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2021/10/07

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  • ナスカの地上絵

    熱気球、これはフランスのモンゴルフィエ兄弟が発明し、1783年に有人飛行を成功させている。世界史上初のことらしい。しかし、これはあくまでも西洋人が言う世界初だ。人類の歴史は200万年前から始まったらしいが、モンゴルフィエ兄弟が熱気球を発明するまでの199万9700年の間、人は空を飛ばずにボーッと生きていたのだろうか?文献に何も記されてない西洋や東洋の人はボーッとしていたのかもしれない。だが、文献の残っていない北米や南米あたりの人はどうだったのだろうか?マヤやインカの高度な文明を生んだ人々だ。熱気球の発明や、それを利用して有人飛行するくらい、屁でもなかったのかもしれない。西暦0年頃、ナスカバルーンフェスタ大会本部にて「今年も集まりが悪いなあ。年々集まりが悪くなってるじゃないか」「この間、アンケートをとったん...ナスカの地上絵

  • 前世の妹

    その女性と初めて会った時から何か以前から知っていたような気がしていた。彼女はぼくに妙なことを言ってきたがぼくはなぜかそれを理解していた。彼女は色々とぼくを頼ってきていたし、ぼくは色々と彼女に世話を焼いていた。飲みに行くのもいっしょだったし何度かドライブにも行った。かといって、お互いに恋愛の対象としては見ていなかった。周りから見てもそれが自然だったようで、別に噂になるようなことはなかったし恋人関係にあった今の嫁さんも自然に受けとめていた。彼女が結婚した後も、ぼくが結婚してからも彼女は以前と同じようにぼくに頼ってきているしぼくも相変わらず彼女に世話を焼いている。近頃、何となくだが思うようになった。彼女とは前世に兄妹だったのかもしれない、と。お互いの接し方は間違いなく兄妹のそれだしぼくの嫁さんも彼女の娘もそう思...前世の妹

  • 0120

    ハゲや白髪に0120デブやメタボに0120シワや肌荒れ0120肩こり腰痛0120膝の痛みに0120関節炎にも0120頻尿尿漏れ0120歯磨き歯ブラシ0120安眠枕も0120万能薬です0120テレビ買うのも0120高枝切りバサミも0120便利なハンガー0120雑巾買うのも0120レギンスだって0120しょせん股引0120お金儲けに0120勧誘電話に0120迷惑電話も0120持ってけドロボー01200120

  • 寝不足の害

    何か気の利いたことを書いてやろうと、眠い目をこすって無理に起きているから、生活のリズムが狂うのだと思う。別にこれで商売しているわけでもないのだし、「書けないときは、書かなくてもいいや」くらいの軽い気持ちでやらないとダメだ。流されたら、とことん起きてしまう。先日は寝たのが5時だった。今日は早くから起きている。寝不足になると、目の奥が痛くなったり、小便の出が悪くなったりする。おまけに霊が襲ってきやがる。そういうこの世のものでない奴らと長い時間闘わなければならないから、さらに寝る時間がなくなってしまう。霊が何を何を求めているのかは知っている。ぼくを追い出して、この体を乗っとろうとしているのだ。乗っ取られてしまうとどうなるのかというと、その霊の思うがままの行動を取るようになる。もしそれが悪霊だったら、頂き女子のよ...寝不足の害

  • 寄せ書きが苦手だ

    二十代の頃、よくぼくは人の結婚式に呼ばれていた。披露宴もたけなわになってくると、必ずぼくの元に回ってくるものがあった。それは寄せ書きである。ぼくのところに回ってくる頃には、かなり多くの人が書き込んでいる。ひとつひとつ読んでみると、よくまあ、こんな気の利いたことが書けるものだ、と感心したものだ。そこで、ぼくも何か気の利いたことをと思うのだが、それが出来ない。かなり酔いも回っている、ということは言い訳にならない。書ける人には書けるのだ。現にそこに書いている内容は、どれも素晴らしいものばかりだ。二人の門出を祝っているものもあれば、心強い人生訓などもある。よしぼくも一つ、と気ばかりが焦ってくる。いろいろ考えていると、周りから「おい、まだか?」と声がかかる。「ちょっと待って。今考え中」しかし答えは出てこない。「しか...寄せ書きが苦手だ

  • ためいき(再録)

    ためいきさりげないためいきやめて今日から真面目にやっていくんだ昨日吐いたあの言葉に嘘や偽りはないんだからそしていつか見返してやるんだあいつも、あいつも、みんなまとめてあの日のぼくは正しかったんだとそれがぼくの人生だったともう振り返らない風は追い風だ尽きることはないもしもつまずくことがあったとしても明日のための布石なんだ疲れたふりなんかやめて今日から素直に生きていくんだほら明日が笑っているよその日の自分が手招きしているもう振り返らない風は追い風だ尽きることはないもしもつまずくことがあったとしても明日のための布石なんださりげないためいきやめて今日から真面目にやっていくんだ昨日吐いたあの言葉に嘘や偽りはないんだから1,48歳の時、ぼくの所属していた部署が閉鎖になった。ぼくは専門職で雇われていたため、つぶしが効か...ためいき(再録)

  • 謎の物体

    (1)車を運転している時、よく大型トレーラーを見かけるのだが、そこに乗っている荷物を見て、「いったい、あれは何に使うんだろうか?」などと思ってしまうことがある。昨日横を走っていたトレーラーに乗っていたのは、ドラム缶を10本くらい繋げたような鉄管だった。まさか煙突になるわけでもないだろうし、一体何に使うものなのだろうかと首をひねってしまった。鉄管といえば、かつてぼくの前を走っていたトレーラーに乗っていた鉄管を見て度肝を抜かれたことがある。その径が相撲の土俵大ほどあるのだ。それがどうもグラグラしているような気がする。時折「ドンドン」という音までする。後ろを走りながら生きた心地がしなかったのを覚えているのだが、その土俵大の鉄管は何に使うものなのだろうか。(2)十数年前、かつて北九州にあったスペースワールドの横を...謎の物体

  • カラスの話

    ゴミ出し日になると、いつもやってくる迷惑な動物がいる。そう、カラスである。ぼくが出勤する時、いつもゴミ収集所の周りに彼らはたむろして、「カーカー」言っている。「汚い」「迷惑だ」「うるさい」「気味が悪い」「危ない」「凶暴だ」「意地が悪い」「不吉だ」彼らを評する町の声である。確かにその通りだ。ゴミの件を別にしても、車の前を平気で横切ったりするので、迷惑だし、危ないし、また不吉でもある。だが、ぼくは個人的に、それほどカラスを嫌ってはいない。どちらかというと、親近感を抱いている。それは、学生時代に隣のおじさんがカラスを飼っていたことに起因する。まあ、飼っていたというか、羽をケガしていたカラスをどこからか拾ってきて、ケガが治るまで保護していたと言ったほうが正しいだろう。そのカラス、拾われてきた当初は人間に警戒心を抱...カラスの話

  • 龍の夢

    十九歳の頃、龍の夢を見たことがある。庭に檜が植えてあったのだが、それが突然龍に変わり家の中に飛込んできた。ぼくは家の中に横たわる龍のうろこの何枚かをはぎ取って、食べたのだった。龍の夢を見るとすごくいいことがあると言われているが、それから数年間はあまりいいことがなかった。とはいえ龍を見たから、きっといいことがあるという夢は見ることが出来たのだった。龍の夢

  • 高級車に乗る人

    昔は、高級車と言えば、乱暴でマナーの悪い人が乗る車だと思っていた。ウィンカーも出さずに割り込んだり、フラフラと蛇行して走ったり、車線を半端なくはみ出したり、もう、傍若無人の振る舞いなのだ。きっと性格的に難のある人か、社会的に難のある人が、運転しているのだろうと思っていた。ところが最近、それが間違いだったと気づいた。彼らは性格的に難があるのではない。どちらかというと、普通の人が多いということがわかったのだ。では、どこに難があるのかというと、運転能力にあるのだ。つまり、運転が下手くそだということだ。車をうまく操れないから、焦って無茶苦茶な運転になってしまう。それが傍若無人な振る舞いに見えるわけだ。ね、焦らないで、ゆっくり運転しましょうや。高級車に乗る人

  • 冷え

    「手当て」という言葉がある。もちろん治療の意味だ。以前読んだ何かの本に、「昔は病気を治療するのに、本当に手を当てていた」と書いてあった。ということは、昔は温熱療法をやっていたということである。癌治療の一つとして、温熱療法が行われていると聞いたことがあるが、昔の人は本能的に、温熱療法が有効なことを知っていたのだろう。それを知って以来、ぼくは腹が痛くなったりすると、すぐに「手当て」をするようになった。なるほど、不思議と痛みは和らぐものだ。そのうち、痛かったことまで忘れてしまっているから、きっとそれで完治したのだろう。ところで、ぼくはこの「手当て」を始めてから、あることに気がついた。手で押さえた部分、つまり痛いところが、なぜか冷たくなっているのだ。そういえば、腰に痛みを感じた時、そこを触ってみると冷たくなってい...冷え

  • 本を買う

    どうせまた捨ててしまうんだろうなんて思いながら本を買うだけど少しは楽しくなるかもなんて考えながら本を買うこの一冊が人生を好転させるかもなんて夢を見ながら本を買うしかしいつも何も残らないんだよなんてグチを垂れながら本を買う本を買う

  • 好きな食べ物

    小学生の頃まで、ジャガイモが大嫌いだった。月に一度、給食でポテト状のジャガイモが出ていた。塩と若干の青海苔を混ぜた程度のものだったのだが、それがジャガイモと合わなかったのか、変な味付けになっていた。一度それを口にしたぼくは、あまりのまずさに二度とそれを食べようとは思わなかった。そんなことがあり、ジャガイモ自体が嫌いになった。それまでカレーは中に入っている野菜も残さずに全部平らげていたのに、それ以来ジャガイモだけは残すようになった。ジャガイモ嫌いはその後ずっと続いた。ところが、ある時からその嗜好が変わる。それは、東京に出てからのことだった。友人たちと居酒屋に行った時、誰かがジャガバターを注文した。最初は『ゲッ、ジャガイモか』と思って無視していたが、友人があまりにおいしそうな顔をして食べているのを見て、「それ...好きな食べ物

  • 時間を意識する

    おそらく生まれてから物心つくまではただ自分という存在を覚えているだけで特に時間を意識したことはなかった。時間を意識しだしたのは小学校入学からでそこから中学校を卒業するまでの時間が今までで一番長かったような気がする。その後の十年間は実に衝撃的な出来事が次から次に起きていた。かなり時間を意識したものだが、その記憶は残っていない。それからの十年は時間との闘いだった。時間を意識しすぎて吐き気がしたほどだ。ここで時間の意識が極まった。そして五十歳になる日まで、ダラダラと心のこもらない出来事が目の前を駆け抜けた。時間はいつも居眠りに当てていた。あれから十数年が経っている。時間の中で生活しながらも、なぜか時間に縛られず、逆に支配出来ている。そういう歳になったのだ。時間を意識する

  • もう髪が伸びてきた

    そろそろ床屋に行かなければならない。鏡を見ると、もう髪が伸びているのだ。「さて、この間床屋に行ったのはいつだったろうか」と二ヶ月ほど前の床屋の記憶をたどってみるが、なかなかその記憶が蘇らない。それもそのはずで、前回床屋に行ってからまだ一ヶ月も経ってないのだ。だから二ヶ月前の床屋行きが、記憶の果てに追いやられてしまっているわけだ。しかし最近は髪の毛がすぐに伸びてしまう。しかも速く伸びるようになってからの髪の毛は、なかなか整わない。すぐにばらけてしまうのだ。さらにちょっとしたことで、癖が付くようになっている。今朝のことだが、目覚めてみると、前髪に変なウェーブがかかっていた。それがなかなか取れなくて、整髪にかなりの時間を要してしまった。朝方暑くて寝苦しかったために何度も寝返りを打ったのだが、きっとその時に枕に押...もう髪が伸びてきた

  • オムニバス

    【神様の夢】昨夜、夢に神様が出てきた。ぼくはいろいろと現状を訴えたあげく、「この状況から脱出させてください」と願った。それを聞いた神様は、「では願いを叶えてあげるから、どうなりたいのか漢字二文字で書きなさい」と言う。さて何と書こうか。漢字三文字なら思い浮かぶのだが、二文字だとなかなか出てこない。散々迷ったあげく書いた漢字二文字は、なぜか『和狸』だった。一体ぼくは何を考えているのだろう。とっさに目標が出てこないなんて、どうも具体性が足りてないようだ。【負けず嫌い】きみから女を引くと、ただの負けず嫌いになる。それだけを見ると、男は皆引いてしまうだろう。ところがきみはそこの所を十分に自覚している。きみが心をくすぐるのは、その負けず嫌いが女を演じているところにある。だからそこの部分を所々隠しながらそこに女をかけて...オムニバス

  • 湖上

    1976年、中原中也の詩『湖上』を、歌にしようと思い作った曲です。気に入ったものが出来たのですが、ぼくの歌唱力だと到底歌いこなせない。ということで、ずっとお蔵入りになっていました。表に出したのは2000年で、ホームページのBGMとして使ったのです。当時はMIDIでやっていました。ところが、MIDIだとデバイスによって音が変わることがわかったのです。そこで自分が一番気に言っている音を使い、MP3に書き換えたのですが、今度は重すぎて、うまくいかない。せっかく作ったものなので、このままだともったいないと思い、スマホの着信音で使うことにしました。そこでまた問題が起きた。この曲、曲調が大人しすぎて、電話が鳴っても気がつかないのです。ということで、再びお蔵入りになりました。『湖上』、この曲はそんな曰く付きの曲でありま...湖上

  • 習い性

    小学生の頃ぼくは、年上の人であろうが、同級生や年下の者と話しゃべるように、誰彼かまわずしゃべることが出来た。例えば、近所のおっさんのみならず、見ず知らずのおっさんとかにも気軽に話しかけていた。中学生の頃もそれは同じで、会う人会う人に気軽に声をかけていた。街で外国人を見かけると、習い始めたばかりの英語を駆使して話しかけたりもした。また、そのへんの不良たちと話すことにも頓着はしなかった。ところが高校生になってから、それができなくなった。何となく、しゃべるのに違和感を感じるのだ。理由はわかっている。部活に入った時、先輩から嫌と言うほど、「先輩に会ったら必ず挨拶する」「先輩としゃべる時は敬語を使う」をたたき込まれたのだ。ぼくが、年上とうまく話が出来なくなったのは、それ以来である。まあ、挨拶はともかくも、ぼくは元々...習い性

  • プロは凄い

    20年前の話だ。当時ぼくは、ある商社のホームセンター部門に勤めていたのだが、そこにはキーコーナーがあった。ある日、売場に立っていると、キーコーナーのパートさんから、すぐに来てほしいという連絡が入った。「どうしたんだろう?」と思い、その売場に行ってみると、パートさんが困った顔をしてぼくのところに寄ってきた。「どうしたと?」「お客さんが、エンジンをかけようとしてキーを回した時に、キーが根元から折れたらしいんです」「えっ、折れた?」「はい」「で、エンジンはかかったと?」「いいえ。運転できないで困っているらしいんです」「そりゃそうやろね」ぼくは、車のことはまったくと言っていいほど疎いので、そういう場合どこに連絡していいのかもわからない。そこで、車に詳しい人に助けを求めた。ところが、その人も鍵のほうは知らないという...プロは凄い

  • 街の食堂で

    街の食堂でラーメンを食っていると三人連れのおばさんが入ってきた。「えっ?!えっ?!えっ?!」におうんですよ。におうんですよ。くさいんですよ。くさいんですよ。何がって?決まってるじゃないですか香水ですよ、香水ですよ。きついヤツ。いるんですよ、いるんですよ。相変わらず。場違いなにおいを連れてくる気取りに気取ったおばさんたちがね。鼻から息が吸えないじゃないですか。味がわからなくなるじゃないですか。ラーメンがまずくなるじゃないですか。街の食堂で

  • 一歩を踏み出そう(再録=歌入りです)

    一歩を踏み出そう出来なかったことを考えるから、今がとてもやりきれない。いつかやり直しがきくんだと、曖昧な日々を過ごしてきた。このままではだめだ。一歩を踏み出そう。そこからのことを考えないから、日々はいつもの繰り返し。まだ若いという勘違いは、そこから一歩を出てないから。このままではだめだ。一歩を踏み出そう。傷つけられるのが嫌だから、いつもいつも回り道ばかり。答はどこにも転がっているのに、そこから目をそらそうとする。このままではだめだ。一歩を踏み出そう。ジッとしていても始まらない。時間は限りあるものだから。勇気を振り絞って、今ここから一歩を踏み出そうよ。このままではだめだ。一歩を踏み出そう。閉ざされた扉もたたいていれば、いつかは開くだろうたったそれだけの繰り返しを、ぼくはいつもおこたってきた。このままではだめ...一歩を踏み出そう(再録=歌入りです)

  • 太宰府は春

    昨日博多での仕事を終えた後、同伴していた嫁さんと、太宰府天満宮に行きました。立春過ぎたらすぐに行こうと思っていたのですが、なかなかその時間が取れなくて、昨日になってしまいました。天満宮は124年ぶりの改修ということで、現在本殿はこんな姿になっています。ちなみに昨年はこういう姿でした。↓さて、お参りを終えた後ですが、「裏庭を抜けてお石の茶屋に寄って妻がひとつぼくもひとつ親子丼を食べた」(さだまさしさんの『飛梅』ばりに書いてみました。)実は、お石茶屋にはあるんですよ、さださんのサインが。ということで、「太宰府は春いずれにしても春」でありました。太宰府は春

  • おはようございます

    目が覚めた時、神様が「たまにはブログを休んでもいいんじゃないか?」と言ってきたのです。ということで、今日はお休みいたします。まあ、神様は嘘ですが、実はこれから博多に行かなければならないのです。遊びではありません。仕事です。ところで、このぼくの過疎ブログですが、最近、文章ものよりも弾き語りものの方が反応がいいということがわかりました。が、そんなに録音はしてないので、小出しにしていくことにします。それでは、また。宗像『鎮国寺』の桜です。『道の駅むなかた』のツバメです。おはようございます

  • 暗闇の向こう

    『春一番』を作ってから二ヶ月後、ぼくは生まれて初めて恋愛詩を書いたのだが、ギクシャクして何かまとまりがなかった。この『暗闇の向こう』は恋愛詩第二弾ということになる。夜になると、二階にあるぼくの部屋から、いつも遠くにある街の灯りを眺めていた。その街には、当時ぼくが好きだった人が住んでいたのだ。暗闇の向こう暗闇の向こうに君がいる月も出てない夜だけど君がいるのがわかる暗闇の向こうに君がいる夜はすべてを隠し冷たい壁が君を包む暗闇の向こうに君がいるふと気づくと後ろにぼくがいる大きな影がぼくを惑わしたしかに今が夜だ暗闇の向こうに君がいる何も見えないけど誰かが呼んでいる暗闇の向こうに君がいる月も出てない夜だけど君がいるのがわかる暗闇の向こうに君がいる実はこの詩はまだ長かったのだが、いろんな矛盾が見えていた。何度も書き直...暗闇の向こう

  • 気配5

    【12】平成10年結婚。ぼくは実家を出て今のマンションに移る。そこに移ってから2年間ほど、頭痛に悩まされる。前の家で色々な気配に悩まされていたぼくは、てっきりその気配の主を新しい家に連れてきたのかと思っていた。しかしそれは違っていた。ある本に、『新築の家やマンションの多くは、ホルムアルデヒドを含んだ接着剤を使っている』と書いてあった。それが原因で、頭痛や目がチカチカすることがあるということだ。それがわかってからおよそ半年の間、わが家は休みの日には窓を全開するようになった。ホルムアルデヒド騒ぎが一段落した頃から、ぼくの体はまたしても宙に浮くようになった。その力はアップしていて、自由に動けるようになったのだ。最初は玄関まで歩いて行った。回を追うにつれて更に力が増しているように思い、ドアに手を差し込んでみた。や...気配5

  • 追いかけて

    三十代半ばのこと。元同僚から、「結婚するので、披露宴で歌を歌ってくれんか」という依頼がきた。仲のいい人だったので、心安く引き受けたが、なかなか歌う歌が決まらなかった。人の結婚式で歌ったことは何度もあったのだが、同じ歌を歌ったことはない。それが、その人に対する自分なりの誠意だったのだ。「仕方ない。新しい曲を作るか」ということで出来たのが、この曲だった。追いかけてまっすぐに歩いてきたけどいつもいつもぼくはつまずいているよ起き上がる時にはいつもいつも君のことを想っているよ過ぎ去った数々の罪が心奪う、そんな時にだっていつも心のどこかでぼくは君のことを想っているよ追いかけて君の想いを追いかけて君の言葉を追いかけて君の心を追いかけて君のすべてを明日からの暮らしの糧にぼくは君のことを想っていくよ君を想うぼくのためにいつ...追いかけて

  • 空を翔べ!

    『空を翔べ!』という詩を書いたのは、三十代後半だった。テレビで鳥の巣立ちのドキュメントをやっていたのだが、それを見ている時に、湧いてきた言葉を書きとめたものだ。曲は19歳の頃に作ったものを充てた。この歌、過去に何度かブログに上げたことがあるのだが、いつもすぐに消してしまう。今回上げることにしたのは、その時にこの歌を聴いたある方から、「あの歌を聴きたい。あれを聴くと元気が出るから上げてくれ」と頼まれ、それで上げることにしたのだ。空を翔べ!漠然と思い浮かべてた大切な一日が今日風に乗っておれのもとにやって来た空には大きな雲が雨はおれを叩きつける悪いことを考えている「出来るんだ。空を翔べ!」運命の一日だと誰かが言ったおれの人生は今日にかかっているんだ今までやってきたことはすべて正しいと信じるんだ決して逃げ出しては...空を翔べ!

  • 気配4

    【9】昨日話したとおり、新しい団地に引っ越したばかりの頃は頻繁に金縛りに遭っていた。遭う前には決まって「パシッ」というラップ音が聞こえた。『あっ、来た』と思っていると、体が動かなくなるのだ。こういう状況が週2度ほどやってきた。しかし、体が慣れてきたのか、気配のほうが飽きたのか、時間が経つにつれて、その周期はどんどん長くなっていき、5年過ぎた頃にはほとんど遭うことがなくなった。【10】昭和の終わり頃にはほとんど金縛りに遭わなくなっていたのだが、平成に入ってから間もなく、再び金縛りに襲われるようになった。きっかけは知人からもらった犬の置物だった。その置物は金属製でズッシリと重く、高さは20センチほど、黒っぽい銀色をしていた。犬というよりも狼に近い容貌だった。それを家に持って帰っている途中に、階段を踏み外しそう...気配4

  • 気配3

    【5】昭和58年春。二階長屋を多層階の団地にするというので、一時的に引っ越すことになった。階段の謎を解き明かそうと思い、取り壊している家を何度か訪れた。しかし、気配の正体は姿を現わさなかった。【6】昭和59年春。建て替えが終り、新しい団地に移る。それ以来、ぼくと母は頻繁に金縛りに遭うようになる。【7】昭和61年。二階長屋時代にぼくの家があった場所は、建て替え後駐車場になっていた。そこでの話だ。一人のじいさんがやってきて、おもむろに塩を撒き始めた。ぼくが「何をやっているのですか?」と尋ねると「あんたには見えんのですか?」と言った。そのじいさん、一ヶ月後に死んだらしい。【8】昭和62年。その年の夏、ある誤解が原因で上司に疎まれ、左遷の憂き目に遭う。涼しい内勤部署からクソ暑い外回り部署に異動になったのだ。ぼくは...気配3

  • 気配2

    【2】昭和47年秋、その気配の正体ではないかと思われるものに遭遇した。中学生の頃だったな。居間で昼寝をしていた時に玄関の扉をトントンと叩く音がした。誰だろうと思いながら目を覚ましてみると、そこにぼくの顔を覗き込んでいる人がいた。胸に大きな名札をつけモンペをはいた婆さんだった。誰だか思い出せない。というか、知らない人だ。ということは『夢だ』と単純でのんびりした性格だった当時のぼくは思い、また目を閉じた。しかしおかしい。玄関のトントンはずっと続いているのだ。『やはり夢じゃないのか』と再び目を開けてみると、まだそこに先ほどのモンペ婆さんが立っている。起き上がって「誰だ!?」と言おうとした。ところが体が動かない、声が出ない。その状況にイラついたぼくはそのモンペ婆さんを振り払おうと力任せに手を振った。その瞬間場が変...気配2

  • いま(2010年10月12日記事のリライト)

    いま→http://1565f184a5e066b.main.jp/128/いま.mp3いま、いやな時が続いています。早くここから抜け出したいのです。時の続く限り少しの夢が欲しいのですが、時は冷たく過ぎ去っていきます。いま、いやな雨が降り続いています。もう傘には穴が開いているのです。ちょっとだけ傘を直す時が欲しいのですが、雨はいつまでも降り続いています。いま、いやな時が続いています。そして時は冷たく過ぎ去っていきます。音楽や詩をやっていた人の多くは、一度はビートルズにハマったことがあるようだ。ぼくの周りもそんな人ばかりだったし、ぼくもその一人だった。ぼくがビートルズにハマったのは、比較的遅く、高校3年の春だった。それまでビートルズで知っている曲は10曲に満たなかった。そんなぼくがビートルズに目覚めたきっか...いま(2010年10月12日記事のリライト)

  • 気配1

    【1】階段の怪人がジイっとこちらを伺っている来る日も来る日も飽きもせずにジイっとこちらを伺っているたまに足を踏み外すのかときおりギイっという音がする昭和34年に引っ越して以来、ずっとこの地区に住んでいる。最初に住んだ家は、県営の二階長屋だった。当時この町内には二階建ての家などなかった。そのためいろんな人が、ぼくの友達だと言って訪れてきて、うちの二階からの風景を楽しんでいた。家の構造は、一階が6畳程度の台所兼居間とトイレと風呂、二階が6畳と3畳の和室だった。もちろん二階に上がるため階段があったのだが、その階段がわりと急で、よく足を滑らしては落ちていたものだ。さて、そこに移り住んでから何年か経った頃、そうぼくが幼稚園に通い出した頃から、その階段にちょっとした異変を感じるようになった。誰もいないのに階段を誰かが...気配1

  • 仕事帰りの怪人

    昨日と同じ頃の話。いつものようにぼくは自転車に乗り、その道を通って家に帰っていた。昨日の場所から二百メートルほど行った県道沿いの歩道に、えらく雑草が生茂っている場所があるのだが、ちょうどそこを通っている時だった。草むらの奥から、何か気配がするのを感じたのだ。それは微妙なものではなく、かなり強い気配だった。そこでぼくは自転車を降りて、草むらを調べてみた。するとそこに人の足があった。『誰か倒れている』そーっと草むらをかき分けてみると、そこに年齢50歳ほどの作業服を着たおっさんが倒れていた。さらにそこから2メートルほど離れた所に、おそらくおっさんが乗っていただろう自転車が転がっていた。ぼくは「おいちゃん。おいちゃん」と声を掛けてみた。しかし返事がない。「おいちゃん、おいちゃん」更に声を掛けてみた。やはり返事がな...仕事帰りの怪人

  • 仕事帰りの怪事

    小倉で勤めている頃、通勤にJRを利用していたのだが、家から最寄り駅である黒崎駅までは自転車で通っていた。ある日の帰り、ある場所にさしかかった時だった。突然頭痛に襲われたのだ。「何でこんなところで痛くなるんかな」と思いながらも自転車を漕いでいくと、今度はズシンとした衝撃が体中に走った。おかげで更に頭痛は酷くなった。さすがに自転車を漕いではおれず、ぼくは自転車から降りた。しばらくそこで休んでいたのだが、ふと下を見ると、自転車の前輪辺りに高さ15センチほどの道標のようなものが、地面から出ているのに気がついた。「なるほど、これに衝突したのか」しょっ中そこを通っているのだが、それを見たのは初めてだった。『何だろう?』と思ったが、暗くてよく見えない。『仕方ない。今度昼間にでも確認しよう』ということで、自転車を押してそ...仕事帰りの怪事

  • 春一番

    gooブログに引っ越した当初に上げていたものですが、リンクを貼り替えました。春一番(https://1565f184a5e066b.main.jp/128/春一番.mp3)顔を洗って、風が肌を潤すとき誰かがささやく、変わったねあなたもうん、もう春だもの春一番、ほらもう冬を忘れてる風の光に白い山が笑うとき誰かがささやく、長くなったね髪もうん、もう春だもの春一番、ほらもう冬を忘れてる温かい風に川の水も温むとき誰かがささやく、変わったね声もうん、もう春だもの春一番、ほらもう冬を忘れてる春風がまわりの冬を追い払うとき誰かがささやく、どこに行くの冬はあなたのいないところに春一番、ほらもう冬を忘れてる春一番

  • 時代劇

    ぼくが小さい頃は、テレビで時代劇をよくやっていた。そのせいもあって、ぼくはけっこう時代劇ファンだった。『隠密剣士』の大瀬康一に憧れ、『琴姫七変化』で松山容子を好きになり、『旅がらすくれないお仙』の大信田礼子に鼻の下を伸ばしていた記憶がある。そういえば、その頃『水戸黄門』なんかもやっていたのだが、今の「人生楽ありゃ、苦もあるさ~♪」のシリーズではなく、三波春夫が主題歌を歌った月形龍之介主演のやつだった。そのため、初めて東野英治郎の水戸黄門を見たときは、違和感を感じたものだった。ぼくの時代劇好きはその後、中村敦夫の『木枯し紋次郎』、中村梅之助主演の『遠山の金さん』『伝七捕物帳』、藤田まことの『必殺シリーズ』まで続く。必殺シリーズは20代までやっていたので、時代劇を見ていたのもその頃までだ。その後は、あまりテレ...時代劇

  • 素浪人月影兵庫

    最近、PrimeVideoの東映チャンネルで『素浪人月影兵庫』を見ている。小学生の頃にテレビでやっていた時代劇で、主役の近衛十四郎が友だちのお父さんによく似ていたため、親近感がわき、その頃は毎週欠かさず見ていたものだ。その頃の時代劇というのは、けっこうシリアスなものが多かったが、『素浪人月影兵庫』やその後の『素浪人花山大吉』はコミカルな時代劇だった。その面白さを覚えていたので、つい見てしまったわけだ。普通の時代劇では、侍は「拙者、御主」と言うが、ここでは「わし、あんた」、この言い方に妙に親しみと新鮮みを感じる。また、焼津の半次(品川隆二)との絶妙なやり取りに、改めて面白さを発見する。主題歌や劇中の音楽なども見始めはすっかり忘れていたが、何度か聞いているうちに、記憶が蘇ってくる。・・など、そういった理由から...素浪人月影兵庫

  • 老化

    昨日書いた、本をめくる時に指をなめる行為だが、ぼくは昔からそういうのを見ると、「汚い癖だなあ。もっと本を大事にしろよ」と思っていた。ところが、あれは癖でも何でもない。昨日書いたように、指に湿り気がないから、ページをめくれないのだ。それを知ったのは、つい最近のことだった。スーパーで買い物に行った時のこと。レジをすませたあと、買った物をビニール袋に入れようとしたら、指が滑って開けることが出来ない。嫁さんに「おい、この袋、ツルツル滑って開かんぞ」と言うと、嫁さんは「ああ、ちょっと貸して」と言って袋を取り上げると、いとも簡単に開いた。「何かコツでもあるんか?」「コツなんかないよ」「じゃあ、何でおれがやると開かんのか?」「それはね、老化」「おれが老化したとでも言うんか?」「年取るとね、肌が乾燥して湿り気がなくなって...老化

  • ピックがつかめない

    四年ぶりにギターの練習をしているのだが、いっときギターを握っていなかったために、手がギターに馴染まない。指先の硬さなどから考えると、満足に弾けるようになるまでには、けっこう時間を要しそうだ。とはいえ、そういうことは時間が解決してくれるだろう。ところが、ここで新たな問題が起きた。それは、ピックがうまくつかめないということだ。ギターを弾いている最中にピックがツルツル滑ってしまい、演奏が安定しないのだ。そのためにリズムが狂ったりすることもあるし、ピックが指から離れて落ちてしまうこともある。ギターを愛する者として、これは大きな問題である。『なぜこんなことになるんだろう』と考えていた時、ふとあることを思い出した。それは、本をめくる時に指をなめる人のことである。指をなめるという行為、あれは指に適度な湿り気がなくなり、...ピックがつかめない

  • 爪が伸びている

    二月から伸びている爪を切らなくてはならないのだが三月の痒い背中を掻くためにもう少し伸ばしたい気もする。ただこのまま伸ばしていると加齢で割れてしまうだろう。きれいに割れれば問題ないが下手な割れ方をすると後で深爪に到ることもあるから面倒だ。爪が伸びたまま耳や鼻をほじると皮膚を傷つけて出血したり炎症に到る可能性だってあるし。仮にそうならなかったとしても「そうなるかもしれない」という潜在的な不安と闘うのが疲れるし。二月の爪はやはり切るしかないな。三月の痒い背中は孫の手で掻こう。明日にでも百均に買いに行こう。爪が伸びている

  • 静電気野郎

    私は静電気地獄からやってきたバチッと痛い野郎でございます。痛くて寂しい野郎でございます。人様にバチッと痛みを与えては自分もバチッと痛い思いをする損な生きものなのでございます。痛い人だと後ろ指さされながらそれをバチバチッと感じながら日々生きているのでございます。私は静電気地獄からやってきた。バチッと痛い野郎でございます。痛くて寂しい野郎でございます。静電気野郎

  • ラーメングルメ

    1,相変わらずラーメンブームが続いているようだ。先日もラジオで、おいしいラーメン屋の紹介をやっていた。ぼくはむかし、そういったおいしいラーメン屋を探して歩いたことがある。外回りをしていた頃なんかは、市内のおいしいと言われているラーメン屋を回っていたものだ。多い時は、一日に5軒ハシゴしたこともある。さすがにその時は、喉が渇いてたまらなかった。その一環で、門司港まで出かけて行ったことがある。そこにおいしいラーメン屋があると聞いたからだ。で、味はと言うと、さて、どうだったのだろう?食べ物のおいしさというのは、その時その時の腹の減り具合で大きく変化するものだから、腹が減っている時はどんな店でもおいしく感じたし、そうでない時はそこまででもなかった。2,中学の時、土曜日は決まって近くのラーメン屋に行っていた。その日は...ラーメングルメ

  • 心の中を

    あるブログに、時々自作曲を上げているのですが、最近反応が良かった曲を貼っておきます。心の中をhttp://1565f184a5e066b.main.jp/128/%E5%BF%83%E3%81%AE%E4%B8%AD%E3%82%92.mp3いつもいつも考えることは暮らしのことばかり日々が通り抜けていく風は吹く、心の中をいつもいつも同じことの繰り返しばかり日々が色褪せていく時は行く、心の中をただ夢だけが駆け抜けていくのを遠く眺めてるような毎日風は吹く、心の中をああ、想い出だけを数えすぎた日々冷たい日差しの中で時は行く、心の中をいつもいつも置き忘れた夢追い求める日々日々が閉ざされていく風は吹く、心の中を心の中を

  • わたしゃ神様ですバイ

    以前、生きて何度も霊界に行ったというスウェデン・ボルグという人の本を読んだことがある。彼は元々は学者だったらしいが、ある時彼の前に神が現れた。それから自由に霊界に出入りできるようになり、現世の人たちのために霊界を紹介していったという。ぼくは、わりとこういう話が好きなのだが、ひとつだけ首をかしげる部分があった。それは、最初に神が現れた時の、神の第一声である。「我は神なり」だ。文語体の訳だからこうなるのかもしれないが、何かうさんくさい。口語で言えば「私は神です」、軽いノリで言えば「はーい、神様でーす」、また九州の人の口調で言えば「わたしゃ神様ですバイ」となるのだから。だいたい神が「神」だと名乗って出てくるのがおかしいじゃないか。そういう神にはまったく威厳というものが感じられない。スウェデン・ボルグは一神教の世...わたしゃ神様ですバイ

  • 春の訪れ

    数日前のこと。車のジュースホルダーに置いている缶コーヒーの上を、小さな黒い点が動いているのが見えた。「何だろう?」と目を凝らして見てみると、それはアリだった。慌ててぼくは、それを外に出し、近くにあった自販機横の空き缶入れに捨てた。前にもこういうことがあったのだ。その時は気にとめず、缶を放置しておいた。すると翌日、アリが行列を作って入って来て、缶にたかっていたのだった。退治するのにけっこう時間がかかった。結局全部退治できなかったので、車用の『アリの巣コロリ』を仕掛けることになってしまった。そのことを思い出して、他にも空き缶はないかと探してみた。すると、後部座席に空き缶が数個見つかった。幸いアリは来てなかったが、それも捨てた。家に帰り、隈なく探してみると、他の場所で栄養ドリンクの空き瓶を見つけた。だが、それは...春の訪れ

  • 地獄

    ぼくはミッション系の保育園に通っていたのでことあるたびに地獄はすごく怖ろしく辛い所だと教わった。当時その保育園では悪いことをすると決まって真っ暗な倉庫に閉じ込められていたのだが、そこは怖ろしく辛い所なので園児はその倉庫こそが地獄だと勝手に思うようになりその倉庫に入れられる時にはこの上ない恐怖を感じてしまい必要以上に泣き叫ぶのだった。実はその保育園の教育には失敗があった。その地獄から抜け出すための呪文や術を園児に教えなかったのだ。だから数十年経った今でも真っ暗な倉庫に入る時には必要以上に恐怖を感じる。ぼくら元園児はいまだに地獄を引きずっているわけだ。地獄

  • 今日の最高気温は15度らしい

    春十五度。昨夜着ていたぶ厚く重い上着を脱いで軽めのパーカーを羽織る心も体も浮かれる十五度春十五度。お酒でいうと日本酒くらいの度数かなほろ酔い気分で街を歩くふらつきながらの十五度春十五度。これが坂道の上り傾斜の度数であればかなりきついし汗ばむし疲労度数が一気に十五度春十五度。その風吹けば暖かく心うごめく十五度秋十五度。その風吹けば肌寒くもの悲しい十五度今日の最高気温は15度らしい

  • 無表情な面接官

    かつてある企業の面接官にぼくは「君はこういう仕事向きじゃない。他の仕事を探したほうがいい」と無表情な顔で言われたことがある。「向きや不向きはやってみないとわからないじゃないですか?」とぼくが言うと、無表情な面接官は「追って連絡するので」と言ってサッサとぼくを追返したのだった。不採用だったのは言うまでもない。その後ぼくは別の企業ではあるが不向きだと言われた仕事に就いた。あれから三十数年経ったわけだが会社は変わったものの相変わらずぼくはこういう仕事に就いている。別にしがみついているのではなく他の仕事に就こうとしてもなぜか自然にこの仕事に戻って行くのだ。多くの人がぼくに言う「あなたはホントにこの仕事が向いてますね」無表情な面接官様、四十数年後のぼくはこういう評価を受けている。やってみないとわかりませんよね。無表情な面接官

  • 自分だったりする

    この変なしぐさが自分だったりする。根はしゃべり好きなのが自分だったりする。物腰のぎこちなさが自分だったりする。要領が悪いと言われるのが自分だったりする。根のない意地の悪さが自分だったりする。ちょっと意地を張るのが自分だったりする。物事に注釈つけたがるのが自分だったりする。鍵の締め忘れが気になるのが自分だったりする。夢見の悪さを引きずるのが自分だったりする。仮想の敵を作らないのが自分だったりする。押しがあまり強くないのが自分だったりする。中途半端な他力本願が自分だったりする。最近寝起きが良くなったのが自分だったりする。とりあえずお風呂好きなのが自分だったりする。こんなことばかり考えているのが自分だったりする。自分だったりする

  • 勘に頼っている

    ぼくは若い頃からずっとここが人生の要所だと思った時には自分の勘に頼ることにしている。そのせいなのか、ここまでの人生はやや波乱含みのものになっている。「こいつは悪人だ」という勘が働いて、上司に思いっきり反抗し左遷の憂き目に遭ってしまったり、「ここにいると死んでしまう」という胸騒ぎがして突然会社を辞めてしまったりだ。きっと周りの人からは、『いい年して何やっているんだこいつは』的に思われているにちがいない。だけどそのいちいちの行動は理屈や思いつきで起こしたものではなく、勘という心の声に従ったものなのでぼくにとっては、実に楽しく有意義な経験となっている。おかげでその延長上にある今も毎日が飽きない。勘に頼っている

  • 愚痴や悩みの日記たち

    gooブログのお知らせに「おかげさまでgooblogは20周年を迎えました!」という文章を見つけた。20周年、そういえば、ぼくがウェブ日記という形態で日記をつけるようになったのは2001年の1月だったから20年を軽く超えていることになる。ということで、とりあえず自分に「おめでとうございます」と自分を祝福しておこう。さてこの二十数年、ぼくはいったい何を書いてきたのかというと「きつい」「眠たい」「寒い」「暑い」「肥ってきた」「風邪引いた」等々生活や仕事からくる愚痴や悩みが実に多いのであります。ま、たまには時事的なことも書いてはいるのですが、それだと、『いろんなことに悩む暇があったらさっさとネタにしてしまおう!』というこの日記の主旨から外れることになるのであまり深追いはしなかった。やはり人間は悩んで何ぼの動物だ...愚痴や悩みの日記たち

  • 職場にいるアルバイトの女の子が、この三月に大学を卒業する。卒業式は「もちろん袴を履いて」参加するそうだ。ぼくらが学生の頃はあまり見かけなかったが、最近は袴が流行りなのだという。ぼくが女性の袴姿を初めて見たのは、小学校の卒業式の時だった。その年満期となる四組の担任の先生が、袴履きで式に臨んでいたのだ。スーツだらけの先生の中で、まさに異彩を放っていたものだ。柔和で弱々しい印象の先生だったが、その日の彼女には凛とした強さがあった。普段の見慣れた洋装ではなく、袴のせいでそう見えたのかもしれない。先生は高等女学校から師範学校を経て、教師になったと聞いている。きっと聖職者としての教育を受けた者の、歴史と誇りがその姿に凝縮されていたのだろう。袴

  • ぼくは六十代ですよ

    一昨年の夏から、プチ断食に取り組み、そのおかげで体重が10キロ以上痩せ、いたって健康な体になっている。が、良くなったのは体だけで、容姿はと言うと、痩せたおかげでえらく歳を取って見えるようになった。「どうにかしないと」とは思っているのだが、今さら肥ってシワを伸ばすことも出来ないし。痩せる前の話だが、時々人から「とても六十代には見えませんね」言われることがあった。既に髪の毛は真っ白だったし、体の所々に老斑が出来ていたし、当時は血圧や尿酸値は高めだったし、尿潜血だってあったし。カラオケに行くとGSを歌っていたし、橋幸夫の「雨の中の二人」も好きだし、それ以前から演歌のレパートリーも入っていたし、松田聖子の歌を最近の歌と思っていたし。昭和に換算して今年を数えていたし、仕事に没頭するのが好きだったし、サービス残業をあ...ぼくは六十代ですよ

  • 夜更かし

    休みの前の日は、つい夜更かししてしまう。『早く寝れば休みを有効に使うことが出来るのに―』と思いながら、もう何十年もやっている。とはいえ最近は以前のように、昼まで寝ているということはなくなった。夜更かしはしているものの、そこそこ早い時間に目が覚めるようになったのだ。おかげでこのところ休みの日は、わりと有効に時間を使うことが出来ている。だけど休みの日に睡眠をとってないせいで、仕事の日には眠気が差してきて、困る困る。夜更かし

  • 見張り塔からずっと

    1.「いつの頃からだったろう、君の存在に気づいたのは」―またその話か。「いや、今日こそははっきりしておきたいんだ」―別にそんなことどうでもいいじゃないか。「じゃあ、君はいつからここにいるのか覚えていると言うのかい?」―そういうことも忘れたなあ。ごく最近と言えばそんな気もするし、ずっと以前からと言えばそういう気もする。「わからないな」―そう、それでいいんだよ。ぼくは君が気づく前から、君のそばにいるんだから。2.「生まれた時のぼくはどうだった?」―どうだったって、今と何ら変わらないよ。見えるものを見て、聞こえるものを聞いていただけなんだから。「生まれた時と変わらないってことはないと思うんだけど」―変わってないよ。変わったと思うのは君の錯覚だよ。「でも、現にぼくは成長しているじゃないか」―成長ねえ。ただ服を着替...見張り塔からずっと

  • 臭い町

    かつてたくましく煙を吐いていたこの町は、今や健康志向の町に変わっております。星もきれいに見えております。おそらくあの頃から今の煙のない町を見れば、希望のない田舎町と映ることでしょうね。しかし文明は進歩するものだ。きっと何か変わったところがあるはずだが、さて何が変わったんだろう?いや何も変わってない。と、この町に六十年以上過ごしている、ぼくは思うのであります。市をあげて環境問題に取り組んではいるものの、企業による汚染を減らしただけのことでありまして、今はあの当時にはなかった汚染があるのです。一つに車による汚染がありまして、当時とは比べものにならない量の車が走っているのです。町は排気ガスが充満し、とくに幹線沿いなどは、臭くてとても歩ける状態ではないのであります。また、飽きもせず道路工事をやっているせいで、そこ...臭い町

  • オレンジ色と緑色

    若い頃からオレンジ色の、明るく暖かい色合いが好きだった。好きなパーカーはオレンジ色だったし、水着もオレンジ色だったし、下着も時々そうだった。オレンジ色を着る時は、気分的に乗っていることが多く、そういう時に限って、いいことがあったりしたのだ。だから、勝手にオレンジ色を自分のラッキーカラーだとぼくは決めていた。今でもそれはそうであって、ブログのデザインも、オレンジ色のものを選ぶことが多い。ところがこのところ、ちょっとした変化が起きている。「緑色もいいな」と思うようになったのだ。パソコンの背景はくすんだ緑色にしているし、ブログも緑色のいいデザインはないかと、無意識に探していたりする。ただ、これはオレンジ色のようなラッキーカラーという意味合いではない。目に優しい色という意味合いなのだ。そう、運という気分的な快を求...オレンジ色と緑色

  • 今日は無い日

    今日は無い日ということでよろしいでしょうか?だって実は有る日なんだけど普段は使われてないんですから。もしも義母が生きていれば、今年で百歳になるんだけど、実は二月二十九日の生まれなので、四年に一度しか年をとらない。ということなので実際の年齢は二十五歳ということになる。が、それでは都合が悪いということで誕生日を三月にずらしていたらしい。おそらくこの日生まれの人はそういう人が多いのではないだろうか。だって老人面した二十代なんて見たことも聞いたこともないからだ。ということは今日は誰にも誕生日に使用されない日ということになる。それならいっそ二月二十九日をやめて例えば(閏)二月二十八日にするとか。そうすれば誕生日をごまかすこともなく毎年正しい誕生日で祝うことが出来る。例えば江戸期のように旧暦にするとか。そうすれば二月...今日は無い日

  • (1)今年はまだ鶯の声を聞いてない。例年だと山から下りてきて、春を告げてくれるのだが。今年は寒かったり暖かかったりで気温が定まらないので、里に下りてくるのを躊躇しているのだろうか。そういえば、今年はまだ沈丁花の匂いもしてこない。鶯といい、沈丁花といい、春はまだ先なのかなあ?(2)鴬といえば、県産筑後の酒に『庭の鶯』というのがある。ぼくは以前、大手の酒ばかり飲んでいた。ある時酒を近くの酒の専門店買いに行った時、その横にその『庭の鶯』が置いてあった。マンガ『夏子の酒』でその存在は知っていたのだが、実際にお目にかかるのはその時が初めてだった。そこで、急きょ大手物を買うのをやめ、『庭の鶯』を買って帰ったのだ。飲んでみると、これが旨い。ということで、それ以来酒は『庭の鶯』にしている。(3)古来から、日本人は法華経を...鶯

  • 皿倉山

    小学校中学校や高校の校歌に決まって出てきた地元の山がなぜか最近有名になっている三大夜景に選ばれたんだってさらに恋人の聖地なんだって昔から夜景は綺麗だったけどまさか恋人の聖地になるとはということは各学校の校歌も山の名前も盛込みました的なお手軽な歌詞から踏み込んで夜景や恋人にまつわるものに変えていくしかないでしょう皿倉山

  • たまに聴いてみたくなる懐かしい声

    毎日でもその歌を聴いてみたいというほどでもないのだが、たまに聴いてみたくなる懐かしい声がある。ぼくの場合、それはボブ・ディランだ。とりわけて曲がいいとは思わない。詩は何を言っているのか、さっぱりわからない。肝心の彼の歌声はというと、決して洗練されたものではない。どちらかというと野暮ったい。しかし、その野暮ったさが味となっている。時に優しく、時に怒っているように聞こえる彼の歌は、時にぼくの心をいやしてくれる。ぼくがボブ・ディランを知ったのは中学3年の時で、あのガロの歌った『学生街の喫茶店』を聴いてからだった。「ボブ・ディランとは何者?」という疑問を抱いたが、ぼくの周りにはボブ・ディランのことを知っている者はいなかった。ぼくとしても、それほど興味を持ったわけではなかった。ところが高校に入ってから事情が変わって...たまに聴いてみたくなる懐かしい声

  • ポッポ糞争5

    ポッポ糞争は、昨日の記事(2021年3月7日付)以降書いていません。その後、ネットが張られ、鳩が来なくなったため、書くことがなくなったのです。なぜ来なくなったのかは、わからないのですが、ご近所さんの話では、ここにやって来ていた鳩たちは土鳩ではなくレース鳩で、ベランダには休憩にやって来ていたらしい。来なくなった理由は、それらのレース鳩を飼育していた人が引っ越したからだということです。なお、昨日の記事に書いてある『独りぼっち作戦』というのは、一羽の鳩に彼らの嫌うハッカ水を振りかけて、他の鳩を彼に寄りつかせないようにする。そうなると、ここが彼のねぐらと知っている仲間は、この場所にも寄りつかなくなる、という作戦です。(終わり)ポッポ糞争5

  • ポッポ糞争4

    2021年3月6日。朝も鳩は現れなかった。いちおう木酢液を撒いておく。夜7時過ぎ、家に帰って窓を開けてみると、エアコンの室外機の隅に一羽の鳩が隠れていた。バケツに風呂水を考えたが、『今日はあれを試してやろう』と、前の週に買った水鉄砲を持ってきた。ところが鳩がいない。『逃げたかな』と周りを見回してみると、ぼくの位置から死角になる所に動きを感じた。そこでぼくは窓から体を乗り出して、水鉄砲を構え発射した。水は鳩の背中に命中した。鳩は慌てて飛んで行った。この日の鳩は、おそらく前日の状況を確認していた鳩だったのだろう。死角に逃れたのは、その場所にぼくがバケツの水をかけなかったからだ。仮にそこに水をかけると、階下の駐車場に落ち、車を直撃てしまう。だから出来ない。奴はそれを察していたのだ。わりと賢いじゃないか。しかし奴...ポッポ糞争4

  • ポッポ糞争3

    2021年3月3日。朝、前日買った木酢液のスプレーをベランダ中に撒いておく。その効果があったのか、翌日4日も、鳩は来てない様子。しかしまだ油断は出来ない。部屋から1メートルも離れてない場所に、病原菌を持った生き物がいる。それって嫌でしょう。どうにかして、それを阻止しないと。さて、追っ払っても追っ払っても、何事もなかったような顔をして舞い戻ってくるつがいの鳩を見て、かつて読んだ、つげ義春さんのマンガ『李さん一家』を思い出す。引越して来た主人公の家に、しばしば見知らぬ人が迷い込んで来るようになり、そのうちその人の一家が主人公の家の二階に住みついてしまう。という話だ。つげさんのマンガには迷惑がっているような描写はないが、鳩が住みつくのでさえ迷惑なのだから、かなり迷惑に違いない。その物語の最後はこうなっている「(...ポッポ糞争3

  • ポッポ糞争2

    2021年2月26日。朝、さすがに鳩は来てなかった。その日ぼくは休みだったので、何度も窓を覗いたが、昼過ぎまで鳩は来なかった。昼からぼくは、前回行ったホームセンターより少し離れた場所にある別のホームセンターに行き、鳩よけグッズを探した。が、そのほとんどが畑や庭などの土に用いるもので、ベランダ向きのグッズはなかった。夜7時頃、窓を見た。「えっ!?」また来ている。その日は一羽。さっそくぼくは、バケツで風呂水を汲み上げてきて、前日同様その水を鳩の頭の上からぶっかけてやった。その鳩も、ベランダから飛び降りていった。2月27日。朝、鳩は来なかった。夜、仕事帰りにおもちゃ屋に寄り、水鉄砲を買って帰った。脅しにはなるだろうと思ったのだ。帰ってからさっそくそれに水を入れ、水鉄砲を構えた状態でそっと窓を開けてみた。ところが...ポッポ糞争2

  • ポッポ糞争1

    3年前、我が家で起きた鳩事件を再録します。2020年12月下旬。我が家(マンション)の上の階に住む奥さんが、「おたくのベランダに鳩は来ないですか?」と聞いてきた。「いいえ、来ないですよ」「最近うちに来るようになったんですよ。気がついたら糞がいっぱいになっていて。今度管理会社に言おうと思ってるんです」奥さんが帰った後、ぼくはベランダを覗いてみたが、糞などは見当たらなかった。翌1月中旬。マンションの理事会でその件が議題に上がる。2月中旬。理事会での検討の結果、鳥よけネットを張ることになったが、施工日は未定。その頃から時々ではあるが、うちにも鳩の鳴き声が聞こえるようになった。2月22日。朝、そのベランダのある部屋を掃除していると、外から「クークー」という鳩の鳴き声が聞こえてきた。窓を見てみるとそこに二羽の鳩がい...ポッポ糞争1

  • 故意犯

    昨日は二十四節気の雨水だった。寒さが和らぎ、雪が雨に変わる節目だが、季節はその言葉通りに動いているようだ。昨日は暖かい一日で、こちらの方では春一番が吹いたのだった。さて、今日は休み。ということで、ゆっくり寝ようと思っていたのだが、普通どおりに起きなければならなかった。今日は嫁さんが仕事なのだ。しかも早番ときている。そのため普段より早く家を出て、送って行った。雨が降りそうな朝、こういう日の運転は、あまり好きではない。来てもない車が、来ているような錯覚に陥るのだ。おかげで、駐車場から出る時に、何度もタイミングを逸してしまった。幹線に出ると、前の車がフラフラしながら走っていた。最初は酒気帯びかと思ったが、よく見るとスマホをいじっている。そのスマホいじりが終わらないのか、フラフラはずっと続いていた。しばらくフラフ...故意犯

  • 最高傑作

    白紙の日記帳が目の前に現れて何か書けとぼくに迫ってくる。だけど毎日書くことがあるわけではない。だからその日の日記を御免被ろうとする。ところがそれでも日記帳は目の前に現れて何か書けとぼくに迫ってくる。それがあまりにしつこいので仕方がなく何か書こうとやってみる。そうやって考えて考えて考え抜いて七転八倒していって、やはり何にも出てこないと気づいた時に、突然何かが吹っ切れたような気分になって『白紙の日記帳が目の前に現れて何か書けとぼくに迫ってくる』ことが俄然面白く感じてくる。するとそれが文章になってぼくの下に落ちてくる。「なーんだこれがあったんだ」とぼくは何も手を加えずに『白紙の日記帳が目の前に現れて何か書けとぼくに迫ってきた』と書く。読む人がこれをどう思うかは別にしてぼくの中では「これは最高傑作だ」というお腹い...最高傑作

  • 商才のない男です

    友人がこの春、今の仕事を辞めるらしい。辞めて隠居するのかというと、そうではなく、他の仕事を始めるらしいのだ。年金をもらっているとはいえ、生活がかかっているだろうに、そう決断できる彼がうらやましい。というか、まだまだヤル気を見せている彼をうらやましく思う。とはいうものの、ぼくもやりたいことはある。ところが、いまだ暗中模索状態なのである。それゆえに、友人のような飛躍が出来ないでいるのだ。そういえばむかし、ある人が、「おまえ、せっかくホームページをやっているんだから、それで儲けるようなことを考えたらいいじゃないか」と言ってきたことがあった。なんでもその人の友人に、ネットでかなり儲けている人がいたらしい。「だから、おまえも…」となったのだが、ホームページで儲けることなんて、そう簡単に出来るものではない。実は、ぼく...商才のない男です

  • ズボン下

    冬場は太股が寒いんだからズボンの下に何かはかないとやりきれない冬場は太股が寒いんだからズボンの下に何をはこうかと迷っているんだ冬場は太股が寒いんだから何かはこうとは思うんだけど男が許さない冬場は太股が寒いんだからどうしようかと考えているうちに春が来るズボン下

  • あなたがほしい 後編(2005年2月27日付)

    それから1時間ほどが過ぎた。三人の会話が途絶えた。しばらく沈黙が続いたあとに、一人が「ママ、今日は歌わせて」と言った。ぼくたちが振り向くと、それは時々見かける女性だった。ママはその女性にマイクを渡した。三人は代わる代わる歌った。そして、何曲か目に高橋真梨子の『foryou・・・』が入った。マイクを取ったのは、地味女だった。歌はかなりうまかった。周りも「うまい、うまい」と歓声を送っていた。それで気分をよくしたのか、だんだん歌声は大きくなっていった。ところが、歌っていくうちにだんだん怪しくなってきたのだ。大きくなった歌声が、かすかに震えてきた。そしてサビ、そう「あなたがほしい」のところにさしかかった時だった。急に彼女の声が止まり、うつむいて「ああ…」と声を上げて泣き出したのだ。それを見て、それまで歓声を上げて...あなたがほしい後編(2005年2月27日付)

  • あなたがほしい 前編(2005年2月26日付)

    何かの拍子に、今までまったく忘れていた、どうでもいいようなことを思い出すことがある。今朝、いつものように、会社に行くなりトイレに駆け込んだ。その時、トイレのドアの閉まる「ギー」という音を聴いて、ある歌を思い出した。高橋真梨子の『foryou・・・』である。「お、このフレーズ、『あなたがほしい…』に似とるわい」と思ったわけである。思い出したことというのは、その『foryou・・・』にまつわる話だった。前に会社にいた頃、ぼくは月曜日になると、いつも行きつけのスナックに飲みに行っていた。なぜ月曜日かというと、翌日の火曜日が休みだったからだ。そこで弾き語りをしたり、ママさんや他のお客さんとおしゃべりをしたりして楽しんでいた。ある日、いつものように他のお客さんと談笑している時だった。バタッとドアの開く音がした。見る...あなたがほしい前編(2005年2月26日付)

  • 人生のヤマ

    以前勤めていた会社にKさんという方がいた。ちょっと変わった面白い人だった。ある時期、そのKさんが、手当たり次第に保険に入りだしたことがあった。誰もが、「Kさん、保険なんかに興味を持ってなかったのに、何でまた…」と言っていたものだった。それから数ヶ月たったある日のこと。Kさんが救急車で、病院に運ばれたという連絡が入った。何でも、Kさんが家で出かける準備をしている時に、突然倒れたというのだ。その後、再び連絡が入って、過労という診断だったらしく、一週間ほどで退院できるということだった。数日後。Kさんは、「せっかく入院したんだから、ついでに持病の検査もしてもらったら?」という家族の言葉に促され、検査をしてもらうことにした。ところが、その持病の部分に癌腫が見つかったのだ。さっそく手術を受けることになり、当然入院期間...人生のヤマ

  • 記憶違い

    仕事中に聞いているラジオ番組は、いつも昔の歌を流してくれている。そういう歌を聴くと、つい気持ちがその時代に戻ってしまい、曲が終わると何か忘れ物を取り戻したような気がして、得したような気分に浸れるものだ。その一方で、ちょっとした記憶違いに気づき、愕然とすることもある。ある時その番組のDJが、これまでぼくが小六の頃に流行ったと思っていたある歌を、中一の年に発表された歌だと紹介したことがあった。ぼくはその歌に関する思い出やイメージを、数十年も半ズボンの小学六年生のものとしていたので、学生服の中一時代の発表と聞かされた時には、「それは違っとるやろ」という言葉が思わず口を突いて出たのだった。しかしネットや資料などで調べてみても、DJの言う年代のほうが正しいではないか。これはショックだった。「ぼくはいったいどの歌のイ...記憶違い

  • 冬怪談

    この時期に幽霊が出てきたのであります。頬にホクロの二つ並んだ青黒い顔の女幽霊でありまして彼女がトイレとか部屋の中とかを浮かぬ顔をして往き来しているのです。そこでぼくは除霊しようと思い立ち伝家の宝刀である般若心経を唱えたわけです。ところが、現実のぼくは寝ているので、口が機能しないのでしょうねはっきりとした言葉になって出てこない。「マーカハンニャーハーラー」が「ファーファーファーファー」となるのでありまして、それが実にもどかしくつい意地になって何度も何度もやってみるのです。だけど、相変わらず言葉にならず女幽霊はいつまで経っても消えようとしない。幽霊の横には嫁さんがいるのでありますがきっと見えてないのでしょうね『何やってんだ?』みたいな顔をしてジーッとこちらを見ているのです。その時でした。誰かがぼくの肩をポンポ...冬怪談

  • 温泉旅行

    列車は休むことなく入ってきて毎日毎日時間通りに発車する。行き先は有名な温泉地だから旅館の心配をすることもない。あとはこちらの都合さえつけば思い出がひとつ作れるのだ。いつもぼくらはそのために寒さや暑さに耐えながら三連休や四連休を作ろうと必死になって頑張っている。だけど望みがかなうことはなぜか滅多にないものだ。理由はいろいろあるのだがあくまでもそれは言い訳で本当の理由は一つしかない。旅立つ勇気を持てないからだ。温泉旅行

  • 初春

    初春のお慶びを申しあげます。初春と言う時、なぜか旧暦の方がピンとくる。新暦だとすぐに寒の入りになるわけだし、暦の上の春である立春が、えらく遠くに感じるものだ。その点旧正月は、新暦よりも立春近くに位置している。例えば今年の場合は、元日が二月十日だから、暦の上ではすでに春になっているわけだ。月の名も旧暦の方がわかりやすい。だいたい梅雨月である新暦六月を、水無月なんて呼ぶ方がおかしいでしょう。的中率が高い占いと言われる宿曜占星術や紫微斗数なども、旧暦じゃないと占えない。少なくとも千数百年以上の歴史を旧暦で築いてきたこの国に、南蛮渡来の新暦を当てはめるなんて無理がありすぎるのだ。ともあれ旧暦の正月が始まった。初春

  • お口クチュクチュ

    夜歯を磨くことが面倒になってお口クチュクチュですませています。歯磨きを早く終わらせようとしてムキになって歯を磨く癖のあるぼくにとってはこのやり方が一番いいのかもしれません。第一歯ぐきを痛めることがない。歯磨きだとついつい力を込めるので歯ぐきが破れて血が出てしまう。おかげで歯槽膿漏じゃないかと疑って歯科医に行ったことだってあるのです。歯医者さんから「歯ぐきは問題ない」と言われるも、「これがいいですよ」とゴム製の歯間ブラシを勧められ断り切れずに買いました。もちろん保険は利きません。お口クチュクチュ、クチュクチュは歯ぐきを痛めず、血も出ない。お口クチュクチュ、クチュクチュは歯間ブラシも用いません。お口クチュクチュ、クチュクチュは実に気持ちがいいのです。お口クチュクチュ

  • 生と死と

    生きている者にとって死ぬということは大変な出来事だ。それは生きている者が、脳といういつもいらんことを考える面倒なものを持っているからで、そいつがこの世に執着してしまい死は苦しいものだとか死は痛いだものだとか思わせて死を遠ざけようとするからだ。一方、死んだ者にとって死ぬということは大したことではない。それは死んだ者が、脳といういつもいらんことを考える面倒なものを持っていないからで、ゆえに現象や物と一体になれるのだ。それは即ち、生とか死とかを超越しているということでありだから死に大した意味を持たないわけだ。つまり、霊がこの世に現れるのは実はそのせいなのだ。しかし、ぼくが寝ている時に現れて意味もなく跨いでいくのだけはいいかげんにやめてほしい。生と死と

  • 老眼鏡

    経済、外交、内輪もめいろいろと問題が山積しているのでありますが相も変わらずこの国民は「何をどうしたらいいのか・・わかんなーい」とでも言いたげなあの眠た顔の老眼鏡を非難したり、馬鹿にしたりしながらも国の舵取りを任せているのであります。世界の流れから察しまするにあのぬる目の老眼鏡に「No」を突きつけるその時が来ているような気がしてならぬ今日この頃であります。老眼鏡

  • 何度泣かされたことか

    思い出したくないことを思い出すまいとすると思い出してしまう。思い出さなくていいことを思い出そうとすると余計なことまで思い出してしまう。忘れたいことを忘れようとすると忘れられなくなってしまう。忘れていいことを忘れないでいるとそこにつけ込まれる。心に引っかかることは心に引っかけておくべきで自然に解けるようになっている。心に引っかからないことは心に引っかけないでおくべきで無理に関わるとろくなことはない。帰る時は何があっても帰るべきで帰らないで残っていると余計な仕事が降りかかったりする。行く時は何があっても行くべきで行かなくても大差なく感じるが実は将来に大きな差が出てくる。何度泣かされたことか

  • 春は名のみの

    立春、この言葉を聞くと、なぜかホッとする。春がもうそこまで来ているのである。とは言え、昨日は寒い一日だった。日は照っていたけど、暖房の利きが悪い職場は寒くてならなかった。その寒さの中、ふと高校の頃に習った『早春賦』という歌が、口をついて出た。「春は名のみの風の寒さや谷の鶯歌は思えどときにあらずと声も立てずときにあらずと声も立てず~♪」(詞;吉丸一昌)その『早春賦』だが、習った時期が悪かったのか、ぼくはこの歌を、長い間『知床旅情』のパクリだと思っていた。そう、『知床旅情』はぼくが中学の頃に流行った歌だからだ。しかし、よくよく考えてみると、当時の教科書に載っているくらいだから、『早春賦』の歴史はもっと古いはずだ。ということで、後年そのことを調べてみた。やはりそうだった、この歌は大正2年に出来ていたのだ。という...春は名のみの

  • 『星』最近は星がよく見える生まれた時からあまり星を見たことがなかったのだが最近は本当に星がよく見える空がきれいになったのも確かだがどうやら星を気にする歳になったらしい本当に星がよく見える立春、少しばかり重荷の取れた気分だ。まだまだ寒い日は続くだろうが、これからは確実に暖かくなっていく。これから3月にかけて、そう梅の花がほころぶ頃が、ぼくの一番好きな季節である。もちろん夏も好きなのだが、この季節には劣っている。何が劣っているのかというと、星である。この時期は空気が澄んでいるせいか、星がくっきりと見えるのだ。残念ながら、夏はそれがない。四十代の頃、阿蘇や九重によくドライブに行っていた。ある日、黒川温泉に行った帰りに阿蘇方面から旧やまなみハイウェイを通って大分方面に向かっていた。九重を登り、牧ノ戸峠の手前あたり...星

  • 節分

    明日は待ちに待った立春だ。昨年の10月に占ってもらった時に、「これから悩みの毎日が続きますが、来年の立春を境に悩みも消え、運が上昇するでしょう」と言われていたのだ。ということで、今日までのしがらみは、明日以降消えることだろう。これからは、夢に向かってまっしぐらに進んでいくだけだ。さて、明日以降、どういう展開が待っているのだろうか?楽しみだ。とりあえず、明日からは物事を肯定的に考えていくことにしよう。節分

  • 「好き」

    二十歳の頃、アルバイト先である女性を好きになった。そのことを友人に相談すると彼はぼくに彼女に「好きだと告白しろ」と言うのだ。ぼくとしては自分の心の中に好きという気持ちをもっともっと温めていきたかったのだがえらくその友人がせき立てる。その勢いに乗せられたぼくは好きな気持ちが温まらないままに「好きだ」と彼女に打ち明けた。ところがその瞬間に、好きが好きでなくなってしまったのだ。以降好きはドンドン冷めていき『「好き」と言ったことは間違いだったから忘れてほしい』とさえ思ったものだった。「好き」と告白することは果たして美しいことなのだろうか。「好き」と告白することは果たして恋の常道なのだろうか。「好き」と打ち明けないから好きでいられるということもあるし「好き」と言えないほど好きというのもあるに違いない。決して告白がす...「好き」

  • 変わってる

    ぼくは小学校に上がる前から、人に「変わってる」と言われていた。ぼくとしては普通にやっていたつもりなので、何でそう言われるのかがわからなかった。言われるたびに、「いったい、何が変わっているのだろう?」と思っていた。自分だけ浮いているように思えて、面白くもなかった。しかし、ブログを始めて、「変わってる」と言われた時のエピソードを書いたりすると、記事を読んだ方から、「自分もそういう経験ありますよ」などと言われるようになった。ということで、これまで『変わっている』と言ってきた人は、まともだったんだろうか?と思っている。ところで、人から「変わっている」と思われるということは、その人から注目されているとも考えられる。いい意味で注目されているのならいいのだが、それがその人の理解不能という理由で注目されているのなら、考え...変わってる

  • 自己嫌悪

    1977年2月1日の日記にこんなことを書いている。「毎日毎日休みも取らず、戦場に向かっている。笑っては馬鹿にされ、泣いては卑怯だと言われる。日々の終着は、居眠りでごまかし、目覚めれば、また戦場に向かう。疲れの報酬は、何もない。疲れの報酬は、何もない。」なんだ、何も変わってないじゃないか。環境こそ変わったものの、根本は47年前つまり19歳の頃と同じである。いったい今まで何をやってきたのだろう。それが人生だと言われればそれまでだが、何かむなしい。19歳のぼくは、ギターと戯れていた。66歳のぼくは、スマホと戯れている。19歳、ぼくの未来はキラキラと輝いて見えた。66歳、ぼくの過去はキラキラと輝いて見える。あの頃から人生設計を立てていた人は、立派になっていることだろう。今もって人生設計を立てていないぼくは、自己嫌...自己嫌悪

  • 給食室

    この間、用があって、ぼくが通っていた小学校の近くまで行った。当時木造だった校舎は、鉄筋校舎に変わっていた。位置も若干移動していて、木造校舎の建っていた場所が運動場になっていて、運動場のあった場所に鉄筋校舎が建っていた。位置的にまったく変わってないのはプールだけだった。かつては田んぼだらけだった周りの景色も、今は住宅地に変貌していた。というわけで、母校ではあるが、母校とは言い難い雰囲気を、今の小学校はかもし出していた。ただ一つだけ、昔とわらないものがあった。それは建物だとか位置などではなく、においだ。何のにおいかというと、給食室のにおいだ。最近の給食はかなりいい食事を出していると聞くが、それでも給食室のにおいは変わってなかった。行ったのが平日の午前中だったので、においがプンプンにおってきた。このにおいに気づ...給食室

  • 兵隊やくざ

    中学の頃、日曜日の午後にテレビでよくやっていた映画がある。勝新太郎主演の『兵隊やくざ』シリーズだ。ぼくはこの映画が好きで、いつも見ていた。規律の厳しい軍隊という枠に縛られずに、好き勝手やっていた大宮上等兵(勝新太郎)の行動が実に痛快だったのだ。これは学校内でもけっこう評判になり、この映画を見てないと月曜日の話題について行けなかったものだ。さてこの映画、モノクロだったせいで、その後はテレビでやらなくなった。そういうことがあり、だんだんその映画の存在を忘れていった。二十年ほど前だったか、一度ビデオで発売されたことがある。が、その時はさほど見たいとは思わなかった。ところが最近、なぜか『兵隊やくざ』の夢を見るようになった。別に自分が『兵隊やくざ』の中に登場しているわけではない。その映画を見ている夢だ。「何で今頃、...兵隊やくざ

  • 理科が嫌いだった

    以前書いたことがあるが、ぼくは理科という教科が苦手だった。何でそれほど理科が苦手だったのかわからないが、ただ一つだけ言えることがある。それは、理科にまったく興味がないということだ。まあ、理科で関心を持っていることと言えば、気象学、つまりお天気と、あとはアルカリ食品くらいである。ぼくは昔から実験が嫌いな子だった。小学校の授業では、やたら時間をかけて実験をやっていた。火を点けたり、唾とデンプンを絡ませたり、「こんなことやって、何になるんだろう」といつも思っていた。中学の時には、かわいそうに、蛙やフナの解剖をやるし。エーテルの臭いを嗅ぐと、気分が悪くなったものだ。蛙の解剖は、一年の時にやったのだが、授業が終わった後に先生が、「犠牲になった蛙に、黙祷しましょう」と言った。解剖された蛙はまだ生きていて、心臓がバクバ...理科が嫌いだった

  • 間の悪い人

    1,取引先に間の悪い人がいる。その人は、決まってぼくが食事に行く直前にやってくるのだ。こちらは早く食事に行きたいのに、彼のおかげでなかなか行くことが出来ない。しかたなく、彼の来る日は時間をずらそうと思い、1時間ほど食事の時間を遅らせたことがある。ところが、そういう日に限って、彼も1時間ほど遅れてやってくるのだ。「あんた、おれに飯を食わさんために来よるんね」とつい嫌味を言ってしまう。「いや、そういうつもりじゃないんですけど…」と彼は頭を掻きながら言う。が、次の週も、彼は決まってぼくの食事の直前にやってくるのだ。2,休憩時間中に、何人かでお菓子を分けて食べるとする。そういう時、決まって呼ばれもしないのにやってくる人がいる。その人が入ってきた時、ぼくたちは「あっちゃー」という顔をして、お互いの顔を見合わせる。ま...間の悪い人

  • 今日はいい日だろうか?

    顔を洗ったあとタオルで顔を拭いたら何かが唇に付着した。何だろうと手にとってみるとそれはちぢれ毛だった。シャツのボタンの位置が昨日までとは違うではないか。「えっ?」と動作が止まり一、二分後、ようやく裏返しだということに気づく。六階の家からエレベーターで一階の駐車場まで行く。そこに着いてから初めて車のキーを忘れていたことに気づく。すでにエレベーターは八階まで昇っていた。暖機運転をしていたことを忘れエンジンをかけるとシャカシャカという異音がする。故障じゃないかと思い外に出てから暖機運転していたことを思い出す。車を運転している時大きな真っ黒いカラスが突然前方を横切って行った。さらに他のカラスが「カア」と四度鳴いた。仕事中にとある出版社から本を出しませんかという電話がかかる。いい気になって話を聞いていると多額の費用...今日はいい日だろうか?

  • 高校教師

    プライムビデオに、映画版の『青春とはなんだ』があった。主演は石原裕次郎になっている。原作が石原慎太郎だからそうなったのだろう。これは知らなかった。ぼくが知っている『青春とはなんだ』は、テレビ版の夏木陽介主演で、一連の学園ドラマの走りになったやつだ。日テレ系は、その後『これが青春だ!』や『飛び出せ!青春』などに続いていくわけだ。ぼくが高校の頃、その日テレ系とは、ひと味違った学園ものがあった。それは、加山雄三が主演した『高校教師』というドラマで、『青春とはなんだ』などの爽やか路線とは、まったく意を異にしていた。主題歌を歌っていたのが、夏木マリだったというのも、その当時の学園ものとは異質のものだったというのが伺えるだろう『高校教師』は東京12チャンネルでやっていたものだった。そのせいか、当時、同じ12チャンネル...高校教師

  • 早飯、早糞、早ブログ

    「早飯、早糞、芸のうち」という言葉がある。これがいいのかどうかはわからないが、ぼくはいいふうに捉えている。なぜなら、いらんことを考えずにすむし、さっさと他の行動に移せるからだ。さて、今日のブログ、「ああじゃない、こうじゃない」と考えすぎて、なかなか記事がまとまらない。いつもは、ブログ更新を終えてから、朝の体操をし、仕事に行く準備をしているのだ。ここでつまずくと、一日の流れが悪くなる。そのために早起きしているのに、流れが悪くなると、仕事にも支障が出てくる。ということで、また明日。早飯、早糞、早ブログ

  • おひかえあそばせ

    最近プライムビデオで、「おひかえあそばせ」という古いドラマを見ている。昭和46年の作品で、石立鉄男、大坂志郎、富士真奈美、宮本信子、岡田可愛などが出演している。昭和46年というと、ぼくは14歳、中学2年の頃である。テーマ曲はなんとなく覚えがあるが、当時この番組を見ていたという記憶がない。調べてみると、このドラマが一連の石立鉄男シリーズの第一弾である。このドラマの次が「気になる嫁さん(S46)」、その後「パパと呼ばないで(S47)」「雑居時代(S48)」「水もれ甲介(S49)」「気まぐれ天使(S51)」「気まぐれ本格派(S52)」と続いていく。最後の「気まぐれ本格派」は、ぼくが20歳の時である。14歳から20歳、まさにぼくの青春時代だ。ぼくは石立鉄男ファンだった。石立ファンになったのは、「気になる嫁さん」を...おひかえあそばせ

  • 学芸会

    小学校の頃、講堂と呼んでいた場所があった。入学式、卒業式、始業式、終業式といった行事や、映画教室や全校集会、体育館がなかったので体育もそこで行っていた。講堂で行っていたもう一つの行事が、学芸会だった。ぼくたちの時代はいつも3学期に行っていた、講堂に漂うナフタリンの匂いが、今でも懐かしい。学芸会といえば、ぼくは小学生の頃、六回の学芸会のうち四回は器楽合奏に参加した。担当はいつもハーモニカだった。ぼくはおじの影響で、物心ついた時にはすでにハーモニカを吹いていたため、ハーモニカが得意だった。ということで、「ハーモニカをしたい人いますか」と言われたら、手を上げていたものだ。さて、残りの二回の学芸会では何をやったのかというと、合唱と劇である。合唱は二年の時、劇は四年の時だった。合唱をやったのには理由がある。実は、最...学芸会

  • 血の轍

    コンクリートの床の冷たさが上履きの靴底からしみてくる。その日は朝から気温が上がらない寒い寒い一日だった。昼休み、ぼくは予約していたその日発売のボブ・ディランのアルバム『血の轍』が入荷しているかどうかを確かめるためレコード店に電話をかけていた。「少々お待ちください」からどのくらい時間が経っているのかえらく待たされているような気がする。窓の外ではとうとう雪が舞いだした。「・・・・申し訳ありませんが・・・・」「えっ、まだ入ってないんですか!?」その辺にいた数人の人たちがつい大声になったぼくを見た。「じゃあ、また電話します」ぼくはムッとして受話器を置いた。その時、当時好きだった女子が保健室から赤ら顔をして出てきた。そしてぼくの横を素通りしていった。寒さと、血の轍と、怒りと、恋心と、1975年1月のことだった。↑こ...血の轍

  • 同窓会

    『同窓会』高校に入学してからのぼくは中学生の頃までとはまったく違う生き方をしてきたせいでそれまで考えてきたこととかそれまでの立ち位置だとかをほとんど覚えていないのです。どの人と仲好くしていたのかどの人と仲好くなかったのかそんなことまで忘れています。同じクラスじゃなかった人はほとんど初対面感覚なのです。『えっこの人誰だったっけ?』なんて方も少なからずいます。ぼくは数十年ぶりの同窓生と「乾杯」を繰り返しながらも旧交を温めあうことをせずに誰?ばかり考えておりました。中学の同窓会のことを書いたものだ。あれから5年が経っている。その時、馬の合った奴と「ちょくちょく会おうや」と再会を誓ったのだが、その後ぼくの病気やコロナ禍などで、会わないままになっている。健康体を取り戻したし、コロナ禍も終わったし、そろそろ、会いたい...同窓会

  • 暖房病

    (1)暖房依存症年が明けて、しばらく寒い日が続いたが、ここに来て若干温かくなった。ここ二、三日、最高気温が15度を超えているのだ。15度というと、秋の気温である。もし、10月や11月でこの気温なら、まず暖房を入れることはないだろう。しかし、12月を過ぎるとそうもいかない。一度暖房を経験した体は、よほど暑い日でもない限り、暖房を要求するのだ。あげくに乾燥肌に悩まされたりするから、始末に負えない。(2)ズボン下の害暖房というのは、何も機械だけではない。ズボン下もそうである。ズボン下も、一度はくまでは、別にはかなくても何と言うことはない。ところが、いったんはいてしまうと癖になる。それ以降ズボン下をはかないと、落ち着かなくなるのだ。これも先の暖房体験と同じことである。履いてない時と比べると、当然通気が悪くなるから...暖房病

  • 30分

    小学生の頃、国語の時間によく作文を書かされていたのだが、その時間内に出来なかったら、宿題になっていた。宿題になるといやなので、いつも授業中に書き上げていたものだ。ところが、たまに「今から30分で作文を書いてください」と、時間を限定されることがあった。そうなると、ちょっと事情が違ってくる。プレッシャーに弱いせいなのか、時間を限定されることに反発していたのか、やる気がなかったのか、そのへんは今となってはわからないが、まったく書けなかった。しかし、その時間がくるといやでも提出しないとならない。そこで無理矢理書くのだが、それがまったく文章になっていない。しかも、3行4行の世界である。当然いい点はもらえなかった。ということで、今日はそんな日記になりました。いい点もらえんだろなあ・・・・。30分

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