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うちのガラクタ http://utinogarakuta.blog.fc2.com/

古びたモノが好きです。日常の捕って付けたようなモノ・コトの紹介です。

どこか昭和を感じさせる生活道具や民具が好きです。”雑閑”では日々の雑記・展覧会・読書・映画・フリマ・骨董市などでの感想を、”モノがたり”では部屋のガラクタを、”一枚の写真”では昔の旅写真などを載せています。つたないモノコトの紹介ですがお愉しみください!

フナコレタロ
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住所
小平市
出身
旭川市
ブログ村参加

2020/09/05

  • 1322 丸木舟 その2

    前々回はネパールの、そして前回は古代の丸木舟について見たので、今回は現代の丸木舟を見てみよう。とはいっても、まわりには現役の丸木舟が見られないため、展示に限ったものなのですが。 ● アイヌの丸木舟と川漁 / 北海道博物館 2015年撮影(2015年に改称された) この年(2015)から博物館の名称も旧北海道開拓記念館より北海道博物館と改称され。アイヌに関する展示が一新し、アイヌへの教育普及の上でもより親しみやす...

  • 1321 丸木舟 その1

    これまで幾つかの縄文講座を聴講後、土器などに見るいかにも縄文然とした造形とはまた別に、一見地味に写る木製品の遺物についても、それがどのように加工され使われてきたのであろうかと想像を巡らせ、次第に興味を持つようになってきた。 となりまち東村山ふるさと歴史館のロビーには、下宅部遺跡出土の縄文時代の未製品の丸木舟がむき出しのままどーんと置かれており、当初はその大きさに圧倒されたものの、次第に慣れっこに...

  • 1320 一枚の写真 _268 丸木舟

    ● 丸木舟 ネパール、ナラヤンガート 1989年8月 撮影 丸木舟と裸ん坊の子どもたちが戯れた、そんな一枚があったなと探してみる。残念ながら見つけたのは、試しプリントの焼き縞が残った欠片のみ。逆光で子どもの表情が潰れており、川のスケール感もまるでとれていないけれど。それでも川面に舟を運び出す、あの時の子どもたちがはしゃぐ姿が活き活きと甦る。 ● 丸木舟の渡し ネパール、ラニガート 1989年8月 撮影 これま...

  • 1319 土偶を読む

    “読むを読む”と二重動詞のタイトルがつくこの本っていったいなんだろう?ということで元本である『土偶を読む』のいささかセンセーショナルな副題「130年間解かれなかった縄文神話の謎」をも踏まえ、『土偶を読むを読む』とを互読してみた。 まるで知らなかったけれど、『土偶を読む』は人類学者の竹倉史人が箸した、名のある学芸賞も受賞し、各界の知識人にも認められた一大ベストセラー本であった。これまで考古学者が土偶を考...

  • 1318 林芙美子記念館

    ● 新宿区立「林芙美子記念館」 / 東京都新宿区中井 この建物は『放浪記』『浮雲』などの代表作で知られる作家・林芙美子が昭和16年(1941)8月から昭和26年(1951)6月28日にその生涯を閉じるまでに住んでいた家である。大正11年(1922)に上京して以来、多くの苦労をしてきた芙美子は、昭和5年(1930)に落合のこの地に移り住み、昭和14年(1939)12月にはこの地を購入して、新居の建設を始めた。 新居建設当時、建坪制限があったため、...

  • 1317 EXPO`70

    「世界の言葉でこんにちは!」博物館の懐かしもの展示に、日本万国博EXPO`70のチケットなどが並んでいた。なかでも企業パビリオンのリーフレットに、「明日の生活環境への試み」として、当時流行っていたSF映画にみるようなスペースデザインを取り込んだ、暮らしのシステムユニットが目を惹いた。日本の技術の粋を賭けた夢ある未来、全自動洗濯機よろしく、健康と美容に効果をあげる未来の浴槽「ウルトラ・ソニック・バス」なんていう製...

  • 1316 「チェコの十二ヵ月」

    先日観た、プラハ在住の絵本作家『出久根育展』<武蔵野市立吉祥寺美術館> では、副題の「チェコからの風 静寂のあと、光のあさ」 とあるとおり、画面を通じて未踏の地チェコの物語や風物に触れ、はじめてながらもどこか優しく懐かしく、とてもあたたかい気持ちとなった。 エントランス・ロビー部分は写真撮影可能で、以前読んだ作家のエッセイ『 チェコの十二ヵ月 -おとぎの国に暮らす- 』の原画が展示されていた。原画の細部...

  • 1315 葛粉

    ● 『葛と日本人』 有岡利幸 八坂書房、2022年 下:「大和国葛の粉製図」 本書より 酒井抱一の「夏秋草図屏風」の表紙が目を惹いたこの本には、よくみると秋草のなかに紫色の花をつけたクズが美しく描かれている。 本書では、クズの植物誌、古典文学や詩に詠まれた葛、葛の民俗、葛布、はたまた異常な速度で繁茂して現代の生活を脅かすクズ害についてなどと、あらゆる側面から葛と日本人の関わりについて紹介し考察している...

  • 1314 そば猪口

    ● 『そば猪口の文様 絵解き辞典』より 図書館の新着本にあったのが『そば猪口の文様 絵解き辞典』。そういえばうちにもあるなと、食器棚より出してみる。 ● うちの「そば猪口」 家のそば猪口は、簡素な模様のシンプルなタイプばかりで。そのうち無地のものを2点含み、実はこれが一等気に入っている。無地ゆえにコップのような器形の美しさが際だち、清酒を入れて光にかざすと微妙に磁肌に透けて見える光景がたのもしい。本書...

  • 1313 ボロ(襤褸)

    先日観た清瀬市郷土博物館の民具展示では、布裂(ぬのきれ)がおもしろかった。いまのくらしではほとんど死語となり、どこかしら汚ならしくすら思えてしまう“ボロ(襤褸)”ながら。こうしてガラスケースに展示され、視点を変えてしげしげと一枚一枚を観察すると、一片の裂のなかに、さまざまな要素が凝縮されて見えてきてとても興味深かった。ボロの展示では、かって浅草にあった「アミューズ ミュージアム」の展示が一風変わっていて印...

  • 1312 「タイガー計算キ展」

    数値にレバーを合わせ、ハンドルを回すと「ガラガラガラチン!」と鳴る機械式計算器は、地域の博物館の「むかしの道具」コーナーなどで、ときどきお目にかかる道具である。いまではそのアナログ的で一風変わったかたちが、子どもたちの目を惹く人気のアイテムとなっている。 機械式計算器での計算は、ソロバンでの珠算のように特別な習熟は必要とせず、誰しもが直感的な感覚でもって基本操作さえ行えば、難なく正確に答えを導くこと...

  • 1311 すごい標本

    ● テンバコ 675×405×高さ80ミリ 何故か家にあるのが、「地質學教室」の焼き印が押されたこんな古風なテンバコ。 90年代後期に東大・本郷キャンパスにて開催された「ヴンダーカンマー・驚異の部屋」展では、東大の所蔵する膨大な学術資料・標本を高名な海外デザイナーが参入し、「古きに新しさを見る」とでもいうのだろうか、古風な物品が現代風にお洒落にアレンジされた展示構成で、当時はその演出がとても斬新で魅力的...

  • 1310 『葬いとカメラ』

    となり町の図書館への道すがら、葬儀店のウィンドウにずらりと並んだ骨壺見本が気になっている。いつかしっかり見比べてみたいと思いつつ今回も見送ってしまった。普段は気にもとめない“葬い”もの、図書館にこんな本があり読んでみる。 ● 『葬いとカメラ』 金セッピョル、地主麻衣子 編 左右社 2021年 文化人類学・宗教学・社会学の研究者、映像アーチスト・彫刻家などが集い、“葬い”にちなんだ映像作品を視聴しての対談集...

  • 1309 箒と塵取

    家で使っているのが、こんな箒(幅180×230ミリ)と塵取(幅225×350ミリ)です。とあれ本来はそれぞれ別ものとして作られた道具です。小さな手箒はゴヨウマツの葉を束ねたヴェトナムのもの。韓国の道具にも、ゴヨウマツの葉を円錐形に束ねた刷毛のようなものを見たことがありますが。こちらはヴェトナムの木版画「ドンホー版画」の刷りに用いられる撫で刷毛で、いわばバレンのように使うもの。2分れ3カ所を結び竹箆で押さえ平らにさせた末...

  • 1308 『台湾 和製マジョリカタイルの記憶』

    台湾の歴史的建造物にみられる和製マジョリカタイルを考察した、台湾人著者によるこんな一冊をみつけた。副題には「台灣老花磚的建築記憶」とある。 ● 『台湾 和製マジョリカタイルの記憶』 康鍩錫 TWO VIRGINS 2023当初は英国のヴィクトリアン・タイルの模倣品として製造された日本のビクトリアン風彩色タイルは、通称和製マジョリカタイルともよばれ。後に海外への輸出品へと販路を拡大し、それぞれの地域への市場に向けてさま...

  • 1307 リキシャ

    ● バングラデシュのリキシャ 『うるおうアジア』展<中村研一記念 小金井市立 はけの森美術館>にて 日本発祥の人力車とリヤカーの長所を、自転車にうまく纏めた“自転車型力車”は、東南アジアや南アジアなどの地で、いまでも庶民の足として大活躍している。先月観た福岡アジア美術館収蔵作品の巡回展『うるおうアジア』展<中村研一記念 小金井市立 はけの森美術館>でも、数ある作品のなかで一番目を魅かれたのが、このバング...

  • 1306 だるま市

    この新春はひさしぶりに昭島の拝島大師の“だるま市”へ行ってみました。コロナ禍も幾分落ち着き、初詣の凄い人混みにすっかり押され、今回は系統立てた「だるま分析」はいまひとつ振るいませんでした。近年ではアマビエをアレンジしただるまも登場したとのことですが、そちらは確認できず終い、それでもいくらか新種の変わりだるまがありました。こちらは前回のときの“だるま考察”の記録です。 ↓http://utinogarakuta.blog.fc2...

  • 1305 鍵盤ハーモニカ

    ● 『鍵盤ハーモニカの本』 南川朱生(ピアノニマス) 春秋社 2023年 自分もこの写真の時代は小学生だったはず。 ** 鍵盤ハーモニカのかわりにトンボ・ハーモニカを添えて** モラトリアムな時代のあの日、不思議ちゃん女子がくれたカセットには“曲:ピアニカ前田”と書かれていた。小学生の音楽の時間、黒い唄口や蛇腹のホースをくわえ、演奏の度に内部で結露した唾液を吐きだすピアニカが、どこか不潔で嫌だった。「トホホ、...

  • 1304 放鷹 その2

    前回は鷹匠の道具について触れてみたけれど、鷹狩りはどのように行われるのかについては、まったくもって知識ゼロの状態。そんな理由で図書館にあった書籍や動画にあたってみた。日本の鷹狩りの伝統は徳川幕府の下、各大名が庇護し研磋琢磨を重ね粋を究めたものの。幕府解体後それらのシステムが一旦崩壊し、明治を迎えあらたに宮内省が鷹狩りを管理するようになる。 そんな天皇の鷹匠をされていた諏訪流の鷹師の方の伝記本や、...

  • 1303 放鷹 その1

    上京した頃の最寄り駅は、江戸幕府の鷹場(たかば)の名残りをとどめる「鷹の台」という場所だった。東京の西域多摩地区にはかって幕府の広大な鷹場が拡がっており、近在の博物館の近世の歴史展示にも鷹場に関するコーナーが設けられている。とはいえ鷹狩りに関わる鷹匠(たかじょう)が用いる道具についてはこれまで一度も見たことがなかった。この度 瑞穂町郷土資料館にて『オオタカ -鷹とその文化- 』展があり、江戸時代には尾...

  • 1302 絵馬

    ● 絵馬 立川水天宮・阿豆佐味天神社 / 東京都立川市 絵馬掛けの傍らにはルビー色の瞳を嵌めたこんな猫の石像も。神社の鳥居を背景に首鈴を着けた三毛猫、その見返りの表情がなんとも愛らしい。そんな猫絵馬が立川水天宮・阿豆佐味天神社にみられる。どうやら摂社の蚕影(こかげ)神社<養蚕の神>のもので「猫返し神社」と絵馬に記されている。従来は養蚕の大敵鼠退治にあやかった“猫神”が、現代では失踪した猫などの無事を願う役...

  • 1301 幻燈

    ● 「おもしろいげんとう」 昭和25年(1950) 『小学三年生』 小学館 附録石神井公園ふるさと文化館 「紙のおもちゃがいっぱい」展より児童雑誌の紙製学習附録、背後の鏡で集光し幻燈あそびが楽しめる。オール紙製当時の附録のデザインがけっこう斬新。ちょっとした語の充てかたながら「幻燈」(げんとう)のもつ音の響きに、どこか懐かしく温かなものをかんじてしまう。 ● 月夜の幻燈会『注文の多い料理店』宮沢賢治作 小平中央公...

  • 1300 鮎籠

    ● 鮎籠 360×155×35ミリ*こちらは以前骨董市で求めたもの。大小あったうちの小、。あきる野の民家からの出物。小判型の中央に桟を2本亘す、まるで舟のような籠がある。かって鮎の運搬用につかわれた出荷籠で、鮎籠・小籠などと呼ばれるものである。多摩川の漁で捕る鮎は、自給生産としての漁撈活動から、瀬張漁などで捕る商品生産の漁業へと発展し、古くは江戸開府以来上納御用の御菜鮎(ごさいあゆ)用に大量にこの籠が編まれ、...

  • 1299 水車

    ● 上:水車<胸掛式、水輪直径272㎝> 小平ふるさと村 下:「柳橋水車図屏風」の水車 東京国立博物館六曲一双の煌びやかな屏風。画面いっぱいに大きく架けられた黄金の橋。空には銀の月がかかり、川岸には柳や蛇篭、水車が描かれている。銀で描かれた流麗な水流、胡粉を厚く塗って盛り上げ金箔を貼り立体感をだした蛇篭や水車など、とても工芸的で豪華な作品に仕上げている。 かって多摩地区の川筋や分水では、その水力を...

  • 1298 八王子車人形

    【八王子車人形】約170年の歴史をもつ一人遣いの人形芝居。文楽と同じ大きさの人形を遣い手が“ろくろ車(箱の中に車輪があり、体重をかけると方向転換できる)”に載って演じる。令和4年に国の重要無形文化財に指定される。 ● 八王子車人形・三番叟 多摩伝統文化フェスティバル 2023 にて 【八王子車人形・三番叟】三番叟は、能の「翁」を下敷きにした、天下太平、国土安穏、五穀豊穣を祈る祝いの踊りである。田植えを舞う「揉み...

  • 1297 ササラ

    ● 花笠の舞手が持つスリザサラ 石川町龍頭の舞 多摩伝統文化フェスティバル2023 にて 【八王子市無形文化財 石川町龍頭(りゅうとう)の舞】天正元年(1573年)に、西蓮寺境内の御嶽権現の落成を祝って舞われたのが始まりとされる。龍頭の舞の頭は、2本の角を持つ「龍の頭」の容貌をしており、仏教の八大龍王を模ったものと考えられる。それぞれの舞は、大頭、中頭、雌獅子と呼ばれる3頭の獅子、花笠6人、笛数人、歌唄い若干名で...

  • 1296 楊弓太鼓

    ● この四角い太鼓はなんだろう!? いつだか偶然現れた四角い太鼓、「これはひょっとして・・・!?」と調べに駆け込んだのが“及川鳴り物博物館”だった。 ● 「揚弓太鼓」 『日本の楽器たち』より そのときは答えを得られず空振りだったけれど、このたび『日本の楽器たち』 及川鳴り物博物館 2018年 を見ていたら、鋲打ち太鼓のくくりのなかにまったくおなじ形の太鼓を発見*「揚弓太鼓」とあり、サイズ的にもぴったりだ。 ● 楊弓師...

  • 1295 鳴り物

    ● 鹿笛 『日本の楽器たち』より前回の『日本の楽器たち』の楽器以外の鳴り物に、キジ笛とおなじく寄せ笛として“鹿笛”が載っていた。こちらは鹿の膀胱膜や、サケの皮をなめして仕上げてある。暮らしのなかで身近に獲られていた動物の膀胱膜や魚の皮など、音を生む気鳴膜として取り入れたこのような音具は、素朴な造りながらもどこか興味をそそられる。 ● 魚の皮を張ったガラガラ北海道の平取町に住む友だちの工房を訪ねたとき...

  • 1294 寄せ笛

    図書館の新着本コーナーにあった和楽器本、よく見たら以前東久留米にあった個人博物館“及川鳴り物博物館”<2003~2015年>のコレクション図録であった。この博物館へは、偶然見かけた四角い太鼓が、かって矢場で用いられた“揚弓太鼓”ではないかと疑問におもい訪館したのだった。(2007年ころ)時間指定の完全予約制・住宅街にあるごく普通の一軒家のなかに、日本の伝統的な邦楽器から玩具に類する小物まで、所狭しにめいいっぱい詰...

  • 1292 こないだの

    すっかり間があいてしまったけれど、こないだの文化の日をこんなふうに過ごしてみた。<2023年11月3日>手にしたカラーコピーの、どこか垢抜けないデザインのちらしには「4年ぶりの開催 府中刑務所 第48回文化祭」とある。だぶだぶの刑務官服を着たちびっこ、刑務所所内見学、刑務所作業製品即売会の、小さな写真が散りばめられてはあるも、むしろそのダサさ具合がむしろ面白いイヴェントなのかもと、妙に気持ちを揺さぶるのだった...

  • 1292 アユカゴ

    ● アユカゴ 羽村市郷土博物館にてひさしぶりに寄ってみた羽村市郷土博物館、ここは多摩川から玉川上水へと取水する、羽村の水門の仕組みを解説した展示が有名だけれど。今回の愉しみは付設の茅葺き民家(旧下田家住宅)で以前見たこんなカゴ。やはりそうだった! プレートにもしっかり“アユカゴ”と書かれている。日々焚く囲炉裏の煙にすっかり燻されて、美しく飴色の艶となった背負籠。その大きさは思っていたより幾分小さめの、...

  • 1291 抉入石器

    ● 抉入石器 御殿山遺跡出土 / 武蔵野市立武蔵野ふるさと歴史館蔵はじめて寄った武蔵野市立武蔵野ふるさと歴史館。考古資料のなかでも、普段はなにげなく見過ごしてしまうような石器の類。展示された黒曜石には、産地同定されたものがあり。長野県蓼科双子山、長野県蓼科冷山、長野県和田峠、神奈川県箱根畑宿、東京都神津島と、5つの産地の黒曜石の違いに見入ってしまった。国内には80か所の産地があるという黒曜石も、各...

  • 1290 画面のなかに _028 背笠

    ● 『いのち綾なす インド北東部の旅』 延江由美子著 オリエンス宗教研究所 2021年インド、メガラヤ州マウプリ村:田植えを終え、クヌップを被って畦道を歩くカシの男性 インド北東部のくらしを撮った写真集 『いのち綾なす インド北東部の旅』 延江由美子著 のなかに、1970年代にKさんが台湾の少数民族の民具調査で撮影した“背笠”とまるで同じタイプのものを発見。著者は、ローマンカトリック教会女子修道会のメディカル・...

  • 1289 北多摩縄文スタンプラリー

    一枚のちらしに触発されて、「北多摩縄文スタンプラリー」に挑戦。3週かけて、5市10館のミッションをどうにかクリアー。先着200名限定・ロゴ入りステンレスボトルを頂きました。これまで幾度か見学した館、そしてはじめて訪れる館、各館所蔵の資料をつぶさに比較でき、縄文に触れる親しみが随分増しました。知れば識るほどほんとうにすごいことばかりの縄文時代。もし縄文の世界にタイムスリップできたなら、いったいどんな感じなの...

  • 1288 円の競演『鐔と絵皿』

    ● 円の競演『鐔と絵皿』展 / 国際基督教大学・湯浅八郎記念館現在は事前予約制、コロナ禍いらい数年ぶりにICUの湯浅八郎記念館での展覧会へ行ってきました。<2023年10月11日>今年度の後期企画展は、一風宇変わった趣向で円をキーワードに鐔と皿の展示です。演示作業は学内の学芸員実習の一環としてなされ、館蔵の優れた民藝の数々が迎えてくれました。 ● 印判手皿各種以前開催された『印判手』展など、これまで幾度も目に...

  • 1287 画面のなかに _027 双六の“上り”

    ★ 双六の“上り”★北原コレクション『紙のおもちゃがいっぱい』展練馬区立石神井公園ふるさと文化館 より 人生を賽の目に託して紆余曲折 双六の“上り”は どれもが希望に満ちているお正月スターゲーム 昭和43(1968)年 『小学3年生』『紙のおもちゃがいっぱい』展会場西部大活劇双六 1950年代 朝日出版社少年未来双六 昭和2(1927)年 『日本少年』火星國探検競争双六 昭和2(1927)年 『少年倶楽部』国立大公園双六 昭和2(1...

  • 1286 モノがたり _368 統制陶器

    ● 湯呑 径70×高さ70ミリ縁に緑の2本線、今朝はこんな湯呑でお茶を飲む。戦時中の物資統制で、規格品として大量に製造された陶磁器である。先日見学した西東京市郷土資料室の考古資料では、このお仲間の“統制陶器”の一群がコーナーとなっていた。縁に緑の2本線ものでは、湯呑のほかにも丼鉢や皿などもならんでおり。さらに皿の底に書かれた、窯場の統制番号の翼の商標に、「これはもしや家のものと同じでは・・・」と見てみるも。資...

  • 1285 事務機器

    ● なつかしの謄写版など・・・ / 西東京市郷土資料室にて今世紀はじめの平成の市町村合併で、保谷市と田無市が統合し西東京市となった時は、そのネーミングセンスに違和感をおぼえたものだった。お隣の市とはいえ、こちらの資料室の見学ははじめて。廃校となった小学校の教室を、そのまま資料室や教育施設に無駄なく転用し、どこか懐かしくもありほほえましい空間だった。考古学資料の見学が目的だったけれど、意外や展示されてい...

  • 1284 モノがたり _367 刃物

    ● 刃物 390×53×38ミリ <刃渡:220×24、峰厚4>ミリ骨董市にころがっていたもの。錆々となった表面を落として現れた刃面。まだまだ斑な具合だけど、さらに研ぎ直せば刃物として充分使えそうだ。なんだか折れた刃部を別柄に据え継ぎ直したようにもみえるけど。片刃のこれは鉈のようにでも使われたものだろうか、使用の用途は一切不詳ながら、柄に挿し込まれた刃の角度や太い握りの具合などを鑑み、想像の域を愉しんでいる。職...

  • 1283 「昔の道具民具たち」

    ● うちの道具など その1 <おもに金属系>参加しているFacebookの『昔の道具民具たち』のグループに投稿して、まる3年目を終えた。<初年度は張り切っての396投稿、2年度めは290投稿、そして3年度目はがたっとペースが落ちて週1程度の84投稿となった>さすがに手持ちの道具ネタも尽きてきて、今後は手を変え品を変えこれまでの焼き直しの投稿となりそうだ。 ● うちの道具など その2 <雑多なもの>投稿のスタイルはコマ割り...

  • 1282 今日のもよう _006 花一輪

    知人のタイ土産で頂いた青い絵皿には、稚拙ながらも古風なやきものを模したような花一輪が描かれている。かってタイの遺跡巡りのついでに、スコタイやスワンカローク、シーサッチャナライの窯跡を訪れたことがあった。チェンマイ近郊のカロン窯のやきものは博物館資料で見ただけだけど、緑釉の描画に特徴があるそれとどこか似ているように思えた。久しぶりにタイで求めたやきもの本<タイ語なんで何が書かれているのかまるで判読不...

  • 1281 画面のなかに _026 糸車

    インド国旗の中央を陣取る丸い模様は、チャルカ(糸車)の意匠である。インド独立の祖、ガンディーが自ら糸車を回す姿は、布生産の仕事が村の経済の中心にあることを象徴している。 ● 『CALICOのインド手仕事布案内』 文;小林史恵 写真;在本彌生 小学館 2021年インドの手仕事布の本を見ていたら、そんなガンディーが回す定番の糸車(アンバーチャルカ)の写真とともに、一風かわったかたちの糸車が写っていた。解説にはシン...

  • 1280 モノがたり _366 哺乳瓶

    ● 哺乳瓶 200×幅70×75ミリ吹きガラスを型に嵌めて仕上げたものだろうか。揺らぐ地肌に気泡を孕み、児乳・牛乳と書かれた朱文字の目盛も、いまでは軽く触るだけで消え失せるほど劣化している。失われた吸い口はどのようなかたちだったろうか。いつの時代にも子の育成を願う親の気持ちは揺るぎない。この9月の4,5,6と、「山中諏訪神社・安産祭り」を訪ねてみた。古来より、子授け・安産の御利益があると言われるこの祭禮は、妊産婦...

  • 1279 モノがたり _365 笠と骨

    台湾には沖縄のクバ笠とよく似たかたちの竹皮の笠、「斗笠」がある。その笠骨は、日本の笠には見られない六ツ目編みである。 ↓http://utinogarakuta.blog.fc2.com/blog-entry-1175.htmlそのむかし台北で求めた斗笠の笠骨は、すでにプラスチック製ながらも、しっかりと六ツ目編みを模していた。よく見たらアルゼンチン製の小さなシールが貼られていて、表面を覆う素材もどうやら竹皮ではなくトウモロコシの皮のようだった。チク...

  • 1278 モノがたり _364 醤油入れ

    ● 崎陽軒 「ひょうちゃん」醤油入れ 43×37×高さ15ミリカレーは水野仁輔、餃子はパラダイス山本、そして焼売にもこんな御仁がいるのだなぁと読んでみる。そういえばこれもあったなと出してみたのが、おなじみ崎陽軒焼売の醤油入れ。こちらは第2代目(1988~2003)原田治のデザインで新しい。ささいな容器ながらも陶製のデザイン・キャラがたのもしい。ちかごろ昔ながらの味で懐かしくかんじたのが、チルドの「ホソヤ 昭和生まれの...

  • 1277 画面のなかに _025 起重機

    ● 『モンセラートの時祷書』 シモン・ベニング 1535-40年頃 10月;ワインの取引シモン・ベニングによる『モンセラートの時祷書』<1535-40年頃>の10月では、ワインの取引が描かれている。中世フランドルの広場では、木造の独自のかたちをした巨大な起重機(クラーン)が、ワイン樽を荷揚げしている様が目を惹く。そしてよく見ると、その動力には車輪が用いられ、ハツカネズミの運動用の輪さながらに、その輪の中に数名の...

  • 1276 画面のなかに _024 亜麻の繊維取り具

    ● 上;『ブリューゲルと季節画の世界』 森洋子 岩波書店 2022 下;『スウェーデンの伝統工芸』 アンナ・マヤ・ニーレン 1982 より森洋子著 『ブリューゲルと季節画の世界』の第Ⅱ章<16世紀ドイツの月暦版画>の11月には麦打ちとともに亜麻の繊維取りに励む女性が描かれている。 ● 『ブリューゲルと季節画の世界』より 11月 亜麻の繊維取りの様子上:ハンス・ゼーパルト・ベーハム 1527年中:フランツ・イザーク...

  • 1275 モノがたり _363 綴じ具

    ちょっと昔の事務小物が好きだ。 ↓http://utinogarakuta.blog.fc2.com/blog-entry-144.html ● PLUS IDEAL PAPER CLAMPS No1 46×68ミリいつだか見つけたのが一風変わったかたちのこんなゼムクリップ。一本の針金を楕円形に曲げただけの、おなじみのゼムクリップも発明者ゼムの名前がつけられ、いくつもの特許を有するという。ゼムクリップって、ホチキス同様にメーカー名だとは思いもよらなかった。このPLUS社の製品は...

  • 1274 モノがたり _362 水壺

    ● 水壺 ラオス 径160×高さ300ミリ今年も高砂百合が咲き出してこんなラオスの水壺に活けてみる3段括れのこの形は日本のやきものにはないタイプ素材は素焼の黒陶で、表面の刻釘模様がアクセントとなっている。彼の地の寺院の仏前に、花活けとして使われていたのを思いだす。...

  • 1273 たま号

    ● たま電気自動車 たま号博物館資料がきれいにレストアされて、自走可能な現存する国産電気自動車としては、最古のものとなっている。 / 日産ヘリテージコレクション市の図書館に貼られていた一枚の案内に、なんともレトロな自動車が写っていた。わずかに終戦後の数年間、こんな国産の電気自動車が開発され、首都圏の乗用車やタクシーなどに大活躍した時代があったという。「リーフ」日産EVのルーツ「たま電気自動車」に迫る * ...

  • 1272 盆迎え

    ● 盆のつくりもの上京したてのころ、ご近所の民家の戸口にこんなつくりものが並んでおり。これはきっと呪いの人形にちがいないとびびっていた。 ◆ 早馬のごとくご先祖様をお迎えし<馬型> ◆ 牛の歩みでゆっくりとお帰りいただく<茄子型> お盆の行事にうちの郷里ではこのような設えがなかったため、いま思うと笑っちゃう話しだけれど・・・、本年もまた盆の季節を迎えます。近所のスーパーなどでも、いまでは麻殻...

  • 1271 モノがたり _361 ごみ箱

    ● ごみ箱 下左;東京都墨田区向島 下右;東京都葛飾区 堀切菖蒲園あたり“なぎら建壱”の珍妙なる視点の町歩きフォトエッセイ、『町の忘れもの』ちくま新書 2012年をみていたら。忘れられた風景 「所在ないごみ箱」として「懐かしい石でできたごみ箱を目にした。気にせずに歩いていたら、きっと見過ごしていたに違いない。また、ごみ箱の存在自体を知らない世代にとっては、これが一体なんだったのか、分からないかもしれない・・・・」...

  • 1270 モノがたり _360 鶏公碗

    ● 鶏公碗 径154×高さ55ミリ雑器は粗雑ながらもときに様々な情報が得られおもしろい。バンコクの迷路のような露地のどんづまり運河端にクズ屋とともに古物屋が並んでいた。どう見てもとなりのクズの山からちょいとめぼしき物を掻き出したような品揃えであった。屋台で使われる丼碗に鶏の絵柄が描かれたものがあったけど、この随分草臥れた碗は、いま物よりは少し前の時代のものだろうか。雑に描きなぐられた雄鶏と芭蕉のような...

  • 1269 モノがたり _359 衛生容器

    ● 衛生容器 210×170×高さ210ミリ隅置きの真っ白なホウロウ容器は小さな部屋でつかわれたもの。学校が現在のキャンパスへ移ったとき、モダンなデザインで輝いていた女子寮の建物も。自分が入学した時点ではすっかり古び役目を終えて、一般の教室へと改装されていた。語学の教室にはなぜか中央に柱が立ち、みな指名されるのを避けて柱の陰に陣取るも、ここぞとばかり先生にあてられていた。このおかしなつくりの教室はもとは女子...

  • 1268 モノがたり _358 糸巻

    ● 糸巻 径60×21ミリガラクタのなかに竹を輪切りにしたこんな糸巻をみつけた。自製品らしく縁をなめらかにヤスって仕上げ三つ縒りの焦げ茶色の糸が巻かれている。何に使ったものだろうか~紙縒でとめたそのたたずまいはどことなく釣り具っぽいけど・・・・和式の毛針を用いたテンカラ釣りの仕掛けには、たしか馬の尻毛を縒った糸が使われていたはずだ。ルーペで拡大するとその断面は白っぽいから獣毛ではなく渋染めか、ライターで燃...

  • 1267 モノがたり _357 鋏

    ● 博多鋏 大;190×65、小;125×52ミリ ● 牧野富太郎博士の書斎の鋏 /練馬区立牧野記念庭園にて先日みた牧野富太郎博士書斎の復元展示の文机の上に、ちょこんと置かれていたのがこんな鋏、キャプションには「種子島鋏」とあった。うちのものにもこれとよく似た和製の鋏があったなと出してみたら、こちらは博多鋏だった。日本史年表にみる1543年に漂着したポルトガル船による“鉄砲伝来”は誰もが既知ながらも。その時一緒に...

  • 1266 モノがたり _356 状差し

    5年10年と古い建物が取り壊され、町の景色が一変する。いまではそこにそんな建物があったことすらおぼろげだ。昔の共同アパートの入口には、写真のような郵便受けが並んでいた。学生時代に友だちが住んでいた、画材が散らばり足の踏み場がなかったぼろ下宿。このアパートもすでに取り壊されているにちがいない。 ● 状差し 115×55×高さ280ミリ小さな状差しは祖父の家で使われていたもの。手紙・ハガキ・伝票などが無造作に詰め込...

  • B1265 モノがたり _355 ペンシルホルダー

    ● ペンシルホルダー 径9×93ミリ友だちの宝物という菓子箱をみせてもらったことがある。蓋を開けるとちびた鉛筆がぎっしりと詰まっており、訊くと小学生からのものを貯め込んでいるという。それ自体がひとつの鉛筆塚ともいえる愛着的な代物で圧巻であった。1本の鉛筆で線を引いていくと、なんと50kmも引けるという。 <ちなみに、ボールペンで1.5km、サインペンで700m>最後まで使いきらないまま失せた鉛筆は、これまでどれほど...

  • 1264 魚籠

    ● おとり箱 とある日の骨董市、ステンレス製のこんな箱をみつけた。一見医療器具風だけれどこれはひょっとして・・・と、昔撮った写真に当たってみる。 2018年度の“埼玉県立歴史と民俗の博物館”での漁撈用具展示に、ほぼこれと同形の木製の箱が写っていた。 その解説には【おとり箱】採集地:小川町「おとりに使う予備のアユを入れる箱です。箱を川に伏せておくことでアユを元気な状態で保ちます。」 とある。 木製のものは引き...

  • 1263 背負籠

    カゴ類は好きな民具のアイテムのひとつで、あればできるだけ見るように心がけている。先日の骨董市で、鮎の友竿と一緒にこんな背負籠が置かれていた。上から覗くとすこし扁平な小判型、すとんと落ちた胴は武蔵野や秩父でよく見かけるヤマカゴの系統だろうか。 釣り用らしく、天にはベニヤで蓋をつけ、ご丁寧にも入れ子が二つ納まっている。これまで見たものは、みな口が開いたものばかりだったから、この小カゴ付きは珍しく細部...

  • 1262 モノがたり _354 温度計

    ● 温度計 212×44×25ミリ いまではデジタルが主流ながら、目盛を読むタイプの温度計が好きだ。ひさしぶりに寄った諏訪神社の骨董市で、摂氏・華氏両表記の温度計に出会った。いつの頃のものだろうか・・・・、液は水銀使用でともかく見づらい。 店主はそこだけ不思議なオーラを漂わせ、どこか仙人然とした老人である。そっか、よく見たらすっかり老人となってしまったニコニコ堂さんだ。以前恋ヶ窪にあった、狭い間口のカオス的な...

  • 1261 モノがたり _353 鬣切り

    ● 鬣切り 長さ252×25×15ミリ 上京したての頃、「これ、ばくって!」の一言に、怪訝な顔をされたことがある。田舎言葉の“ばくる”<取り換える、交換する>は、“馬喰”からきた語にちがいない。子どもの頃、石炭の配達や残飯の回収に、重い荷車を牽く馬の姿があった。 ばくろう【博労、馬喰、伯楽】牛や馬の仲買商人、産地の農家から牛馬を買い取り、それを広く売りさばいたり、交換したりする。 宮本常一『忘れられた日...

  • 1260 モノがたり _352 桑爪

    ● 桑爪 幅34×24×23ミリひさしぶりの骨董市、ジャンクのなかにこんな桑爪が紛れていた。鉄板一枚を指輪状に加工したものと、この桑爪のように刃を針金の輪で固定したものと2タイプあった。これまで桑爪は、考古資料でみる石庖丁や、アイヌがもちいた淡水貝の貝庖丁の穂摘み具のように1点で用いるものかと思っていたけれど。『絵引 民具の辞典』には、両手の人差指にはめ、2個1対で使用するとあった。民具も場合によっては、写真...

  • 1259 蚕之一生

    ● 蚕の一生 孵化から産卵まで ● 掛軸 『蠶之一生』 狭山市立博物館 先日寄った狭山市立博物館の養蚕展示では、蠢く蚕の印刷物を仕立てた長い掛軸が目を惹いた。畑中章宏著 『蚕 絹糸を吐く虫と日本人』を読んでいたら、なんとその掛軸が紹介されていた。 本書によると、「蚕の一生」の文字を掲げ、横に5図7段の写真でおもに構成。下方には、横3図3段で、繭の写真と養蚕・製糸風景の絵が配置されている。市内の旧家から寄...

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