富久長 KUSA|草の根の賛歌元禄2年5月13日、新暦ならば1689年6月29日に、奥州平泉であの名句が生まれた。奥の細道の途上、丁度500年前にここで果てた義経に思いを馳せ、夏草や兵どもが夢の跡 松尾芭蕉それから過ぎた時間は331年。その間に草は生い茂り、草の根でさえも夢を語れる時代となっている。 それを如実に物語る酒が、富久長の「草」。昨年封切られた映画「カンパイ!日本酒に恋した女たち」でクロ
雨後の月|日食のために準備した酒天岩戸神話を日食に結び付け、それを卑弥呼の時代の混乱に関連付ける学者が存在し、日本人の大半はそれを信じているようである。しかし、こんなバカな話はない。現代の日本の歴史は、有史以前の暮らしを貶めることに終始。わずか2000年ほど前の我らの祖先は、未開人だったと言いたいらしい。(*) 文字の無い時代の神話は、かたちを変えることで変動する社会のバランスを取った。けれども、
瀧自慢|世界の脳幹にしみ込んだ酒コロナ以降大混乱に陥っている世界。首脳陣も混迷を極め、国家間・民族間・人種間…ありとあらゆるところで騙し合いの様相を呈してきた。 挙句の果てにG7拡大構想なども持ち上がっている。議論で解決する時代は終焉し、同朋を取り込んで他者を攻撃する時代に移り変わったということか。 思えば、伊勢志摩サミットが開催された2016年はまだよかった。和気藹々とした雰囲気で話し合われた中
越乃寒梅 灑|古くて新しい幻の日本酒国策で「三倍醸造」の日本酒が幅を利かせていた昭和の時代、本来の酒造りを貫き通した骨ある酒が「越乃寒梅」である。妙な甘ったるさの残る巷の酒とは明らかに違う飲み口が評判となり、昭和30年代後半に大ブレーク。一般市民には手の届かないものとなり、幻の酒と呼ばれるようになっていた。 当時の薫りを保つ酒が「白ラベル」と呼ばれる普通酒である。新橋あたりを歩いていると、店の隅に
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