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  • 少年は天狗山で死んだ 25 光

    それを前に、僕は動くことができなかった。それ。布。あんこの色した。その下には、天狗が言う、鏡。『その鏡の姿が今の光だから』天狗が僕を光って呼ぶのは、こわい。ふ…

  • ふたりきりのお泊まり 30

    眞尋サイド 砂まみれのこーちゃんに抱き締められて、僕も砂まみれになって、ふたりでまた海に突っ込んだ。 波に揉まれながら抱き合って、ゴロゴロして、深いとこまで…

  • ふたりきりのお泊まり 29

    光輝サイド 外だから。海だから? 開放的な気分って、こういうこと。 口にくわえたたまごやきを眞尋にかじらせた。 キョロキョロしてからぱくって食べて、眞尋はそ…

  • ふたりきりのお泊まり 28

    眞尋サイド「こーちゃんの、ばか」「ん………」 浮き輪につかまって、ふたりでぐったり。 外なのに、海なのに、僕はこーちゃんに、されて。 俺もシてって言われて、…

  • 少年は天狗山で死んだ 25 鴉

    足取り重く光が台所を出て行った。追いかけていいのか。躊躇って、カラスと一緒に天狗を見た。天狗は、珍しく行儀悪くテーブルに肘をついて頬杖。もう片方の手で湯呑みを…

  • ふたりきりのお泊まり 25

    光輝サイド 砂浜にパラソルを立ててレジャーシートを敷いて、荷物を置いた。 人は疎ら。 よしって、思わず心の中でガッツポーズ。 これなら撮れるかも。 眞尋にラ…

  • ふたりきりのお泊まり 24

    眞尋サイド「海だーーーっ」 あのあとこーちゃんと別々の部屋で着替えて、荷物を手分けして持って、別荘前の砂浜。 こーちゃんが浮き輪を斜め掛けして、ビーチパラソ…

  • ふたりきりのお泊まり 23

    光輝サイド せっかくの、せっかくのせっかくのせっかくの、チャンスが。 ヨロヨロしつつ、へっぴり腰で下におりたら、おじさんがクーラーボックスを持ってニコニコし…

  • ふたりきりのお泊まり 21

    光輝サイド バッグを持って2階にあがって、ここってドアを開けたら眞尋が固まった。 まあ、そうだろうなあって言うのが俺の感想。 キングサイズのベッド。いや、ワ…

  • 少年は天狗山で死んだ 24 光

    ひとつ目ちゃんが行っちゃってから急だった。そうだよ、僕何を、何でここでのんびりしてるんだろう。僕母さんが自分で死んじゃったんだよ?父さんが家に帰って来なくなっ…

  • ふたりきりのお泊まり 20

    眞尋サイド 青い建物だった。 洋風の、何か、オシャレなドラマとかに出てきそうなやつ。 海が見える白いウッドデッキには椅子とテーブルが置いてある。 ここでご飯…

  • ふたりきりのお泊まり 19

    光輝サイド アラームで起きたら眞尋が眠っていた。 シートを微妙な角度に倒してこっちを向いて、スースー寝てる。 中途半端なシートの傾き具合で、よく寝れるなあっ…

  • ふたりきりのお泊まり 18

    眞尋サイド こーちゃん、寝ちゃった。 ソフトクリームを食べて、食べさせあいっこして、車に戻ってエンジンかけて、アラームをセットして、寝るって言ってばたんきゅ…

  • ふたりきりのお泊まり 17

    光輝サイド 1時間ぐらい車を走らせたところで、サービスエリアに入った。 だいぶ慣れてきたとは言え、やっぱり高速の運転はちょっと緊張する。 しかも寝不足。「ソ…

  • ふたりきりのお泊まり 16

    眞尋サイド 口が甘いって言われて、こーちゃんとキス、した。 母さんが好きって言ってるアイドルグループの誰かが使ってるらしくて、うふふーうふふーって笑いながら…

  • 少年は天狗山で死んだ 24 鴉

    光がおかしい。って思ったのは、すぐ。最初は寝起きだから?って思った。けど、違うって、それもすぐ。昨夜はわりと元気だったはずだ。俺が世話をしに行くとぎゃあぎゃあ…

  • ふたりきりのお泊まり 15

    光輝サイド ん?甘い。 ブラックコーヒーを飲んでるはずなのに飲み口が甘かった。 いや、コーヒーが苦いから余計に甘く感じたのか。「眞尋、朝何か甘いもの食った?…

  • ふたりきりのお泊まり 14

    眞尋サイド こーちゃんが来た!!って、玄関でスタンバってた僕は、家の前でとまった車の音と同時に飛び出した。「こーちゃん!!おはよ!!」 おーーいって手をぶん…

  • ふたりきりのお泊まり 13

    光輝サイド 約束は7時。 あんまり早すぎたら眞尋の父さん母さんに迷惑かもって、堪えて堪えて悩んで、7時にした。 目が覚めたのは5時前。寝たのは何時だ?ベッド…

  • ふたりきりのお泊まり 12

    眞尋サイド こーちゃんが、早く出ようって。 泳ぎたいんだろ?って、だったら早く出ようって。 だからもうすぐこーちゃんが来る。 もうすぐ、来ちゃう、どうしよう…

  • ふたりきりのお泊まり 11

    光輝サイド 準備万端。 荷物を全部詰めたバッグを前に、俺は正座した。 明日はいよいよ、1泊2日、眞尋と別荘に行く日。 俺の念願が、ついについについについに。…

  • 少年は天狗山で死んだ 23 光

    お友だち?って天ちゃんに聞かれてひょこって窓の外を見たひとつ目ちゃんは、天ちゃんが開けた窓からえいって感じに飛び降りて、でっかいでっかい黒猫のところにダッシュ…

  • しょっぱい涙 友弥×亮平

    友弥サイド バックパックがひとつ。 木戸家の離れの玄関にあって。 本当に行っちゃうんだって、俺は思った。 色んな雑誌が目に見えて増えてって、いつかどっか行っ…

  • ふたりきりのお泊まり 10

    眞尋サイド こーちゃんが帰っちゃった僕の部屋。 こーちゃんが居た気配が残る僕の部屋。 お茶を飲んだコップ、お菓子が残ったお皿、こーちゃんが買ってきてくれたア…

  • ふたりきりのお泊まり 9

    光輝サイド …………ヤりたい。 自分の家。自分の部屋。 夕飯後でいいって言って、ボスってベッドにダイブした。 先に風呂入った方がいいかも。 汗で、身体がベタ…

  • ふたりきりのお泊まり 8

    眞尋サイド「まひろー」 こーちゃんが、呼んでる。「まーひーろー」 さっきからずっと、呼んでる。 僕はまだ服を着てなくて、何にも着てなくて、こーちゃんのネック…

  • ふたりきりのお泊まり 6

    光輝サイド 焦らしに焦らして果てた眞尋は、ラグの上で放心状態になっている。 目尻には涙。 乱れた服、乱れた髪、乱れた息。 乱れた服からちらりと見える、俺がつ…

  • 少年は天狗山で死んだ 22 鴉

    「あれは猫又だね」「………ネコマタ?」黒くてでかい窓の外の何かを見て、天狗が言った。ネコマタ?ネコマタって何だ?ネコって言うぐらいだから猫なんだろうけど、猫は…

  • ふたりきりのお泊まり 4

    眞尋サイド それからとんとん拍子に話はまとまって、次の日の昼過ぎに来たこーちゃんと相談して、8月の頭の僕の部活がないときに行こうって、結局俺らふたりだけかっ…

  • ふたりきりのお泊まり 3

    眞尋サイド 僕の予定は、特にない。 今年の夏休みは父さんの仕事が何だか忙しくて休めないって聞いてて、だから部活以外に何もない。 こーちゃんとちょっとでも一緒…

  • ふたりきりのお泊まり 2

    眞尋サイド どうしよう。どうしたらいい?ねぇ、本当に僕どうしたらいいの?「落ち着けよ、まー」「そうだよ、まーくん」「無理っ」 いつもの時間。 透と友弥がうち…

  • ふたりきりのお泊まり 1

    眞尋サイド「別荘?」「そう、別荘」 夏休みが始まった。 僕が通ってる高校は、甲子園なんて夢のまた夢。 とっくの昔に予選敗退の我が高校。 それでも、それでか?…

  • 少年は天狗山で死んだ 22 光

    「ぴっかるん、おっはよー‼︎」「………っ⁉︎」え。誰。ものすごいハイテンションの声にびくってなって目が覚めた。頭の上と左側でも同じようにびくって動いた熱の塊が…

  • 短冊に願いを、問題集に… 後

    「こーちゃんっ!?」 ピンポーンって音が聞こえて、時計を見た。 7時。 7時、だ。 僕はドアを開けてダッシュで階段をおりた。 母さんが玄関の鍵を開けようとリビ…

  • 短冊に願いを、問題集に… 中

    家に帰って着替えて、明日の勉強をしようって、アイスを片手にこーちゃんと一緒に買った問題集を広げた。 この辺ちゃんとやっとけよって、最後に会った時に赤マルをつ…

  • 短冊に願いを、問題集に… 前

    もうすぐ、やっと期末テストが終わる。 今日は七夕。 1年に1度、彦星さんと織姫さんが会える日。 1年に1度しか会えないって、ツラいよね。 空を、見上げた。 …

  • 少年は天狗山で死んだ 22 鴉

    目が覚めたら明るくて、朝?って焦ってすぐ隣の布団を確認した。よく寝る方だと思う。俺は。でも、寝ててもわりと敏感な方。物音とか、そういうのですぐ目が覚める。光。…

  • 教えて、こーちゃん

    こーちゃんの大学でオープンキャンパスの募集があって、僕は6月のそれに申し込んだ。 将来自分がどうしたいかって、正直まだよく分かんない。 大学だって、こーちゃ…

  • ある日のふたり 後

    眞尋side 鞄の中でスマホが鳴ってるのが分かった。 こーちゃん、かな。 出たら何て言われるんだろう。 先帰る、とか、なら、まだいいけど。 もし、もし…………

  • ある日のふたり 中

    光輝side  眞尋に練習試合見に来てくれる?って言われて、もう絶対他にどんな用事ができようと、すべて蹴って行くってそう決めた。 朝、久しぶりに自転車で迎え…

  • ある日のふたり 前

    眞尋side  こーちゃんの機嫌が、何かあんまり、良くない。 滅多にないよ?ほとんどないよ?あれ?もしかしたら初めて? いつもこーちゃんは優しい。優しくてカ…

  • 少年は天狗山で死んだ 21 光

    んって無愛想に着替えを渡してくれた鴉が、ごしごし身体を拭く僕をじっと見てた。ひとつ目ちゃんも、カラスも。え、ちょっと待って。これ何の罰ゲーム?何で僕こんな恥ず…

  • 雨の日の夜 4

    眞尋side  動けない。 余韻、って、いうか。 ぐったり。 服、直さないと、恥ずかしい。 恥ずかしいけど、恥ずかしいんだけど。 こーちゃんがティッシュで僕…

  • 雨の日の夜 3

    光輝side  こういうのを萌えるって言うんだ。 絶対そうだ、そうに決まってる。 萌える。萌え転がる。マジで。マジで。萌えしぬ。『僕、やらしくなっちゃった』…

  • 雨の日の夜 2

    眞尋side こーちゃんが、何もしゃべらない。 何もしゃべらないまま、夜の、雨の中、車を走らせて行く。 濡れたアスファルトにライトが反射してて。眩しい。 そ…

  • 雨の日の夜 1

    眞尋side  はああああああ。 ネックレスをぎゅってにぎって、ため息をひとつ。 こーちゃんと、会えない。 こーちゃんに、会えない。 これで何日目? ベッ…

  • 少年は天狗山で死んだ 21 鴉

    着替えを渡して光が脱いだものを持って部屋を出た。制服。上着は倒れてた光を連れて帰って来たときにハンガーに掛けてある。これはクリーニングの方がいいって天狗が言っ…

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