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1件〜100件

  • 「教育とは、金の暴力である」ことを、授業形態の観点から解説。

    現在試行中の教育形態の1つに、反転教室というものがある。大雑把に言えば、授業と課題の役割を逆転させるというものだ。 今までは基本的に、授業内で基礎知識を習得し、その復習や一部応用を授業外の課題で行っていた。反転授業は、基礎知識の習得を授業外の課題で行い、その復習や応用を授業内で行うというのだ。また、反転授業ではオンラインで課題を提供・取り組めるように設計する、いわゆる『開かれた教室』を採用することが多い。いつでもどこでも課題に取り組むことができ、通話を通じた生徒同士の意見交換や教員への質問も可能。オンライン課題の提供形式に縛りはなく、動画を用いることもあるようだ。そして、今まで基礎知識習得のために使用していた授業内時間を、習得してきた基礎知識の復習・補填とそれを用いた応用的学習に割り振る。化学であれば実験...「教育とは、金の暴力である」ことを、授業形態の観点から解説。

  • 誰かに指示して行動させたいときに気を付けるべきこと。

    誰かに指示して行動させたいときに気を付けるべきこと。行動させたいのであれば、行動させたい理由をできる限り説明すること。説明不足は意欲減退を招くのだ。 私たちは、なんらかの理由を持つか、あるいは指示をもらうかして行動を起こしている。これらの理由や指示は俗に動機と呼び、持ち方・もらい方を基軸にいくつかの段階に区別できる。なんの理由も持てず、もらえすの場合は非意欲(アモチベーション)。誰かから指示をもらい、その指示にあまり理由を見いだせない場合は外的規制。誰かからの指示を「それをしなければいけない」と解釈した場合は内的規制。誰かからの指示を「やっておく必要がある」と理解した場合は統合的動機。誰かからの指示を「私のためにも重要な機会だ」と納得した場合は内在化。誰からの指示もなく「ワタシ、コレ、スキ」と発生した場合...誰かに指示して行動させたいときに気を付けるべきこと。

  • 「勉強を強いれば成績は上がる」のは、本当だろうか?

    ※この記事は「1つのテストで図れるほど、教育は甘くない。」の補足です。リンク先の記事の閲覧を推奨します。 かなりの問題点が挙げられるハイステークステストだが、ではなぜ米国政府はこれを良しとしたのだろうか?考えられる理由の1つに「少なくとも成績の向上が見込めるから」が挙げられるだろう。 参考文献の限り、「学校のテスト平均点を上げるために、成績が芳しくない生徒をテストに参加させない」などの不正を行わなかった学校は、ハイステークステストの導入後、テスト指定科目においてテスト平均点が向上したという。また、ハイステークステストの導入後数年間は指定科目において急激な平均点向上が観測されたというのだ。 ただ、この結果には懐疑的にならざるを得ない。平均点向上が、本当にハイステークステストによって促されたかものなのかが確定...「勉強を強いれば成績は上がる」のは、本当だろうか?

  • 意欲を無視した教育方法に、意欲が湧く道理はない。

    ※この記事は「1つのテストで図れるほど、教育は甘くない。」の補足です。リンク先の記事の閲覧を推奨します。 参考文献の限りでは、ハイステークステスト、特に2001年の落ちこぼれ防止法により制定された米国の教育策は勉強の持続を損ねる。これは、特に意欲など動機に関する観点からの提唱である。勉強の持続は学力向上に直結するため、この観点から見た場合、ハイステークステストは最悪学力低下につながるといえる。 理由を列挙する。まず、ハイステークステストは基準となるテストの点数次第で報酬or罰則が決まるものであり、勉強の持続に欠かせない対象生徒の学習意欲とその発育を担保するものではない。また、ハイステークステストという重荷は統制的動機、つまり対象生徒が持つ意欲とは無関係に与えられるため、学習意欲の維持が難しい。ハイステーク...意欲を無視した教育方法に、意欲が湧く道理はない。

  • テストの注力を強いられれば、テストのために動くようになる。必然的に。

    ※この記事は「1つのテストで図れるほど、教育は甘くない。」の補足です。リンク先の記事の閲覧を推奨します。 ハイステークステスト、特に2001年の落ちこぼれ防止法により制定された米国の教育策は、基準となるテストの点数次第で、教員の給与や在職期間、生徒の高校卒業の可否が決定されるという代物だ。その特性上、ハイステークステストは教員や生徒にとって自分の人生を揺るがしかねないほど比重の重たいものとなる。なので、学校側はカリキュラム(教育過程)の変更を、生徒側はテストへの注力を余儀なくされる。ここまでは、学力向上を狙う米国政府の思惑通りである。 が、ここで誤算が生じる。参考文献の限りでは、学校や生徒が行ったのはあくまでもハイステークステストへの対処であり、学力全体の向上を目指したものではなかったというのだ。まず、テ...テストの注力を強いられれば、テストのために動くようになる。必然的に。

  • 1つのテストで図れるほど、教育は甘くない。

    教育に限らず、多くの場面においてハイステークステストは適応されている。ハイステークステストとは、ある基準(テスト)を用いて対象を計り、一定以上の成績を収めたものには合格や報酬が、そうでないものには不合格や罰則が与えられるというもの。わかりやすいものは運転免許証等の国家資格の試験だが、今回は特に2001年の落ちこぼれ防止法により制定された米国の教育策を取り上げることとする。 これは(日本で言う)中学高校を対象としたもので、基準となるテストの成績を学校単位で集計、参加生徒の平均値が一定以上であれば教師などにボーナスが入り、一定以下であれば教師に追加講習などのペナルティを課すというものだ。また、俗にいう高卒認定試験も導入され、これに合格しなければ高校を卒業することができないものとした。諸々の提唱で生徒の成績低下...1つのテストで図れるほど、教育は甘くない。

  • やる気は継続的な学習を促し、成績を向上させる。

    基本的に、学業成績とやる気(意欲・関心・好奇心)には強固な関係があり、やる気の高さは学業成績の高さとしてあらわれる。が、そのあらわれ方には少しクセがあり、少なくとも「できる、できる、君ならできる!」と鼓舞するだけではやる気も、やる気による向上も見込めない。やる気は成績に対する即効かつ即応的な向上策ではなく、その育成と発現にはかなりの時間とコストを要する。 なぜ時間とコストがかかるのか。それは、やる気が成績向上に関与するまでの経路に理由がある。逆引きで答えよう。まず、成績向上のためには継続的な学習が必要となる。次に、継続的な学習は無から発生するわけではなく、何かしらの理由、それも対象が納得するような理由が必要となる。また、対象が納得する理由は外部から与えるよりも、対象自身が見つけ出したほうがはるかに速い。な...やる気は継続的な学習を促し、成績を向上させる。

  • 子供の宿題へのやる気を沸かせる、確実な方法と論理。

    グループディスカッションや論理的かつ丁寧な受け答えなどの、生徒の自律性を尊重する形式の授業は生徒の授業外の勉強のやる気を上げるという。この効果は生徒の授業・学業に対する態度や生徒が知覚する自身の能力の高さを介したものであり、平たく言えば勉強に対する考え方が変わったことで授業外の勉強が促されたという。また、上記の生徒の自律性を尊重する形式の授業は、学問に対する考え方が洗練された教員に多く採用されているという。ここでいう学問に対する洗練された考えとは「知識は絶対的なものではない」「知識は何度も学ばなければ理解できない」などを指す(=洗練された認識論的信念)。 これに近しい論調として、子供の宿題に対するやる気は、その親がもつ宿題への考え方・態度とそこから現れる学習支援の質にも委ねられるというものがある。基本的に、学問...子供の宿題へのやる気を沸かせる、確実な方法と論理。

  • 教員の勤務年数は、生徒の出来と関係がない。

    生徒の成績に対する影響を基準にした場合、教員の勤務年数は無視していいパラメータとなる(取り上げるまでもない、小さな効力ということ)。教員の知能・認知能力・学歴・学位・免許のグレード・学習時間・給与も同上である。教員が生徒の成績にもたらす影響において、上記の理由は説明にならないという。 逆に、教員教育の内容は無視できないパラメータである。これは、一律の教員教育を受けた教員間の成績差分が主に教師自身や生徒による小さなもの(例えばThomasJ.Kaneetal2006)なのに対し、異なる教員教育を受けた教員間の成績差分が教師自身や生徒によるものでは説明できないほどに大きい(LindaDarling-Hammond2000)ことから考察されたものである。具体的には、日本でいう教養学部で必修となるような科目を履修してい...教員の勤務年数は、生徒の出来と関係がない。

  • 『やればできる!』は万能ではない。

    『やればできる!』という考えは、つね一定数の指示を得てきた。「やれば成功するんじゃなくて、やれば成長できる。ベストを尽くすことができるんだ」挑戦に対する前向きな姿勢と成長を第一とする不屈の精神は、普遍的に効果があるものだと信じられてきた。『やればできる!』という考えが、結果的に成功につながるとも考えられ、焚きつけの言葉として多用された。 同じような概念は心理学にも存在し、これを成長マインドセットと呼称する。成功は才能ありきであり成長などありえないとする固定マインドセットより好ましく、こちらも学業成績に大きな効果をもたらしていると言われてきた。なんでも、成長を第一とすることで失敗という結果に囚われることなく、むしろ失敗を糧にして学習することができ、結果的に成績につながるのだという。 こうした理論構築もあり、最近で...『やればできる!』は万能ではない。

  • 社会心理学は、競馬・競輪から始まった。

    集団による個人への影響を考察・実験する社会心理学(心理学的社会心理学)。その始まりはTriplettが1898年に行った実験であるとされているが、このTriplettの実験は、競馬や競輪におけるひとつの疑問が発端となっている。 疑問を簡潔に言うと「競争の有無によるパフォーマンスの差分の原因とは」となる。スポーツ的な競争を前提としたとき、他人と競い合った時のほうが張り切る人、逆に一人黙々と精進できる人、どちらをとってもあまり変化しない人という、あからさまな違いが発生する。当時の競馬や競輪でも同じことがいえるらしく、ひとりでタイムアタックに臨むよりも、他人と競い合ったほうが明らかにいい記録が出せる選手がいたという。「なぜ競馬や競輪において、相手がいるいないでタイムが変わってくるのか」速さを求める業界において、こうい...社会心理学は、競馬・競輪から始まった。

  • 【社会的促進】なぜ私たちは、電車の中で踊りださないのだろう?

    心理学の用語の1つに、社会的促進というものがある。これは、他者の存在が与える個人への影響を指す言葉だ。その効果を発揮させるために他者が特別なにかをする必要はなく、ただ居るだけで個人に影響を及ぼすのだという。 影響は、基本的に抑圧として現れる。また、それと同じぐらい促進としても現れる。表れの違いは、個人が抱える課題の難度によるという。いわく、他者の存在による影響は、個人が何らかの課題をこなすとき、課題が難しければ抑制として、課題が簡単であれば促進として現れるというのだ。 表れの違いの原因はいまも議論されているが、説の1つとして「他者からの評価を気にしているから」が挙げられている。課題が難しいとき、つまり課題の達成が確証されず失敗の可能性があるとき、評価を下してくるであろう他者の存在が気がかりとなり、遂行が抑制され...【社会的促進】なぜ私たちは、電車の中で踊りださないのだろう?

  • 政治家も、印象で選ばれることがある。

    私たちは、顔や印象などのわかりやすいもので決断しがちである。その特性は、政治においても発揮される。いくつかの文献を参考にする限り、男らしい面立ちや身振り手振で激しく訴えるなどの要素を持つ政治家は比較的選ばれやすかったという。また、自己中心的で「結果のためなら犠牲を厭わない」と公言できちゃうような、いわば過激な性格をもつ政治家も選ばれやすかったという。外交的な性格も同上である。 面立ちや身振り手振りは「自分は誰よりも優秀である」という印象を含み、過激な性格と外交的な姿勢はこれをためらわない要因になる。また、そういった印象に触れた私たちは「この人なら何とかしてくれるだろう」といった漠然とした期待を抱くのだ。 ただし、そうして選ばれた政治家がいい人かどうかとは別問題である。1920~40年代のヨーロッパが、その参考に...政治家も、印象で選ばれることがある。

  • お金というものは、思う以上に幸福に結びつかない。

    お金というものは、思う以上に幸福に結びつかない。お金は価値の変動こそあれど基本的には定量的なものであり、定量的なものは経験などの定性的なものと比べて幸福に作用しないのだ。主な理由としては、幸福そのものが定性的であること、飽きや慣れが発生することである「ただ欲しいものは手に入れるまでが一番楽しい」という体験が、その裏付けとなる。 なので、稼げている/稼げていないを幸福の軸にするのはお勧めしない。もし、幸福の軸を稼げている/稼げていないに合わせた場合、「私の時給2000円なんだけど、今カフェでゆっくりしているこの時間があったら4500円は稼げてた。なんてもったいない」せっかくの休日が台無しになってしまう。一応、稼げている/稼げていないが頭の中にある生活はお金稼ぎに対するやる気を上げるが、やはり幸福につながるかどうか...お金というものは、思う以上に幸福に結びつかない。

  • 所得の再分配の是非から知る、私たちの我儘さ。

    「あんなに稼いでいるのに、なんで脱税なんてするんだろう?」「そんなに稼いでいるのならば、ちょっとぐらい分けてくれてもいいじゃないか」現在、そう考える人が多数派だろう。だが、もし自分がそういわれる立場の人になったとき、つまり多大な資産を抱える富豪にでもなったとき、私たちはそういった問いに、なんと返すのだろうか。  私たちは、私たちが思う以上に自分本位に考えている。表れはあらゆる形で顕在するが、その1つに、税金や資産の再分配に対する考え方が挙げられる。具体的に言うと、「自分は周りよりも稼いでいる」と考える人は再分配に否定的であり、「自分は周りよりも稼げていない」と考える人は再分配に肯定的なのだという。 再分配というのは、所得であれ資産であれ格差が発生した時に、その格差を縮めるために行われるもの。基本的には、"稼いで...所得の再分配の是非から知る、私たちの我儘さ。

  • 「好きなことで、生きていく」のはやっぱり難しい。

    私たちは基本的に、熱意だけで物事を成すのは難しい。「私はこれがやりたい」の一点張りは、やりたいことの中に潜むやりたくないことに直面した時にすぐに折れる可能性があるからだ。また、環境の変化により選り好みが変わり、熱意の対象も変わってしまうことが考えられる。「好きなことで、生きていく」と意気込み動画配信者を目指すのは結構だが、企画・撮影・編集などの裏作業にも熱意が働くかは不明瞭であり、その熱意がずっと続くかの保証はどこにもない。一朝一夕で物事を成すのが難しい現代の場合、熱意だけで物事を始めるのは少々リスキーかもしれない。  仮に、熱意がきちんと続き事をある程度成せてきたか、あるいは熱意以外の拠り所ができたとしよう。その場合、次に直面するのは競争である。つまり、数字などの外的指標ではかられる、その指標で他人と競い合う...「好きなことで、生きていく」のはやっぱり難しい。

  • 頭を使うことで認知能力の衰えは防げる、とは言いきれない。

    いくつかの文献を参考にする限り、知的な活動が認知能力の老衰を食い止められるとは言えそうにない。 現状、健常な高齢者を対象とした研究で、過去に就いていた職業の専門度と認知能力の老衰の傾向にはある程度の関係性がある、とするお話はいくつか存在する。いわく、専門性が高く"頭を使う"ことが多かった職業に就いていた人は老衰のスピードが遅くなる、というのだ。これに類似するものとして、読書や議論などのいわゆる"頭を使う"作業をする人は老衰のスピードが遅い、なんて主張もある。こういったお話では、たいてい「刺激の多い人生と出来事が、私たちを老衰から守ってくれる」「能力は使わないと衰えていく、使えばその分老衰を遅延できる」なんて論調を展開する。この論調自体はあり得そうだし、実際に効果アリとする結果も出たという。 まぁ、"頭を使う"作...頭を使うことで認知能力の衰えは防げる、とは言いきれない。

  • 記事執筆の低迷と、自己治療の失敗。

      参考文献BruceP.Hermann(1984)UnsuccessfulSelf-TreatmentofaCaseof“Writer'sBlock”:APartialFailuretoReplicate.NicholasF.Skinner,ArthurH.Perlinietal.(1985)TheUnsuccessfulGroup-Treatmentof“Writer'sBlock”.GeoffreyN.Molloy(1983)TheUnsuccessfulSelf-TreatmentofaCaseof“Writer'sBlock”:AReplication.KennethR.Olson(1984)UnsuccessfulSelf-Treatmentof“Writer'sBlock”:AReviewofth...記事執筆の低迷と、自己治療の失敗。

  • サクナヒメと農業:ゲームを用いた学習と自己決定理論から導く稲作へのやる気

    ※画像は実際に私が携わった水田私は地元で(まがいなりにも)稲作をしている。また農業だ自然だと論議する場も経験したことがある。その類の人々との交流も少なからず持っている。ゆえに私のところには、時々「耕作放棄地の活用案を求む」といった問いや議論のお誘いが降ってくる。農家でも農学専攻でもないのに、不思議な話である。 で、経緯はおいておくが、先日もその類の問いを投げかけられた。「若者に稲作への興味を植え付けるにはどうすればいい?」「稲作に興味を持っている人の、そのやる気の維持には何が必要だ?」年代層問わず農業従事者が減少傾向にある現状、従事者を増やすための策についてはいつかは問われるだろうなと思っていた。「……私に問うのは、いわゆる人選ミスというものでは?」と心うちで思いつつも、その問いに答えることにしよう。 なお今回...サクナヒメと農業:ゲームを用いた学習と自己決定理論から導く稲作へのやる気

  • 顔にある特徴を持つ人は、学業において好成績を残す。

    「顔が好みだから」なんて理由で恋仲や推しを決めたり、怪訝な面立ちから「あの人はきっと怖い人だ」と判断したり、笑い顔を不快に感じ「作り笑顔をするんじゃない」と指摘したり、無精ひげ生えた人に「だらしない人だ」という印象を抱いたり……。 挙げればきりがないほどに、私たちは顔で人を判断しがちだ。そして私たちは、その判断をもとにその人との接し方を考えている。笑顔が嘘くさくないだとか、ひげが生えててだらしないだとか。論的根拠もなく、ただ"顔から感じ取った印象"で動くことは少なくないだろう。「ただし、イケメンに限る」なんて揶揄は、その最たる例ではないだろうか。   顔から感じ取った印象は、私たちの判断にあらぬ介入をする。 その表れの1つに、学業成績への影響が挙げられる。ディベートなどの審査員に判定が一存されるテストにおいて、...顔にある特徴を持つ人は、学業において好成績を残す。

  • サイコパスに感情はあるのか。

    サイコパスとひとこと聞いた時、あなたはどんな人となりを思い浮かべるだろうか。なにを強調し、なにを根拠にするかで主張に差分は生まれるだろうが、おおかた「冷酷で、残酷で、人の痛みに共感できず、むしろすすんで痛みを与えるような」「まるで感情なんてないかのような」振る舞いをすると考えるだろう。あるいは「道徳やモラルなんて一切なく、ただひたすらに権力や支配欲求を満たすために」振る舞う、だとか。 先に言っておくと、それらの思い込みはある程度当たっている。経験則的にも、統計でみても、サイコパスな人は自身の利益のために合理的に動くことができ、一般的な人であれば道徳やモラルが阻むような行動を容赦なく実行できるという。わかりやすい例は水素水やシリカ水の販売業者になる。科学的には無益なものを、口上で付加価値をつけそれなりの額で「科学...サイコパスに感情はあるのか。

  • 運動がなかなか続かない理由を、やる気の視点から解説。

    「健康になろう」「体力をつけよう」として運動を始めるが、三日坊主を体現しただけでそれを止めてしまう。「今度こそ」と意気込んで買ったエクササイズ器具を数日使って物置にしまい、また器具を買っては部屋の隅に押し固めたりして、掃除の日にまとめて捨ててしまう。そんな経験はないだろうか。 健康のため。体力のため。誰が聞いても疑いようがない大義名分を、私たちはなぜか達成できないでいる。なんなら、私たちはその大義名分を果たそうとしたとき非常に嫌がるはずだ。なんでこんなことをしなきゃいけないのか、もっと楽な方法はないのか、疲れた・つらい・もう嫌だ、といった具合に。この"非常に嫌がる"理由と、達成できないわけを、やる気の視点から解説していく。  結論から言うと、体力のためと大義名分を掲げた時、私たちはその大義名分からやる気が発して...運動がなかなか続かない理由を、やる気の視点から解説。

  • "楽観的になれるコツ"をするためのコツ

    「性格や気の持ちようによって業績は上下する」のは事実だ。性格や気の持ちようは自身が持つ能力の方向性を決めるための要因であり、能力が発揮されるかされないかは気分ひとつで決まることもしばしば。認知能力ひとつとっても、誠実さが堅実な業績を導き出したり好奇心が美学の追及を促したり、あるいはサイコパスであれば犯罪のためにそれを行使することだってありうる。物事を悲観的にとらえていれば千載一遇のチャンスを危険と判断して退けたり、逆に無責任なまでに楽観的であればゼロに近い確率を「100%だ!」と誤認して自滅することも考えられる。 能力は業績と一番に関係している要素だが、その関係を保つ要素として一番に上がるのが性格や気の持ちようとなる。なので、業績の向上において楽観的かそうでないかも焦点に充てるべき事柄である。 ではここから、楽..."楽観的になれるコツ"をするためのコツ

  • 食わず嫌いがなかなか治らない理由

    『食わず嫌い』口にしたこともない食べ物を嫌いだと決め込むこと。転じて、物事に対して偏見を理由に嫌うことを指す。 恐らく、読者のほとんどはこの現象を経験したことがあるだろう。食べ物であれば口にせず、事柄であれば聞く耳を持たず、そこに正当な理由があるかと問うても顔を強張らせるだけ。「そんな偏見を持っていても意味なんてないぞ」「偏見を持っていたら失う利益のほうが大きいぞ」と、周囲は善意を持ってその偏見を修正しようとするが、当の本人は周囲に対し、いや、偏見の修正という行為に対し強い不愉快を感じることだろう。放っておいてくれ、余計なお世話だと、偏見の修正を遠ざけようとすることもあるだろう。 周囲が主張するように、偏見を持っていても誤った判断を下しやすくするだけで基本的に不利益だが、なぜ私たちは偏見の修正に不快感を感じるの...食わず嫌いがなかなか治らない理由

  • "物思いにふける"ことが望ましくない理由と、その対策

    「人間は起床時間の半分、物思いにふけている」とする知見もあるように、私たちにとってなにかを考えるという行為は非常にポピュラーなものだ。晩御飯なに食べたいとか知人は今なにしてるのだろうとか。将来何になりたいとかそれを成すためには何をすればいいのだろうとか。或いは、急に俯瞰的になり現状の自分をただ責めたりあら捜ししたり。もしくは、世界観と物語を作り自分だけの世界を楽しむのか。物思いのあり様は非常に多様だ。が、物思いにふけるという行為は基本的にネガティブな気分をもたらすという。  その理由の1つに、"物思いがひまで退屈なときに起こりうるものだから"が挙げられる。まず、私たちの脳には『自身に意識を向ける』『外に意識を向ける』選択をする部位がそれぞれ存在し、お互いがシーソーのように作用しあいその傾きから意識の方向を決める..."物思いにふける"ことが望ましくない理由と、その対策

  • "失職したからヤケ酒する"描写はなぜ起こるのか

    「失職したからヤケになり浴びるように酒を飲む深夜」なにか嫌なことを忘れようとアルコール類に浸る様は、こんな雑な描写でも伝わるぐらいには浸透している。そして、この類の描写は何かしらのきっかけがないと終わらないことも、大体の人は納得するだろう。 嫌なことを忘れようと酒瓶を開ける行為は嫌なことに対する対処でもなんでもなく、ただの逃避の表れ。嫌なことの解消にはつながらないため、どれだけ浸ろうが満足しないのだ。であれば、酒を口にするのをやめ嫌なことに対処しなければ事態は好転しないのだが。恐らく、この状況に陥った人のほとんどがそれを感情的に拒否するだろう。この『感情的な否定』のメカニズムとは、なんなのだろうか。  基本的に、私たちは理想と現実があまりにもかけ離れている場合その比較からやる気を失ってしまう。もともとテストで6..."失職したからヤケ酒する"描写はなぜ起こるのか

  • ささやかな励ましと気遣いは、人の命を救うほどに強い

    励ましは、意外なほどに私たちに活力をくれる。運動会で懸命に体をはっている時にかけられる「がんばれ」の声援。受験勉強に打ち込んでいる時に添えられる一切れのケーキ。残業でくたびれ背筋伸ばしたときに渡される同僚のおごりのコーヒー一杯。そんな他人からのささやかな気遣いを嫌がる人は、ほとんどいないだろう。 なぜ私たちは、励ましから活力を得られるのだろうか。理由の1つに、私たちはエゴを抱え、自分の期待を満たすために生きていることが挙げられる。その証拠として、2つの例を紹介する。 あなたがいま、何かしらの発表会で登壇していたとしよう。この場合、ほとんどの人は「失敗するのがこわい」という緊張を抱えることだろう。経験したことは少なくないはずだ。この緊張は失敗することで被害を被る聞き手のことを思ったものではなく、失敗することで自分...ささやかな励ましと気遣いは、人の命を救うほどに強い

  • 不快な企業案件とそうでない宣伝との差とは

    YouTubeやTwitterなどのSNS媒体が多くの人に認知されるようになったころ。企業がSNS媒体で人気を集めるインフルエンサーに依頼、自社の製品を宣伝してもらうという、いわゆるインフルエンサーマーケティングが本格的に講じられるようになった。身近な言葉でいえば、企業案件や『プロモーションを含みます』が該当するだろう。 このインフルエンサーマーケティングの国内市場は2020年時点で317億円程度と推算されており、SNS全体で行われているマーケティングに対する割合は実はそこまで大きくない。が、それでも"企業案件を受けたインフルエンサーが違和感少量含有の宣伝を行う"イメージを共有できるぐらいには周知されてきた。  それと同時に、宣伝に対する違和感の含有量に嘆く声もちらほらと上がるようになった。「いつも接客業に関す...不快な企業案件とそうでない宣伝との差とは

  • 結局のところ、私たちは見た目で相手を選んでいる

    『かわいい』『カッコいい』人に群がりができるという現象は、今も昔も変わらず起きていると思う。私も『かわいいから』『カッコいいから』という理由でお互いを選び『性格が合わなかった』ことを理由に別れた男女をそれなりに見てきた。彼らは自身の経験から「人間は外見じゃなくて中身が大事」と口をそろえて言うが、そんな彼らの次のお相手は、Tinderで見つけた『カッコいい/かわいい』プロフィールの持ち主だという。 こんな事例が散見される世の中だ。「結局見た目なんだよなぁ!」とやさぐれる気持ちもわからんでもない。……まぁ、そう拗ねる人も推しを『カッコいい/かわいい』で決めていたのだがな。 文献を参考にする限り、私たちは合コンなどの交際相手を決める場において知能や寛容さではなく見た目で選ぶ傾向にある。これはいわゆる"出会い系"と称さ...結局のところ、私たちは見た目で相手を選んでいる

  • ネガティブ・否定的な動画がよく再生される理由とは

    「〇〇で悪事を働く一部始終を完全公開します」「〇〇が逮捕された件についてすべてお話します」「昨日〇〇にブチギレて帰った話」このような、決してポジティブで平和的とは言えないような題名がつけられた動画は、彼らが投稿するそれらに比べ頭1つ抜けた再生数になることが多い。それはつまり、その動画が比較的より多くの人の目を引き付けているわけでもある。 ではなぜ、そういった動画が、比較的より多くの目を引き付けるのだろうか。そしてなぜ、私たちはネガティブ・否定的な動画を再生してしまうのだろうか。 結論から言えば、ネガティブな題材を取り上げた動画が嘘偽りのないものであると捉えてしまうことが理由の1つとして挙げられる。 ※画像は以前私が投稿した動画のサムネ。動画はこちら。基本的に、一貫性があり嘘偽りやごまかしがなく、読みやすくて見や...ネガティブ・否定的な動画がよく再生される理由とは

  • SNSで話題を作る人の割合は、全体の1%程度である

    インターネット関連の技術発展により、TwitterやYouTubeなど誰もがあらゆる形で意見や話題を発信できるようになった。旅中で撮影した観光名所やゲーム・アニメの口コミ、船の煙突をピックアップした画像集や明らかな偏向が加わった政治的主張までもが、個人で行えるだけのものになったのだ。読者が今閲覧しているブログも、個人が気軽に運営しているものとなっている。 で、いま私たちの身の回りにはボタン1つで動画投稿もできちゃうような環境があるわけだが、実際のところどれぐらいの人がインターネットで意見や話題を発信しているのだろう。「手軽に発信できるのだから、周りのみんなも好き勝手発言してるでしょ?」文献を参考にする限り、そういう訳ではないらしい。 2014年に発表された論文によると、医療系のSNSにおいて70%以上の投稿が上...SNSで話題を作る人の割合は、全体の1%程度である

  • なぜゲームは宿題よりも楽しいと感じるのか

    「ゲームばっかりやってないで、宿題やりなさい!」この言葉が一度も飛ばない家庭はないといえるまでに、この手の指摘は常日頃から飛び交っている。私もこの手の指摘を理由に何度殴られ、何度ゲーム機を取り上げられたことか。しかしなぜ、私はなぜここまでされても宿題をやらないのか、宿題をやる気にならないのだろうか。同時に、なぜ私たちはゲーム機を取り上げられてもなお、ゲームがやりたくなってしまうのだろうか。 私たちはなぜゲームは宿題よりも楽しいと感じるのか。その理由を導き出すために、まず自己決定理論というものを説明させてほしい。 自己決定理論とは人間のやる気・モチベーションに関する理論であり、「どうすれば人間のやる気は湧くのか」を主に取り扱っているお話である。この自己決定理論によると、個人がやる気を出すためには『自律性』『関連性...なぜゲームは宿題よりも楽しいと感じるのか

  • なぜ"サイコパスな人"が社会にとって良い行いをするのか。

    2018年に発表された論文によると、功利主義的判断はその被害者に同情するかどうかで施行されるかが決まるという。 まず、功利主義的判断とは『最大多数の最大幸福』を最優先する判断基準で、大多数の幸福や社会単位の利益のために少数の犠牲を厭わない選択のことを指す。「制御不能のトロッコが直進し続ければその先にいる5名が犠牲になる。あなたが分岐器のスイッチを切り替えることで5人は助かるが、切り替えた先にいる1人を救うことはできない」という、俗にいうトロッコ問題のような状況でスイッチを切り替えるという行動が例として当てはまる。そして、例に挙げたトロッコ問題のように、功利主義的な判断が求められる場面では少なからずリスクが付きまとうため「スイッチを切り替えた人たちは、きっと『スイッチを操作することで得られる社会の損得』を必死に考...なぜ"サイコパスな人"が社会にとって良い行いをするのか。

  • "人気のある女性"を誹謗中傷する女性の心理とは。

    1985年に発表された論文を参考にする限り、思春期の女子は拒絶からの嫌悪感を理由に人気のある女子を妬むことがあるらしい。 まず、思春期の女子は達成や成功よりも人気を重視する傾向にあるらしく、彼女たちはテストの成績や部活の成果よりも流行りものや魅力でどれだけ人を引き付けられるかに意識が偏重しているという。そのため思春期の女子は対人関係のトラブルで比較的自尊心が傷つきやすく悩みの種として挙げってるが、それは別のお話。 で、その人気を得るために彼女たちは「流行りものを身にまとう」などの施行のほかに、「人気のある女子と友達になる」という戦略を立てる。どうやら、人気のある女子に集う人々との面識を持つことで自分も人気者になれる、人気のある女子の仲間になることで自分も彼女と同じように振舞える、という考えを彼女たちは持つらしい..."人気のある女性"を誹謗中傷する女性の心理とは。

  • 能力・性格に次ぐ、成績向上の第三の柱とは。

    ーーー好奇心の赴くままに論文を読み続けてると、ときどき『読んだ論文が大学教材に引用されている』なんて現象が起こる。同じ頻度で『教材が引用している論文を検索する』なんて現象も起こる。それが果たしていいことなのかどうかはわからないが、心理学の成績はまぁまぁいいほうなので良しとしよう。 2011年に発表された論文によると、知的好奇心は能力・性格に次ぐ成績向上の第三の柱なのだという。知的好奇心とは物事を知りたい・知識を得たいという純粋な欲求であり、高ければ高いほど身の回りにある細かい事象にも興味を持てるようになる。で、発生した欲求を解消するために自発的な学習や情報収集が促され、結果的に成績向上につながるらしいのだ。欲求が高ければ高いほど自発的な学習の質量も増えていき、より高い成績も望めるということになる。また、自発的な...能力・性格に次ぐ、成績向上の第三の柱とは。

  • 「男性は女性よりもビジネス本を3倍好む」だけじゃない、性別と本の好みの関係。

    2017年に発表された論文によると、性別と本の選り好みに強調するだけの関係性はなく、男性だからと言って極端にビジネス本を好むわけでも、女性だからと言って極端に文学作品を好むわけではないという。今回の研究では、欧米を中心とした読書家に対するアンケートを実施し『本の好み』と『実際に読んだ本の傾向』が収集された。前者の本の好みには男女ともに大きな差はなく、小説を好む層か小説と実用書どちらも好む層に大半が割かれた。実用書を好む層は男女ともに全体の10%未満だった。後者の実際に読んだ本の傾向だが、実用書を読む男性の割合は同系統の女性の割合よりも3倍大きいものとなった……が、実用書を読む男性の割合は男性全体の20%未満であり「男性だからビジネス本を好む」わけではないことが示唆された。一応、男性は女性よりも実用書を好む傾向に...「男性は女性よりもビジネス本を3倍好む」だけじゃない、性別と本の好みの関係。

  • 一部の認知能力は、20歳を超えても成長することが判明。

    2009年に発表された論文によると、人間の顔面認識能力は30歳前半まで向上し続けるらしい。具体的には、標準となる顔を記憶したうえでテスト用の顔を閲覧、見慣れない顔を識別しその正誤を問うテスト(詳細はケンブリッジ顔面記憶テストを参照)のスコアと年齢の相関を計ったところ、スコアは10~20歳頃に急に上昇し、31~32歳でピークを迎えるという。その後の衰えは緩やかなものであり、この研究の限りでは16歳の顔面認識能力と65歳のそれはほぼ同等だったという。また反転させた顔と名前の認識能力テストも同時に行われ、こちらのピークは23~24歳頃がピークであると求めだされた。なお、今回の研究の範囲内では能力・記憶能力・参加者が抱えるバイアスはテストスコアの要因にはならないという。ただし、今回の研究で行われた実験のうち1つは子供の...一部の認知能力は、20歳を超えても成長することが判明。

  • PDCAは無意味? 数百の科学的知見を分析して判明した驚愕の事実とは。

    3件のメタアナライズ(大量の論文を分析してより正確な知見を求めだした論文)を参考にする限り、現状、PDCAやPDSDを代表とした作業効率や成果を上げるための策に『科学的根拠がある』とはいえない。だがこれは決してPDCAやPDSAが無意味で前時代的なものであるという主張ではなく、単にPDCAやPDSAなどを取り扱った論文のほとんどが非常に粗雑なつくりをしているから『科学的根拠を示せない』のだ。 なお、非常に粗雑なつくりの内訳は……・PDCAやPDSAに含まれる行動1つ1つの定義が成されていない。PDCAに含まれるPlanとはいったい何なのか、どのような計画がそれに該当するかなどの定義づけが行われていない。・通常、こういった策は何回か繰り返すことでその効果が発揮するとされているが、その条項をガン無視し計測を短期間し...PDCAは無意味?数百の科学的知見を分析して判明した驚愕の事実とは。

  • 集団浅慮が発生する8つの条件。

    2006年に発表された書籍は、なんらかの原因を抱えたグループに発生する集団の調和を最重視する思考が集団浅慮であると定義づけたうえで、その特性と発生原因を8つに分けた。なお、本書籍の考察は1986年1月28日に起きたチャレンジャー号の事故と、そこから派生した知見を基に組み立てられている。 1:グループが成した成功体験への過信。グループ全体が失敗の可能性から目を背け、「俺たちのグループは特別だから、きっと今回も上手くいく」と言いふるまうこと。2:グループの主張に対する盲信。グループやメンバーである自身の判断は絶対に正しいものであると思い込み、それを打破することに罪悪感や罰則が伴う状態。3:集団的合理化。何らかの理由で欠陥が生じた場合、グループ総出で欠陥が生じた理由を合理化すること。「俺たちは確かにそれを防げなかった...集団浅慮が発生する8つの条件。

  • 通知音に過敏すぎるあの子は、スマホに依存しているから過敏なわけじゃない。

    2015年に発表された論文によると、携帯への依存と対人関係への依存は別物であり、2つの依存の間に直接的な関係はないという。具体的には、社会不安(人の目を極端に嫌う状態。対人恐怖症)と依存症傾向は携帯の使用頻度をより多いものにしたが、社会的つながり(特に、対人関係)と携帯の使用頻度には特にこれといった関連がなかったという。研究では「携帯をバックに入れている」「携帯が目の前にある」「携帯を試験官に預けた」状態で携帯の使用制限をかけたところ、「携帯が目の前にある」条件下のみ不安が増大した。社会的つながりが携帯の使用頻度に影響するのであればつながりが最も制限されている「携帯を試験官に預けた」状態のときに不安は最大になるはずだが、そうはならなかったのだ。このことから、もともと依存傾向にある人は携帯にも依存しやすいが、対人...通知音に過敏すぎるあの子は、スマホに依存しているから過敏なわけじゃない。

  • 「経験がモノを言う」のは嘘。仕事の業績に関する、身もふたもない事実とは。

    1996年に発表された論文によると、一般的な認知能力(IQなど)は仕事における個人の業績と一番深い関係にあるという。これは、知能が学業成績において圧倒的な予測変数であるという知見(SophievonStumm2011)と類似したものになる。また、認知能力がもたらす業績向上と経験・熟練がもたらす業績向上を比べた場合、認知能力がもたらすそれのほうが圧倒的に高いという。特定の職場に就いたばかりであれば経験・熟練は業績向上の要因として挙がるが、特定の職場で勤務を続ける限り経験・熟練の重要性は小さくなっていき、認知能力の差で業績が開いていくという。また、経験・熟練がもたらす物事の予測精度は認知能力がもたらすそれよりも低いものであるとの記述もある。 こうなる原因として、論文内では「認知能力が成長や学習速度に深くかかわってい...「経験がモノを言う」のは嘘。仕事の業績に関する、身もふたもない事実とは。

  • 「自己啓発を好んで読む人は、社会不適合者である可能性が高い」⁉

    2005年に発表された論文によると、自己啓発やビジネス書などの物語の形を成していない文書を好む人は、社会不適合の度合いが高いという。具体的には、SFやファンタジーなどの物語の体を成している文書の暴露と共感能力と社会的能力(調和など)のスコアは正の相関を示したが、自己啓発やビジネス書などの物語の形を成していない文書の暴露とは負の相関を示したという。この相関の原因として、論文内では「疑似的な社会体験」を挙げている。いわく、SFやファンタジーなどの文書を読むためには物語を形作る世界観や設定をきちんと理解することや、物語で繰り広げられる対人関係や対話をシミュレートすることが必要で、それらを組み立てる過程で共感能力や社会的能力が刺激され、結果的に文書を読むことで欠落するはずだった現実での対話で得られる効果をある程度補えた...「自己啓発を好んで読む人は、社会不適合者である可能性が高い」⁉

  • ただ言葉をかけるだけではいけない。落ち込んでいる人を励ます科学的なコツ。

    2009年に発表された論文によると、相手をポジティブな気分にさせたい場合、単にポジティブな言葉を投げかけるのではなく、相手にポジティブな状態を想像させるような問いかけをするといいらしい。従来の研究で「特定の対象にポジティブ/ネガティブな情報を投げかけ続けると、対象は投げかけられた感情に染まる」という認知バイアスに関する現象が確認されている。だが『自己ギャップ』という概念があるように、抑うつや低い自尊心を抱える人はたとえポジティブな言葉を投げかけられても、ポジティブな言葉と自身を比較し、また反芻思考に陥るという知見もある。今回の研究では、ポジティブな言葉をどう投げかければネガティブな気分が改善するかを探るため、「ポジティブな言葉を投げかける」条件と「ポジティブな状態を想像させるような言葉を投げかける」条件の結果を...ただ言葉をかけるだけではいけない。落ち込んでいる人を励ます科学的なコツ。

  • ただ歩くだけでは上がらない。創造力を高めるための1つのポイント。

    2022年に発表された論文によると、創造性は外的要因により縛られることがない状態に身を置くことで高まるという。具体的には、「制限なく歩き回る」「歩行範囲に制限をかけて歩く」「制限なく座る」「一点をじっと見続けながら座る」という4つの環境に分けた場合、制限がない状態は発散的思考(新しいアイデアを思いつくために割り当てられる創造性)のスコア上昇と相関があったという。また発散的思考が強化されたときとそうでないときの瞬きの回数も計られたが、これといった相関は発見されなかったそうだ。要するに、仕事で新しいアイデアを求められたときは、人目のつかない場所に移動して歩いたり座ったり涅槃したりパラパラを踊ったりすればいいということである。多分何しててもOKだと思われる。なぜなら重要なのは行動そのものではなく、周りの目などの「行動...ただ歩くだけでは上がらない。創造力を高めるための1つのポイント。

  • 創造性を高めてアイデアをいっぱい出したいのなら、〇〇をすればいい。

    2014年に発表された論文によると、歩行は創造性を高め、またその効果は歩行後もしばらくは残るという。具体的には、創造性は突発的にアイデアを生み出す能力である発散的思考とアイデアをくっつけてより洗練されたものを生み出す能力である収束的思考の2つに分けられるのだが、歩行は発散的思考のスコア上昇と大きく相関し、収束的思考のスコア上昇と弱く負の相関を示したという。また歩行環境はたとえ『真っ白な部屋』と『野原』という対照的な空間で施行したものを比較してもあまり差はなく、また歩行によるスコア上昇の相関は歩行後もしばらくは残ったという。要するに、仕事についている時に新しいアイデアを求められてに困っている時はその場をぐるぐる歩き回っていればいい……というわけだが。研究では発散的思考と歩行の相関を求めることはできたのだが、そのメ...創造性を高めてアイデアをいっぱい出したいのなら、〇〇をすればいい。

  • いじめっ子気質の子がモテやすい理由を、進化心理学の観点から解説。

    2012年に発表された論文によると、いじめっ子気質の思春期の子は男女ともに性的成熟が早い傾向にあったという。具体的には、流行への乗っかりや他人への攻撃をわざとあらわにして人目を引こう(=合意的人気を得よう)としている思春期の子は性的成熟が早く、内向的で被害者意識の強い思春期の子は性的経験とは最も遠い位置関係にあったという。また他者への攻撃手段には性差があり、男性は直接的な、女性は間接的な攻撃を好んで利用するという。性的接触の絶対数は地位や人気の高さによって上昇するという知見と今回の結果を組み合わせるに限り、性的成熟の始まりでもある思春期の子たちの一部は、攻撃性をあからさまに表現することで性的競争で優位になろうとしているのではと予測された。進化心理学的な視点では「先生に反逆的になっている俺様カッコいい!」というよ...いじめっ子気質の子がモテやすい理由を、進化心理学の観点から解説。

  • 「私ももう年だから」なんて言えなくなる、学習意欲に関する科学的知見。

    2011年に発表された論文によると、認識論的概念(学習に関する考え方や思い込み)は年齢が高くなればなるほど、またよりよい教育を受けるほど洗練されたものになるという。具体的には、加齢は「学習能力は生まれつきのものではなく、努力によって改善できる」という信念の保持と正の相関を持ち、また受けた教育の質・量の高さは「知識は複雑怪奇で常に変化し続けている」という信念の保持と正の相関を持っているという。また、理科の実験のような予算の都合上頻繁にやらないような質の高い授業を実施することで、年齢や性別関係なく享受側の認識論的信念が洗練されたものになるという知見(AnneMarieMConley2004)もあり、このことから認識論的信念は資源と時間がある限りいくらでも研磨可能であるということが推測できる。認識論的信念の洗練は学習...「私ももう年だから」なんて言えなくなる、学習意欲に関する科学的知見。

  • 同調圧力に関する5つの知見。

    1955年に発表された論文は、たとえ人工的に作られた些細なものであっても、集団からの同調圧力による個人の判断の歪み様は大きいものであるとし、その主張を理由とともに5つに分けた。まず、Asch(1955)でも示された通りの状況に置かれた場合、個人の判断は集団の行動によって歪められる。たとえ集団の選択が間違っていようと、個人は「集団から逸脱している」ことを理由に判断を修正するのだ。次に、同調圧力が匿名制によってガードされている場合、個人はその判断を変えることはない。たとえ集団からの物理的な視線があったとしても、決断の匿名性が保たれている場合はある程度圧力を無視できる。また、「自分の判断に身をゆだねる」と言葉にできるような固い意志は、同調圧力をある程度防いでくれる。が、周囲が個人の意見を直接見ることができ、容易に批評...同調圧力に関する5つの知見。

  • オンライン授業を展開するときに気を付けて『いた』ポイントとは。

    2006年に発表された論文によると、オンラインを用いた学習では、滞りなくほかの人と交流できる技術とそれを用いた授業が学生の満足度を向上させるとのこと。これは「オフライン学習で得ていた交流の欠如を、どのようにしてオンライン学習で補うか」という題材のもと行われた研究で、その結果として『グループディスカッションのような同級生と協同で行う学習』と『共同で行う学習が実現可能な技術やサポート』が必要であるという、いたってシンプルな回答が得られた。この研究を参考にする限り、オンラインで十分に交流できる場が用意されており、さらにその用意された場での交流を推奨し、また推奨できるだけの技術面と精神衛生のサポートがあれば、オンライン授業に参加する生徒の満足度が向上するらしい。特に即答性と同期性に重きが置かれているらしく、「きちんとお...オンライン授業を展開するときに気を付けて『いた』ポイントとは。

  • 巷で有名な「アッシュの同調実験」を解説。

    1955年に発表された論文によると、基本的に人間は集団内での決断の際「多数の意向に属していない」ことからくる不安を動機に、決断の志向を変えるという。論文内の実験を引用する。1人の被験者を含む集団は3+1枚のカードを提示され「このカードに書かれたものと同じ長さの線が描かれたカードを3枚のうちから選びなさい」と伝えられる。初めのうちは全員が同じカードを指さしていたが、ある時から被験者と多数派が指さすカードに違いが出始めた。それも、多数派は明らかに違う長さのカードを指していた。だが被験者は「多数派と違うカードを指さしている」という不安に駆られ、やがて多数派と同じように明らかに間違っているカードを指すようになるという。多数派と同じように明らかに間違っているカードを指す人は被験者全体の七割強にもなった。彼らは指すカードを...巷で有名な「アッシュの同調実験」を解説。

  • 詰込み型の授業が生徒に与える、あまり好ましくない影響。

    2010年に発表された論文によると、詰込み型の授業は生徒の表層的な学習を促し、『良い授業』と表現される授業は生徒の深層的な学習を促すという。詰込み型の授業、つまり学習内容の暗記と正確さに重きを置き、板書などの作業の量が多い授業は生徒に圧迫感を与え、「学習内容をただ暗記していればいい」という思考を作り出す。圧倒的な作業量に圧倒され、自発的な思考をする隙もなく生徒の満足度は駄々下がりするが、その作業量が功を成し定期テストの成績は向上する傾向にあるという。『良い授業』とは適切な難度の学習内容を生徒と関連性を持たせつつ、なおかつ自己決定の要素も盛った授業であり、『良い授業』を受けた生徒は教えに触発され批判的思考を獲得する傾向にある。また俗にいう『副業』と言われるような学習内容にそぐわない内発的な行動を黙認したり、学習内...詰込み型の授業が生徒に与える、あまり好ましくない影響。

  • 明らかに間違っている周囲の意見を肯定する人の、2つの理由。

    1996年に発表された論文によると、与えられた課題が高難易度かつ悪戯に重要度を上げられたものだった場合、人間は周囲の回答を全肯定してしまうぐらいに弱気になるという。与えられた課題が高難易度だった場合、対象は能力不足などの(思うより純粋な)理由で決断の信頼性が得られず周囲の判断を鵜呑みにしてしまう。「格子QCDにおけるクォーク・グルーオン・プラズマの動的構造の研究(初田哲男2006)」なんて話題を吹っ掛けられても大抵の人は理解できず、それについての周囲の言及の真偽を計ることもできないので、周囲の言及をそのまま覚えてしまうようなイメージだ。もしこの話題にぎりぎり追いつけていたとしても、今度は自分の判断の信頼性に不安を抱き、周囲の言及に頼ってしまうことだろう。与えられた課題が悪戯に重要度を上げられたものだった場合、対...明らかに間違っている周囲の意見を肯定する人の、2つの理由。

  • 人にものを教えるのが上手な人の、ある特徴。

    1996年に発表された論文によると、洗練された認識論的信念(学習に対する考え方、思い込み)を持っている人は、享受側の誤答を修正する際に『なぜ誤答したのか』を突き止めることができたという。また洗練された認識論的信念を持つ人は誤答に対して適切なものたとえや誘導を行うことができ、享受側の誤答に対し具体的に処理できていたという。地球平面説の保有をほのめかすような誤答に対しては、地平線の存在や世界一周達成時のエピソードを提示し、享受側が保有する説に享受側自身が疑問を抱けるような誘導を行ったのだそう。そして洗練された認識論的信念をもつ人は効果的な学習戦略の使用頻度と評価が高く、このことが結果的に人にものを教えるときのプロセスを高品質なものにするという。「複雑で変遷し続ける知識の獲得に焦る必要はない」と悟る人たちが学習内容に...人にものを教えるのが上手な人の、ある特徴。

  • 勉強をより効果的で面白いものにする、策の1つ。

    2008年に発表された論文によると、グループロールプレイによる歴史の授業は高校生の歴史の成績をあげ、また批判的思考の向上も見込めたという。具体的には、歴史の基礎知識を身に着けた学生達がそれぞれの役割を持ったグループに分かれ、題材を模したやり取りを行ったという。論文には「冷戦時の国際連合」を題材としたという記述があり、1949年のベルリン危機とベルリン空輸について、東西勢力を模したグループが当時の主張を再現したり、もしくは主張の論理を組み立てていったのだそう。このグループロールプレイを基礎知識を教えたうえで行ったところ、ロールプレイを用いない従来の授業を行った対照群よりも成績が上がったという。またロールプレイを行った学生は学習内容との関連性を見出し、より深い考察と、やる気が観測されたという。 学習内容とゲーム内容...勉強をより効果的で面白いものにする、策の1つ。

  • 年表学んで歴史シミュレーションゲームやれば、少しは歴史に強くなれる。

    2013年に発表された論文によると、学習内容とゲームジャンルが一致している条件において、ゲームによる問題解決能力の向上には事前学習が有効であり、また事前学習はゲームで得られる楽しさを阻害することはなかったという。事前学習を設けることで対象は学習内容をゲームでフィードバックでき、また意志決定を介したゲームを用いることで学習を『体力を使う楽しさ』として昇華できたことが、今回の問題解決能力の向上という結果につながったと思われる。わかりやすく言うのであれば、第二次世界大戦を題材とした歴史シミュレーションゲームをプレイする前に1930年代から40年代の年表と知識を学んでおくことで、よりその時代への理解が深まるということである。事前知識をゲームで一通り閲覧した後に、その知識を深堀しようとする試みはなお良しだ。今回の研究では...年表学んで歴史シミュレーションゲームやれば、少しは歴史に強くなれる。

  • ミルグラム実験で示されたような圧力からの、脱し方の1つ。

    1965年に発表された論文によると、複数人の行動範囲を狭めるだけの圧力がある環境下にて、反乱で得られるメリットが確定した場合、対象は圧力に抗い始めるという。この場合のメリットとは平たく言えば「先に反乱したメンバーが比較的安全であり、反乱を起こすことでメンバーと同じ立ち位置になれること」であり、反乱形成の経過から、メリットが確定した場合複数人の行動範囲を狭めるだけの圧力よりもメンバーからの圧力に屈するっことを選んだ、とたとえたほうが適当かもしれない。その証拠に、メンバーが圧力に屈している場合、メンバーからの圧力は生じず、対象も圧力に屈服し続けたという。この実験はかの有名なミルグラム実験の追記である。ミルグラム実験てのは、あれだ。被験者が壁越しの人に問題を出して、ミスったら壁越しの人に電撃を与えて、ミスするたびにど...ミルグラム実験で示されたような圧力からの、脱し方の1つ。

  • 辛抱強さや責任感は学習戦略という形で表れ、そして成績を向上させる。

    2015年に発表された論文によると、良心性(辛抱強くやりきる力。責任感。誠実性)はより深みのある学習戦略という形で現れ、そして全般的な学業成績を向上させたという。具体的には、学習戦略のうち、学ぶ内容の『なぜ』と『どうして』を掘り下げる戦略(深層処理)、一般に成績向上が見込めるとうたわれる学習の活用(方法論的学習)、学ぶ内容を自身にあてはめ関連性を見出す戦略(精密化処理)は良心性により強化され、成績を向上させる要因になったという。また神経症は深層処理と精密化処理を選択する負の要素であるという。学ぶ内容をありのままに記憶し事実の正確さに重きを置く戦略(事実の保持)は良心性とはあまり関係がなく、定期テストの成績にのみ影響を与えたという。このことから、良心性は学習においてできることを最大限に発揮しようと促す性格特性でも...辛抱強さや責任感は学習戦略という形で表れ、そして成績を向上させる。

  • 矛盾する要求を投げかけてくる、相手の頭の中を解説。

    1971年に発表された論文は、ダブルバインド(相反する複数の命令を投げかけること)は投げかける側の不規則かつあいまいな定義の評価によって発生するものであり、また投げかける側の葛藤や不安によって引き起こされるものでもあるとした。論文内で述べられている具体例を1つ引用する。ある人は周囲にポジティブな志向を持っているが、自身にはネガティブな志向を持っている。彼は自己嫌悪などの癖の強い行動により周囲を引き付けるが、彼は自身に対するネガティブなイメージを保ちたいため、周囲を拒絶する。がしかし、彼は自己嫌悪するほどに周囲からの関りを欲しているため、離れていく周囲をまた引き寄せようとし、時に離れていく周囲に怒り散らす。彼の主観は「周囲の反応に逐一対応している」という受け身なものであり、彼は動く周囲に合わせて投げかける要求を変...矛盾する要求を投げかけてくる、相手の頭の中を解説。

  • 心の迷いが、ネガティブな気分を引き起こしているわけではない。

    2013年に発表された論文によると、心の迷いには気分を下げる効果はなく、またそれはネガティブな感情を引き起こさないという。具体的には、心の迷いは悲しみや不安などの感情によって引き起こされるが、心の迷いそれ自体は感情への関与はなく、迷いが引き起こされた後の感情や気分低下は迷いが生じる前の感情によって予測できるという。また、心が迷う感情的な理由は迷いを引き起こした感情と一致するため、悲しみや不安といった感傷のプロセスの1つとして心の迷いがあるというよりかは、感傷のプロセスと同時並行する形で心の迷いが発生している可能性がある。なので、心の迷いを引き起こした感情が解消されればそれ以上の気分低下は発生しないのだが、例外として対象と関連性の高い現在の問題を理由に生じた心の迷いは後の悲しみとわずかな相関を示したという。このわ...心の迷いが、ネガティブな気分を引き起こしているわけではない。

  • 一次サイコパスと二次サイコパスの、動機の違い。

    2005年に発表された論文によると、一次サイコパスは不安を抱かないから、二次サイコパスは衝動的に反応するから、それぞれ非社会的と形容される行動に至るのだという。具体的には、衝動性の高さと不安からの回避傾向という2つの指標で一次・二次サイコパスを計った結果、一次サイコパスは衝動性は平均並みで不安からの回避傾向が非常に弱く、二次サイコパスは衝動性が非常に高く不安からの回避傾向が平均かそれ以上であるという結果が出たという。「やりたいという思いが強すぎて、思ったことをすぐに口に出してしまう」のと「発言するときに生じる不安が小さすぎて、口を紡ぐ要因にならない」は、第三者から見れば同じようなものだが、それぞれの要因はかなり乖離したものである。前者は自身の行動により少なくとも何らかの感情が発生するが、後者は感傷することがほぼ...一次サイコパスと二次サイコパスの、動機の違い。

  • 能力と性格・自尊心に相関がない理由。

    成績と性格・自尊心の相関を示す論文は数多く存在する。このブログでも、情動的知能と成績が自己効力感を介して正の相関を示した論文(Ana-MariaCazan2015,JamesD.A.Parker2004)や、自尊心が自己効力感を介して成績に正の影響を与えることを示した論文(Lane,John2004)を紹介してきた。また誠実性は内発的動機・外発的動機による効果を向上し、開放性は内発的動機による効果を大きく上昇させ、どちらの性格特性も成績に貢献している(AsgharHazrati-Viari2012)という知見も確認できる。自己決定理論によれば、対象の意志をあしらわず尊重し、また対象が自身の行動をフィードバックできるような環境が内発的動機を発生させ、そうして起こった内発的動機が成績に正の効果を付与し、さらに高い成...能力と性格・自尊心に相関がない理由。

  • 乳幼児のやる気を育てるための10の原則

    1998年に発表された論文は、乳幼児のやる気を育てるための10の原則を掲げている。今回は10の原則を、それぞれ一言説明を添えて紹介する。前提知識として、内発的動機(やる気)は生後数週間後の段階から『吸う』という行動として現れ、発育とともに強化されていく本能的な機能であるということを、覚えておいてほしい。 1:レスポンシブな環境の提供。乳幼児が自己効力感を感じられるようなおもちゃや活動を提供すること。2:一貫性のある応答的なケア。矛盾のない行動や反応を、乳幼児を指示するのではなくあくまでも要望への応答を行うこと。3:乳幼児の自主性をサポートする。乳幼児が自由に遊べる範囲を定義し、またそれ以上の過剰な干渉を避けること。4:親密な関係を築く。乳幼児が「親の元にいれば安心である」であることを学習できるよう、暖かく、しか...乳幼児のやる気を育てるための10の原則

  • 思春期の子たちは『契り』よりも『拒絶』を重く見ているのかもしれない

    2010年に発表された論文によると、思春期における親や同級生からの社会的支援の弱さは、ストレスを介して抑うつ症状を強めるという。また、社会的支援の弱さは対人関係への依存を引き起こし、対人関係への依存はその後の社会的支援を弱める傾向にあったという。だが、親や同級生からの社会的支援の強さや親密度は抑うつ症状と関係がなく、社会的支援の強さはストレスと抑うつ症状の相関に介入しなかった。このことから「周囲からどれだけ愛されているか」ではなく「周囲からどれだけ拒絶されているか」が思春期における抑うつ症状の重要なファクターではないかと推測された。自尊心がより不安定になり、被害者意識が加速しやすい思春期だからこそ、この傾向が強く表れるのではという推測も立った。思春期の対人関係では「盃を交わした友」よりかは「放屁しても笑って許し...思春期の子たちは『契り』よりも『拒絶』を重く見ているのかもしれない

  • HIKAKINさんとコムドットさんの、登録者数の得方の違い。

    2005年に発表された論文によると、着飾りや流行への乗っかり、そして過剰なまでの攻撃性をあらわにする人は、同年代もしくは周囲からの評価を得るための彼らなりの策であることが示唆された。具体的には、今回の研究で『社会的人気』と『合意的人気』という2つの人気を構築するための要素が判明したという。社会的人気は協調性と共感能力が高く表れ、また攻撃性が低い人に発生する人気であり、周りからは対人関係をきちんとこなすしっかり者として評価される傾向にある。社会的人気は性格を起因に自然発生するので、対象が人気を得たいという目的を持たずとも、評価が与えられるようになる。合意的人気はユーモアや攻撃性が高く、流行の服を着ている人に発生する人気であり、周りからは欲望や羨望に触発されて生まれる漠然とした『良い』評価を得る傾向にある。合意的人...HIKAKINさんとコムドットさんの、登録者数の得方の違い。

  • 吹奏楽部で頑張るあの子は、頭がいいからそこにいるのかもしれない

    2006年に発表された論文によると、吹奏楽部での活動の有無と成績・能力にはある程度の相関があったという。具体的には、吹奏楽部で活動している学生はそうでない学生に比べて数学・科学・読書に関する成績が良好である傾向にあったという。この傾向は社会的地位に関係なく発生し、さらに数学と科学の領域では社会的地位が低い吹奏楽部員が社会的地位が平均的な学生を上回ったという。また、この現象は吹奏楽部入りたてのころから確認されていることから、吹奏楽部は高知能の学生に好まれる場所であることが推測された。別の研究では「高知能の学生は楽器にまつわる活動に魅力を感じる傾向にある」と述べており、さらなる掘り下げが求められている。注意としては、今回の研究は吹奏楽部での活動の有無と成績・能力の相関を計ったものであり、因果関係を求めたものではない...吹奏楽部で頑張るあの子は、頭がいいからそこにいるのかもしれない

  • 学習という行為は、私たちが思うより複雑で、なんかもう……とっても難しい。

    2010年に発表された論文によると、認識論的信念(学習に対する特定の思い込みや考え方)を題材とした授業の展開は、受けた人のそれを洗練したものにするという。具体的には、教育学修士課程を対象に認識論的信念を題材とした授業を展開し、さらにその授業内容を自身にあてはめ、学んだ視点をもって分析した結果を日記としてまとめるという日々を過ごした結果、「知識は単純で不変のものである」「学習は早ければ早いほどいい」などの思い込みが解消の傾向にあったという。「自分の成績をむしばんでいる(LisaD.Bendixen etal.2003,Qian,G1995)かもしれない要素を、成績を得るために必死に学ぶ」のだから、まぁ解消されるわな、思い込みの1つや2つは。また、「学習は急がず慌てず着実に進めてもいいけど、知識は単純で不変のもので...学習という行為は、私たちが思うより複雑で、なんかもう……とっても難しい。

  • 予算をふんだんに使った授業をすれば、復習しないあの子もまじめに勉強してくれる、はず。

    2004年に発表された論文によると、認識論的信念(学習に対する思い込み、考え方)は長期的な学習によって洗練されたものになるとのこと。具体的には、実験の試行と得られた情報の整理を中心とした科学科目の授業を9週間展開した結果、対象の小学生の「知識は単純明快で不動のものである」「専門家は私たちが知らない知識を独占している」などの知識に関する思い込みが解消傾向にあったとのこと。要は、授業とかでやる科学実験は、対象の思い込みを解消するうえでも結構重要だったりする、ということ。しかし、9週間の授業の効果は時間経過とともに薄くなっていったため、もし認識論的信念を洗練したものにしようとするならより長期間なものであるほうが好ましい。また、認識論的信念の洗練は課題の達成度・年齢・性別・民族と相関がなく、ヒト・モノ・カネ・時間がそろ...予算をふんだんに使った授業をすれば、復習しないあの子もまじめに勉強してくれる、はず。

  • 「一晩夜更かししちゃった」ぐらいなら、問題ない。

    2017年に発表された論文によれば、一晩の夜更かしぐらいであれば精神衛生的には問題なさそうである。具体的には、ある程度生活リズムを整えたうえで意図的に発生させた一回の徹夜は、対照群と比べてコルチゾール分泌量は確かに増えるが、自律神経の乱れは発生しないとのこと。またストレスに対するコルチゾールの分泌パターンや経過は、対照群とほぼ差はないという。要は一晩夜更かししたぐらいであれば、目をこすりたくなるような不快感以外に特に目立った症状は発生しないという。注意としては、この研究は睡眠不足とストレス反応の相関に焦点を当てたものである。睡眠不足と成績や情動反応の相関を示したものではない。ーーーそれに、今回の研究はある程度生活リズムを整えたうえでわざと崩し、その経過を計ったものだ。慢性的な睡眠不足とは全くの別物ととらえてもい...「一晩夜更かししちゃった」ぐらいなら、問題ない。

  • 「能力は生まれつき」と考えている人は、問題解決が苦手になっているかも。

    2003年に発表された論文によると、学習に対する固定観念のいくつかは答えのない問題への対処の障害になりうるとのこと。具体的には、「専門家は誰もが知らないような情報を独占している」「能力は生まれつきのもので、努力しても成長しない」という思い込みは、ハイパーメディア形式の回答が固定ではない課題解決の成績と負の相関を示したという。要は学習する意義を削ぐような考えを持っていたら、学習意欲も削がれるよね、ということ。注意点としては学習能力そのものを削いでいるわけではないということ。「専門家が全部知っているから」「能力は不変だから」という考えは、学習能力に直接的な影響を与えるのではなく学習する機会を奪うので、課題の成績という形で負の効果が表れやすいのだ。なお今回の研究では「習得は早ければ早いほどいい」という思い込みは課題解...「能力は生まれつき」と考えている人は、問題解決が苦手になっているかも。

  • 小説「彼は泣いた」

    ーーー1月1日、彼は泣いた。彼は無邪気で、健気で、怒りも悲しみもある、ゲームが好きないたって普通の少年だ。童顔でかわいらしく、同い年の子と和気あいあいと遊ぶ姿から、親族にいまだ『ちゃん』付けで呼ばれるような子なんだ。そんな彼はいま、泣いている。めでたいであろうこの日に、眉間にしわを寄せ大粒の涙をこぼしている。 その現場に終始立ち会っていた私は、彼が泣く理由にすぐに気づけた。「今年頑張りたいことを言ってごらん」という壮年からの問いに「3月に控えている高校受験に合格する」と返した彼が「それじゃぁ渡せないな、もっとこう、かっこいいことを言ってくれ」と言われてしまったこと。間違いなくこれだろう。彼はお世辞にも頭がいいと言えない。だから高校受験という出来事は、彼にとっては一番に頑張るべきことであり、彼はその思いを壮年に告...小説「彼は泣いた」

  • 「やる気がないなら帰れ」の後に「帰るな」と言われた時のあの不快感、実は名前がついてるんです。

    2007年に発表された論文などが取り上げている心理学の話題の1つに『ダブルバインド』というものがある。ダブルバインドとは複数の相反する命令を同時に受けたと認知すること、もしくは命令そのものを指す。「やる気がないなら帰れ!」と言われて帰るそぶりを見せると「本当に帰るな!」と引き戻される一連のやり取りなどが該当する。このような主張は、主張する本人の中では整合性が取れているものかもしれないが、主張だけを聞いた人にとっては矛盾したものであり、混乱と誤解を引き起こすものとなる。「やる気がないなら帰れ」と「帰るな」という言葉だけを聞いた人はそれぞれを独立した命令として解釈するが、「やる気がないなら帰れ」と「帰るな」という命令を両立させることは現実的に不可能であり、何とかやりくりしようと考えても解決せず、ある種の思考停止状態...「やる気がないなら帰れ」の後に「帰るな」と言われた時のあの不快感、実は名前がついてるんです。

  • 意図的に強がっているのであれば、やめたほうがいい。

    2002年に発表された論文によると、自身が抱えるストレスを無視し続けることで保てるようなキャラクターは、対象をよりストレスに過敏にさせ、そのストレスによって健康被害が発症するようになるという。今回の研究では特に『威圧的で寡黙な一面』という、一見弱みがなさそうな性格に焦点があてられた。『威圧的で寡黙な一面』が板についてしまった人は、職場において過剰なまでの自律性や明確な目的を求めたという。自律性の欠如と曖昧な目標下での行動はどちらも職場におけるストレスの要因としてあり得るが、彼らの場合は「一挙手一投足に至るまでの強くて明確な権利を求める」側面が強く出ていた。自律性の要求としては、あまりに過剰で非現実的なレベルである。彼らが『威圧的で寡黙な一面』を保つ理由は様々だが、彼らが『威圧的で寡黙な一面』を保つために、自分が...意図的に強がっているのであれば、やめたほうがいい。

  • 頭いい人の考え方学んだところで、成績は上がらない。

    1999年に発表された論文によると、学習の目的を何に定めようが、学習への心構えがどれだけ礼儀正しいものであろうが、学業成績にはほとんど関係ないという。『試験のために勉強している』『社会進出に向けた知恵を蓄える』『自分を磨くための教養を身に着ける』などの意識や考え方は、その人の学業成績を上げる要素ではない。学業成績に焦点を当てた場合、この中では優劣も特筆効果もないと主張している。ただし、学習の目的をなにに定めることもなく、学習への関心が皆無に等しい状態は学業成績に悪影響をもたらすという。 考え方自体が学業成績に関係ないというのであれば、なぜ『自分を磨くための教養を身に着ける』という考え方を持つ人が成績よさそうなふるまいを、または実際にいいものになるのだろうか。上記の考え方を構築する大きな要素に誠実性(物事をやりき...頭いい人の考え方学んだところで、成績は上がらない。

  • 過去の授業態度から職場でのストレスを予測することは、できなくはない

    2004年に発表された論文によると、職場で受けるストレスのうち性格などの内面的な要素が原因となるものは、5年以上前の性格やストレス状態からも判別が可能とのこと。また性格と学習スタイルに相関があることから、例えば学校の授業でどのようにふるまっていたかで、職に就いた時の振る舞いやストレスの受けようが判別できるとも主張している。具体的には、「授業で習う知識に価値も意味も見出さないような姿勢」は誠実性の低さと知識に対する開放性の低さからなるものであり、そのような姿勢が構築される2つの性格傾向が職場で働いた時の生きづらさを引き立てるのだという。仕事に対する学習意欲も行動意欲もないのに労働の義務が課せられる場所にいたら息苦しいよねと、やる気もないのに宿題ずっと課されてたら嫌になるよねと、そんなイメージだ。 ちなみに、今回の...過去の授業態度から職場でのストレスを予測することは、できなくはない

  • 「あれだけ自己中心的なのに、なんであの人は有名人なのだろう?」

    2002年に発表された論文によると、ナルシシズム傾向が高い人は、難しい課題に挑戦するとき・問題解決へのプレッシャーが大きいとき・自分の行動が他人に見られているときに、より成果が出せるようになるという。またチームを組んだ時に動機が弱まり、自己評価による自身の成績向上にはほぼ関心がない性質から、ナルシシズム傾向が高い人は「他人から褒められたい」欲求を理由に、他人からの注目を集めやすい難しい課題を好み、そして必死に取り組む傾向にあるという。逆に、あまり難度が高くなく、また他人からの注目が集まらないような状況に身を置かれた場合、ナルシシズム傾向が高い人は「やる気をなくす」のだという。自分の実力が感じられるような設計でも彼らは動かない、彼らが難しい課題に挑戦する理由が自己研磨ではなく、自己誇示に大きく傾いているからである...「あれだけ自己中心的なのに、なんであの人は有名人なのだろう?」

  • 「お前のためだ!」っていう躾さ、あれ躾けてる側の欲求に沿ったものだよね

    2015年に発表された論文によると、ナルシシズムの傾向が強い対象は人に行動を強いる支配的な操作が多く、また(共感的関心を介した結果)人に自律的な行動を促さなくなるという。どうやら、ナルシシズムの傾向が強い人は常日頃から「誰かに影響を与えて、自分の存在意義を満たしたい」という強い欲求に苛まれているらしく、その欲求を手っ取り早く満たすために、他人に『強制』といえるようなきつい支持を与えるのだという。きつく指示された他人は混乱した状態でその人の指示に従うだろう。もしくは繰り返されることで無力感を学び、従順になるか。なんにせよ、指示に従う他人を見て、彼らは「俺の指示に従ってみんなが動いている!俺の影響でみんなが動いている!」と欲求を満たせるだけの快感を覚えるのだという。彼らは自分の指示に従わない、欲求にそぐわない他人に...「お前のためだ!」っていう躾さ、あれ躾けてる側の欲求に沿ったものだよね

  • 他人が抱く感情を把握するためのトレーニングは、一応効果がある

    2009年に発表された論文によると、情動的知能は対話やグループディスカッションを用いたそれへの理解を深める講座によって、一応は鍛えることができるらしい。具体的には、情動的知能と表される能力は『感情の識別』『感情の理解』『感情の利用』『感情の管理』の4つに分別して説明できるのだが、今回の研究で行われた講座ではそのうちの『感情の識別』と『感情の管理』に影響を与えることができたという。なお『感情の理解』には優位に働かず、『感情の利用』に関しては今回は評価対象外だという。つまり人間は、きちんと組まれたプログラムをこなせば「自分/他人が今抱いている感情の分析と識別」「いま自分にある感情への対処方法」が習得できるということ。だが、今回の研究の限りでは「自分/他人が抱く感情への理解と納得」を習得するのは難しいとのこと。なお今...他人が抱く感情を把握するためのトレーニングは、一応効果がある

  • 赤点だらけで復習しないあの子は、「復習しなくてもいい」と本気で思っている。

    1995年に発表された論文によると、難しく挑戦的な課題をこなしたときの成績と、失敗を指摘された時の反応は、対象の学習や知識に対する信念が関連しているとのこと。※今回取り上げる成績とは、主に学業成績を指す。具体的には、「知識は単純かつ不変のものであり、常に相対的な答えが発生するもの」「知識の習得は早ければ早いほどいい」という考えを対象が抱いている場合、その対象は自身の学習能力や学習した内容を過大評価し、また振り返りという行為を省くため成績が下降する傾向にあるという。上記の2つの考えを持つものは、学習した内容が誤りであったとしても修正せず、誤りへの指摘に嫌悪感を抱く。知識や学習態度の修正を感情的にはねのけるため『学ぶ』という行為が阻害され、結果的に成績低下につながるという。上記の考えを持つものは、おそらく通信簿に「...赤点だらけで復習しないあの子は、「復習しなくてもいい」と本気で思っている。

  • 「自分の感情をコントロールできている」という感覚は、やる気に変わる。

    2015年に発表された論文によると、情動的知能(自身の感情を把握しコントロールできる能力、もしくはその度合い)と自己効力感にはそれなりに強い正の相関があり、また自己効力感は生活満足度に、間接的には学業成績に影響を与えているという。自己決定理論に基づく限り、自己効力感を築く要素の2つは『自律性』と『能力』。「自分の意志で物事を決定できる」「自分で自分を効果的に動かせている」という刺激は人間にとって強い快感であり、そしてそれらが発揮される場所が『感情の揺さぶられよう』であれば、一部の人間にとってはより強い達成感にもなるだろう。今回の結果から、情動的知能は自己効力感を築くための1つの要素であることが示唆された。 また、学業成績の高さは自己効力感を上げるともあり、自己効力感がもたらす行動に対する粘り強さと達成感の強調を...「自分の感情をコントロールできている」という感覚は、やる気に変わる。

  • 恋愛感情は睡眠時間を短くするが、睡眠の質を悪くするわけではない。

    2020年に発表された論文によると、思春期の女子が交際を始めた場合、初めの2か月間は睡眠時間が1時間ほど短縮されるという。交際を始めてしまうほどの強い恋愛感情に限らず、ストレス・怒り・喜びなどの強い情動的刺激は自律神経などを介し睡眠の質にそれなりに影響を与えるという。ストレスの場合は主に神経症・自己批判・反芻思考を介して睡眠障害を引き起こしたり、一時湧きあがった怒りによって睡眠時間が削られたり、といった具合。恋愛感情の場合は、その強い刺激によって「寝る直前になっても思いをはせてしまうぐらいの」強い覚醒状態が続き、睡眠時間の短縮という結果が発生するのだという。 注意してほしいのが、睡眠時間が短いからと言って睡眠の質が下がるというわけではない。恋愛感情とは強烈なポジティブな刺激である。別の研究では、ポジティブな刺激...恋愛感情は睡眠時間を短くするが、睡眠の質を悪くするわけではない。

  • 論文も完璧じゃないので、『論文だから』といって無条件に信用しないように。

    2019年に発表された論文は「自閉症に関するいくつかの研究において、知的障害を考慮しない、もしくはその可能性を排除してしまった、いわゆる選択バイアスに陥った結果を取り上げている」と主張した※。※全部の論文を調べたわけではないらしいから、参考程度に。具体的な主張の一部は「今回取り上げた301件の自閉症の性質に関する研究のうち、IQに関する数値を示している165件の研究に参加した人の知的障害保有率は6%であるにも関わらず、IQに関する数値を示している研究の86%が『自閉症患者全体を対象としている』と記述した」となっている。……この記述だけでは、よほど予備知識がない限り理解も感想も沸かないと思うので、できる範囲で説明させてもらう。 自閉症は「知的障害を持っているか、いないか」を基準にした場合、大きく2つのグループに分...論文も完璧じゃないので、『論文だから』といって無条件に信用しないように。

  • 「感情をコントロールできる人は、成績もいい」と言い切りたいけれど……

    いくつかの論文を参考にする限り、情動的知能が高い人は学業成績が比較的いい傾向にある。正確には『情動的知性は大学1年生の総合的な学業成績の分散の10%程度を予測する』とのこと。 情動的知能が高い人、つまり自身の感情やストレスをある程度把握でき、また処理やコントロールができる人は学業関係のトラブルや困難に対処できる可能性も高くなるという。また情動的知能は学業にも影響を与える外的要因(例:生活習慣、犯罪、対人関係)に対する反応・処理にも影響することから、情動的知能は学習する環境を整える1つの要因であると考えられる。日ごろから偏りすぎた食事を意識して避けある程度の睡眠を確保できている人は、授業中に「眠い」とつぶやくことなく板書を書き写せるような、そんなイメージだ。注意点としては、情動的知能は学業成績や知能と直接的な関係...「感情をコントロールできる人は、成績もいい」と言い切りたいけれど……

  • 楽観主義と悲観主義は対比じゃなくて、同じ理由で発生しているらしいよ。

    1986年に発表された論文、また1989年に発表された論文を読み解く限り、一部の楽観主義と悲観主義は「自尊心を守る」という共通の目的を持っているらしい。 楽観主義と悲観主義。「こんなこともあるさ」と気楽に考える前者と「こんなことが起こったらどうしよう」と考える後者は対比の関係で扱われることが多いが、実はお互いの相関関係はあまり高くなく、似たような構成を持つ別の考え方であるとしたのが1989年発表の論文。楽観主義者は過去の成功体験などから自身の実力を過信し、成功した時は誇らしげにふるまい成功体験として強化するが、失敗したときは「こんなこともあるさ」と失敗した物事への関与を投げだすという後発的な自尊心防御を行う。対して、悲観主義者は「こんなことが起こったらどうしよう」と失敗した時の情景を反復させ、失敗してもいいよう...楽観主義と悲観主義は対比じゃなくて、同じ理由で発生しているらしいよ。

  • 「SNS うつ病 関係ない」

    2014年に発表された論文によると、SNSの利用はうつ病の直接的な原因にはなりえず、羨望などの感情を介することで間接的に影響を与えるが、その効果量はさほど大きくないという。SNSはその構造上他人の好感触な経験や成功体験が目に入りやすく、並んだ情報が人間の羨望を掻き立て、その掻き立てられた羨望がうつ病に影響を与える、という仕組みらしい。この羨望が掻き立てられる仕組みは、SNSの投稿に(法に触れるような度合いも含む)暴言を書いてしまう自己正当化の欲求にやや似ている。羨望もしくは妬みといった感情は、自尊心が揺らいだことで、自分の存在意義が危うくなったと自認することで発生するからだ。ちなみに、SNSが羨望を介してうつ病の原因になるということは、羨望が介入しないような使い方であればSNSがうつ病の原因になりえないというこ...「SNSうつ病関係ない」

  • 友達が多いかどうかと、孤独かどうかはほぼ関係ない。

    2008年に発表された論文によると、一人暮らしの人は集団への帰属意識と客観的な人間関係の満足度(つまり、関係人数の多さ)が比較的低かったが、それらの変数は孤独感や生活満足度とはあまり関係がなかったという。だが、主観的な人間関係の満足度の低さ(つまり、現状の対人関係への不満の度合い)と孤独感にはかなり強い相関が確認されたという。この現象は、人間関係への強い欲求と現状ある帰属意識の強さとの乖離によって発生しているとのこと。つまり、孤独感や生活満足度は実際の対人関係の質や量にあまり影響されず、対象の対人関係への尺度や考え方、とらえ方によってその値を変動させるということ。電話帳やLINEに数百人の知人が羅列していても対象が「理想的な恋人探し/親友を作る」を目標にしていたら欲求は満たされず孤独感は発生するし、地元から離れ...友達が多いかどうかと、孤独かどうかはほぼ関係ない。

  • YouTube見ながら宿題してる人はテストの成績が下がるかもだが、もちろんそれだけではない

    2012年に発表された論文によると、マルチタスクの常習化は課題解決の精度や対象の記憶などの、ある1つの対象に焦点を当てた活動のパフォーマンスが下がるとのこと。だが、マルチタスクが常習化した人が特定のマルチタスク環境下に置かれた場合、焦点を当てるべき活動のパフォーマンスがシングルタスク時よりも上昇したという。正確には上昇したというよりも、シングルタスクで問題なく遂行できる人のパフォーマンスと同等になった、である。 マルチタスク常習化云々について簡単に言えば、いつもYouTube見ながら宿題やっている人はその環境に『慣れ』てしまい、テストのときに逆に集中できなくなっちゃうということ。ここでいう『慣れ』とは、マルチタスク常習化により意識を幅広く向けられるようになったことを指す。幅広く意識を向けられ情報を収集できるよう...YouTube見ながら宿題してる人はテストの成績が下がるかもだが、もちろんそれだけではない

  • 人間は「できないからやりたい、できるからやりたくない」と思う生物である

    1957年に発表された論文によると、個人の特定の行動を達成したいと湧きあがる動機の強さは『達成動機の強さ×主観的な成功率×達成時の期待値』という式で表すことができるらしい。達成動機の強さは、達成を成し遂げたいとする成功接近動機と失敗を回避したいとする失敗回避動機の差分によって決定し、達成時の期待値は『1-主観的成功率』によって求まるという。この式を愚直に解いたとき、成功接近動機が十分に強い場合は主観的成功率が50%だと求まったときに達成動機は強くなり、失敗回避動機が十分に強い場合は極端に成功率が高い(もしくは低い)達成目標を保持するようになるという。なお失敗回避動機が高いときに極端な成功率を求めるようになるのは不安の解消を第一にした行動だからであり、近いものとしてはセルフ・ハンディキャッピングがあげられる。 ー...人間は「できないからやりたい、できるからやりたくない」と思う生物である

  • ブランド志向に走る人は、実はとっても孤独なのかも。

    2014年に発表された論文によると、仲間からの拒絶、または社会的関係の断絶は物質主義への移行と強く相関したという。物質主義(ものを持っていることそのものが幸福でありステータスであるという思想)が自尊心の低さと不安定さから引き起こされるものであると仮定した場合、人間は仲間との関係を断たれることで自尊心に非常に大きなダメージを受けることとなる。拒絶により自尊心に深い傷を負った場合、人間はその傷を何とかして埋めようと、例えばブランド志向に陥り身に着けた装飾品で人を引き付けようとしたり、SNSに没頭し沸き上がった羨望のままに他者と比較し続けたりする。それらは外部からの修正がない限りサイクルとして回り続け、より傷を深くする傾向にあるという。モノを買うことで一時的には自尊心を満たすことはできるので、よりモノに依存する形にな...ブランド志向に走る人は、実はとっても孤独なのかも。

  • 自身が抱いた感情の自覚は、生活満足度に大きくかかわる

    2011年に発表された論文によると、情動知性の高さが青年期の生活満足度を上げるとのこと。情動知性とは自他の感情に目を向け、適切に対応できる能力、または度合いを指す。情動知性が高い、つまり自分の感情を正確に測れることは自律性を介し自尊心を高め、上げられた自尊心は生活満足度の向上につながるという。欲求を下手に我慢することなく開放し、しかし締めるときはきちんと締める切り替えの良さが、切り替えできているという実感が生活満足度を上げているとも言える。また情動知性の高さは自己受容の高さとも直結することから、情動知性が直接的に生活満足度、ひいては幸福度に影響を与えている可能性も考えられる。ーーーそして、情動知性が高いということは、自分の感情を上手に処理できるということでもある。着飾ることなく喜怒哀楽を表現できるその特性は、些...自身が抱いた感情の自覚は、生活満足度に大きくかかわる

  • 「自分が持つ知識への過剰な自信」に関する上級者向けの考察

    2020年に発表された論文によると、純粋な自己顕示欲(今回は正直さと謙虚さの低さを指す)と自分がもつ知識への過剰な自信には、特筆すべき相関がなかったという。また、自分がもつ知識への過剰な自信と関連があると予測されていた『認知能力・メタ認知能力の低さ』『開放性の高さ』も、一部分では相関がみられたものの原因として主張するには証拠不十分だとのこと。『認知能力・メタ認知能力の低さ』から自身の能力を正確に測れず自信過剰に陥る。『開放性の高さ』から知らないことへ飛びつき、その副産物として自信過剰が発生する。どちらもあり得そうな話だが、それら単体では話が成り立たないのだそう。しかし、自分が持つ知識への過剰な自信と自分の能力に対する過大評価には強い相関がみられることから、自信過剰には(まだ焦点が当てられていないものも含めた)複...「自分が持つ知識への過剰な自信」に関する上級者向けの考察

  • 『あつもり』をプレイしたとしても、人間は攻撃的になるのか?

    2010年に発表された論文によると、社会的なゲームをプレイした場合、そうでないゲームをプレイした時よりも社交的になり、相手の不幸を喜ぶシャーデンフロイデの傾向も低下したという。また攻撃的なゲームをプレイした場合、そうでないゲームをプレイした時よりも攻撃的になったという報告から、おそらく人間には直前にプレイしたゲームの方向性に性格特性が引っ張られる性質があると思われる。筆者はこれを、直前に覚えた数値に認知が引っ張られ、判断された数値が覚えた数値に近くなるアンカリングと呼ばれる現象に近いものではないかと推測している。直前に得たゲームキャラの行動と素行を記憶し、認知がその記憶に係留され、強調された性格特性が表に出るような、そんなイメージだ。なお、向社会的な効果も攻撃的な効果も非常に短期的なものであり、ゲームプレイが長...『あつもり』をプレイしたとしても、人間は攻撃的になるのか?

  • ブランド志向の人は、自尊心が低い可能性がある。

    2007年に発表された論文によると、思春期を迎えた子供は「ものをたくさん持つことこそが幸せである」とする物質主義的な志向を示す可能性が高くなるという。また物質主義的な志向は思春期が過ぎると低下し、思春期の子供の自尊心を向上させる取り組みを行ったところ、同じく物質主義的な志向が低下したという。このことは、人間は自尊心が低くなると物質主義的な志向になるという1つの証拠にもなりうる。自尊心が低くなることで、自己正当化や比較による自己強化への欲が極端に強くなり、物品というわかりやすい指標を用いることで自尊心を埋めようとするのだそう。ブランド物を「ブランドがついている商品だから」という理由で購入し周りに見せびらかす人は、まさしくその例だろう。彼らはブランド物という誰にでもわかるすごいものを買い、『すごいものを買った自分』...ブランド志向の人は、自尊心が低い可能性がある。

  • 現実で自尊心が満たされないから、彼らはSNSに飛びついているのでは?

    2018年に発表された論文によると、自尊心とSNS利用頻度には社会的比較傾向を介した相関関係があるという。具体的には、人間は自尊心が低く不安定の時に他者との比較でそれを維持しようとする性質があり、その他者との比較にSNSを用いることもあるため、一見すると「自尊心が低いとSNSを利用しがち」に見えるのだという。また、自尊心が低く不安定な人間は自身の負の部分への追求を嫌うなどの対人関係の持続が続きづらい要素もあり、自身の負の部分を簡単に検閲できるSNSによりのめりこみやすいのだという。負の部分を削った自分をSNSに投稿することで、理想的な自尊心を自身に反映しやすくなる一面もあるらしい。 ちなみに、新しい対人関係を築くためにSNSを利用することと自尊心や社会的比較傾向には相関がないのだそう。 ーーー他人との比較のため...現実で自尊心が満たされないから、彼らはSNSに飛びついているのでは?

  • 労働による鬱の発生、最大の原因は長時間労働ではなさそうだ。

    2015年に発表された論文によると、職場における抑うつ症状の発生には『職場の緊張』『意思決定の自由度の低さ』『対人関係のねじれ』が深くかかわっているらしい。つまりこれは、仕事に対する裁量権がなく、また押し付けがましい要求が高く裁量権を求めることが困難であり、そして苦楽を共にできる仲間がいない職場で働いた場合、人間は精神衛生を侵されやすいということである。どうも人間は「自分が物事の舵を握っている、物事に関われている」ことに非常に強い快感を感じるらしく、この快感を断たれた場合、その物事に対しやる気を示さなくなり、また強いストレスを感じるという。チョットダケ難しい言い方をするならば、自律性と関連性が断たれた場合、人間はストレスを感じる、となる。また『労働と賃金の不釣り合い』『サポートの少なさ』『不当な社会的地位』『...労働による鬱の発生、最大の原因は長時間労働ではなさそうだ。

  • 向上心がある人は、実は自尊心が低い?

    2017年に発表された論文によると、自己中心的かつ自尊心が低く不安定な人は良心的な羨望を抱きやすく、自尊心が低い人は悪意的な羨望を抱きやすく、また自尊心が高く安定している人は羨望を抱きづらいという。 ……1つづつかみ砕いで解説する。まず、羨望は嫉妬とも言い換えることができ、これは格上の相手と比較することで生じる不快な感情を指している。で、羨望には大きく2種類あり、格上の相手と同等の能力・物品を得たいという良心的な渇望と、格上の相手を引きずりおろして自分と同等にしてしまおうという悪意的な渇望がある。良心的な渇望は向上心とも言い換えられ、対象を研磨する達成意欲の1つになりうるが、悪意的な渇望はその動機に自己中心的な思考や失敗への忌避が絡むこともあり、あまり望まれるものではない。今回の論文は、この良心的・悪意的な渇望...向上心がある人は、実は自尊心が低い?

  • 学校の成績がいい人は、はたして学校の成績だけいい人なのだろうか?

    2004年に発表された論文によると、基本的に学業成績や学校の先生からの評価が高い人は、仕事や学校外での活動においても好成績を残すのだという。これは学業成績と仕事での成績は、どちらも基盤的な認知能力の高さと相関していることに由来する。基盤的な認知能力は2種類の成績を築くための基礎として求められる能力となる。自分が何者で・なにが得意で・どこへ向かいたいのかを把握できるだけの能力がある人は、宿題であれ営業ノルマであれ高い成績を残せるようになるのだ。具体的には、自身の能力に合った計画や学習方法を探ったり、惰性的に夜更かしせずきちんと睡眠をとったり、周囲から与えられた指示に条件反射的に否定しなかったり、などの行動に関わってくるのだ。もちろん、返却されたテスト用紙を見て即座に振り返りができる、といったことにも関わってくる。...学校の成績がいい人は、はたして学校の成績だけいい人なのだろうか?

  • 他人の不幸をあざ笑う人は、あまり行動しない傾向にある。

    2010年に発表された論文によると、人間はシャーデンフロイデ(他人の不幸に喜んでしまう性質)を経験した場合、より保守的で妥協的な選択をしやすくなるという。正確に言えば、他者が不幸に見舞われた原因であろう選択、基本的には『成功することで羨望のまなざしを受けられるような』選択を避けるようになるという。これはシャーデンフロイデが発生する要因の1つ、自己正当化が関与している。いわく、自分がしなかった、自分ができなかった選択をたどった他者が不幸に見舞われることで「あの選択をしなかった自分は間違ってなかった」という喜びが笑みとしてこぼれ出る。その後自己正当化をより高めるために、他人の選択を辿らないように行動し始めるからだという。ちなみに、このシャーデンフロイデはいわゆる『妬み』に近い感情なのだが、この『妬み』を自覚していな...他人の不幸をあざ笑う人は、あまり行動しない傾向にある。

  • ダニングクルーガー効果は、単純なフィードバックだけでは治らないらしいぞ。

    2013年に発表された論文によると、自分の能力に対する自信過剰(つまり、ダニングクルーガー効果)は、自分の能力を適当に認知・学習できる機会があり、またその結果をきちんと記憶できていたとしても発生し続けたという。また、自信過剰による能力の誤認は、能力が比較的低い人のほうが差が大きく、比較的高い人ほどその差が小さくなっていくという。このことは、人間が抱く自信過剰には物事に対する純粋な知識量以外の要素がある1つの証拠となりえる。自信過剰には記憶の正確さ・認知の歪み度合い・楽観的主観の強さ・生存バイアスの傾向・思考方法の理想と現実のそれとのずれなどの様々な要素の可能性も考えられており、今回の論文は「その可能性がどれだけあり得るのか」を示すものになるという。だが、ダニングクルーガー効果が発生する原因の1つに「純粋な知識不...ダニングクルーガー効果は、単純なフィードバックだけでは治らないらしいぞ。

  • ワクチンを嫌がる人の傾向と、陰謀論を信じる1つの理由

    2020年に発表された論文によると、陰謀論を信じている、もしくは陰謀論が妥当であると考えている医療従事者は生活満足度が低く、また不安障害にもなりやすかったという。このことから、上記の論文では「陰謀論と幸福度には関連がある」と結論付けられた。また2021年に発表された論文によると、若年・女性・低所得者・短大/専門学校までの学歴・神経症的傾向・反政府感情などの条件がそろう人ほどワクチンに不信感を抱きやすく、また陰謀論といった情報に誘導されやすいという結果が出たそうだ。このことから、陰謀論に陥る1つのパターンとして「なんらかの要因により自尊心などの心のよりどころをなくした人が縋りついた」があるのではと私は推測する。慢性的なストレスを抱えやすい体質、もしくは環境(例えば、感染症で猫の手も借りたいほどの病院、金銭的余裕の...ワクチンを嫌がる人の傾向と、陰謀論を信じる1つの理由

  • どんな願いもかなえられる世界は、恐らく絶望的な世界だ。

    ※この記事はPERSONA5THEROYALの終盤のネタバレを含みます。未プレイ・未閲覧の方はご注意ください。 ペルソナ5ザ・ロイヤルというゲームのラスボスに、丸喜拓人という人物が存在する。彼は自身のペルソナの力を用いて、現実世界を「誰もが幸せになれる世界」に書き換えようとしていた。つらく苦しい出来事が一切起こらず、過去に起こった悲劇はすべて幸福な事象に置き換えられ、自分が望むままの人生を歩むことができる、そんな世界に。彼は自身が抱える悲劇から逃避したく、また周囲の幸福を真に願った結果、現実を書き換えるという行動に至ったわけだが……私からすれば、ありがた迷惑どころか真の絶望を与えられそうな行動だと思うのだ。 心理学の話題の1つに『自己決定理論』というものがある。今回は2019年に発表された論文から引用する。自己...どんな願いもかなえられる世界は、恐らく絶望的な世界だ。

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