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  • 少年は天狗山で死んだ 54 鴉

    光の身体は、強張ってた。俺がいきなり頭を抱き寄せたからなのか、それとも。いつも?光からはいつも悲しいにおいがしてる。ひとつ目たちといるときは少し薄くなるけど、…

  • かぐやひめ 100

    皓サイド たまご雑炊を食べて、身体拭きなって、車谷さんは蒸しタオルを用意してくれた。「俺、向こうで皿洗ってくるから、身体拭いて着替えてさっぱりしな?俺が拭い…

  • かぐやひめ 99

    柊サイド『頼まれていた物、届けてきました』『柊くん、風邪ひいてダウンしてましたよ』 淳からのメールを見て、あああああって俺は思わずその場にしゃがんだ。 皓。…

  • かぐやひめ 98

    皓サイド 車谷さんの部屋は、前に来たときと同じようにキレイで、来客用の布団までもうきちんと敷かれていた。 ほら寝なって布団に寝かせてくれて、枕のかわりにアイ…

  • 求愛王子

    月光に浮かび上がるキレイすぎる姿が、まだ脳裏に残っている。 実際に会って話して、意外な幼さにますますひかれる。 当たり前みたいに、女にしか興味なかった。 そ…

  • かぐやひめ 97

    皓サイド 車谷さんが着いたよってメールをくれて、僕はヨロヨロしながら裏口の鍵を開けに行った。 もたれるように立ってるのが精一杯で、そんな僕を見た車谷さんが、…

  • かぐやひめ 96

    皓サイド 柊さんからのメールは、こわくて見られないままだった。 熱も全然下がってくれなくて、次の日も僕は布団の上でぐったりしていた。 車谷さんが昨日買ってき…

  • 少年は天狗山で死んだ 53 光

    僕のことが、ニュースで?へぇって。何かすごく他人事みたいに思った。探してるんだ。『あの』父さんが?母さんが生きてたときも会わない日があるぐらい毎日夜遅くて、母…

  • かぐやひめ 95

    皓サイド 車谷さんが帰って行って、僕は鍵とお財布とスマホどこだろうって探した。 いつも着替えを入れて持って行ってる鞄に全部入ってて、僕はそれを枕元に置いた。…

  • かぐやひめ 94

    皓サイド その日の夜、お店が始まってひとりで寝てたら、皓くん、お客さんだよってみっくん店長に言われて、柊さん⁉って起き上がったら。「風邪ひいたって、大丈夫?…

  • かぐやひめ 93

    柊サイド「仲直りしたの?………って、コマさん何、その顔」 店で会った淳の、開口一番がそれだった。 昨夜。 皓が居なくなった部屋。 ごめんね、さよならって涙の…

  • かぐやひめ 92

    皓サイド「みっくん店長、ごめんねぇ?」「いいからいいから」 さんざん雨に濡れて、びしょびしょに濡れて、お店の鍵も柊さんちに置いてきちゃったって気づいて、みっ…

  • かぐやひめ 91

    皓サイド 柊さんの部屋、涙の粒でいっぱいにしちゃった。 柊さん、びっくりしてるかな。 泣いて泣いて泣いて。 パラパラコロコロすごくて。 掃除しなきゃって思っ…

  • 少年は天狗山で死んだ 53 鴉

    「光は何でこの山に来たんだろ」雨足が強くなった気がする。音が。雨の音が激しさを増した気がする。気のせいか。静かだから。シン…って、したから。だからなのか。ざあ…

  • かぐやひめ 90

    柊サイド 自分の部屋に戻るだけなのに、異常なぐらい緊張した。 もう結構な時間だ。 草木も眠るって時間だ。 パニクって飛び出して来たけど、皓に何も言わずに飛び…

  • かぐやひめ 89

    柊サイド 情けない、けど。 情けないまま淳にすべてを話した。 最低だって、俺は、言って欲しいのかもしれない。 皓は何も言わないから。 何も言わずに泣いて、何…

  • かぐやひめ 88

    皓サイド 静かになった部屋。 戻って来ない柊さん。 どうして?さっきまでは、あんなに熱い目で僕を見てくれてたのに。 僕はただただ呆然としてた。「柊さん?」 …

  • かぐやひめ 87

    柊サイド「で?」「え?」 人の声に我に返った。 視界に入るものは。 俺の部屋じゃねぇ。 声をした方を見れば、淳が超不機嫌そうに立っていた。 え? 淳の部屋?…

  • かぐやひめ 86

    皓サイド すごいドキドキして、逃げるみたいにお風呂に来た。 柊さんのあの目、あの顔、あの声。 柊さんは、本気だ。本気で、僕と。 好きだと思うって、言ってくれ…

  • 少年は天狗山で死んだ 52 光

    「座ろうか」天ちゃんが台所に足を向けながら言うのが、すごいイヤでイヤって言いたいのに、『光』って呼び方と声にイヤなんて言えるはずもなく、僕はうんって頷いて天ち…

  • かぐやひめ 85

    柊サイド 皓がキレイでキレイでキレイすぎて、しかも俺のために色々してくれて、それが分かった上で見つめられたら、もうダメだった。 俺の理性は宇宙の彼方。塵だ塵…

  • かぐやひめ 84

    皓サイド 今日の柊さんは、いつもと違った。 いつもよりもっと、何か。 そんな柊さんに、僕はドキドキがすごかった。 制服のシャツのボタンを外されて、どんどん外…

  • かぐやひめ 83

    柊サイド 飲み屋の制服でシェーカーを振る皓のその異様なまでのキレイさに、俺はバカみたいに目を見開いて食い入るようにその姿をただただ見た。 時々瞬く視線ひとつ…

  • かぐやひめ 82

    皓サイド 柊さんが離してくれないから、僕は柊さんの隣に座って、ブルームーンがなくなるのを待った。 柊さんは何も言わなかった。 黙ってブルームーンを飲んでた。…

  • かぐやひめ 81

    皓サイド「はい、どうぞ」 柊さんの目の前でシェーカーを振った。 みっくん店長みたいにさ、ビシッと決めたら柊さんがもっと僕を見てくれるかなって。 何日も練習し…

  • 少年は天狗山で死んだ 51 鴉

    座ろうかって、天狗は光を台所に呼んだ。光って呼び方と声で、大事な話って瞬時に理解した光は、うんっておとなしく天狗に従った。気狐も光についていく。俺は。天狗と光…

  • かぐやひめ 80

    柊サイド 皓がてきぱきと部屋を片付けてくれた。 その顔はいつも嬉しそうで、こんな顔して片付けてくれるなら、俺は無理して苦手な片付けや掃除をしなくてもいいんじ…

  • かぐやひめ 79

    柊さん ピンポーンって鳴って皓だって玄関を開けたら、バイトの制服姿の皓が立っていた。 うおおおって、一歩、下がった。 何度も見てる。制服姿は何度も見てる。 …

  • かぐやひめ 78

    皓サイド おかっちチーフの賄いを乗せたトレイを持って倉庫に来てスマホのチェック。「柊さん‼」 メールが、来てる。 どんな返事か見ないと分からないのに、メール…

  • かぐやひめ 77

    柊サイド 商談を終えて、ふうっと一息。 今日の商談はこれで終わり。 商談カードのファイリング、お客様情報の入力。 納車の準備もしていかないと。 ショールーム…

  • かぐやひめ 76

    皓サイド できあがったそれを、これなら合格って言われて嬉しくて、やったーって僕はみっくん店長に抱きついた。「行く時持って行っていいよ、シェーカーと、材料」「…

  • 少年は天狗山で死んだ 51 光

    母さんが死んだ。父さんが家に帰って来なくなった。高校の先輩たちに犯された。もう生きていられないって思った。僕なんか、生きていても仕方ないって思った。ざああああ…

  • かぐやひめ 月の涙 5

    今宵は満月。 空にはぽっかりと丸い月が浮かんでいた。 黄色にも青にも、時に赤にも見える不可思議な月。「あ」「ん?」 すぐ隣で空を見上げていた米田さんが。 米…

  • かぐやひめ 月の涙 4

    そっとドアを開けて、伺うように中を覗くのは、いつものこと。 頷いてやって初めて米田さんは中に入って来る。 いつものつなぎ。 いつもの歩き方。 ちょっと背中が…

  • かぐやひめ 月の涙 3

    ねぇ………ってそいつはおれに話しかけて来た。「アンタの酒、美味しいね」「ありがとうございます」「名前なんていうの?」「 御厨《みくりや》です」「御厨さん、か…

  • かぐやひめ 月の涙 2

    店に入って来たその姿を見た瞬間に、ピリッて肌が、なった。 昔からおれは勘がいい。相当いい。そしてラッキー。運がいい。 母ちゃん曰く、それは月が味方をしてくれ…

  • かぐやひめ 月の涙 1

    『母ちゃん、これ何だ?』 腹が減っておやつを探していた子どもの頃のある日。 台所の棚に隠すように置いてあった瓶に入ったソレを、おれは見つけた。 アメ? コロコ…

  • 少年は天狗山で死んだ 51 光

    光がこの山に、この家に来て1ヶ月が過ぎた。………早いな。来たときは警戒心すごくて顔色も悪くて表情も………で、どうなるかと思ったけど今は。光は、俺の手伝いをする…

  • かぐやひめ 75

    皓サイド それからも柊さんとはちょくちょく会って、一緒にご飯を食べに行ったり、遊びに行ったりした。 時々泊まらせてもらって、お風呂を借りて、同じベッドで寝て…

  • かぐやひめ 74

    柊サイド「柊さんちは本当に何もなーい」「…………ごめん」 白いだぼパジャマと、ぴょこんと跳ねた金にも銀にも見える髪の毛が眩しすぎる朝。 盛り上がって盛り下が…

  • かぐやひめ 73

    皓サイド 柊さんは、やっぱり男の僕とじゃえっちできないみたいだったけど、ごめんって言いながら何回も何回もキスをしてくれた。 ごめんって言われるのが悲しくて、…

  • かぐやひめ 72

    柊サイド 皓にキスをしまくって、押し倒して、パジャマのボタンを数個外した。 俺の唇に甘い息を漏らしながら身体を捩るその姿は、ビビるぐらい色っぽかった。 この…

  • かぐやひめ 71

    皓サイド がつんってちょっとぶつかるみたいに、柊さんの唇が重なった。 勢いがありすぎて息が止まる。 しがみつく。 肩から上はもう完全に恋愛でしょ?僕が好きで…

  • 幕間のヒトコマ劇場

    ✳︎いつもと違うスタイルです✨ある日の昼下がり。台所。光「ねぇ、天ちゃん。天ちゃんたちには名前をつけるっていう習慣はないの?」天「んー?そうだねぇ、そういえば…

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