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月の爪痕 http://kurenai75.blog11.fc2.com/

「月の爪痕」は紅(くれない)が書いたオリジナルBL小説を掲載しているブログです。

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2022/05/07

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  • Calling Section4-4

    翌日の夕方、相馬は猫塚アランがCEOを務める警備保障会社「Michis Security Service」本社ビルにいた。 入口を抜け、受付で名乗ろうとしたところで名前を呼ばれる。 見ると、そこにはハッとするような濃い青の瞳の女性が立っていた。 一見しただけで仕立ての良さが分かるシンプルな黒いスーツ、それとは対象的に立体的なレースが幾重にも重なり合った華やかな白いブラウスを身に着け、金色の髪を複雑な形に結い上げている。 ...

  • Calling Section4-3

    相馬と薫の関係は今や仕事とプライヴェート、それぞれに亘る感情が複雑に絡み合っており、捜査に直接関係のない場で薫に関してどういう反応を示せば良いのか測りかねていた相馬は、特に返事をしなかった。 だが宮田の一連の推測は、大筋で間違っていないだろうと思った。 相馬が担当であることと薫が警察の仕事を受けていることの因果関係はともかく、薫という人間が自身の力を崇め奉られて喜ぶ人間でないことは確かだ。 それ...

  • Calling Section4-2

    佐谷戸の不吉な予言により重苦しい気分を抱いたまま警視庁捜査一課管理官・宮田の執務室に入室した相馬は、宮田の話を聞いた後たっぷり数分間、無言で立ち尽くしていた。 どのくらいの時間が経過しただろうか ―― よく分からなくなった頃、いつまでも向かい合って沈黙を分け合っているわけにはいかないと考えたのであろう宮田が口を開く。「“冗談じゃありません”とか、今回は言わないのか」 しかしそれでも、相馬は黙っていた。...

  • Calling Section4-1

    「ほんっとぉぉおーーーーに、格好いいんですよ。惚れ惚れしちゃいましたよ、いいなぁー、羨ましいなぁー、あれが自分のだったら、俺、もう毎日撫で回して、愛でまくります。いや、いっそ住みますね、間違いない!」 ここ2ヶ月ほど、大きな事件はないものの細々とした事件が立て続けに起こり、文字通り関東各所を駆け回っていた相馬班である。 その日は久々に班員が一堂に会することが出来、約束の時間より少し遅れて部屋に入っ...

  • Calling Section3-27

    「そもそもさ。俺があんたを怖がったり怯えたりする意味って、あるのか?」 と、相馬は訊いた。 意味が分からないという風に、薫は微かに眉根を寄せる。「以前、猫塚レオンに説明されたんだよ、“薫は会う人の思考を手当たり次第に読んでいるわけではない”、自分の命に関わる可能性があることを無防備に、日常的にやってるわけが無いですよね?”、“そのことをしっかり理解してもらわないと困る”ってな。あんたも一貫して、“分から...

  • Calling Section3-26

    ごうごうという血流の音以外を鼓膜が聞き取れるようになった頃、柱に押さえ込まれていた薫の身体がずるずると床に向かって落ち始める。 相馬は慌てて薫の足を掴んでいた手を外し、その身体を支えてまっすぐ立たせようとした。 が、薫の両足はまだその体重を支えられるほど復活しておらず、柱に沿うようにずるずると床に座り込んでいってしまい、相馬もそれを止められない。 そもそも相馬自身、ようやくまともに立てるようにな...

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