藩の近習頭取の浅沼半十郎は、家老の小出帯刀から呼び出され、6年前の望月家老暗殺で使われた秘太刀「馬の骨」の伝承者を、甥の銀治郎と共に探す使命を受ける。
ミステリーを始めとして、私の趣味で勝手にジャンルをくくって作品20を選びました。書評のブログがたくさんあるので、私独自の感想を書くことを目標にしています。当面は毎週月曜・水曜・金曜と定期刊行(?)を目指します。
富山の足軽出身の安田善次郎は、江戸で商売で身を立てる決意をする。両替商から独立した善次郎は、幕末の乱世で誰もが尻込みするリスクを負って勝ち続け、遂には安田財閥を築き上げる。
新潟県の質屋の息子に産まれた大倉喜八郎は、持ち前の才覚で幕末に武器商人として立身する。徒手空拳から始めて、持ち前のウィットと交渉術で新政府に食い込み、大倉財閥を築き上げる。
伊庭貞剛は、幕末に志士と交流した縁で新政府に出仕するも幻滅し、叔父の広瀬宰平が総理事を務める住友に入社する。強引なやり口を改め地域との対話に努めて、住友グループの礎を築く。
頭脳は明晰だが下級武士出身で鬱積していた岩崎弥太郎は、ひょんなことから認められて土佐藩で出世していく。維新後は独立して菱商会を設立し、商売で覇権を握ろうとする。
天領の庄屋の息子に産まれた渋沢栄一は、奇縁から一橋慶喜の知遇を得て持ち前の才覚から頭角を現わす。維新後は明治新政府に出仕するも下野し、民間から日本経済の基礎を築き上げる。
小栗上野介から知遇を得ていた金平糖売りの利八は、幕末の金銀の交換比率による改鋳を聞きつけて金を買い占めて巨額の富を得ることに成功した。そして三井両替店に入店する。
小説で読む戦後日本経済史⑦ リーマンショックとアベノミクス(2009年~)
リーマンショックから世界規模での不況が進行、日本経済はそんな中東日本大震災を迎えた。アベノミクスによって大胆な経済再建策を打ち出すも、コロナにより経済構造に大きな断層が生じた。
戦争を切り抜けた藤田敏雄は、堅実な商売を続け、華やかなライバルとは違ってスーパーマーケットの事業を地道に拡大していく。そんな中部下の大木は本場でコンビニエンスストアに出会う。
日本最大の広告代理店「連広」城田毅は、野望を確固たるものにするため、強引なやり口でオリンピック、プロスポーツや博覧会、そして選挙など、様々な事業に介入して指揮を執る。
人口15万人の天草地方に85億円の天草空港をつくることに対し、無駄な公共事業として大バッシングを受けた。そんな中熊本県は自前で航空会社を立ち上げる無謀な決断を下す。
日本新報記者である南康祐は、誤報事件を引き起こし、社長室へと異動させられた。経営危機に陥った新聞社の中、南は新里社長のもとで反対が渦巻くAMC社との売却交渉を担当する。
世界最大の公共放送局の地域限定要員として採用された西悟は、ドキュメンタリーの制作を夢見る。44歳になった西は、『チャレンジX』のチーフ・プロデューサーとなる。
加治川英人は失業して妻子にも見放され1人暮らし。絶望して亡き母に連れて行ってもらった鈴膳デパートに忍び込む。閉店後のデパートには、様々な事情を抱えた人たちが集まってくる。
山里香純41歳。後輩の結婚退職をきっかけにり転職。そこで創業家に気に入られ、31歳で「玉の輿」結婚となるも結局離婚。仕事を続けるもクライアントの広報社員と新たな展開が。
メガバング支店長の河原崎は、ローカル線の試運転列車の事故に遭遇する。そのローカル線は2年後に拝しが決まっているが、河原崎は何とか路線を存続させたいと願い、動き出す。
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藩の近習頭取の浅沼半十郎は、家老の小出帯刀から呼び出され、6年前の望月家老暗殺で使われた秘太刀「馬の骨」の伝承者を、甥の銀治郎と共に探す使命を受ける。
三屋清左衛門はほどほど出世をし、藩主の死去を機に隠居を願い出る。隠居後も相談事を持ち込まれたりで忙しい毎日を送り、自分の居場所が増えていくことになった。
隣家のふくに恋心を抱いていた牧文四郎。父が切腹し転居を強いられてふくから離れてしまう。そしてふくも文四郎に自分の気持ちを伝えられないまま殿に召し出される。
表題作を含む8編からなる短篇集。タイトルの言葉選びが見事で、また最後のヒネりまで気を使って、良質のミステリーを読んでいる錯覚に陥ります。
植村隼太は部屋住みの身分から出世を果たし、子供の頃からの友だった杉山忠兵衛を追い落とすことに成功した。権勢を握った首歌こと又左衛門は、その人生を振り返る。
隠し剣シリーズの2冊目。名作「武士の一分」を始め、秘剣が手を変え品を変え、様々登場します。この作品集は、藤沢周平の引き出しを多さを感じさせます。
藤沢周平が様々な「秘剣」をテーマにして、下級武士の男女の生態を描きます。内容もさることながら、秘剣のネーミングも、一つ一つに、ニヤリとさせられます。
馬廻役の青江又八郎は、藩主を毒殺する密談を耳にして、そこから許嫁の父親を殺害する。脱藩して江戸で浪人として日々暮しながら、許嫁が仇討ちする日を待つ。
藤沢周平の「士道物」をテーマとした初期の短篇集。内容は辛く厳しく、まだユーモアは前面に出していない。これから頻出する「海坂版」を舞台とする作品が多い。
直木賞を受賞した表題作を始め、藤沢周平の初期の短篇をまとめた作品集。既に「藤沢作品」は完成していて、人の心の機微や裏側を映す物語となっています。
日本史上随一の「リスクマネジメント」を誇る徳川家康。大名、朝廷、宗教など各方面で「分断統治」を行い、戦乱を遠ざける、磐石な幕藩体制を築くに至った。
本多正純の影響で蟄居の身になった主君の命で、越ヶ谷謙作は間諜として正純の情報を得ようとする。ところがそこで聞く清廉潔白な正純の姿に、次第に惹かれていく。
京都の両替商手代の庄三郎は、秀吉の家臣だった徳川家康の誘いで江戸に下向する。そこで貨幣の流通や資金調達で才覚を表わし、江戸幕府の財政を担うことになる。
一攫千金を夢見て新航路を目指す船に乗ったイギリス人のィリアム・アダムスは、命からがら日本に流れ着く。そこは母国とは違う不思議な国で、将軍、徳川家康の知遇を得る。
没落した名門一色家に生まれた崇伝は、学問で身を立てる決意をする。知恵でのし上がり師を踏み台として、秀吉そして家康の幕僚となり、「僧侶大名」と呼ばれた。
徳川秀忠は関ヶ原の決戦に間に合わない失態を犯すが、それを気に病む様子もない。軍監の本玉正信は、家康との秘密の作戦を察していたのではないかと疑いを持つ。
イエズス会や大久保長安の思惑に巻き込まれるが、忠輝は自らの道を歩む。そんな忠輝を二代将軍秀忠は追い落としを求め、父の家康は、忠輝を危惧して計略を図る。
魁偉な容貌で生まれた忠輝は、父の家康から疎まれるも、母から受け継いだ「異能」で周囲を魅了していく。そんな家康の子に対して、周囲は様々な思惑が入り乱れる。
側室の子に生まれた於義伊は、父の家康からは対面も叶わない。長男信康が切腹しても嫡子は弟となり、秀吉の人質とされる。更に小大名の結城家に養子に出される。
1980年代のサッカーW杯は、「名作」をも言える試合が数多く誕生しました。その中心にいたマラドーナ、ジーコ、プラティニ、ルンメニゲを中心に語ります。
ついに欧州の大国ロシアと戦うことになった日本。力を結集して立ち向かうも、苦戦は免れない。その中で好古・真之の兄弟もそれぞれの立場で戦いに立ち向かっていく。
明治新政府と共に成長した3人の若者は、当初の目的とは異なる進路を選択していた。それは近代国家としての成長と同じ軌跡を描き、近代戦争に巻き込まれていく。
新政府から下野した西郷は隠遁生活を始めたが、政府密偵の企てが露見されて遂に決起する。しかし西郷は自ら動かず、政府軍の勢いに飲まれ、敗退を重ねてしまう。
明治維新が成るも、西郷は倒幕の情熱を失ったな日々を過ごしていた。やがて西郷は朝鮮派遣に役割を見出すも、盟友大久保利通と路線の違いで対立することになる。
11歳の子供は銭を得るために、身体を張って稼ぐようになる。15歳でいっぱしの極道となった万吉は、幕末の乱世の中で漢家業に磨きをかけて、名を高める。
肥前藩を脱藩した江藤新平は、見事な建白書から死罪を免れ、維新になると一転活躍する。その頭脳は新たな国づくりへと向かうも、そこに立ちはだかる人物がいた。
老中を輩出する長岡藩の家臣に生まれた河井継之助は、独自の学問で識見を深め、藩政改革を行なう。戊辰戦争で「公武周旋」を目指すが、新政府軍は敵と見做した。
周防の百姓医として生まれた村田蔵六。蘭学の世界で名を広め、軍聖書の翻訳から、自ら軍を率いる立場に変遷する。長州征伐、上野戦争、そして戊辰戦争と活躍する。
多摩の農民に生まれた土方俊三は燃え滾る心中を抑えるためにケンカと女を必要とする「バラガキ」。やがて争乱の世となり、京で新選組を結成して節義を貫く。
勝海舟との出会いによって新たな道を歩む竜馬。対してかつての仲間たちの運命は暗転する。それでも自らを信じる竜馬は、残った倒幕派を結集するために奔走する。
土佐の郷士の次男坊、坂本竜馬はうすのろに見えるも、剣の才能で若者の中心となっていく。時にペリーが来航し、土佐藩でも藩論が分かれて争乱の時代になる。
父から剣術を学んだ千葉周作は、天賦の才能に恵まれると共に合理敵思考で取り組み、てたちまち頭角を現わす。しかし従来の来の指導者から反発を生むことになる。
江戸中期、高田屋嘉兵衛は奉公先から水主、船頭へと出世して遂に独立を果たす。蝦夷地を往復して急成長を遂げるが、そこでロシアの南下政策に巻き込まれる。
関ヶ原の戦いで勝利した徳川家康だが、まだ豊臣家が残っている。天下を磐石にするためにも家康は知恵を絞って大坂城を攻め、豊臣家を滅亡させようと試みる。
豊臣秀吉が薨去すると、徳川家康が天下を狙うが、秀吉子飼の石田三成がその野望を食い止める。戦いに至るまで2人の虚々実々の駆け引きが繰り広げられる。
貧乏だが実直な山内一豊に嫁いだ千代は、夫を操縦しながら出世する道を歩む。話題作りをして主君から目が留まるように工夫し、やがて一国一城の大名に出世する。
黒田官兵衛は、その知謀から主君小寺家を差配し、新興の織田家に家運を託す。しかし古老からの疑念に会い、説得に行った有岡城に閉じ込められてしまう。
貧農の子に生れた「猿」は、才覚に恵まれ元手を増やそうとして、織田家で出世と遂げる。藤吉郎から筑前守となった秀吉は、本能寺の変後、天下を継承していく。
長曾我部元親はまだ新興の織田家家臣から嫁を貰い誼を通じて、まずは四国平定を目指す。しかし巨大になった信長が四国を狙い、元親が築いたものを奪おうとする。
斎藤道三は織田信長を一目見て信長を尋常鳴らざる人物と察知する。同じく器量を見込んだ明智光秀は道三の死後信長と邂逅し、やがて運命がぶつかり合う。