魔法少年:大下宇陀児 1939年(昭14)興亜書房刊、初版。 1941年(昭16)興亜書房刊、25版。 戦中期の少年少女向け探偵冒険小説集。特に短篇の方は少女たちが主人公のものが多く、恐らく少女雑誌に掲載されたものと思われる。初版後2年間で25版を重ねており、よほどの人気があったと思われる。表題作の中篇「魔法少年」の他に「奇妙な土産」、「光栄の柩」、「消える少女」などの短篇6篇を併収。 魔法少年:大下宇陀児、晴山英多・画 「魔法少年」では、孤児の春夫少年が大道芸で催眠術を実演している。彼が売上金を奪われてケガをするのを見ていた芳子は、その手当のために家に連れて行き、両親に頼んで寄宿させることに…