近所の美大で、民具の展示を見てきた。みんぱく(国立民族学博物館)主催の特別展のサテライト展示で、いたってシンプルな構成であった。それでも個人的には、なにかと考えさせられる内容であった。 展覧会開催日に併せて、民俗資料収蔵庫見学が可能で、全国の郷土玩具や竹製品などの民具がみられ、こちらはその膨大な量とともに一見の価値がありお勧めです。また会期中にはトークイベント(申込不要、無料)などの催事がありそちら...
古びたモノが好きです。日常の捕って付けたようなモノ・コトの紹介です。
どこか昭和を感じさせる生活道具や民具が好きです。”雑閑”では日々の雑記・展覧会・読書・映画・フリマ・骨董市などでの感想を、”モノがたり”では部屋のガラクタを、”一枚の写真”では昔の旅写真などを載せています。つたないモノコトの紹介ですがお愉しみください!
ライフスタイル、ライフ、暮らし(くらし)、生活に関することなら、どんなことでもOKですので お気軽にトラックバックしてくださいね(*^▽^*)
テーマ投稿数 648件
参加メンバー 0人
「ブログリーダー」を活用して、フナコレタロさんをフォローしませんか?
近所の美大で、民具の展示を見てきた。みんぱく(国立民族学博物館)主催の特別展のサテライト展示で、いたってシンプルな構成であった。それでも個人的には、なにかと考えさせられる内容であった。 展覧会開催日に併せて、民俗資料収蔵庫見学が可能で、全国の郷土玩具や竹製品などの民具がみられ、こちらはその膨大な量とともに一見の価値がありお勧めです。また会期中にはトークイベント(申込不要、無料)などの催事がありそちら...
箒づくりの知人からこんな一冊が贈られてきた。帯文には、伝統的な箒づくりを通じて世界との多様な「接点」を見いだし、生きることの「手ざわり」を現代社会に回復しようと試みる、注目のつくり手論考。とある。 箒と出会って十余年、先だって不惑を迎え、そこにはこの間一切ぶれずに箒とともに歩んできた君の姿が活々と描かれていた。 工芸における手仕事とはいったいなにか、北海道へ移住し古屋を手ずから改装して繰り広げられる...
市の公民館にあった1枚のちらしには、『ナトコ映画の上映と解説』とある。はじめて聞くこの“ナトコ映画”っていったいなんなんだろう!?「第二次世界大戦後、GHQの占領政策の一環として、教育映画が盛んに上映されました。貸与された映写機の名前から『ナトコ映画』と呼ばれた作品は・・・・・公民館の起源になっています。『ナトコ映画』を鑑賞し、公民館の歴史を学んでみませんか。」とある。 ということで“ナトコ”という謎の響きと...
図書館の新着にあったムック本。『 世界を巡る タンバリン 100 』、田島隆 著、リットーミュージック、2024年 ↓https://www.youtube.com/shorts/-t370kjUo-w 誰もが知っているタンバリンのイメージといえば、クラッシックやポピュラー音楽などで使われる打楽器、あるいは学童が使う教育楽器、昭和なスナックのカラオケでマラカスとともにリズム付けに囃されていたといったところだろうか・・・・ほかにもおもちゃのものも含ま...
小さな資料館ながら所狭しと民具が並んでいる、札幌村郷土記念館(札幌市東区)では特に玉ねぎ関連のコーナーが目を惹いた。 それもそのはず、「わが国の玉ねぎ栽培はこの地に始まる」という。これまでまるで知らなかったけれど、明治4年(1871)、開拓使がアメリカから輸入した種子を札幌官園で試作したのが、日本の玉ねぎ栽培の始まりとされている。クラーク博士の推薦で札幌農学校に招聘されたウィリアム・ペン・ブルックスは、明...
札幌農学校第1農場の農機具その6 【調整用機具】 家畜飼料を調整する機械が要求され、コーンハスカー・セラー、根菜細断機などが1880~1900年に開発された。本邦のこれらに対する特許は、明治30年から大正年間に取得されているが、ここに展示する標本類はその原形であるといって過言でない。○ 西洋式唐箕― 本邦の唐箕(江戸末期)は風力による選別のみであるが、洋式唐箕は篩を有して用途が広い。○ 飼料細断機― 根菜類を細断する...
札幌農学校第1農場の農機具その5 【収穫用機具】 1830-1860年にモーア・テッダ・レーキの乾草収穫調整機具と麦刈機のリーパーが開発されて、大規模に栽培される牧草や穀類の機械化が始まったが、根菜類や豆類は遅れた。1880年代にポテトプラウ、1910年頃にコーンピッカが開発されているが、今日のようなハーベスタは大戦後のことである。○ モーア類 ― 1820年代に開発され、今日まで同一機構が用いられている歴史ある農機具であ...
札幌農学校第1農場の農機具その4 【種用機具】 種を播く適期日数は短いので「春の1日は秋の10日」と言って、播種日を重要視する。太古は人手による散播(Broadcasting)のみだったが、作物の生育と肥培管理に適した播き方が生まれ、条播(Drilling)や点播(Hilldropping)の方法へ分化した。播種用機具も人力用の散播機・点播機(第3展示室に配置)から畜力用へと発展しているが、いずれも1850-1870年に実用化されて、開発間もない製品で...
札幌農学校第1農場の農機具その3【砕土整地用機具】 歯杆(ツース)の方形ハロー、次いで鉈ハローの発明程度で進んできた洋式砕土機具も、南北戦争を契機として急激な発展を示した、なかでも1860年代末のスプリングツースハローと自転式の鬼ハロー形の出現、1877年のシングルデスクハローの特許などが目立っている。写真の中にデスクハローがあることを見ると、本邦へは開発間もない製品が直に入ったことをうかがわせる。 ○ 方形ハ...
モデルバーン2階の畜力農機具の展示資料のなかでも、一番数が多くみられるのがこの洋犂のプラウではないだろうか。これまで犂といえば和犂や洋犂の隔てなく、その構造をとくに意識せぬまま一様にみていたけれど、解説を読むと各々の機種にみる構造とその作業の多様さに目を瞠らされる。 ↓http://utinogarakuta.blog.fc2.com/blog-entry-63.html 札幌農学校第1農場の農機具 その2【耕転機具】 木の枝などによる耕起方法は...
モデルバーン2階部には、札幌農学校が1877-82年に輸入した、大規模な混合農業を営む上で必要となる畜力用農機具が展示されている。鍬鋤類、人力砕土機、プラウ、ハロー、播種機、草刈機類、調整作業機などがあり国内に例のない一連の装備群である。その機種としては、施肥機具、耕耘機具、砕土整地機具、播種用機具、収穫用機具、調整用機具の6分類である。それらの機具分類ごとの機種につく解説とQRコードでリンクさせた動画を...
● 上:農牧型モデルバーン、1890年頃 下:重要文化財「札幌農学校第2農場」、北海道大学 畜力農機具であるプラウ(犂)やハロー(馬鍬)というと、かって東京農工大学農学部にあった「畜力農機具資料室」の古いプレハブにところ狭しと収められた、その膨大な資料に驚かされたことがある。 ↓http://utinogarakuta.blog.fc2.com/blog-entry-63.html 昨年度見学した北海道大学付設の重要文化財となっている、旧「札幌農学校第...
子どものころ石炭ストーブを消したあとの燻った匂いが好きだった。匂いの記憶は大人となったいまでも鮮明に残っている。 各地の資料館を見ているとそんな時代のストーブがたくさんならんでいた。そんなストーブに思いを馳せてみた。 ● ストーブとその変遷 北海道博物館 /札幌市 北海道博物館の展示ではさまざまなタイプのストーブが見られた。その変遷表には、1856(安政3)年、日本ではじめて投げ込みストーブを製作。1879(...
年末年始は姉のところでひさしぶりに雪はねをした。防風林に面した道路には大型の除雪機が入るものの、各家の前の除雪では小型の除雪機が活躍し除雪作業がなされていた。使われていた簡易除雪具もいまではその多くがプラスチック製となっている。その種類も昔にくらべ作業ごとにいろいろあり、雪はねの仕方ひとつとっても掃除のように各々微妙に異なり家ごとの個性が現われていた。 北海道博物館で見た除雪具には、道産の根曲が...
● 糞突き棒 北海道博物館にて「凍ったふん尿の山を突きくずすために使った鉄の棒」1908~98(明治41~平成10)年ごろにかけて使用池田町**冬場に糞尿が凍り付く北海道のぼっとん便所の便槽は、他所の地域にくらべかなり大きく掘られていた。 展示品の隙間を埋めるように、背丈大の一本の鉄の棒があった。少しよれたそのたたずまいが、不浄な空間で長らく酷使された歴史をものがたる。近年では温暖化が進み、冬でもしばれるよう...
● 稲刈鎌 札幌市、屯田郷土資料室 ● 上:鎌 札幌市、北海道大学第2農場展示 下:麦刈鎌 札幌市、つきさっぷ郷土資料館札幌のいくつかの資料館でみた鎌のかたちが気になった。刃先から柄にかけて針金をわたしたガードのようなものが付いている。こういった鎌は全国にみられるものなのだろうか。その用途はどういったものなのか、なぞが深まるばかり・・・・・。 ● 稲刈鎌 カンボジアおまけのこちらは以前記した...
● 『鰊盛業屏風』 久保田 金僊(きんせん) 筆 明治36年(1903) ニッポンの民謡、北海道の代表といえばいわずと知れた「ソーラン節」。小樽市総合博物館では、そんな当時の沖揚げ音頭(ソーラン節)を聴きながら、ニシン漁にまつわる道具をみることができる。 ↓https://www.youtube.com/watch?v=7pymJQwTbzkそしてニシン漁のコーナーには、明治末期に描かれた六曲一双の壮大な『鰊盛業屏風』が展示されている。そこに...
図書館の新着にあった ● 『帰ってきたコンペイトウ』<栗原英次・入山喜良箸、立東会 2024年> どこか魅惑的な響きのタイトル、鮮やかなオレンジバックの表紙には、熊と相撲をとる鉞かついだ金太郎。本書を開くと、かって小さな町工場で造られた、金平糖容器の菓子ビンがずらりと並んでいる。ひとつひとつ手吹きで型どられた菓子ビンには、粗製ガラス特有の小さな気泡を孕み、その質朴な表情がなんとも魅力的だ。たかが金平糖ビ...
● 北大のポプラ並木 6月初頭の札幌は雪のようにポプラの綿毛が舞っておりとても情緒深かった。一本のポプラの木がもたらす綿毛は、いったいどれほどの分量となることだろうか。 ● 倒壊したポプラを楽器として蘇らせたチェンバロ、北海道大学総合博物館にて そんな折り、北大の博物館を見学していたら、どこからか J.S.バッハの「音楽の捧げもの」の曲が流れてくる。しかもこの特徴的な音色は・・・・・ガラス越しの小部屋の中で...
考古資料の木製品がおもしろい。おなじ遺物であっても、木製品は石器や土器などとちがい、ある一定の保存条件が満たされないかぎり自然崩壊して残らないから。奇跡的に残されたそれらの一見地味ともうつる断片をしげしげと見つめていくと、それらが使われていた当時はどのようなかんじだったのかと、果てしない想像の域が広がっていく。 今回、北海道立埋蔵文化財センターでトピックされていた木製品(2024年6月11日見学)は、比...
前々回はネパールの、そして前回は古代の丸木舟について見たので、今回は現代の丸木舟を見てみよう。とはいっても、まわりには現役の丸木舟が見られないため、展示に限ったものなのですが。 ● アイヌの丸木舟と川漁 / 北海道博物館 2015年撮影(2015年に改称された) この年(2015)から博物館の名称も旧北海道開拓記念館より北海道博物館と改称され。アイヌに関する展示が一新し、アイヌへの教育普及の上でもより親しみやす...
これまで幾つかの縄文講座を聴講後、土器などに見るいかにも縄文然とした造形とはまた別に、一見地味に写る木製品の遺物についても、それがどのように加工され使われてきたのであろうかと想像を巡らせ、次第に興味を持つようになってきた。 となりまち東村山ふるさと歴史館のロビーには、下宅部遺跡出土の縄文時代の未製品の丸木舟がむき出しのままどーんと置かれており、当初はその大きさに圧倒されたものの、次第に慣れっこに...
● 丸木舟 ネパール、ナラヤンガート 1989年8月 撮影 丸木舟と裸ん坊の子どもたちが戯れた、そんな一枚があったなと探してみる。残念ながら見つけたのは、試しプリントの焼き縞が残った欠片のみ。逆光で子どもの表情が潰れており、川のスケール感もまるでとれていないけれど。それでも川面に舟を運び出す、あの時の子どもたちがはしゃぐ姿が活き活きと甦る。 ● 丸木舟の渡し ネパール、ラニガート 1989年8月 撮影 これま...
“読むを読む”と二重動詞のタイトルがつくこの本っていったいなんだろう?ということで元本である『土偶を読む』のいささかセンセーショナルな副題「130年間解かれなかった縄文神話の謎」をも踏まえ、『土偶を読むを読む』とを互読してみた。 まるで知らなかったけれど、『土偶を読む』は人類学者の竹倉史人が箸した、名のある学芸賞も受賞し、各界の知識人にも認められた一大ベストセラー本であった。これまで考古学者が土偶を考...
● 新宿区立「林芙美子記念館」 / 東京都新宿区中井 この建物は『放浪記』『浮雲』などの代表作で知られる作家・林芙美子が昭和16年(1941)8月から昭和26年(1951)6月28日にその生涯を閉じるまでに住んでいた家である。大正11年(1922)に上京して以来、多くの苦労をしてきた芙美子は、昭和5年(1930)に落合のこの地に移り住み、昭和14年(1939)12月にはこの地を購入して、新居の建設を始めた。 新居建設当時、建坪制限があったため、...
「世界の言葉でこんにちは!」博物館の懐かしもの展示に、日本万国博EXPO`70のチケットなどが並んでいた。なかでも企業パビリオンのリーフレットに、「明日の生活環境への試み」として、当時流行っていたSF映画にみるようなスペースデザインを取り込んだ、暮らしのシステムユニットが目を惹いた。日本の技術の粋を賭けた夢ある未来、全自動洗濯機よろしく、健康と美容に効果をあげる未来の浴槽「ウルトラ・ソニック・バス」なんていう製...
先日観た、プラハ在住の絵本作家『出久根育展』<武蔵野市立吉祥寺美術館> では、副題の「チェコからの風 静寂のあと、光のあさ」 とあるとおり、画面を通じて未踏の地チェコの物語や風物に触れ、はじめてながらもどこか優しく懐かしく、とてもあたたかい気持ちとなった。 エントランス・ロビー部分は写真撮影可能で、以前読んだ作家のエッセイ『 チェコの十二ヵ月 -おとぎの国に暮らす- 』の原画が展示されていた。原画の細部...
● 『葛と日本人』 有岡利幸 八坂書房、2022年 下:「大和国葛の粉製図」 本書より 酒井抱一の「夏秋草図屏風」の表紙が目を惹いたこの本には、よくみると秋草のなかに紫色の花をつけたクズが美しく描かれている。 本書では、クズの植物誌、古典文学や詩に詠まれた葛、葛の民俗、葛布、はたまた異常な速度で繁茂して現代の生活を脅かすクズ害についてなどと、あらゆる側面から葛と日本人の関わりについて紹介し考察している...
● 『そば猪口の文様 絵解き辞典』より 図書館の新着本にあったのが『そば猪口の文様 絵解き辞典』。そういえばうちにもあるなと、食器棚より出してみる。 ● うちの「そば猪口」 家のそば猪口は、簡素な模様のシンプルなタイプばかりで。そのうち無地のものを2点含み、実はこれが一等気に入っている。無地ゆえにコップのような器形の美しさが際だち、清酒を入れて光にかざすと微妙に磁肌に透けて見える光景がたのもしい。本書...
先日観た清瀬市郷土博物館の民具展示では、布裂(ぬのきれ)がおもしろかった。いまのくらしではほとんど死語となり、どこかしら汚ならしくすら思えてしまう“ボロ(襤褸)”ながら。こうしてガラスケースに展示され、視点を変えてしげしげと一枚一枚を観察すると、一片の裂のなかに、さまざまな要素が凝縮されて見えてきてとても興味深かった。ボロの展示では、かって浅草にあった「アミューズ ミュージアム」の展示が一風変わっていて印...
数値にレバーを合わせ、ハンドルを回すと「ガラガラガラチン!」と鳴る機械式計算器は、地域の博物館の「むかしの道具」コーナーなどで、ときどきお目にかかる道具である。いまではそのアナログ的で一風変わったかたちが、子どもたちの目を惹く人気のアイテムとなっている。 機械式計算器での計算は、ソロバンでの珠算のように特別な習熟は必要とせず、誰しもが直感的な感覚でもって基本操作さえ行えば、難なく正確に答えを導くこと...
● テンバコ 675×405×高さ80ミリ 何故か家にあるのが、「地質學教室」の焼き印が押されたこんな古風なテンバコ。 90年代後期に東大・本郷キャンパスにて開催された「ヴンダーカンマー・驚異の部屋」展では、東大の所蔵する膨大な学術資料・標本を高名な海外デザイナーが参入し、「古きに新しさを見る」とでもいうのだろうか、古風な物品が現代風にお洒落にアレンジされた展示構成で、当時はその演出がとても斬新で魅力的...
となり町の図書館への道すがら、葬儀店のウィンドウにずらりと並んだ骨壺見本が気になっている。いつかしっかり見比べてみたいと思いつつ今回も見送ってしまった。普段は気にもとめない“葬い”もの、図書館にこんな本があり読んでみる。 ● 『葬いとカメラ』 金セッピョル、地主麻衣子 編 左右社 2021年 文化人類学・宗教学・社会学の研究者、映像アーチスト・彫刻家などが集い、“葬い”にちなんだ映像作品を視聴しての対談集...
家で使っているのが、こんな箒(幅180×230ミリ)と塵取(幅225×350ミリ)です。とあれ本来はそれぞれ別ものとして作られた道具です。小さな手箒はゴヨウマツの葉を束ねたヴェトナムのもの。韓国の道具にも、ゴヨウマツの葉を円錐形に束ねた刷毛のようなものを見たことがありますが。こちらはヴェトナムの木版画「ドンホー版画」の刷りに用いられる撫で刷毛で、いわばバレンのように使うもの。2分れ3カ所を結び竹箆で押さえ平らにさせた末...
台湾の歴史的建造物にみられる和製マジョリカタイルを考察した、台湾人著者によるこんな一冊をみつけた。副題には「台灣老花磚的建築記憶」とある。 ● 『台湾 和製マジョリカタイルの記憶』 康鍩錫 TWO VIRGINS 2023当初は英国のヴィクトリアン・タイルの模倣品として製造された日本のビクトリアン風彩色タイルは、通称和製マジョリカタイルともよばれ。後に海外への輸出品へと販路を拡大し、それぞれの地域への市場に向けてさま...
● バングラデシュのリキシャ 『うるおうアジア』展<中村研一記念 小金井市立 はけの森美術館>にて 日本発祥の人力車とリヤカーの長所を、自転車にうまく纏めた“自転車型力車”は、東南アジアや南アジアなどの地で、いまでも庶民の足として大活躍している。先月観た福岡アジア美術館収蔵作品の巡回展『うるおうアジア』展<中村研一記念 小金井市立 はけの森美術館>でも、数ある作品のなかで一番目を魅かれたのが、このバング...
この新春はひさしぶりに昭島の拝島大師の“だるま市”へ行ってみました。コロナ禍も幾分落ち着き、初詣の凄い人混みにすっかり押され、今回は系統立てた「だるま分析」はいまひとつ振るいませんでした。近年ではアマビエをアレンジしただるまも登場したとのことですが、そちらは確認できず終い、それでもいくらか新種の変わりだるまがありました。こちらは前回のときの“だるま考察”の記録です。 ↓http://utinogarakuta.blog.fc2...
● 『鍵盤ハーモニカの本』 南川朱生(ピアノニマス) 春秋社 2023年 自分もこの写真の時代は小学生だったはず。 ** 鍵盤ハーモニカのかわりにトンボ・ハーモニカを添えて** モラトリアムな時代のあの日、不思議ちゃん女子がくれたカセットには“曲:ピアニカ前田”と書かれていた。小学生の音楽の時間、黒い唄口や蛇腹のホースをくわえ、演奏の度に内部で結露した唾液を吐きだすピアニカが、どこか不潔で嫌だった。「トホホ、...
前回は鷹匠の道具について触れてみたけれど、鷹狩りはどのように行われるのかについては、まったくもって知識ゼロの状態。そんな理由で図書館にあった書籍や動画にあたってみた。日本の鷹狩りの伝統は徳川幕府の下、各大名が庇護し研磋琢磨を重ね粋を究めたものの。幕府解体後それらのシステムが一旦崩壊し、明治を迎えあらたに宮内省が鷹狩りを管理するようになる。 そんな天皇の鷹匠をされていた諏訪流の鷹師の方の伝記本や、...
上京した頃の最寄り駅は、江戸幕府の鷹場(たかば)の名残りをとどめる「鷹の台」という場所だった。東京の西域多摩地区にはかって幕府の広大な鷹場が拡がっており、近在の博物館の近世の歴史展示にも鷹場に関するコーナーが設けられている。とはいえ鷹狩りに関わる鷹匠(たかじょう)が用いる道具についてはこれまで一度も見たことがなかった。この度 瑞穂町郷土資料館にて『オオタカ -鷹とその文化- 』展があり、江戸時代には尾...