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2022/01/09

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  • 『園丁』ラドヤード・キプリング 感想

    こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 キプリングはその短篇の多くにおいて超自然的なものに接近しているが、それはポーの短篇とはちがって、徐々に明らかになるといった底のものである。本巻のために選んだ短篇のうちで、おそらく私がいちばん心を動かされるのは『園丁』である。その特徴のひとつは作中で奇跡が起こることにある。主人公はそのことを知らないが、読者は知っている。状況はすべてリアリスティックなのに、語られる話はそうではないのだ。 J・L・ボルヘス「序文」より 英国領インド帝国のボンベイで生まれたラドヤード・キプリング(1865-1936)は、幼年期をその地で過ごし、根底的な人間としての価…

  • 『パルプ』チャールズ・ブコウスキー 感想

    こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 バーと競馬場に入りびたり、ろくに仕事もしない史上最低の私立探偵ニック・ビレーンのもとに、死んだはずの作家セリーヌを探してくれという依頼が来る。早速調査に乗り出すビレーンだが、それを皮切りに、いくつもの奇妙な事件に巻き込まれていく。死神、浮気妻、宇宙人等が入り乱れ、物語は佳境に突入する。 チャールズ・ブコウスキー(1920-1994)は、ワイマール共和政時代のドイツで生まれました。父親はドイツ系アメリカ人で、第一次世界大戦争でアメリカ占領軍に従軍し、兵役を終えてからもドイツに留まっていました。父親は戦後復興を需要とした建設請負業者となって、戦後…

  • 『蟹工船』小林多喜二 感想

    こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 秋田で貧しい小作農を営んでいた両親のもとで、小林多喜二(1903-1933)は生まれました。伯父が小樽で工場などの事業を成功させると、彼が苦労を掛けていた多喜二の両親に安定した生活を提供するために小樽へと招きます。移り住んだ四歳の多喜二は、伯父の工場に勤めながら商業学校へと進みます。この頃に志賀直哉の作品に触れて耽溺し、彼の持つ文芸性を大きく刺激して、多喜二は積極的に自ら執筆を行っていきます。傾倒していた志賀直哉の影響を受けながら、労働運動を含めたプロレタリア文学の思想が、多喜二のなかで心の中心を占め始めます。 1925年に結成された「日本プ…

  • 『蜘蛛女のキス』マヌエル・プイグ 感想

    こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 アルゼンチン国土の中心部、パンパの広がるブエノスアイレス州のヘネラル・ビジェガスという地で、作家マヌエル・プイグ(1932-1990)は生まれ育ちました。裕福ではありませんが中流階級に生まれた彼は、母親の趣味に合わせて幼少期から映画館へ足を運ぶようになります。わずか三歳にして映像のなかに見える「美」に目覚め、美しく着飾った銀幕の女優に憧れを持つようになります。この憧れは彼の持っていた性的なアイデンティティを強く刺激して、同一的な「女性性」を追い求めるようになりました。母親のナイトガウンを羽織って自分を美しく見せようとする試みは、父親から激しい…

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