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2022/06/11

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  • 島唄(5)出会い

      その年の五月連休三日目の昼下がり、秋一はJR上野駅公園口から公園内と進んだ。小学生の頃、島の幼馴染正人の家族と自分の家族とで夏休みに上野動物公園に来たこと…

  • 島唄(4)デビュー

      その年の聖母月、連休の初日に、秋一は勉強机の右脇に設置した黒いプッシュフォン電話を朝からじっと見つめていた。昼過ぎ、最近調べた近場の区立図書館へ行こうかと…

  • 島唄(3)無声呼人

      東京生活において頼りにしていた義人が忽然と自分の前から姿を消してしまったことについて、しばらく秋一は呆然としつつも今後のキャンパス生活について緻密な計画を…

  • 島唄(2)消息不明

      ピン、ポーン。ピン。ポーン。  ベルの音は意外と高音響で、しばらくして、ドアチェーンが付いたまま扉が半開きした。  どなたっ?  半開きの扉から外を覗くよ…

  • 第二部 島唄(1)東京

      「まあ、そんな感じ。東京生活での憧れとか、将来のビジョンを見据えてとかそういうわけじゃなくてね。最初はその桜井義人さんを追って上京してきたというのが本心か…

  • 島唄(最終話)上京、燃える火で待つあの人を

      四月以降、東京の義人からは二週間に一度手紙が届いた。当時はまだワープロさえも一般普及していなかったので便箋にはぎっしりと達筆な手書き文字が躍っており、毎回…

  • 島唄(21)別れの海

      三月三十一日の月曜日午後三時、秋一は彼女である直美を連れて自転車で八丈島簡易裁判所の狭い駐車場から二人ガラス戸の向こうに見える執務室を覗いていた。  背広…

  • 島唄(20)最後の春休み

      卒業式も義人との島における最後の晩餐会も終わり、秋一は半ば放心状態のような気持で自宅の勉強部屋に横になってはラジオから流れる洋楽を聴いていた。とりあえず浪…

  • 島唄(19)君こそわが命

      約束の日曜日、三月二十三日の二人だけのお別れパーティーまでの期間、秋一は毎晩公衆電話で義人の官舎まで電話をかけ続け今後のことについて話し合った。  義人が…

  • 島唄(18)衝撃的事件

      一年間は早かった。いつの間にか夏は思い出の色に変わり、秋が過ぎ冬が来て正月明けの時節となった。東京での大学受験日程が近づいていたが、正直、秋一は自信がなか…

  • 島唄(17)夢芝居

      半月後、高校生活最後の夏休みがやってきた。義人とは深夜公衆電話を通じて頻繁に話してはいたが、彼女ができたことはなんとなく電話で伝えることに抵抗を感じ、直接…

  • 島唄(16)彼女

      学生数に比し校舎も校庭も広大に過ぎるのが、秋一たちが通う高校の第一の特徴であった。そして、全学年で三クラスしかないのだから、普通の高校に比し各学年間の敷居…

  • 島唄(15)才能

      秋一が囲碁を父親の三郎から教わったのは小学校四年生の冬休みであった。  父三郎は祖父の代から続く主に釣り人を相手にした旅館の経営者であり、生粋の島民であっ…

  • 島唄(14)再会

      やはり、義人が言うように、秋一の学力は、やっと東京の進学校の一年生になった程度のものであったが、それでも僅か半年間でそこまで押し上げたのは立派だった。そも…

  • 島唄(13)獣医

      暖かい春風が素肌を撫でる。通りの桜並木も殆ど散り際の勇美を示し、路上の花筵が宴の名残惜しさを表現していた。  高校三年生になった秋一は、書籍の詰まったスポ…

  • 島唄(12)恋愛裁判、法と文学の交錯

      「進学の方はね、まあギリギリ受験生の体を整えたという感じかな。確かにアキくんは本当に頭いいけど、島の高校は進学校じゃないからね。これからも相当頑張らないと…

  • 島唄(11)神

      春の訪れを告げる時期、高校は桜の開花時期を挟んで休暇期間中であり、日曜日だといってもさほどのありがたみは感じなかった。秋一の脳裏には、昨夜義人との最後の学…

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