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月の爪痕 http://kurenai75.blog11.fc2.com/

「月の爪痕」は紅(くれない)が書いたオリジナルBL小説を掲載しているブログです。

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2022/05/07

1件〜100件

  • Calling Section1-9

    「刑事部長は未だに、あいつは元々何か知っていたに違いないって言ってるよ」 ライターの金属が擦れ合う音と共に、田沼は小さく笑った。「けどな、そういう可能性がないように、捜索願が出されてから何年か経っているものを ―― 少し古くて情報がすぐに集め辛いであろう捜索願を引っ張り出したんだ。 刑事部長は事前に調べていたんだろうとか往生際の悪いことを言うが、そもそも神無月薫は東京生まれの東京育ちで、5歳の時に渡米...

  • Calling Section1-8

     あれは2年前の夏だった、と田沼は語りだす。 ある日、刑事部長に呼び出されて、言われたんだ ―― 来週、関空にアメリカから客人がくる。 CIAの超能力研究チームに所属していた22歳の男性で、CIA内部で起きたトラブルのため、日本に帰国することになった。 このままにしておくには勿体ない特殊能力を持つ人物なので、日本の警察で使ってみて欲しい ―― という要請が、CIA上層部から日本警察にあったのだ、と。 相馬が最初に『超...

  • Calling Section1-7

     非番のその日、相馬は軽井沢にいた。 ここ半年ほど無休状態で働いていた相馬は、宮田監理官の命令で半ば強引に1週間、休暇を取らされていたのだ。 最初の2日間は、ひたすら寝ていた。 流石に3日目になると寝るのにも飽きてきたので、何をしようかと色々考えて、悩んだ末 ―― 結局、まず足が向いたのは軽井沢だった。 今回の事件で被害者の子供たちが遺棄された別荘は軽井沢といっても群馬に近い場所に位置しており、いわゆる...

  • Calling Section1-6

     事件はその後2週間ほどで解決したが、その2週間は正に、驚きに次ぐ驚きの連続だった。 そしてその驚きはやがて相馬に、恐怖にも似た感覚を与えた。 そう、事件の要所要所で、神無月薫が言ったことがぴたりぴたりとはまって行くのだ。■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ 事件の始まりは、とある匿名掲示板だった。 10年ほど前、その掲示板の家庭や育児に関する相談スレッドに、ひとつの書き込みがされた ―― 妻が妊娠した。ずっと不妊治療を...

  • Calling Section1-5

     その日神無月薫が最後に外した手袋を元通りに左手にはめ直したのは、夜11時に近い時刻だった。 最初の家で口を開いて以降、神無月薫は相馬や箕輪が話しかけても一切答えなかった。 時間が経つにつれ、なんだか神無月薫の顔色がどんどん青ざめてゆく気がして、相馬は一度「おい、大丈夫か?」と尋ねてみた。 が、それにも神無月薫何の反応も見せなかった。 そのため、こいつは今日はもう話すつもりはないのだろうか?と思って...

  • Calling Section1-4

    「・・・『外れ』?」、不思議そうに、神無月薫は首を傾げる、「何の話ですか?」「何の話ですかって、他の何でもない、義父の話だよ。誘拐された子供の祖父、つまり女親と男親、どちら側の義父を指していたとしても、双方既に鬼籍に入っている。 あんたが誰の『義父』のことを話しているのかは知らないが、とんだ見込み違いに他ならな ―――― 」「ああ、なるほど。すみません」 立て板に水の態で話していた相馬の言葉を遮り、神無...

  • Calling Section1-3

     室内に入った神無月薫は、それまで前で組んでいた手を後ろに回し、手袋をしたままの両手の指を絡み合わせるようにしながら、じれったいほどにゆっくりとした足取りでマンションの各部屋を回っていった。 相馬が最初に宮田管理官に言っていたような水晶玉を出してくることも、あちこちに手を翳してみせるようなこともしない。 神無月薫はただただゆっくりと、まるで深い渓谷に渡されたロープで綱渡りをしているようなどこか慎重...

  • Calling Section1-2

    「はぁ?約束?絶対厳守? ―― あのなぁ、ふざけてんじゃねぇぞ。こちとら仕事をしてるんであって、遊んでるんじゃねぇんだ。一体どこから目線でそんな偉そうなこと・・・」「捜査一課長。刑事部長。警視総監」 反射的にキレかかった相馬の隣で、箕輪が低く小さく、唱えるように呟いた。 そう、宮田管理官にこの件を頭だしされた後、相馬は捜査一課長と刑事部長からも呼び出されていたのだ。 そこで聞かされたのは、実はこの「超...

  • Calling Section1-1

    「冗談じゃありませんよ」 と、相馬慶一郎(そうま・けいいちろう)は言った。「もちろん冗談などではない」 と、宮田智史(みやた・さとし)は言った。 霞ヶ関にある警視庁本部庁舎の一室。 相馬は警視庁捜査一課管理官である宮田と睨み合っていた。 遠巻きにその様子を伺う刑事たちの視線には「相馬主任、またやってるよ」というのをベースに、「まぁ今回のは流石に酷い話だよなぁ」「確かにちょっとなに言ってるのか分かりませ...

  • LOVE JUNKIES Section2-28

    「・・・は・・・?・・・こたえ・・・?」 茫とした声で、慎之介は訊きかえす。 数瞬の間、憲吾がなにを言っているのかさっぱり分からなかった慎之介であった。 だがやがて思い出す ―― 数ヶ月前、真夜中に昭一郎の家を訪ねていった時のことを。 あくる朝、麗に呼ばれてやってきた憲吾に、いままで誰にも打ち明けたことのなかった感情を全てぶちまけた。 いいとしをして情けないとは思うけれど、両親に蔑ろにされるたび自分の...

  • LOVE JUNKIES Section2-27

     数秒の間、黙って慎之介を眺めていた憲吾はやがて静かにきびすを返し、メイン・ルーム脇に据えられたキャビネットへ向かった。 そして上に置かれた電気ケトルに水が入っているのを確かめてからスイッチを入れ、沸かしたお湯で作ったコーヒーの片方を慎之介に渡す。 無言で渡されたマグカップをやはり無言で受け取った慎之介は、コーヒーをひとくち飲み、「・・・まずい」 と、言って顔を歪めた。 予想通りの反応に、憲吾は苦...

  • LOVE JUNKIES Section2-26

     披露宴が終わり、殊勝にも親族に挨拶に行ってくると言う慎之介と憲吾はいったん別れた。 その憲吾に近づいてきたゼットが、「タカナシさん、慎之介待ちなら、ちょっと一杯つきあわない?」 と、声をかけてきた。 何か話がありそうな雰囲気だったので頷いた憲吾だったが、驚いたことにゼットだけでなく他のメンバーもついてきた。 これまでゼット以外のembo-rhythmのメンバーとは顔見知り程度のつきあいしかなく、今日もゼッ...

  • LOVE JUNKIES Section2-25

     慎之介はその後無言のまま、水ででもあるかのように淡々とスコッチを飲み続けた。 きちんとしたフランス料理がフルコースで出されていたが、今日ばかりは憲吾も食べるようには言わなかったし、慎之介に至ってはそんなものは出てきていないかのように振る舞っていた。 司会者がembo-rhythmを紹介しだしたのは2回に分けられた余興の最後で、結局それまでに慎之介はスコッチをトリプルで5杯 ―― 最初のダブルは抜きで ―― 飲んでい...

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