無惨卜伝流:南條範夫 1959年(昭34)1月~6月、雑誌「小説倶楽部」連載。 1959年(昭34)新潮社刊。 剣聖塚原卜伝が生み出した新当流についてはその教えを受け継いだ門人たちが分派として広がり、毎年鹿島神宮に集って武芸大会を開くのが盛んに行われていた。しかし卜伝の直系の嗣子は不思議なことに代々女性しか生まれず、婿入りすることで嫡統を名乗ることができた。そのためには大会で優勝する事が条件とされ、その年は六人の剣士が名前に上っていた。 無惨卜伝流:南條範夫、御正伸・画1 いつの世にも狡猾な姦計を画策する者がいるもので、その中から一人ずつが次々と殺害され消えていく。あるいはその濡れ衣をその家名…