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骨董商Kの放浪 https://kottousho.hatenablog.com/

大学卒業後1年もたたずに退社し、その後骨董商をめざす主人公Kが、美しくそして妖しげな骨董品をとおして、それに関わるさまざまな個性的な収集家、同業者などの人たちと織りなす創作小説。魅惑的な骨董品を巡る群像劇をお楽しみください。

立石コウキ
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2022/03/17

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  • 骨董商Kの放浪(35)

    宋丸さんは自分の手帳を取り出すとテーブルの上に置き、Reiに渡されたメモ用紙に書き込みを始めた。「ほら」と渡された紙には、なにやら電話番号が書かれている。「こちらに電話したらよいのですか?」「ああ。それが会社の秘書室の番号だ。宋丸の紹介といえば、すぐに室長に取り次いでくれる。それで日程を調整してもらって、行って来いよ」「ここの会社の社長さんですか?」「今は、会長職になってるんだろう。とにかく、その方に会ってご覧に入れたら喜ぶだろう」そう言って宋丸さんはカカカと笑ったが、まったく先の読めない話に、ぼくは口を半分開けたまま「はあ」とうなずくしかなかった。 先週は気温が20度近くになった日があったた…

  • 骨董商Kの放浪(34)

    それは久しぶりに聞くReiの声だった。僕は才介から遠ざかりながら、「どうしたの?」「今、東京ですか?」「いや、実は九州に来ていて」「ごめんなさい。出張中に」「ああ、大丈夫」「じゃあ、手短に話すわ。宋丸さんが話あるみたいで、K君を呼んでくれって。いきなり」「なんだろう?」「まあ、いつも思い出したように突然言うから。ただそれだけで何の話しかはわからなくて」何となくそのときの様子が目に浮かんだ。「わかった。今日中に東京戻るから、また連絡するよ」「ありがとう。お仕事頑張ってくださいね」Reiはそう言って電話を切った。僕が才介の方へ戻りかけたとき再び電話が鳴った。今度は犬山からであった。「どうだった?」…

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