。米吉さんの結婚式も昨日、…
今日は、東京証券会館ホールに行ってきました。 私の好きな五街道雲助一門の「師弟四景」を聞くためです。 「師弟四景」は第9回とのことですが、私は初めてでした。 うーんとうなるほどどれも面白かった。 五街道雲助、隅田川馬石、桃月庵白酒、蜃気楼龍玉、全員好きですね。 何と前座の次のしょっぱなが雲助師匠。どうせ最後だろうなんて、のんびり最後に来た人は、雲助師匠のを聞きそこないますね。 雲助 早々と出てきて「家見舞」で、軽く場内を爆笑させる。 馬石 「居残り佐平次」調子のいい佐平次を小気味よく。 仲入り後 白酒 「替わり目」 これがもう、すみません。私にとってはツボで。亡くなった父を彷彿とさせるもんで、…
おめでとうございます! 本日発表になったうれしいニュース! 来年5月菊之助が #8代目菊五郎襲名。 #丑之助 が #6代目菊之助襲名。 現菊五郎である、通称親父様は、いったい何という名前になるのかと思ったら、 そのままだそうです。 なんだかさっすが親父様という感じ。 「いいじゃねえか。このままで」といったかどうかは知りませんけれど、なんだか親父様らしいなあと思ってしまいました。 【追記】 「52年間名乗り今更変える気はない。菊五郎のまま歌舞伎人生の幕を閉じたい」と語ったそうです。 www.oricon.co.jp つまり、7代目と8代目が同時に存在することに。 とてもめでたいですね。 会見のと…
20日より休演をしていた中村歌六、千穐楽に復帰されました。よかったです。 歌舞伎の世界には、「3日御定法」というおきてがあります。 休演になったときには、1日たって休演の理由がなくなったとしても(たとえば熱が下がったとか)3日間は代役に役を譲り、出られないというものです。 代役をしている人は、3日間は絶対にそのお役を勤めます。 歌六の場合、20日より休演でしたので、22日までは絶対に代役の芝のぶ(『四千両』では彌十郎が代役となりました)が八汐を演じるとわかっていました。 私は今月は忙しくて初日以来歌舞伎座に行けなかったのですが、22日は何と取材先が歌舞伎座の裏というありがたいお引き合わせ。しか…
本日、NHKEテレ「古典芸能への招待」で今年2月に上演された「籠釣瓶花街酔醒」が放映されます!9:00~11:00 munakatayoko.hatenablog.com ドラマとしてもよくできていますし、今回の中村屋の籠釣瓶がまたよかったのですよねえ。狂気に満ちた勘九郎の次郎左衛門、今をときめく女方の七之助が八ツ橋。 仁左衛門の栄之丞という夢のタッグ。これは2度とないかもー。 歌六と時蔵も出てるう~。 そして、花魁道中で最初にでてくる七越が今話題の芝のぶです。 美しさに酔ってください。狂気に震えてください。鯔背な姿に唸ってください。
本日は、一幕見ツアーを開催しました!天気予報は雨とのことでしたが、なんとか降らずにいてくれてありがたや。長靴と長傘という重装備もうれしい無駄となりました。 今月は『毛抜』の一幕見が一番人気。人気作品を選んでしまうと前日のチケットをゲストさんの分も私が買うので、めっちゃ緊張します。ネットでは昨日の時点で完売でしたが、今日朝の時点では当日券ありました。けれど早々に売り切れたようです。 ▲朝10時半 今日は、10時半に集合でしたのでちょうど歌舞伎座開場の時間とぶつかり、人の多さにゲストさんも目を白黒させて驚いていました。ほんと、すごい人ですよね、でもコロナのときはこれがなくて、とても寂しかったんです…
團菊祭も佳境に入っていますが、心配なニュースが飛び込んできました。 歌六さん体調不良により休演とのこと。 大した事ないといいのですが、やはり年齢もあり、若い人とは回復力も違うので心配です。 先月は『夏祭』で三婦を熱演。今月は『伽羅先代萩』で八汐。来月は来月で時蔵襲名で昼の部二役、夜の部一役と大活躍の予定。 くれぐれもお大事になさってください! そして今月八汐の代役が、な、なんと!芝のぶとの発表があり、本日の歌舞伎座では場内がざわついたとか! すでにその実力は折り紙付きですが、一般家庭、研修生の出身でこの大役はちょっと驚きです!けれども、急な抜擢にも期待に応え、本日素晴らしい出来だったようで、S…
携帯が鳴る。芝居の途中で携帯が鳴る。 それはもう何度も事前にスタッフが言ってもだめ。 観客も現実に引き戻されちゃうし、なにより生の舞台では演者の集中力もぷっつり切れる。だから何としても携帯は事前に電源オフにするべきというのは、だれしも口を酸っぱくして言っているのだけれど。 鳴る。それでも鳴る。歌舞伎座でも、電源を切らずにバッグにしまう方をよく見かけます。 「どうやらお年寄りは電源の切り方を知らないらしい」とか「パスワードを聞かれると自分でパスワードがわからないらしい」とかいう情報は知っていたのだけれど、なんとそれが可視化されたという記事を見ました。 それはこちら。 https://mugepl…
今日は、幕見で「毛抜」を観てきました。 20日に一幕見ツアーをしますので、その下見です。 チケットは昨日のうち取っておきましたが、12時過ぎに現地に行ってみると当日の自由席チケットはすでに売り切れでした。でもネットではまだ2席ほどありましたよ。 本日の12時ころの状況はこちら。 しかし、『毛抜』人気ですね♪ 4階に上がってみると、外国人がいつもに増して多い感じ。前に座っていた外国人の3人連れは、始まる前からワクワクが止まらないといった雰囲気でした。でもイヤホンガイドもなくオペラグラスもなく、どれほど分かったのかなあ?楽しんでもらえたらいいけれど。鳴り物が鳴ると、足で拍子をとっていたので、音楽は…