「メンクリいってくる」X(旧ツイッター)のタイムラインで見かけた書き込みだったが、よく意味が分からなかった。メンズエステの類か、はたまたメンズのための夜のマッサージ店か。しかしポストしているフォロワーさんは確か女性だったはず。いろいろ思考を巡らせ、メンタルクリニックの略語であることに自らの足でたどりつく。その所謂メンクリの先生が僕に言う。「一日一度必ず外に出てください。午前中に日の光を浴びるための...
スケートボード、ハーレムアニメ、楽器を嗜みつつ、ラジオを聴いて、文庫本を読んで、猫二匹と暮らす、鼠紳士の独り言。
![]() |
https://www.instagram.com/hitorrikult |
---|
「絵をパソコンで描くようになって、色塗りが楽しくなったよ。」自分でも、彼女の求めていた物と全く違う返答をしている、という事はこの時点で気が付いていた。「うちの娘は、絵を描くのは好きなんですけど、色塗りが出来ないんですよね。」隣のデスクの派遣社員の女性が、珍しく家庭の事を話してくれた。子供時代の僕も、絵を描くのは好きだが、色塗りはとても苦手であった。理由はとにかく片付けが面倒だからだ。図画工作や美術...
陰陽師を題材にした能力バトル学園アニメ。2クール24話構成なのだが、主人公の能力が覚醒するのは17話目という、かなり引っ張った構造。しかし、取り巻く仲間たちの活躍が爽快で、ストーリー展開が面白く、それまでの時間が苦にならない良作である。2000年以降の作品としては珍しく、学校の先生たち等、大人を格好よくスタイリッシュに描いている点も好感が高い。このアニメの大きなテーマが「嘘」だ。呪術の真髄が何だかご存じだ...
昨日に比べると少し暖かい朝、出勤途中の信号待ちで、停止線から軽自動車二台分ほどの距離をあけて停止した先頭車両があった。以前からこの、停止線から余りにも離れて止まる人々が何故この様な止まり方をするのか気になり、ヤフー知恵袋で調べた時期があったのだが、「隣の車線の運転手と目が合うのが嫌だから」という、自意識過剰系な理由や、「青信号になる直前からスタートしてスピードに乗った状態で交差点を通過できるから」...
初めて海外オークションにて落札し、手に入れたナタス・カウパスの復刻モデルデッキ。現在組んでいるジェイソン・ジェシーデッキもまだまだ乗れるので、しばらく使うのは我慢しようと思っていたのだが、夜店の綿菓子の様に徐々に萎んでゆく、この柔らかな意志に、自分が一番がっかりしている。部屋で眺めたり、抱きしめたりしているうちに「ちょっとだけ包装解いてみようかな」とか、「ちょっとだけ踏んでみようかな」とか、日に日...
まるで変温動物である蛇のようであり、油の切れたロボットのようでもある。アトピー性皮膚炎という体質で人生の半分ほどの時間を過ごす僕は体温調整がとにかく苦手であった。ついこないだまで「暑い暑い」と口癖のように呟いていたかと思うと、週末を目前に降った冷たい雨を境に、下がった気温に「寒い寒い」と文句が口を突く。発する単語の殆どが不平不満だ。そして暑い日には汗で炎症を起こした身体が硬く強張り、寒いと皮膚の乾...
日曜日。昨日の自分に押し付けられた部屋の掃除は全くやる気にならず、明日の自分にそのままこのバトンを渡すことにする。待ち合わせまでまだ時間があるので、何となく手元のリモコンを掴んで、赤いボタンを押す。テレビ画面に朝の情報番組が映し出された。普段はAmazonプライムでアニメを観るためだけに使っているこの画面の中で、実在する人間が動いているのを久しぶりに観た。コメンテーターが、プロ野球のドラフトのニュースに...
「捨てられないもの」という言葉を聞くと、初恋の男から貰った第二ボタンだったり、別れた妻が残した書き置きだったり、人生で初めて買った安物のギターだったり。それぞれ甘さや苦さやのような
外には煙のような霧雨が舞っていた。部屋のソファーでダラダラと過ごしていると、スマートフォンが小さく震える。音楽仲間からのグループLINE通知だった。友人と呼べる人間が極端に少ない僕にとって、人間同士としてのコミュニケーションが取れる貴重な知人達である。指紋認証で開いてみると仲間の一人が会社内の昇進試験に受かったという知らせだった。出会った当時20代だった彼女たちも、僕と同じように歳を重ね、話す内容も単純...
貴重な休日の朝。起きてすぐに確認した天気予報では降水確率40パーセント。裸足のままベランダに出た僕はそこに干しっぱなしのカラカラに乾いた洗濯物をかき分け、5年前に完成した高層マンションによって以前の半分の大きさになった空を見上げてみる。今のところ雨が降る気配は感じないので、スケートボードパークへ行くことにした。パークに到着してからたったの一時間で、僕の足は限界を感じ始めていた。別にいつもより足を駆使...
ふと、身体の違和感で目を覚ます。窓から覗く空はまだ暗いが、濃い藍色に水滴を垂らしたように所々うっすらと滲む雲が、もうすぐ来るであろう朝の訪れを感じさせる。胸に抱いたスマートフォンを見ると、4:50のデジタル表示。眠りについたのが確か3時過ぎだったので、まだ2時間も経っていない。何かが居る。この部屋の中に僕以外の何かの存在を確かに感じる。生まれてこの方、幽霊や妖怪等の類を目撃したことはないが部屋に漂う雰囲...
小鹿のように震える膝を押さえながら思い返してみる。平日の夕方のスケートパークへの誘いを頂いたのは此間の日曜日の事だった。僕がパークへ行くのは休日の午前中である。理由は多々あるが、午後に比べて比較的に涼しい事と、午後に比べて利用者が少なく比較的空いて(すいて)いるという事が大きい。「平日の夜とか来ないのですか?自分は最近仕事帰りに来るんですよ。」そう声を掛けてくれたのは僕よりも二つ年上の先輩スケーター...
10月も半ばに差し掛かり、室内裸族の僕も夜中には少し肌寒さを感じ、足元で眠る猫を無理やり胸に抱きしめて眠る今日この頃。 自分一人で初めて海外オークションにて落札した、ナタス・カウパスの復刻デッキがアメリカはケンタッキー州から約2週間かけてやっと手元に届いた。 「本物のデッキではなく精巧に出来たミニチュアだったらどうしよう」 という心配も、扉をノックする音が異様に大きい佐川急便の配送員さんが、その腕に...
物臭な性格が災いしたのであろう。溜め置いていた食器を一気に洗ったときにそれは起こってしまった。昨夜食べたインスタントラーメンの調理器具であり食器でもある片手鍋を掴みそこない、まだグラス達が渋滞の列をなしているシンクの中に落としてしまったのだ。派手な音はしなかったものの、倒れたグラス達を一つ一つ手に取り、ヒビ等が入っていないか、指で弾いて確かめる。問題なければ甲高い音が響くはずなのだが、3つ目に弾い...
FTCと大友昇平コラボデッキを買い逃したの訳なのだが、後悔してもこの現世では自分の手には入らないことは確実である。それならばいつも通り、どうしても手に入らないデッキは指スケで作って、自分の心を慰める事にする。まずは土台となる指スケだが、海外オークションでナタスデッキを買ってしまった弊害から、高級な木製指スケを買う事が出来ない。そこでキーホルダーとしてぶら下げていた、TECHDECK社のプラスチックボードを使...
「ブログリーダー」を活用して、平林鼠男さんをフォローしませんか?
指定した記事をブログ村の中で非表示にしたり、削除したりできます。非表示の場合は、再度表示に戻せます。
画像が取得されていないときは、ブログ側にOGP(メタタグ)の設置が必要になる場合があります。
「メンクリいってくる」X(旧ツイッター)のタイムラインで見かけた書き込みだったが、よく意味が分からなかった。メンズエステの類か、はたまたメンズのための夜のマッサージ店か。しかしポストしているフォロワーさんは確か女性だったはず。いろいろ思考を巡らせ、メンタルクリニックの略語であることに自らの足でたどりつく。その所謂メンクリの先生が僕に言う。「一日一度必ず外に出てください。午前中に日の光を浴びるための...
仕事から帰ると、猫が死んでいた。15歳、もう少し一緒にいてほしかったが、それは僕のわがままというものだ。遺体はすでに死後硬直で固まっていた。何時ごろに息を引き取ったのだろう。せめて膝の上でなでながら見送らせて欲しかった。...
先週末、久しぶりに足を運んだライブハウスで、久々に会う友人と演奏についてあれこれと話した。「本物とイミテーションの違いっすね」彼の口から出た言葉が、数日経った今も喉に閊えたサンマの骨のように引っかかっている。いや、薔薇のタトゥーが腕に入った彼の言葉なので、”棘(いばら)のように”の方がしっくりくるか。他人、というか世間に対して投げかけた言葉だったのだが、まるで今の僕の体たらくを見て言ってくれたのかと感...
僕のやる気スイッチは一体どこにあるのだろう?そう思って体中を隈なく探していた時期は夏の訪れとともに過ぎ去り、朝起きてから夜眠る迄一秒たりとも何もやる気がしないまま時だけが流れる生活が続く。「それって夏バテじゃない?」あまりにもやる気の出ない生活に段々と不安になり、知人に相談したところ、凄く良い言い訳を得る事が出来た。そう、僕は今夏バテなのだ。沖縄の夏は長い。もう9月も終わるというのに連日30度を超え...
「自分の感想」が「世間一般の感想」と思い込んでいる人が結構いる。誰か個人を祭り上げたいわけではないが、結構コンビニで店員に「常識」を説きながら怒鳴っている人達の傾向から、60~70代のお兄さんお姉さんに多い気がする。それを見るたびに、自分の考えと世間の考えが同じな訳ないのだから、こんな押しつけがましい大人にだけは成らないように気を付けようと、強く思うのであった。オリンピック スケートボード競技にて日本...
深夜1時半を回った頃、玄関のドアにコツンと何かがぶつかった音がした。ビー玉程度の土団子をふわりと投げてぶつかった様な、そんな軽くて微かな音だ。そんな微かな音に気付けたのは、今まさに眠ろうと、ソファへ横になった瞬間だったからであった。一体何の音なのか、ほんの少し気にはなったが睡魔には勝てない。そのまま瞳を瞑った瞬間に「ジィーーーーーーッ!ジィッ!ジィッ!ジィッ!ジィッ! ッジィーーーーーー」けたたま...
キャットタワーを購入したのは二度目である。初代タワーは私も猫達も1度も昇る事が無いまま粗大ごみとして処分された。再度キャットタワーにチャレンジしたのには理由がある。猫達が日向ぼっこをする出窓を、洗濯物の室内干しエリアとして使う事になり、居場所を失う猫達の為に、少しは憩いの場を提供しようと、前回の反省も兼ねて低めのキャットタワーの購入に踏み切った。しかし、まぁ、こちらの思い通りにならないというのが猫...
僕は男性としてこの世に生まれ、自分の事を男性と思いながら育ち、そして老いてきた。昨今強く叫ばれる、男女平等や、LGBTQについて、反発的な感情は自分の中には無く、頭の固い方々に比べれば自分自身は理解のある方だと思って居た。しかし、結局は自分は「男性」側の視点からしかこの問題を見る事が出来ず、外側からの視点は想像や学習で知ったつもり、分かったつもりになっているだけなのだ。そう気付かされたのは、白眼を剥い...
取りようによっては色っぽいタイトルかもしれないが、色素は全くない話である。近所のローソンにて、ペットボトルのブラックコーヒーを2本手にしてレジへ向かう。いつものバングラデシュ出身の男性店員が無言でカウンターに立ち、商品のバーコードを読み取る。僕が500円玉をトレイに乗せると、男性店員は表情のない声でお決まりの台詞を口にする。「袋は?」僕は間髪入れず「いや、大丈夫」と返す。「ポイントカードは?」僕は少し...
小学生の頃だっただろうか。居間のテレビを見ていた時、父の座る席から、妙に長く鈍い放屁の音がした。「儂が子供の頃、おやじはずっと屁をこいていた。よくもまあこんな頻繁に屁が出来るものだと、当時は不思議でならなかったよ」放屁の音に驚いて振り向いた僕と目が合った瞬間、黙ってビールを飲んでいた父が急に話し始めた。「子供の頃は分からなかったが、この歳になるとよく分かる。歳を取ったら、幾らでも腹に屁が溜まるし、...
自分を客観視出来ない、というのは身をもって理解しているつもりだ。自分と自分の視点を分離することは出来ないので、傍からはどう見えているのを知ることは難しい。しかし、自分の気持ちや感情に対しては、自分自身の視点が一番近いはずなので、一番の理解者のはずである。にもかかわらず、自分では全く気が付かず、他者の方が先に気付いたり、寄り添ってくれたりするのは何故なのか。とても不思議な話である。自分自身の視点とい...
子供の頃、宇宙人が本当に怖かった。幽霊やお化けも怖いのだが、宇宙人はその恐怖の質が違う。もし宇宙人に拿捕されてしまったとして、未知のテクノロジーによってその記憶を消されてしまったら、その事実自体なかったことになってしまう。僕も覚えていないだけで、UFOに一度や二度くらい攫われているのではないだろうか。眠りにつく時、押し入れの襖がちょっと開いていたり、カーテンがほんの少し捲れたりしていると、宇宙人にそ...
最近、YOUTUBEで猫動画をよく見る。よくもまぁあんな可愛い瞬間、偶然にもカメラを回していたものだと毎回感心する。我が家の猫も毎日いくつもの癒しの瞬間を見せてくれるが、そこを偶然にも動画で切り取る事が出来るなんて神業に等しい。IPHONEを片手に、猫と戯れてみるが、なかなか良い瞬間を撮影できないものだ。毛づくろいする猫の舌をキャッチしてみたり寝てる猫をつついてブルブル伸びをさせてみたり完全にヤラセである。自...
もしパートナーに浮気をされたとしたら、それは浮気をしたパートナーではなく”僕自身”が悪いのだ。予てより僕はそのような持論を持っていた。自分に魅力が無いから、浮気をされるのだ。パートナーを繋ぎ止めておきたいのなら、常に側にいて貰える努力が必要なのだと。隣の席で足を組んでデスクに向かう、派遣社員の主婦に日常の雑談の一つとして、この話をしたところ、なんだか様子がおかしい。じっと一点を見つめる視線の先は、PC...
「ちょっと着替えに家に帰ってもいいですか?」知人女性に車を出してもらい、少し大きな買い物をした帰りの事だった。これから他の友人と合流して、久々に居酒屋で杯を傾ける予定だったのだが、予想を超える豪雨で彼女のズボンの裾に雨粒が染みていた。「勿論構わないよ」そう答え、一緒に彼女の自宅へ行った。リビングの適当な場所へ腰を下ろしたが落ち着かない。そういえば先ほど実家から着信が入っていた事を思い出し、手持無沙...
目覚めた瞬間に、自分が寝坊している事を自覚した朝。昨夜の豪雨によって、湖のように空の色を反射するアスファルトを原付で滑走する。さながらジェットスキーのように水しぶきを上げながら緑に輝く信号機だけを狙って迂回し、終業時間1分前に会社に到着した。タイムカードさえ時間内押すことが出来ればこっちの物だ。喫煙所でゆっくり煙を燻らせる。ふーっと大きく息を吐くと朝日に輝いていた紫煙が海風と共に散っていった。ふと...
嫌煙文化か深く根付いた昨今に、煙草の話である。「これ、最近コンビニで新しく出てたの。400円だよ!」知人同士の会話に聞き耳を立てる。どうやら、KOOLの葉巻煙草に、従来の細巻に加えキングサイズが出たらしい。KOOLの名前の由来は”KISS ONLY ONE LADY”(キスは一人の女とだけ)という小話を聞いたのは、まだ学生時代の頃だった。当時はメンソール フレーバーの煙草を吸う習慣が無かったのだが、KOOLを吸っていた当時の友人が、こ...
シャワー文化の沖縄には、シャワールームしか設置していない家も多い。そんな中、我が家には運良く湯船がある。この事に関しては、根気強く部屋探しをしてくれた当時の妻に深く感謝している。ペット可、加えて湯船のある部屋を探すのは相当苦労した事だろう。そんな中で我関せずと、毎日仕事だけをしていた自分が、妻と別れてからもこの恩恵を受け続けているのは皮肉な事だ。疲れるほど働いたわけでは無いが、湯船に身体を沈めると...
会社の備品を買いにコジマ電気へと向かった。慰霊の日は過ぎたというのに、沖縄の梅雨はまだ明ける気配すらなく、しとしとと雨が降りしきる中、原付のアクセルを回す。目的のWEBカメラはあっさりと見つかったが、雨を言い訳にして暫くコジマ電気の中を散策。ミニ四駆コーナーやプラモデルを巡回し、家電コーナーに佇むとある物の前で足が止まった。「だって、もう21世紀だよ?僕たちは子供の頃に憧れた未来を生きてるんだから」ま...
普段よりほんの少し早起きした朝。折角なので、洗濯機を回して掃除機でもかけて気分よく出社しようかなぁ、なんて妄想をしながらぼんやりと眺めていたTVから、歌手のビリー・アイリッシュが、TIKTOKに匿名でUPされた自身の過去動画で炎上したというニュースが流れていた。正直ビリー・アイリッシュの事を僕は殆ど知らない。なので彼女がアジア人を侮蔑しようが特になんとも思わないのだが、彼女がSNSに投稿した尾の件の釈明文に、...
「メンクリいってくる」X(旧ツイッター)のタイムラインで見かけた書き込みだったが、よく意味が分からなかった。メンズエステの類か、はたまたメンズのための夜のマッサージ店か。しかしポストしているフォロワーさんは確か女性だったはず。いろいろ思考を巡らせ、メンタルクリニックの略語であることに自らの足でたどりつく。その所謂メンクリの先生が僕に言う。「一日一度必ず外に出てください。午前中に日の光を浴びるための...