私は中学生です:鹿島孝二 1949年(昭24)11月~1951年(昭26)1月、雑誌「少女世界」連載。 1953年(昭28)宝文館刊。 ユーモア作家鹿島孝二(1905~1986)は終戦直後40代を迎え、精力的に作品を量産し出した。この「少女世界」には創刊時から続けざまに長編、特に少女向けの学園物を3つ連載している。これはその2作目で、湘南地方の茅ヶ崎市と思われる小都市の中学校が舞台。タイトルが仰々しいのだが、当時にしてみれば、戦後の義務教育の六三制が始まって間もない頃であり、戦前の旧制中学は男子のみだったことを考えると、新制中学の男女共学が目新しいことだったことがわかる。 私は中学生です:鹿島…