晩秋・動物/体長30センチほど、背は濃い藍青色、腹は銀白色。名のとおり体は刀に似て細長く、両顎はくちばし状。夏の間は北海道方面に群れているが、秋になって水温が下がると南下し、三陸沖から関東で多く漁獲される。脂肪が多く塩焼きにするとうまい。 秋刀魚黒焦げ工場の飯大盛りに 山崎ひさ...
三秋・時候/秋の一日の夕方と、秋という季節の終わりの二つの意味がある。虚子は前者の意味と定めたが(『新歳時記』)、二つの意味合いを効果的に使った句もみられる。「さびしさ」「もののあわれ」を感じさせる。 マンホールの底より声す秋の暮 加藤楸邨 たとえば、マンホールの蓋があいていて...
三秋・地理/秋になって、河川や湖、池、沼などの水が澄むこと。 水澄みて金閣の金さしにけり 阿波野青畝 小学生のときプラモデルの金閣寺をつくった。色を塗らなくても金色にぴかぴかと見事に光っていて、かっこよかった。われながら単純な子供だな。 中学の修学旅行で本物を見たとき、でっかい...
晩秋・植物/ミカン科の常緑低木でインド原産。日本には明治初期に渡来し、瀬戸内地方で栽培されている。5~11月頃に数回花をつけるが、果実は5月に咲いたものが12月頃に黄熟する。紡錘形で芳香が高く、酸味が強い。ビタミンCに富み、ジュースや料理などに用いる。 髪なほす鏡の隅に檸檬の黄 ...
三秋・天文/秋の空が澄んで晴れわたっていること。 秋晴や囚徒 殴 ( う ) たるる遠くの音 秋元不死男 秋になり空気が乾いてくると、遠くの音までよく聞こえるようになる。 それはわかるのだけれど、せっかくのさわやかな秋の好天には、もっと心が浮き立つような、明るい楽しげな音が聞き...
晩秋・人事/ 鶫 ( つぐみ ) や 花鶏 ( あとり ) など、秋に渡来する小鳥の群れを捕らえるのを生業にする人。山林などに霞網を張りわたし、おとりの鳥を鳴かせ、鳥の群れが網目に首を突っ込んだところを捕獲する。霞網は現在は使用禁止。 袂より鶫とり出す鳥屋師かな 大橋櫻坡子 袂...
晩秋・植物/バラ科の落葉高木。アジア西部からヨーロッパ東南部が原産。明治以降、本格的に導入され、青森や長野で栽培がさかん。国光、紅玉、ふじ、王林、スターキングデリシャスなど数多くの改良品種がある。生食するほか、ジュース、ジャムなどにする。 刃を入るる隙なく林檎紅潮す 野澤節子 ...
三秋・人事/最近は春に行う学校も多いが、澄んだ空の下、さわやかな風に吹かれながら競技を観戦するのは秋ならではの気持ちよさがある。昼に家族とともに弁当を食べるのも楽しみのひとつ。 運動会午後へ白線引き直す 西村和子 ある俳句番組で西村さんがご自分のこの句についてふれていらっしゃっ...
三秋・天文/初秋から晩秋までの秋に吹く風。初秋は残暑のなかで吹き、しだいにさわやかになって、晩秋には冷気をともなう。 秋風や 麵麭 ( パン ) の袋の巴里の地図 安住敦 正直、パリにはなんの思い入れもなくて、欧州大陸を放浪していたころ、真夏なのにセーヌ川の船の上で冷たい雨にふ...
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