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2021/08/10

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  • 読書日記1185

    読んだ本 ブライアン・ヘイズ『ベッドルームで群論を:数学的思考の愉しみ方』みすず書房 (2010) 執行草舟『現代の考察』PHP研究所 (2019) リチャード・ドーキンス『魂に息づく科学:ドーキンスの反ポピュリズム宣言』早川書房 (2018) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 昨日は、数学的な操作、手続きを経て何かを「発見」することと、プラトンの言う「想起」との違いについて考えた。今日もつづきを考えた。 まず人間が数式を見て万人が同じ仕方で理解できるというのは、数式の完全性というよりかは明らかに人間の認識能力の完全性によるものと思われた。 …

  • 読書日記1184

    読んだ本 マーティン・ガードナー『ガードナーの不思議な最終講義』青土社 (2014) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 100/89、10000/9899、1000000/998999のように、分子に2つゼロを増やして分母の両端に9をひとつずつ増やす、という手続きを繰り返すことによってフィボナッチ数列が商の値として表れるという、不思議な話について読んだ。 形式的な操作によって偶然発見することは、プラトン的な「想起」としての発見とどのように違うのかについて自分は想いをめぐらせた。 抽象と具象についても想いをめぐらせた。 数学は抽象的とよく言われ…

  • 読書日記1183

    読んだ本 ドミニク・チェン『未来をつくる言葉:わかりあえなさをつなぐために』新潮文庫 (2022) その他数冊 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 今日もノートのほうにはいくつか引用を写したり、思ったことを書いたが、いまいちまとまりに欠ける一日であった。 内容が多少は頭に入っているがしかし、何故かスッキリしない。 ・・・ ドミニク・チェンから刺激を受け、再びベイトソンへの関心が強まった。 その前にリチャード・ドーキンスのほうを全部読んでおきたいが、なかなか進まない。 とりあえず今日は数冊、並行して読んでどれも100ページほどは読み進んだが、どれ…

  • 読書日記1182

    じ読んだ本 松岡正剛『文明の奥と底 千夜千冊エディション』角川ソフィア文庫 (2018) 執行草舟『現代の考察』PHP研究所 (2019) マーク・トウェイン『人間とは何か』岩波文庫 (1973) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 マーク・トウェインが示唆しているのは、勝手な推測ではあるが、デカルト以後の合理主義によって人間が機械的に行動するようになってしまったことへの警鐘ではないだろうか。 数式によって人間の行動を完璧に推測することはできない。しかしアイヒマン実験を…

  • 読書日記1181

    読んだ本 マーク・トウェイン『人間とは何か』岩波文庫 (1973) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 老人は人間が機械と同じだと青年に語りかける。 人間の心、行動、思考はどこまでも「外部の力」の作用によるものであって、自由意志というものは無いという。 青年はそうは思えなく、その主張に反論して老人と議論が交わされていく。 監視社会が近づきつつある今日、ひとつのディストピア文学として現代の問題と結びつけられる本だと思われる。自分は他人事のようには思えない。 自粛警察という言葉があった。 また、マスクをしていない人に対する差別的な発言なども問題にな…

  • 阿部恭子『高学歴難民』講談社現代新書 (2023) 読了

    阿部恭子『高学歴難民』講談社現代新書 (2023) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 今月の新書は学歴に関するものと発達障害に関するものが多い。 ・『高学歴難民』講談社現代新書 ・『ルポ 高学歴発達障害』ちくま新書 ・『職場の発達障害』PHP新書 個人が抱えるなんらかの生きづらさや困難が、本を通して社会への認知・理解となればいいのであるが、こんなにもいっぺんに同じようなタイトルが棚に並べられていると「高学歴なのにこんなことになっているなんて、世も末だな」と思ってしまった。 読んですぐに売れば500円で読めるので読むことにした。 ・・・ 内容と…

  • 読書日記1180

    読んだ本 執行草舟『現代の考察』PHP研究所 (2019) スーザン・A・ハンデルマン『救済の解釈学ーベンヤミン、ショーレム、レヴィナス』法政大学出版局 (2005) 梅棹忠夫『文明の生態史観 改版』中公文庫 (1998) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "「(・・・)ロゴス中心主義批判は、何よりもまず、「他なるもの」、「言語にとって他なるもの」の探求なのだ」。(・・・)脱構築が現実に示しているのは、指示対象の不在などということではなく、「指示をめぐる問いは、数々…

  • 読書日記1179

    読んだ本 梅棹忠夫『文明の生態史観 改版』中公文庫 (1998) リチャード・ドーキンス『魂に息づく科学:ドーキンスの反ポピュリズム宣言』早川書房 (2018) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 明日から執行草舟『現代の考察』を再読することにしたので文明に関する本をもう一冊読んでおきたいと思った。 『文明の生態史観』のなかで著者はトインビーに触れている。 トインビーがいうには、世界にある6つの文明のうち、5つは崩壊に向かっているということであり、そこに日本が含まれて…

  • 読書日記1178

    読んだ本 リチャード・ドーキンス『魂に息づく科学:ドーキンスの反ポピュリズム宣言』早川書房 (2018) 池田晶子『無敵のソクラテス』新潮社 (2010) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 リチャード・ドーキンス氏と池田晶子の対比は面白い。 前者は科学至上主義者であり、後者は科学の万能性に疑問を呈する哲学者である。 水と油が混じらないのは水のなかに油を入れるか、油のなかに水を入れることによって初めて判明するように、ドーキンスの思想に池田晶子の思想を入れるか、池田晶子の思想にドーキンス氏の思想を入れることによって両者がどう反応を示すか分かる。 …

  • 読書日記1177

    読んだ本 小室直樹『数学嫌いな人のための数学』東洋経済新報社 (2001) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 ソクラテスがよくやる論破の仕方に背理法というものがある。 背理法のおかげで非ユークリッド幾何学の発見に繋がったということは今日初めて知った。 「真実を語り、預かったものは返すということは正義の正確な定義ではない」 この命題をソクラテスは背理法によって証明した。 証明したいのは「(省略)~が正確な定義ではない」ということであった。 仮定として「~が正確な正義である」と置く。 次に仮定に矛盾するケースを見つける。 見つかった。 「武器を預か…

  • 読書日記1176

    読んだ本 藤田直哉『虚構内存在:筒井康隆と<新しい《生》の次元>』作品社 (2013) 須藤孝也『人間になるということ:キルケゴールから現代へ』以文社 (2021) 吉田健一『文学の楽しみ』講談社学芸文庫 (2010) ローレンス・ヴェヌティ『翻訳のスキャンダル:差異の倫理にむけて』フィルムアート社 (2022) 鴻巣友季子『文学は予言する』新潮選書 (2022) 宮下志郎『文学のエコロジー』左右社 (2023) 斎藤孝『アウトプットする力:「話す」「書く」「発信する」が劇的に成長する85の方法』ダイヤモンド社 (2020) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

  • 読書日記1175

    読んだ本 橋本努『消費ミニマリズムの倫理と脱資本主義の精神』筑摩選書 (2021) マーサ・C.ヌスバウム『経済成長がすべてか?:デモクラシーが人文学を必要とする理由』岩波書店 (2013) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 はてなブログ大学文学部。記事数4001。 半分は記事と呼べるかは分からないが、2021年の冬以降、後半は全力でやりきった感がある。 特に大きな目的は無く、好奇心、向上心、虚栄心、野心などいろいろ抱きながらつづけた。 4000まではとりあえずやろうと考えた。そして達成してしまった。 目的は達成すると消え、虚無感を与える。 …

  • 読書日記1174

    読んだ本 ローレンス・ヴェヌティ『翻訳のスキャンダル:差異の倫理にむけて』フィルムアート社 (2022) マーサ・C.ヌスバウム『経済成長がすべてか?:デモクラシーが人文学を必要とする理由』岩波書店 (2013) 池田晶子『無敵のソクラテス』新潮社 (2010) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 書店でぶらぶら立ち読みした。 集英社新書『自由の危機』を少しだけ読んだ。まず項目が非常に政治的である。「学問と自由」は日本学術会議の任命拒否問題のことである。「芸術と自由」はあいちトリエンナーレ問題のことである。こういう話がおそらく半分を占める。ちょ…

  • 筒井康隆『虚人たち』中公文庫 (1984) 読了

    筒井康隆『虚人たち』中公文庫 (1984) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 感想 読点がない。改行がない。雑念なのか妄想なのか幻覚なのか夢なのか分からない思考の断片が永遠に連鎖してく。筒井氏の小説に読み慣れていない自分には最初から最後まで訳の分からない小説であった。換言すれば、要約の不可能性を感じさせる小説であり、その点においては卓越した独創性を持っていると思うのだが、トーマス・ベルンハルト『消去』も同じようなことをやっているので幾分かは独創性が薄れるはするものの、著者は従来の小説の形式から自由であることに重きを置こうとしたと思わせるこの様式は確…

  • 読書日記1173

    読んだ本 筒井康隆『小説のゆくえ』中公文庫 (2006) 筒井康隆『虚人たち』中公文庫 (1984) カント『判断力批判 (上) 』岩波文庫 (1964) 須藤孝也『人間になるということ』 つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『虚人たち』は200ページまで読み進めた。 明日感想を書きたい。 筒井康隆氏の『小説のゆくえ』は、薄利多売でしかない小説・文学のあり方が語られた。 もはや真の文学だけを求める人間のためにだけ書くべきであるという、至極全うな評論であった。島田雅彦氏…

  • 読書日記1172

    読んだ本 須藤孝也『人間になるということ:キルケゴールから現代へ』以文社 (2021) カント『判断力批判 (上) 』光文社古典新訳文庫 (2023) 池田晶子『無敵のソクラテス』新潮社 (2010) 筒井康隆『虚人たち』中公文庫 (1984) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『判断力批判 (上) 』もいよいよ後半に突入してきたところだろうか。正直なところ、考察が崇高の分析論に移行してからは理解に及ばない。うなずけるような文章に遭遇した時にはメモをするという読み方でいいと自身を納得させた。 読んでいてすぐに浮かぶ疑問というのは、「崇高とは端…

  • 読書日記1171

    読んだ本 斎藤孝『古典力』岩波新書 (2012) 仲正昌樹『現代哲学の最前線』NHK新書 (2020) 若尾裕『サステナブル・ミュージック:これからの持続可能な音楽のあり方』アルテスパブリッシング (2017) 池田晶子『無敵のソクラテス』新潮社 (2010) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『無敵のソクラテス』のつづきを読み進めた。 この本はテーマが分かれていて、どこから読んでもすんなりと対話についていけるので重宝したいと思うようになった。 今日はまずアイデンティ…

  • 読書日記1170

    読んだ本 池田晶子『無敵のソクラテス』新潮社 (2010) カント『判断力批判 (上) 』光文社古典新訳文庫 (2023) 筒井康隆『虚人たち』中公文庫 (1984) 仲正昌樹『現代哲学の最前線』NHK新書 (2020) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『判断力批判 (上) 』は250ページくらいまでは読み進んだ。 昨日は「美 ≒ 趣味」としか思えなかった。この点の疑問を解消するべく読み込む。 また、カントの用いる「合目的性」や「目的」という言葉についても、なるべく日本語の言葉として理解するのではなく、文脈から推測できるように努めた。 「こ…

  • 読書日記1169

    読んだ本 マーサ・C.ヌスバウム『経済成長がすべてか?:デモクラシーが人文学を必要とする理由』岩波書店 (2013) 筒井康隆『虚人たち』中公文庫 (1984) カント『判断力批判 (上) 』岩波文庫 (1964) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー日記 『虚人たち』をひたすら読んだ一日であった。 癖が強すぎて嫌いな人はすぐに手放すだろうと感じた。 若干の苛立ちを覚えながらも、最後まで読みたいという謎の衝動に駆られて読み続けた。 さすがに80ページほど読んだときには疲れてしまい、電車で眠ってしまう。 ・・・ 『判断力批判 (上) 』は160ページ弱ま…

  • 読書日記1168

    読んだ本 熊野純彦『カント 美と倫理のはざまで』講談社 (2017) 今井勉/中村俊直 編訳『ヴァレリー集成Ⅴ:<芸術>の肖像』筑摩書房 (2012) カント『判断力批判 (上) 』岩波文庫 (1964) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 今月はアドルノの本を読み込もうと思っていたが、アドルノ『道徳哲学講義』を読むにはどう考えてもカントを読まないと無意味な気がしてならなかった。 また、哲学者アランもカントの本を相当読み込んでいたようであったので、哲学書を読むにはカン…

  • 読書日記1167

    読んだ本 カント『判断力批判 (上) 』光文社古典新訳文庫 (2023) ロドルフ・ガシェ『読むことのワイルド・カード:ポール・ド・マンについて』月曜社 (2021) 小坂井敏晶『格差という虚構』ちくま新書 (2021) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『格差という虚構』のストーリーがなんとなく浮かびあがってきたように思われた。 「責任」は社会がつくったものであり、「格差」も社会がつくったものである、というメッセージである。善いことなのか悪いことなのかは分からない。…

  • 読書日記1166

    読んだ本 小坂井敏晶『格差という虚構』ちくま新書 (2021) 國分功一郎『目的への抵抗』新潮新書 (2023) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『格差という虚構』を再読。 概ねマイケル・サンデル氏と同じように、能力というものは統計データから大局的に見れば環境や遺伝に起因するので、格差というものはそもそも決定論的に、不動の「ヒエラルキー」のように存在しているという見方であった。(流動性がないこと) 小坂井氏は「能力の差を正当化するために格差という虚構がつくられる」と書いている。 では何のために能力の差を正当化したいのか? 今日はよく分からなか…

  • カント『道徳形而上学の基礎づけ』光文社古典新訳文庫 (2012) 読了

    カント『道徳形而上学の基礎づけ』光文社古典新訳文庫 (2012) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 感想 編集者の駒井さんは難解なカントをできるだけ一般向けに読めるように翻訳者の中山さんにお願いした。中山さんは、それでは本質が抜け落ちかねないと危惧したが、読者目線の駒井さんはめげずに信念を貫きとおした。 自分はこの本が非常に読みやすいことから、この本に対していかに汗と努力がつまっているのか想像することができた。そしてやはり期待どおり、理解できないところは多々あったが最後まで読み通すことができた。他の出版社から出ているものであったら挫折したかもしれな…

  • 読書日記1165

    読んだ本 アラスデア・マッキンタイア『依存的な理性的動物:ヒトにはなぜ徳が必要か』法政大学出版局 (2018) カント『道徳形而上学の基礎づけ』光文社古典新訳文庫 (2012) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『実力も運のうち』を書いたマイケル・サンデルはコミュニタリアニズムの陣営に属する。あと有名どころではチャールズ・テイラーも属する。そしてマッキンタイアもその陣営にいるとされる。 『美徳なき時代』は結局積読になってしまった。ひとまず共通善について考えてみたくな…

  • 読書日記1164

    読んだ本 カント『道徳形而上学の基礎づけ』光文社古典新訳文庫 (2012) 松岡亮二/髙橋史子/中村高康『東大生、教育格差を学ぶ』光文社新書 (2023) 小坂井敏晶『格差という虚構』ちくま新書 (2021) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『実力も運のうち』を読み終えたあと、やはりアクセル・ホネットをもう一度読まなければ、と思った。約2年前にもアクセル・ホネットを頑張って読んでいた時期があった。nainaiteiyan.hatenablog.com 道徳について興味が湧いたころにジュンク堂に通い始め、功利主義やら厚生主義やらと、アカデミッ…

  • 読書日記1163

    読んだ本 カント『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編』光文社古典新訳文庫 (2006) 加藤典洋『僕が批評家になったわけ』岩波現代文庫 (2020) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『実力も運のうち』を読み終えたあと、古典や歴史を読むべきだという内なる声に従い、ひとまずカントくらいは読もうと感じた。 カントも「本ばかり読んでいないで自分で考えよ」と書いている。自分のことを言われているようでドキッとしてしまった。 自分の頭で考えない人間はカント的には「未成年状態」ということになるらしい。 キケロも似たようなことを書いている。「歴史を知らな…

  • マイケル・サンデル『実力も運のうち?能力主義は正義か?』ハヤカワ文庫 (2023) 読了

    マイケル・サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』ハヤカワ文庫 (2023) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 感想 本書を要約したサイトはいくらでもあると思ったので自分が思ったこと、感じたこと、読んでから考えたことだけを書きたい。 ・・・ 仮に「実力も運のうち」であることが判明したとして、「で、どうすんの?」という現実的な問いを突きつけられる。自分はそれを今日は一日中考えた。そのうえではまず360項の、アクセル・ホネットが唱える「承認論」は欠かせないと思われた。 "ドイツの社会理論学者アクセル・ホネットの主張によれば、所得と富の分配をめぐるこ…

  • 読書日記1162

    読んだ本 片上平二郎『アドルノという「社会学者」ー社会の分光と錯乱する思考ー』晃洋書房 (2018) マイケル・サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』ハヤカワ文庫 (2023) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『実力も運のうち』は330ページ弱まで読み進んだ。明日には最後まで読み終わるので、明日は考えたこと、感じたことなどを一気に書き上げたい。今日は金曜日ということもありさすがに疲れてしまった。 少し感想を書いて明日に備えたい。 ひとつ分かったのは、アメリカは日本以上に学歴で収入が決まるという事実であった。 そして日本と同様に、親の…

  • 読書日記1161

    読んだ本 アラン・マバンク『アフリカ文学講義:植民地文学から世界ー文学へ』みすず書房 (2022) マイケル・サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』ハヤカワ文庫 (2023) シュテファン・ミュラー=ドーム『アドルノ伝』作品社 (2007) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 書店に行けば「世界を変えた○○」といったようなタイトルの本をたまに見つける。本も例外ではなく、世界や人々の価値観を書き換えた本は数多にある。 『アフリカ文学講義』は文学の可能性を感じさせ…

  • 読書日記1160

    読んだ本 シュテファン・ミュラー=ドーム『アドルノ伝』作品社 (2007) アラン・マバンク『アフリカ文学講義:植民地文学から世界ー文学へ』みすず書房 (2022) マイケル・サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』ハヤカワ文庫 (2023) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『実力も運のうち』はようやく200頁弱までたどりついた。 メリトクラシーとポピュリズムについて自分は今まで漠然とした理解にとどまっていたが、本書を読んである程度理解できたように感じた。 …

  • 読書日記1159

    読んだ本 マイケル・サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』ハヤカワ文庫 (2023) J・M・クッツェー『鉄の時代』河出文庫 (2020) シュテファン・ミュラー=ドーム『アドルノ伝』作品社 (2007) 森下伸也/君塚大学/宮本孝二『パラドックスの社会学』新曜社 (2015) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 マイケル・サンデル氏はまだ持論を展開していない。 今日まで読んだ内容は全て歴史の整理であった…

  • 読書日記1158

    読んだ本 マーク・フィッシャー『わが人生の幽霊たちーーうつ病、憑在論、失われた未来』ele-king books (2019) J・M・クッツェー『鉄の時代』河出文庫 (2020) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 デジタルによって「失われるということが失われる」ということをマーク・フィッシャーが書いていた。そこが非常に印象的であった。もちろん良い面もあるだろう。無名の人間がコツコツとブログにいそしみ、亡くなったあとに書籍化された例もある。プラトンは魂の不死を主張したが、文字としての魂はたしかに文明が存在する限りほぼ永久的に生き残る。 悪い面…

  • 読書日記1157

    読んだ本 小田部胤久『象徴の美学』東京大学出版会 (1995) ジャン=フランソワ=リオタール『言説、形象』法政大学出版局 (2011) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 専門書を読むのはかなりエネルギーと集中力を要する。 さすがに疲れてしまった。 リオタールのほうは20分ほど読みつづけたが何も分からなかった。 小田部氏のほうは美学を初めて確立したとされるバウムガルデンの学説を整理するところからスタートした。 今日は専門用語の整理、理解するだけでかなりの時間を取られてしまったが、美学をもう一段階、もう二段階深く理解したいので定期的に読みたい。…

  • 読書日記1156

    読んだ本 梅棹忠夫『文明の生態史観 改版』中公文庫 (1998) 森下伸也/君塚大学/宮本孝二『パラドックスの社会学』新曜社 (1998) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 文明に関する本は教科書的で読んでいてつまらないことが多い。この本もその例外ではないかもしれないが、著者が実際に足を運んだ経験をもとに実態体験ベースで書かれているのでそこまで読みづらくもない。 本書を読むことで、歴史や文化にたいして自分とは違う考えを取り入れることができるのが良いところである。 自分…

  • 読書日記1155

    読んだ本 マイケル・サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』ハヤカワ文庫 (2023) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 神学的な要素を盛り込みながらメリトクラシーの起源についてサンデル氏は掘り下げた。 今日、どれほどのアメリカ人が神や救済について信じているかは分からないが、名残としてはある程度残っているのではないか、とサンデル氏の発言から読み取れた。 サンデル氏は文化史家のジャクソン・リアーズ氏の言葉を引用した。 "「運命を支配する個人の責任にこだわらない文化…

  • 読書日記1154

    読んだ本 森下伸也/君塚大学/宮本孝二『パラドックスの社会学』新曜社 (1998) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 今月一番に面白い本を発見してしまった。 これはとてつもなく刺激的な本である。素晴らしい。 矛盾をとことん掘り下げる内容となっていて、『倫理の道具箱』『哲学の道具箱』のように、矛盾の種類があらかじめ区分けされているので、気になるトピックを好きなようつまみ食いできるようになっている。 本書ではまず矛盾を因果関係の有り無しによって二つに分ける。 前者は自己言及のパラドックスであり(ラッセルのパラドックス)、後者は現象のスケールで発生す…

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