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一筋の光、降り注ぐ光。 https://tsukikana.hatenablog.com/

人生はなかなかに試練が多くて。7回転んでも8回起き上がるために、私に力をくれたモノたちを記録します。どんなところが魅力なのか、どんな風に心に効いたのかを、できるだけ丁寧にエッセイの形に綴り、1枚の写真とともに載せる形でお届けします。

こんにちは。つきかなです。 度重なる不運と不遇。うつも経験し、人生に絶望していた時期がありました。でも、自分を大切にしたい、本当の私を取り戻したい!と思い直し、心身のメンテナンスを開始。このブログはそのリハビリの記録です。光は、必ず見つかると思っています。

つきかな
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2020/07/27

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  • 応援してるよ♡―長女の家で過ごした3日間

    もうすぐ5月が終わってしまう。毎年のことだけど、この時期はちょっと寂しい気分になる。特に今年は、5月らしい晴天の日が少なかったのが残念。このまま入梅してしまうのかな。もうすでに梅雨みたいなのだけどね。 先週の週末も曇天で、一時強い雨が降った。夫と私は、関西の長女たちの家で金曜日から3日間を過ごしたが、たまに薄日が差すことはあっても、最後まですっきり晴れることはなかった。 とはいえ、去年の12月以来の再会である。そりゃあ、楽しみにしていたわけで(*^^*)日々頑張ってる長女や婿どのと語らい、ますますパワフルになった孫娘たちと遊べば、天気などどうでもいいやと思えてくるのだった。 小学2年生になった…

  • ローズガーデンと、一鉢の薔薇

    5月は私にとって特別で大切な月。いつからそうなったのだろう? 昔は、それほど意識していなかった。母の日があって、大型連休がある、気候的にも過ごしやすい時期、くらいの印象だったはず・・・。 昨日、私たち夫婦は36回目の結婚記念日を迎えた。離れて暮らす二人の娘から「我が家のお誕生日おめでとう♬」とLINEメッセージが届き、ちょっと嬉しい。結婚記念日は家族が誕生した記念日、という捉え方は、なかなか気に入っている。我がファミリーも、もう36歳なんだなあ。 そう、36年前からは、5月は「母の日」と「結婚記念日」のある月になったのだ。今ではHIDEKIの命日もあるし、5年前からは母の命日も加わってしまった…

  • ECRU―エクリュ。生成りという色の気品

    百花繚乱、麗しい季節となった。花も良いし、若葉もまた良い。みずみずしくきらめき、生命の息吹を感じさせてくれる。 私という「生き物」が一番活発に動ける季節も、多分、今なのだと思う。だからこそ、無理に動き回って疲れることも多く、注意が必要だ。寄る年波には勝てず、ここ数年、めっぽう疲れやすくなったことを実感している。回復にも時間がかかるし、困ったものだ。 麗しい季節は、気持ちも焦る。つまり「今だけ」の美しさ、心地良さを、しっかり味わっておかなくては!と、追い立てられるような気分になってしまうのだ。煩悩というか、欲張りというか・・・お恥ずかしい限り。 せっかくの晴天なのに出掛けられない日などは、もった…

  • バイバイ、桜

    昨日、桜吹雪の中を自転車を走らせて買い物に行った。いよいよ桜も見納めか。小さな寂しさを感じながらも、風に舞い上がる花びらの美しさに息をのむ。最後まで、なんて美しい花なのだろう。 開花を待ちわびる気持ち、過ぎゆく桜の季節を惜しむ気持ちは、この国に暮らす人ならきっと何度も抱いたことがあるよね。いつ咲くの、満開はまだか、今年はどこへ花見に行こう、まだ散らずにいてほしい・・・と、桜の季節は結構、長期にわたって私たちの気持ちを引き付け、引き留める。 世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし 平安歌人の在原業平さんも詠んでいる。桜がなければ、春、人の心ものどかでいられたものを、と。ほんとよね。ど…

  • 自転車で行こう

    初めて自分の自転車を持ったのは、小学校3年生か4年生のとき・・・どっちだったかな。中古だった。もしかしたら親が買ってくれたのではなく、誰かのお下がりだったかもしれない。サドルが高かったから、子ども用でさえなかったかも。 武骨でちっとも可愛くない自転車。でも私はすごく嬉しくて、毎日喜んで乗っていた。空想好きな子どもだったので、「これは自転車ではなくて馬だ」(!)と思うことにしていた記憶。名前も付けて話しかけていたなあ。笑 ある春の日。母と親戚の伯父さんの所へ行くことになった。いつもはバスに乗って行っていたはずだ。が、その日は母が自転車で行こう、と言ったのだ。少し遠い町。子どもの私にとっては大冒険…

  • ミモザの花を待ちながら

    朝、カーテンを開くと雪が舞っていたので、今日の掃除はやめにした。日本列島をすっぽりと、寒気が覆っている。雪国の方たちのご苦労を思いながら、早く寒波が去ってくれることを祈る。 雪はとても美しいのだけど、やはり大量に降られるのは本当に困るよねと、雪害のニュース映像を見ながら暗鬱な気持ちになった。危険な雪下ろしをしなければ家が潰れるなんて、それ、なんとかならないのか。業者に頼むとか、ハイテクな屋根に替えるとか、きっといろいろあるのだろうけど、大きな費用がかかってしまう。誰もができる方法ではない。 とにかく、春が待ち遠しい。それがこの季節の、多くの人々の本音だろう。 去年の今頃、近所のお花屋さんで、ミ…

  • 人生初のインフルエンザで思ったこと

    ベランダに出て、物干し竿にバスタオルを干す。青空が目に飛び込む。深い深い、ブルー。町中がキラキラしている。 ああ、本当になんて美しいんだろう。世界はときどき、こんな風に綺麗な姿を見せて、ここにこうして「いられる」ことがどんなに素敵なことなのかを、さりげなく教えてくれる。 年越し、初詣、街歩き、食事会・・・と家族で楽しい年末年始を送り、それでも少し疲れたね、と三が日の最終日をのんびり過ごした翌日のこと。夫が発熱。土曜日だった。 疲れが出たのかな、クリニックも休みだし、ちょっと横になって様子を見よう。しかし、熱は下がらない。食欲は落ち、元気もどんどんなくなっていく。 翌、日曜日になっても彼の熱は下…

  • 疲れた心身には、たっぷりの感謝とねぎらいを

    清水の実家から帰って3日たつのに、まだ体のあちこちが痛む。普段使っていない筋肉を使い、慣れない姿勢で家具の移動・片付けや処分をしたのだから、まあ仕方ないか。 今年は4回、実家の片付けに行った。多分、来年も同じくらい行かなくてはならないだろう。 母が他界して4年半、父が旅立ってからも間もなく3年になろうとしている。家は、まだまだ空っぽにはならず、それでいてどんどん老いていく。 老朽化・・・人の住まなくなった家は、傷むのが早いと聞く。私の気の重さは多分、片付けの大変さ以上に、家のあちこちが傷んでいくのを目の当たりにすることの焦りからきている。あと、やっぱり私も老いてゆくし。泣 今回も、粗大ごみを回…

  • 習得する喜びを実感できた日々―刺しゅう講座を終えて

    習い事。ならいごと。定義はよくわからないけど、これまで習い事らしい習い事って私、したことがなかった気がする。 子どもの頃、親に言われてちょっとだけ行ったオルガン教室。それとお習字と英会話教室。ほんと、ちょっとだけ。そんなものも、習い事と言えるのだろうか。 学校を出て就職で上京、3年後に転職して。その頃、スキューバダイビングの教室に半年くらい通った。結婚して子どもを生んで。ママ友に誘われて行ったエアロビクスは7年続いたけど、あれを習い事と言うのも憚られる。1年半ほどワイン講座にも通ったし、イラストやお料理の1dayレッスンやワークショップ的なものには、ひと頃よく出向いた気がする。でも・・・ もし…

  • 泣き笑いの秋―実家の片付けとローズガーデン

    いつの間にか11月。それももう5日!3連休を我が家で過ごした次女が昨日、自分のマンションに帰って行った。それを境に、ここ1か月ほど続いた慌しい日々がようやく一息ついた感あり。今日は久々に日常が戻ってきたようだ。 ずっと何かに追われているかのような気分だった。その原因のひとつは、1年前から始めた習い事。その最後の課題なのだった。別に誰に急かされているわけでもないし、締め切りがあるわけでもない。ただただ早く提出したく、でも思うように進まなくて、自分で自分をせっついていたようだ。 実は先週、清水の実家の片付けに、4か月ぶりに行ったのだけど、その前に課題を提出してすっきりしたい、という気持ちが大きかっ…

  • 絵筆から落ちる青いしずく―ホ・オポノポノ手帳2025

    10月になっても真夏日が続くのかと、昨日までため息まじりに空を見上げていたが、今日は雨で気温は30度に届かないらしい。このまま涼しくなってくれるかな? 長期予報によると、冬の訪れは早く、今年は例年にも増して秋が短くなりそうだ。限られた過ごしやすい季節を大切に迎えたいと思う。 先月に入手した来年の手帳を、一昨日、ようやく開いてみた。ホ・オポノポノ手帳。12年目を迎えたそうだ。私はこれが10冊目となる。 ハワイの海や花・・・色鮮やかな写真をバックに掲載されたふたつの美しい詩が、表紙をめくるといつも最初に出迎えてくれる。今回の写真は、大きな葉の明るいグリーン。そこに、これまた明るい紫がかったピンクの…

  • 秋のモチーフに心寄せる日々

    明け方、リアルな夢にハッとして目覚めることが増えた。昔の友人。もうすっかり普段は忘れているくらい、付き合いもなくなって久しい人が、親し気に私のそばにいる。その人の夫君まで登場して、私は、彼らの家庭の問題を一緒に悩んでいたりする。 どうしているだろう。ふとそう思う人が増えたのは、仕方ない、私の年齢を考えたら当然だろう。長く生きてくればその分、出会った人、離れてしまった人、すごい数にのぼる。 私の身に起こったこと、人と過ごしたこと、そのすべてを覚えていられるはずもない。それなのに、何かの拍子に脳がピックアップして、思いがけない夢を見せたりすることを、面白いなあと思う。 私たちの脳は、実はぜーんぶ記…

  • 眠れない夜には

    娘たちが幼い頃、寝かしつけようとしても「眠れない」と訴えてくることがあった。夏の、寝苦しい夜などは特に。そんなときは、子守歌よりも効く方法がある。そっと頭を撫で、私はこんなふうにささやいた。 さあ目を閉じて……今日はどんな夢を見ようか 綺麗なところへ行く夢はどう?あなたはどこへ行きたいかな? お空を飛んで、遠くまで行こうか広い広ーいお花畑の上を飛ぶのもいいし…… もっとずっとずっと広ーい海の上を飛んでもいいねほら、あっちでイルカさんたちが跳ねているよ ねえ、海にもぐっちゃうのはどう?たくさんのおさかなといっしょに遊ぶの赤い子もいるし、向こうに黄色い子もいるね海の中、綺麗だねえ お花畑。青い海。…

  • まだ道半ば!実家の片付け

    清水の実家に、片付けと遺品整理のために行ってきた。2か月ぶりである。 出掛けたのが梅雨入りとほぼ同じタイミングだったので雨を心配したが、向こうでは傘を使わずに済み、助かった。むしろ、暑さに閉口した。本当に蒸し暑かったなあ。 今回の主なミッションはふたつ。そのひとつは、粗大ごみを引取りに来てもらうこと。 といっても、あちらのルールで1回につき7点までの回収なので、まだまだ古家具類は片付かない。前に回収に来てもらったのはちょうど1年前だった。このペースではいつ終わることやらだ。ちゃんと計画しなくっちゃ。 ✻前回の回収の話はこちらに書いています↓ tsukikana.hatenablog.com 粗…

  • 娘たちと海を見ながら・・・

    私たち夫婦にはふたりの娘がいて、長女は9年前に結婚し、遠方で暮らしている。彼女と婿どのの間には3人の娘がおり、一番上の子は今年、小学校に入学した。 その子の初の運動会。先日、長女から「良かったら応援に来てくれない?」とお誘いがあったので、夫と私、次女の3人で駆けつけることとなった。 ちょうどその週末、婿どのの出張が重なってしまったのだ。長女ひとりで4歳児の双子を連れて応援に行くのも、記録ビデオを撮ったりするのも、そりゃさぞ大変だろう、と。 もちろん、初孫の初運動会をこの目で見たい、という気持ちもあった。また、彼の地で暮らす我が娘の日常に少しの時間でも寄り添って、元気に幸せに毎日を送ってくれてい…

  • 自分をちゃんとケアしているかな?―風薫る5月に思う

    朝、ベランダに出るとなんとなく良い香りがする。外を歩いていても、どこからともなく花の甘い匂いが漂ってくる。清々しい、青い匂いも。ああ、5月なんだな、と思う。まさに、風薫る・・・ お花見に始まった4月はその後も予定が重なって、いろいろなことが起き、なんだか目まぐるしく過ぎていった。ここに書いておきたい出来事もいくつかあったのだけど、時間がなく焦っていたり、疲れて脱力していたりで、落ち着いて記録する余裕がなかったのが残念。 体調崩していた時期もあったしなあ。疲労困憊してからの回復力が、年々落ちているのを認めざるを得ない。 若い頃から私は、連日予定を入れるのが苦手だった。友人たちが遊びに誘ってくれる…

  • お花見散歩とバスケ初観戦

    なかなか咲かなかった今年のソメイヨシノ。ようやく咲いたと思ったら、あっという間に満開。そしてなんと、春の嵐に早くも散り始めた。花の命は短いというけれど、ここまでそれを感じる春も珍しい。 昨年は青空をバックにした満開の桜を撮れたけれど、今年は空の色が鈍いものがほとんどで、少し寂しい。それでも、先週末は予報がはずれて晴れ間が広がった。土・日は、どこも花見客で賑わったことだろう。 夫と私も、2日続けてお花見散歩を楽しんだ。1日目は近所の川沿いの緑道をそぞろ歩き、氏神様(と勝手に呼んでいる神社)まで。氏神様の前の通りは見事な桜の並木道で、この季節に歩くととても気持ちがいい。 長く続く桜並木 久しぶりに…

  • クラシックカーの森を散歩する

    綺麗!可愛い!美しい♡入館してフロアに足を踏み入れた瞬間、私の心にまず浮かんだ言葉だ。 この感覚は、何かに似ている。そうだ。素敵なケーキ屋さんでショーケースの中を眺めているときだ。 色とりどりで造形もさまざま。それぞれの個性を強調するように、照明を跳ね返してキラキラ輝いている。見ているだけで、心躍る♪ 違うのは、「選んで買う」という目的がないところかな。ケーキを選ぶときは、幸せだけどちょっと苦しい。笑 久しぶりの「トヨタ博物館」だった。前回の訪問は新聞社にいた頃。「バックヤードツアー」の取材で訪れたのだっけ。もう15年ほど前になるのか……。 あのときも確か、クラシックカーの可愛らしさにときめい…

  • 優しさの詰まった2日間ー知多半島・常滑と美浜町

    初めて夫の実家に行ったのは、結婚する前年。祖母、父、母、そして同居の兄夫婦とまだ伝い歩きの幼い姪を、彼は私に紹介してくれた。数えれば36年前のことである。 それから何度、あの家を訪ねただろう。お盆やお正月、大型連休。やがて姪っ子は3人になった。私たちにも娘がふたりでき、家族が集まると毎回、とても賑やかだったのを、昨日のことのように思い出す。 女の子5人はずっと、今に至るまでとても仲が良い。といっても、それぞれ仕事があり、家庭のある子もいて、もうなかなか会えなくなっている。結婚式、法事のときぐらいかな。大人になって、お正月に集合することもなくなった。それは仕方のないことだろう。 夫の祖母、母、父…

  • 四半世紀ぶりの夢の国にて・・・

    初めてではないのに、初めて来たような気がする・・・ 東京ディズニーランドと東京ディズニーシーに行ってきた。先週の木、金曜日のことである。 楽しかった。夢のようだった。それは間違いない。ただ、あまりにもたくさんのものを見て、心が動いて、情報が今もって処理できていないというのが正直な感覚で、我ながら実にもったいないと思う。 いったい私は何と何を見て、いくつの、どんなアトラクションに乗ったんだろう。200枚ほど撮った写真をスクロールして見ていっても、よく思い出せないのだ。情けないったら。 それは多分、全部次女に「お任せ」していたからだろうね。「私に任せてついてきてほしい」と言ってもらえたことに甘えて…

  • つい欲張って歩いちゃう―東京散歩(後編)

    この冬一番の寒気が流れ込んでいるという。昨日はこちらでも雪が降った。雪深い地方はさぞ大変なことだろう。特に、能登の被災地のことが気掛かりだ。 冬は嫌いじゃない私だけど、今年はとても春が待ち遠しい。とりあえず、この寒波には一刻も早く立ち去っていただきたい! 私は2月生まれなのだが、2月って早春でありながら、実は一番寒い月だったりする。そんな季節に私を産んでくれた母は、暖房の乏しい時代、授乳やオムツ替え、汚れものの洗濯に、きっととても苦労したはずだ。 今日が誕生日の友人に、朝方LINEでメッセージを送りながら、私たちの母たちはよく頑張ってくれたよねと、改めて思った次第。 寒さ厳しいこの時期なのに、…

  • つい欲張って歩いちゃう―東京散歩(前編)

    夫の出張に便乗して、東京へ行ってきた。彼は仕事、私は散歩。呑気ですみません^^;でも、頑張ってすごくすごく歩いたから…・・やっぱり呑気とは言いたくないかも。笑 昔住んでいた町を、また訪れたくなったのだ。大事な方のお墓参りをしたい気持ちが募っていたからでもある。でもそれだけじゃない。 追憶散歩の甘酸っぱさ。これはクセになる。こうやって生きてきたのだと、自分の人生を俯瞰してみたい年頃になったからだろうか。いつまでもこんなに歩けるわけじゃないと、ちゃんと自覚しているし。だから元気な今のうちに、懐かしい場所をあちこち歩いておきたいのだ。 会議に向かう夫と別れて、私は目黒に向かった。目黒線の武蔵小山駅で…

  • 温かく、澄んだ気持ちになれた帰り道

    クリスマスが終わると、街は一気に迎春ムードに包まれる。洋風から和風へ。お店のディスプレイも一夜明ければ様変わりだ。ご担当者は大変なことだろう。年の瀬は本当に慌しい。 年内にもう一回行けるかな~、と予定表と睨めっこしていた私だが、クリスマス直前、2泊ではあるが夫とふたり、また清水の家に行くことができた。両親の住んでいた家である。 寒かったけど、頑張った。果てしないと感じていた遺品整理、今回ようやく“前に進めている”実感を、少しだけど得ることができたのは何よりだ。ビデオテープやDVD、CD、カセットテープ類に手を付けたからだと思う。 断捨離をするとき、何から始めるか順番が大事なのだと、本で読んだこ…

  • 小さな3人の女の子

    11月も、もう終わろうとしている。慌しいのは師走、と相場は決まっているのに、今月、なんだかずっとせわしなかった。時間が足りなくて、日々のルーティーンがなかなか回らない。 外歩きが快適な気候になったから、ウォーキングをよくしていたせいかな。冬物を買いに街に行ったし、次女が泊まりに来て、一緒に紅葉を見に恵那までドライブもしたし。恵那峡。山の色付きはわずかだったけれど、湖畔の散歩道が素敵だった。 恵那峡の紅葉 それから、習い事の課題制作に勤しんで、ここに随分時間をかけてしまった。それでも他のこともしたくて、合間に小さな作品も仕上げてみたり。 花糸で小さな刺しゅう こう書いていると、全部自分の楽しみの…

  • 母のミシン、私のミシン

    私が子どもの頃、家にはミシンがあり、母が時折り踏んでいた。踏む・・・そう、足踏みミシンなので母はいつも「ミシンを踏む」と言っていたのだ。 昔は洋服が高価だった。子ども服は親戚やご近所からお下がりをいただくのが当たり前、という時代(庶民はね)。洋裁学校を出ている母が、幼かった私や弟の服をよく作ってくれたのも、そんな時代背景があったからだろう。 転勤族の我が家だったが、引っ越したどの家にもあの足踏みミシンの姿があったと記憶する。私が物心ついた頃からある。ということはあのミシン、母はいったいいつ購入したのだろう。安くはなかったはずだけど。「貧乏だったのよ」が母の口癖だったのにね。^^;; 母は、たま…

  • 美しい夢―生命は瑞々しく、そして儚く

    風邪をひいた。発熱で寝込むなんて、何十年ぶりだろう。 丸二日間。時間をロスしてしまったようで残念ではあるが、それほど悔しくはない。喉の痛みや頭痛、発熱による関節痛は辛かったけど、たくさん寝られたし良かったじゃん、という思いもある。 それになんといっても、この風邪はあの子たちからもらったものだからね(多分だけど)、いいのいいの。嫌わずバッチリ引き受けようじゃないの、なんて片頬笑んだりもして。 今は、少し咳が残る程度。今日はもう、木曜日か・・・ 先週の土曜日、夫と次女と私は長女一家の家に行き、一泊させてもらった。去年の夏、引っ越し後の手伝いに行ってから、もう1年以上になる。 ✻当時の記事はこちらで…

  • 心に一粒、黄金の真珠―ホ・オポノポノ手帳2024

    季節は本当に進んでいるの?と疑いたくなるような、今年の9月。確かに日は短くなっているのだけど、この蒸し暑さは真夏と変わらない。もう、夏、長すぎ。 そんな中、来年の手帳をお迎えした。ホ・オポノポノ手帳が、来年も私の相棒となる。 毎日を幸せにするホ・オポノポノ手帳2024 この手帳、11年目を迎えたそうだ。私にとっては9冊目である。 真新しい手帳を手に取るたび、2015年に初めて入手した頃のことをほろ苦く思い出す。辛い時期だったなあ、と。そして、あれからホ・オポノポノをずっと実践してきて本当に良かったと、助かったと、新たな気持ちでかみしめ感謝する。 まあ、クリーニングすることを忘れがちで、そこは胸…

  • リネンに花糸✻刺し子のファブリックパネルをつくる

    今年の夏は例年にも増して激烈で、ちょっと外に出るのも勇気がいるほど。被害をもたらした台風7号が去った後も、ベッタリとしたいや~な熱風が吹いている。 そもそも夏が苦手な私、かなり早いうちからもうぐったりで。それはもう、情けないほど。悪魔のような日差しを避け、遮光カーテンを閉めた暗い部屋で、テレビをつけてボーっとする時間が必要だった。 見ているのはYouTube。涼を求めて、森と小鳥の映像を、毎日のように眺めていたのだった。 森は、いいなあ。小鳥は、いいなあ。 そんな風に現実逃避をしながら、ときどき手帳に落書きをしていた。木とか鳥とか。思いきりデフォルメして。 するとそのうち、なんとなく、それを刺…

  • 幻想的な灯ろう流しー父母を想った7月盆

    夏を彩る風物詩は・・・もちろん、いろいろある。が、静岡市清水区の人たちが思い浮かべるものの上位には、間違いなく「灯ろう流し」があるのではなかろうか。だって、・・・そう、あんなにも綺麗なのだから。 私の記憶にある灯ろう流しは、いくつの頃に見たものだったか。多分、清水に住んでいた小学校時代の3年間の、いずれかの夏のことだったはず。 それは、忘れられない美しさだった。真っ暗な闇の中、広い穏やかな川面を、ともし火を乗せた無数の舟がゆっくり流れていく。なんともはかなく幻想的な光景で、夢を見ているようだった。 清水巴川灯ろうまつり。巴川流域の市民に親しまれているお祭りで、何度か中止した時期もあったが、25…

  • 次女に誘われ夜の街へ

    良くない条件が重なる日だった。時折り強く降る雨。気圧は低く、蒸し暑く、空は暗い。 こういう日が私、ほんと苦手。頭が重くからだがだるく、立っているだけでしんどい。 なんて土曜日なのか。せっかく今日は、次女とのデートで街へ出掛けるというのに。 次女が、「飲みに行こう」と私を誘ってくれたのは、先週のこと。清水に行ったときだった。私は実家の片付けのために、時折り清水を訪れているのだが、今回は彼女も同行、手伝いをしてくれたのだ。 1泊という短期滞在で、古家具7点を市に回収してもらうのがメインのミッション。2階から玄関まで降ろしてくるのが大変だったのだが、夫が頑張ってくれて時間はあまりかからなかった。 た…

  • どうしてこんなに小鳥に惹かれるんだろう

    マンションの1階に巣をかけているツバメ一家を、私は「うちのツバメたち」と呼んでいる。3階の我が家の窓の前に、彼らが羽を休める電線があり、もうすっかり顔なじみになっているからだ。 今年は春の訪れが早かった。そのせいなのかはわからないが、この春、うちのツバメが帰ってきたのは3月。手帳を見ると3月15日だった。いつもより、ずいぶん早い印象だったのを覚えている。私をじっと、見ていたんだよね。 慌ててガラス越しに撮った今年初見のツバメ 4月の巣作り、5月の子育て期を見守ってきた。複雑で楽し気なさえずりが聞こえてくるとベランダに出て、電線の彼らについ声を掛けてしまう私。それでも逃げてしまうことはほとんどな…

  • 風情ある石畳の横丁に迷い込むー東京・神楽坂

    知らない町を歩くのは面白い。ただ歩いているだけでも面白いが、気になった脇道に入ってみるのはさらにワクワクする。 こういう、脇に入った細道のことを路地と言い、もっと奥に入り込んだ場所を路地裏と呼ぶらしい。横丁とは、路地が主に民家の間にある小道なのに対し、飲み屋さんなど店舗が並んでいる小道に使われる呼び方のようだ。 細い路地や横丁があると、つい足を踏み入れたくなってしまうのは、私、昔から。迷子になるかもしれないという思いは、不安よりも期待の方が大きかったりする。 鎌倉でも京都でも飛騨高山でも、近場では有松でも、ふと気が向いて横道に入り込んだ。そしてそこで見た景色が、有名観光スポットよりも記憶に刻ま…

  • 薔薇と新緑の“ミナトヨコハマ”へ

    毎年5月はローズガーデンへ出向き、薔薇で心を満たすという幸せをいただく、と決めている私。いつもは、ゴールデンウィーク近くになってから、さあ、今年はどこのガーデンへ行こう?と考え始めるのだが、今年は違った。 今年は、横浜。 私は現在、東海地方に暮らしていて、ありがたいことに近場にも素敵なガーデンはいろいろある。けれど、今年はさまざまな思いから、ローズガーデンは横浜に行くと決めていた。いや、ガーデン云々よりも先に、まず横浜ありき、だったかな。 実はここ数年、横浜、それも「港の見える丘公園」を何十年ぶりかで訪れたいと、ずっと願っていて。そんな中、去年、ある方のブログ記事を拝見し、行くなら薔薇の季節に…

  • 小さなポピーの思い出

    道端に、淡いオレンジ色の花をよく見かけるようになった。ひなげしの一種の、ナガミヒナゲシ。 毎年、この花を見つけるたびに、あの春の日を思い出す。次女が小学校に入学したばかりの、あの頃。 黄色い帽子に真新しいランドセルの1年生たちは、学校が終わると、途中まで引率の先生に連れられて集団で帰ってくる。最初のうちは、解散場所まで保護者が迎えに行っていたが、やがて自分たちだけで家まで帰るようになった。 大丈夫かな。ちょっと心配しながら家で待っていた私。大きな声で「ただいまー」と帰ってきた次女は、「ママ、これ、どうぞ」」と、小さなポピーを数本、差し出してくれた。それが、ナガミヒナゲシだった。 それから数日の…

  • 駆け足の春に思うこと

    今年の桜は早かった。そんなに急がなくても、というくらい早くから咲き始めた。 数回のお花見散歩をしたが、3月下旬でも汗ばむような陽気。「花冷え」という言葉を、使う機会のない年だった。 そういえば、今年初めてツバメを見たのは、3月15日。我が家の前の電線にとまってこちらを見ているのを、夫が発見した。 あまりに早い時期なので、越冬ツバメか?と最初は思ったが、なんとなくボサボサで、気のせいかお疲れ気味にも見える。いかにも旅をして来た、という感じだ。 今年もこのマンションの1階に、巣をかけてくれるのかな?お帰りなさい、と声を掛けたくなる。 寒の戻りもあまり感じないまま、季節はどんどん進んでる。少し、怖い…

  • 寂しくもあり、あたたかくもありー実家の片付け進行中

    清水から帰ってきたら、ニオイスミレが咲いていた。 冬枯れの景色だったベランダに、そこだけ色が付いたようだった。ほのかな甘い香りも春の訪れを告げている。 律儀だなあ。ほったらかしだったのに、ちゃんと今年も花を咲かせてくれて、嬉しいような申し訳ないような気分になる。疲れが、ゆっくり癒えてゆく。 清水には、今回は4日間滞在した。12月に2泊で行ったときは、銀行さんに行ったり業者さんを迎え入れたりするのがメインで小さな作業しかできなかったが、1月下旬に弟夫婦が5日間片付けに入ってくれ、おかげで整理もかなり進んだように感じる。 ✻昨年暮れの清水行きを書いた記事はこちら↓ tsukikana.hatena…

  • お洒落リノベの古民家に集合!―愛知・長久手の町家ステイ

    関西に暮らす長女が、先日、一家でこちらに帰省した。といっても、我が家に、ではない。 私の誕生日をみんなで過ごしたい、と言ってくれたのが先月のこと。その気持ちがとても嬉しかったし、私もみんなとゆっくり過ごせたら、と願った。 ただ、ひとつ問題が。ひとり暮らしをしている次女も加えて、総勢8名となる。本当なら「みんな、おいで~泊まっていきなよ」と言いたいところだが、夫婦ふたりで住んでいるこの3DKにはちょっとキビシイ。泊められるお客さまはマックス3名かなあ。 そこで夫が、我が家からクルマで十数分の場所に、みんなで泊まれる家を探してくれたのだった。旅館ではなくて、民泊施設。一棟貸しの古民家だ。 古民家で…

  • 柔らかな心で

    暖かい日が続いた先週と打って変わり、今週は最強寒波が到来。厳しい寒さになりそうだ。体が縮こまらないように気を付けなくては。 硬くなったなあ。 毎日、ストレッチをするたびに、わが身体の柔軟性低下を情けなく思う。続けているのに、なかなか柔らかくなってくれない。やり方が間違っているのかな。やらないよりは大分マシではあるのだが。 子どもの頃は、体は柔らかい方だった。ブリッジをしてみせると、大人が感嘆してくれたものだ。 いつからできなくなったんだろう。夫によると、結婚してから家で何度か、私は得意気にブリッジをしたらしい。すると、少なくとも20代後半まではできていたのか。 娘が幼稚園に行っていた頃。鉄棒の…

  • 真冬の追憶散歩―折戸、そして三保松原

    私にとっては「激動」だったと言いたいような2022年が、あと数日で終わる。いつもの年と同じように今年も暮れていくんだね、と、ちょっと不思議に思いながら、先週後半、また清水に行ってきた。これが年内最後の帰省。 人とのアポイントもあり、早めに済ませておきたい片付けもある。短期間で、諸々用事を済ませようと頑張った。 とにかくちゃちゃっと終わらせ、早く帰りたかった。コンパクトな滞在はいつものことだし、年の瀬、私もそれなりに忙しいので。両親もいない実家に長居は不要、という思いもある。切なくなってくるしね。それに、温暖な静岡だけど、今年は寒い! けれども今回、少しだけお楽しみの時間を持つことができた。 最…

  • 琵琶湖へ―湖畔に泊まるお祝いの旅

    日本一大きな湖。もちろんそれは知っていたが、日本一古い湖でもあり、日本で唯一の「古代湖」であるとは知らなかった。※古代湖とは、概ね100万年以上存続し、多くの固有種がすんでいる湖。バイカル湖やビクトリア湖など、世界中に20か所ほどしかない。琵琶湖は約400万年前に生まれ、60種類以上の固有種がすんでいる。 まるで神話の世界…。波打ち際にたたずんでいた私は、夜明けを迎える琵琶湖の、その神々しいまでの美しさに魅了されていた。 淡く光る湖面を見つめていると、いにしえの記憶を持つこの湖が、こちらに何か語りかけているような気がしてくる。優しい波音を、ずっと聞いていたかった。 12月になり、夫が還暦を迎え…

  • 力をいただくということ―森林浴と動物園

    11月も駆け足で過ぎ去ろうとしている。 清水に事務手続きのために行くなど、あれこれ用事が重なっていた上に、やりたいことがどんどん増えてきていて、なんとも気忙しい。時間が足りない。 それでも「欲」が出てきたのは喜ばしいことで、父が倒れ亡くなった2月からの数か月は、本当に何も意欲が湧かず、何もかもがどうでもいいとすら思えていた。 あの無力感、脱力感から、ゆっくりとだけど抜け出せたのだから、私の心の回復力も捨てたものじゃない、のかな。今もまだときどき、泣いちゃうけどね。 忙しくはあるのだけど、今年の秋は紅葉に何度も心を洗われている。 先月末から今月あたまにかけて、軽井沢で期待以上の紅葉を楽しめた後も…

  • 秋の森へ行こう―7年ぶりの軽井沢

    海と山、どっちが好き?そう聞かれると困ってしまう。無性に海を見たくなるときがあるし、山の空気の中に身を置きたいときもある。 今は山…いや、森、かな。そういう気分だ。ちょっと前から私、森が恋しくて仕方ない。 ただ、どこの森でもOKというわけではなくて。全く知らない場所へ行きたいわけでもない。いつかは行ってみたいと思っている憧れの地はあるけれど、今はちょっと、そんな気分でもなく。 好きな森がある、好きな町へ行きたい。 感染状況がある程度、落ち着きをみせ、ようやく旅行に前向きになっても許される雰囲気になってきて、私たち夫婦が旅先に選んだのは、軽井沢だった。次女もタイミングが合い、急な誘いだったにも関…

  • レトロな装飾を切り撮りながら―白壁・主税町・撞木町

    朝、窓を開け、金木犀の香りに深呼吸する。近所のお庭から流れてくる甘い香りは、この短い季節にいただく嬉しいギフトだ。 我が家の周辺には、植栽として立派な金木犀を植えているお宅が多いようで、どこをどう歩いても、今はこの香りを楽しませてもらえる。ありがたいことだ。 青空の美しい日が続いていて、爽やかな風も心地良いせいだろうか、最近の私はとても体調が良く、気分も良い。膝も腰も、今は全く痛みがない。この状態が、できるだけ長く続いてくれることを祈るばかりだ。 次女に誘われて、週末、夫と3人で名古屋の白壁界隈を散策してきた。暑いくらいの日差しだったが、空気はひんやりしており、この日もお散歩日和。 白壁には6…

  • 雨と虹とサーフボード―ホ・オポノポノ手帳2023

    たったひとりでも、誰かに頼らなくても、ハワイ伝統のヒーリングメソッドを実践することができる、SITHホ・オポノポノ。 2015年の秋、翌年の手帳「毎日を幸せにするホ・オポノポノ手帳2016」を新聞広告で見掛け、何か引き寄せられるように感じて入手したことが、私がこのメソッドと出合うきっかけだった。 tsukikana.hatenablog.com そして今年も、来年のホ・オポノポノ手帳をお迎えした。この手帳、23年版で10周年を迎えるそうである。私にとってはこれが8冊目。毎日の記録や計画を記し、自分との対話をするのに、今ではもうすっかり欠かせない存在となっている。 構成は毎年同じだ。巻頭のふたつ…

  • ずっと、見ているよ♡―喪失感を超えて

    見て。ほら、見て見て。 ・・・ああ、何回言われただろう。今もまだ、あの子たちの可愛らしい声が耳に残っている。シャボン玉、綺麗だね。たくさん、上手に作れたね。 関西に住む長女一家が、家を新築して引越しをした。引越し当日は行けなかったけど、翌々日に、旧宅の清掃と新居での荷ほどきの手伝いをするために、夫と次女と3人で出向いた。 あれからもう1週間以上たつのか。彼女たちと過ごせた時間、作ることができた思い出のひとつひとつを、甘く切なく胸に抱きしめるような毎日だ。 彼女たちがこれまで住んでいた場所は、和歌山県の奈良寄りの都市。そこを私が初めて訪れたのは、もう5年半くらい前になる。長女が初めての子を生んだ…

  • 8月のベランダから

    我が家は東向きに掃き出し窓が2か所あり、晴れた朝はここからサンサンと日光が注がれる。冬はありがたいのだが、夏は大変だ。 遮光カーテンを通しても輻射熱が部屋に伝わってくる。外側にオーニングを取り付けたいと、夏が来るたび毎年思い、そして毎年諦める。サッシも外壁も、対応できそうにないから。 苦手な夏。まだ当分、猛暑が続くらしい。もう、息も絶え絶えなんですけど。 ベランダの植物たちに水遣りをするとき、私はツバの広い麦わら帽子をかぶる。それから、洗濯物を干すときは、黒いサングラスをかける。 出勤する夫をこのベランダから見送るときは、帽子とサングラスを両方着用することもある。自分では往年のハリウッド女優み…

  • 父の初盆

    私の父は6人兄弟の次男。母の違う兄もひとりいたから、正確には7人兄弟だ。私の母は9人兄弟の三女。 親戚が多いのである。小さい頃は、おじさんおばさんの名前を覚えきれなかった。母方の兄弟については、今も順番があやしい。会ったことのない従兄弟もいる。 そんな私には、両親に連れられてお墓参りに行った、という記憶がない。祖父母の葬儀の後に大勢で行ったことはあるが、お盆やお彼岸には多分、行っていないと思う。 父が転勤族で遠方に住んでいたから、という理由もあるのだろうが。地元に住む親戚、特に長男夫婦に、きっとお任せしてしまっていたのだろう。いや、もしかしたら時々は、清水に帰ってお墓参りもしたのかな。私が覚え…

  • 父母の愛した家へ

    外は、雨。この季節はどうにも気分が上がらない。梅雨はだるさとの闘いだ。重い空の下、軽やかにターンするツバメを見る。少し励まされた気がした。 清水から帰って3日たち、ようやく体の痛みが薄らいできた私。階段の上り下りが難しいほど、腿の裏から腰にかけて、特にお尻のほっぺたがひどく痛かった。 たった2日間の滞在だったのに、どうしてこうも疲れてしまうのか。疲れ果てるまで動き回ってしまうのか。 行く前には、あんまり張り切らないでおこうと決めていたんだけどな。家中の窓を開けて風を通そう、水道の栓をひねって水を出そう、父の下着類を処分してちょっとだけ片付けよう、庭の草もみっともなくない程度にちょっとだけ抜いて…

  • 遠い記憶と遊んだ町散歩―白壁と尼ケ坂

    尼ケ坂、という言葉に反応した。 新聞の地域版で読んだ記事だった。名鉄瀬戸線の清水駅から尼ケ坂駅にかけて、約550メートルの高架下を利用したお洒落な商店街があり、人気スポットになっているという。2019年にオープンした「SAKUMACHI商店街」。 私の脳裏に、尼ケ坂の昔の景色が広がった。坂を上った先の白壁の町も。まるで絵本をめくるように。 長く生きてくると、思い出の町、場所も増えてくるものだが、名古屋の白壁、尼ケ坂界隈も私にとってそのひとつ。数えてみたら、いやだわなんと、半世紀も前の思い出だった! あの辺りが今、どんな風になっているのか、この目で見てみたい。懐かしい町を、歩きたい。そんな風に思…

  • 心の花にも水遣りを―グリーフワーク

    机で調べ物をしていると、鳥のさえずりが聞こえてきた。それがすぐ近くだと気付き、ベランダを見ると、ヒヨドリだった。物干し竿にとまっている。 このお客さんは毎年、春から初夏にかけてよくいらっしゃる。鉢植えのブルーベリーの花を荒らしたり、実を食べ尽くしたり、困ったお客さんなのだ。 でも、この日はブルーベリーには構わずに、ただ歌を歌っていた。雨が降っていたので、洗濯物は外に干していなかった。広々とした物干し竿で、雨宿りでもしていたのかな。それとも私に会いに来たの? 窓に近づくと飛び立ってしまった。恐れていた通り、大きな落とし物が残されている。床だけでなく、エアコンの室外機の上にも、手すり壁の上にも。ジ…

  • 雨上がりのローズガーデン

    5月の雨は、五月雨(さみだれ)か? いえ、五月雨は旧暦の5月あたりに降る長雨のことで、つまり梅雨のことらしい。夏の季語でもある。そして、「五月雨式に…」などと言う時は、だらだらと、断続的に、小出しにする、などあまり良い意味で使われない。さつきあめ、と読むときもあるそうで。 でも、5月に降る雨は、つい“さみだれ”と呼びたくなる私。そして、それは優しく美しい雨であり、悪い意味では使いたくないのだ。絹糸のように細くて、少し輝きも帯びていて、とても素敵なのだから。 もっとも、梅雨だって農作物には大事なものだし、しとしと降り続く雨の情緒も捨てがたい美しさがある。“五月雨式”だって、もしかしたらビジネスの…

  • 温かい法事と、辛い帰省(後編)

    陽を受けて輝く新緑が美しい。私の大好きな5月が始まった。 今、ゴールデンウィークの真っ只中。コロナ禍による行動制限のない3年ぶりの大型連休だということで、どこも賑わっている様子だ。 私は……今年も遠くには行かないつもり。混雑は昔から苦手で、不要不急でなければ人込みは避けたいタイプ。それにやっぱり、まだちょっと感染が怖い。 だからこそ、GWになる前の週に、新幹線に乗り清水に行ってきたのだった。 ✻この記事は、前回の記事↓の続きです。 tsukikana.hatenablog.com この前、清水に行ったのは3月の第2週。つまり1か月以上、誰も住んでいない家を放置してしまっていたことになる。4月も…

  • 温かい法事と、辛い帰省(前編)

    今日は父母の月命日。慌ただしかった4月が終わろうとしている。 先週末、清水から帰った後、私は体調を崩してしまった。ようやく回復しつつあるが、今日のような曇天の日は頭が重く、食欲がない。 気温のアップダウンの激しさ、ころころと変わるお天気。美しい日も多い4月だが、夏へと向かうこの季節のあらゆる変化が、還暦を超えた体にこたえる。「自愛」はもう、日常となっている。笑 弟の暮らす岐阜の地で、過日、父の四十九日の法要が執り行われた。 前日には関西で暮らす長女一家5人が我が家に来て一泊。普段、夫婦ふたりで静かに生活している私たちにとって、それは一大イベントだった。次女も来たので全部で8人。狭い家に、よく泊…

  • お父さん、ごめんね・・・

    満開の桜並木を歩いていると、自分はこのまま異世界に抜けていくのではないか、と思えるときがある。 毎年、飽きもせず同じような写真を撮ってきたが、今年はあまり気が乗らない。ただ、見つめて、見渡して、桜を感じながら歩いていたい。 桜に限らず、今を咲き誇る花々をちゃんと見て、褒めてあげたいと思う。“今”を意識して心に刻みたいと思う。来週のことはもう、わからないから。来年また見られるとは、言い切れないから。 外を歩いているとき、杖をついた老婦人を見掛けると、思わず駆け寄りそうになる。そんなことがここ2年ほど、よくあった。 ああ、お母さんじゃないんだ。ああ、お母さんはもう、いないんだ。 気がついて、ぼんや…

  • 癒えていく朝―散らばり踊る光たち

    お日さまのパワーってすごいな。 これまで生きてきて、何度そう思ったことだろう。特に冬場は、体を温めてくれたり洗濯物を乾かしてくれたり、お日さまには助けてもらうことばかり。 心にまで染みわたるような優しさや明るさ。雨や薄曇りの暗い日が続いた後などは、朝の光がどれほど素敵なものだったかを、感謝とともに思い出す。 日光は誰にでも平等に降り注ぐ。そして、誰もが無料で享受できる。なんと素晴らしく、ありがたいことか。 ヒューレン博士が永眠された。その訃報を知ったのは、先週の月曜日。清水でひとり暮らしをしている父の元に行く、新幹線の中だった。 今回の清水行きは、心臓のペースメーカーの電池交換手術をする父のた…

  • ワントーン明るく!

    家の窓から遊園地の観覧車が見える。クリスマスあたりから日が暮れるとライトアップされ、毎晩これを見るのが、冬の間の私のちょっとした楽しみになっている。 小さな光のつぶが、指輪のように円形に並んできらめき、とっても綺麗。色はグリーンとゴールド。ところどころ、赤いつぶも配置した可愛い指輪だ。 これ、ごく近くで見たら印象が変わるのだろうなあ…とも、実は思う。夜に観覧車のそばまで行ったことはなかったけど、多分そうだ。 冬の冷えた空気を通ってここまで届いた光。寒風を抜けて、星のようにまたたいて。だからきっと、私の好みの色と、控えめな輝きになっているのだと思う。 透明感のある色味が好き。光を通したステンドグ…

  • ときめくモノ、ときめくコト

    初雪の後の、深い青空が眩しい。 今年最後のゴミ収集日に追い立てられるようにして、年の瀬の家事の手順を考えたり、買い出しを計画したりしてきたが、今日は、最後の収集日。ゴミが大量に出そうな片付けや掃除や買い物はもう諦める。考えないようにする。笑 大掃除なんて、ほどほどでいいのだ。まあまあ頑張ったので、こうして深呼吸する空気は美味しい。お尻のあたりに神経痛みたいな痛みが続いているし、無理をしないでおこう。 毎年のことだけど、本当に12月って気忙しい。「今年の汚れ、今年のうちに」なんてCMの歌は、呪いの言葉のように聞こえる。 そんな呪文に耳をふさいで、「忙しい忙しい」なんて口癖とはサヨナラして、楽しい…

  • 物語のはじまりを予感したあの日―とあるクリスマスの思い出

    東京でひとり暮らしをしていた20代の頃、生活情報紙の記者が生業だった私。いろいろな取材をする中で、素敵なお店を見つけて紹介するという仕事が、結構好きだった。 取材先は、自分で探したり、編集長や先輩、読者に勧められたりすることが多かったのだが、「是非紹介して」という、お店側からのお願いもたくさん届いた。 まだメールもなく、Faxすら出始めの頃。ほとんどが郵送で、しかも手書きの手紙が多くて。その中で、文面から「これは面白そう」と思った所には出向いていくという、そんなのどかな時代だった。 あるお店の話である。もう名前は忘れてしまったが、是非、バスに乗って取材に来てほしい、とハガキに書かれていたことで…

  • 父と柚子と薔薇と

    柚子ジャム、というものを初めて作った。 先週、父のサポートで清水に行った折、父が庭の木からもいで、持たせてくれたものだ。たくさんあるので、ジャムでも作ろうかな、と思った次第。 12個(約700㌘)をお湯で洗い始めた途端、爽やかな芳香が漂い始める。半分に切り、タネをフォークで除き、果汁をボウルに絞る。もう、家中が柚子の香りに満たされた。 そうそう、取り除いたタネは、煮込むときに使うので(ペクチンを利用してトロミをつける)、捨てずに大事にとっておく。 果汁を絞った後の半割りの柚子から、指で中身を取り出し、皮の内側の白い部分を小さなスプーンでこそぎ取る。白い部分は苦みの元となるそうで、これは捨てるけ…

  • 糸の誘惑?刺し子する喜びを知ってしまった

    私は今、刺し子にはまっている。……のかもしれない。自分としては、ちょっと意外なのだ。刺しゅうはずっと前から好きだけど、刺し子には多分、行かないだろうと思っていたので。 1年前のちょうど今頃だ。次女と一緒に手芸店に行ったとき、刺し子のコーナーも覗いてみた。少し前にInstagramでとても素敵な刺し子作品を目にして、それがずっと心に残り光っているのを自覚していたから。「ああ、これが刺し子なのね」と、私は見本の花ふきんを見つめた。 もちろん、刺し子というものは知っていたし、何となく惹かれるものはあったけれど、それまで自分と縁があるように思えなかった。でも、試しにやってみようかな、という気持ちになっ…

  • 小さなキラキラに触れる秋

    朝、ベランダに出るとひんやりした空気が肌を刺す。ついこの間まで暑い暑いと言っていたのが嘘のよう。数日前からは秋を通り越して初冬のようだ。 でもこの冷たい空気は私、嫌いじゃない。大きく吸い込めば、澄んだ水のように美味しく感じる。きめ細かい光の粒を体にたくさん取り込めたようで、爽快な気分になる。今日はどんな一日にしようかな。 最近の世の中。感染状況が落ち着いてきて、ワクチン接種済みの人も増えてきて、見解は分かれるだろうが、だんだんアフターコロナにシフトしているように感じ取れる。 私も少しずつ、外出が増えてきた。百貨店まで買い物に行ったり、懐かしい友人に会ったり。美容室や歯科クリニックの予約も入れて…

  • 懐かしい町をトコトコ歩く―名古屋・覚王山界隈

    今日も、日差しが強く夏のように暑かった。10月に入ったというのに、どうかしている。 それでも、空を見れば明らかに秋の色で、数日前から「もうそろそろ咲いて良い?」と言いたげに、金木犀が香り始めた。遠慮がちみたいで、ちょっと気の毒になる。 宣言が解除されてすぐの週末、青空に誘われて散歩に出かけた。いつものご近所散歩ではなく、夫と共に少しだけ離れた場所に出向き、歩いた。それこそ、「もうそろそろ良い?」という感じでの、遠慮がちな外出だけど。 地下鉄東山線の「覚王山」界隈。実はこの辺り、以前住んでいた町からはそう遠くない場所で、家からここまで歩いて来たことも数度ある、お散歩コースのひとつだった。6、7年…

  • 7冊目も、宝もの―ホ・オポノポノ手帳2022

    毎年、9月になると、来年の手帳の広告を目にするようになる。 ちょっと素敵なデザインだったり、目新しいコンテンツが加わっていたりすると、お洒落だなあ、面白そうだなあと興味を覚えるけど、私は今年も迷わず、ホ・オポノポノ手帳を購入した。 これで7冊目。 去年までの手帳をデスクの上の本棚に並べている。5年くらい前までのことって、わりと頻繁に記録を頼ることが多いので(私の場合)、こうしておくと便利なのだ。背表紙が揃って、なかなか美しい佇まいだと思う。 一番最初の2016年版を取り出して、パラパラとめくってみた。意外と書き込みが少ない。その前年までは、もう一回り小さい文庫本サイズを使っていたから、まだ使い…

  • そろそろ、歩こうではないか♪

    季節の移ろいはなめらかではなく、後戻りしたり一気に進んだりして、人々を戸惑わせる。 この先まだ、暑い日も戻ってくるそうだが、今日などはだいぶ涼しい。朝晩はもうすっかり秋の気配だ。最近の私は、ほっとするような寂しいような、この時期ならではのちょっと落ち着かない気分になっている。 今まさに、去っていく夏。・・・夏のうしろ姿は、他の季節のそれよりも哀愁たっぷりに見えるのは、何故なんだろう。 さて。と、夏を見送っている自分の姿を、今、改めて見てみる。これはやっぱり、ちょっとまずいよね。 わかっていたのだ。ずっと引きこもっているも同然だったのだから。猛暑だったり長雨だったりで、今年の夏も大変だったし。も…

  • オードリー・ヘプバーンという、特別な存在を思う―「尼僧物語」など

    これほど“生きにくい”夏はなかった。きっと多くの人が、そう思っているのではないかな。毎夏、生きにくさを感じている夏嫌いの私でも、これまでの人生でベスト3に入るくらいの辛い夏だ。 COVID-19の影響は、この夏、去年よりも複雑に、より不穏になった感じがする。 感染が収まってくるどころか拡大した。それだけでも大変なのに、考え方の「分断」が次々と露わになり、発言ひとつにも気を遣うようになった。このやっかいなウィルスに対しても、ワクチン接種に対しても、オリパラに対しても。その他の夏の風物詩的なイベントに対しても。 あまのじゃくな私は、熱く語られれば語られるほど聞きたくなくなるし、同調圧力には反発して…

  • 夏嫌いを克服できるかな?―ビー玉とか「はな恋」とか

    立秋を過ぎ、暦の上では秋になったが、危険レベルの猛暑はまだしばらく続きそうだ。 何もしなくても、暑いというだけで夏は疲れる。特に後半は疲労がたまってきているので、意識して心身をいたわりたいもの。昨年に続きコロナ禍の中で迎えている今年の夏は、なおさらだ。マスク、息苦しいね。 夏、という言葉は好きなんだけど、実際は夏が嫌いな私。汗かくのイヤ、虫多いのイヤ、日焼けイヤだし日焼け止め塗るのもイヤ。豪雨とか台風とか熱中症とか、心配事がいっぱい。寝つきは悪いし、食欲はなくなるし、頭はぼーっとするし、体はだるいし・・・ いつからかな、本当にこの季節が苦手になってしまった。 でも、あんまり「嫌い嫌い」言ってて…

  • プラタナス星の王女を見送った日

    春まだ浅い、3月。大安の日を選んで、彼は長女を迎えに来た。 遠距離恋愛だった。当初、長女は大学生、彼は大学院生で、仕事を始めたらどうなるのかなと心配していたが、杞憂だったようだ。 「多分、結婚することになると思う」 と娘に言われたときは、ああ良かった、と思った。一方で、関西に行ってしまうことになるの?と、実はうろたえた私。今度は、私たちと遠距離になるの? それからが、早かった。薔薇の花束のプロポーズに始まり、彼が家に挨拶に来てくれて、先方の御両親と顔合わせの食事会をして、引越しの荷造りやら送別会やら、あれこれ忙しくしているうちに、ついにその日が来てしまった。 ✻薔薇の花のプロポーズについては、…

  • 父とスマートフォン―88歳のトライ&エラー

    もしかすると7、8年くらい前から、実はスマートフォンに興味があったのかもしれない。父の話、である。 あの頃は、両親の住む清水に、年に1度か2度訪れるくらいだったが、行く度に父は、私のスマホをちょっと手に取った。 「買い替える?」 と訊ねれば、苦笑して首を横に振っていたが。 母の、何度かの手術と入院で、あの家にしばらく滞在することもあった。父と一緒にバスに乗って、毎日病院へお見舞いに行っていた、あれは何年前だろう。 バス停の後ろの新聞販売店の軒先に、ツバメが巣を作って出入りしていた。6月くらい、だったのかな。 バスを待ちながら話をしていて、何か、言葉の意味をふたりで思い出そうとしていた。私がおも…

  • 色合わせが素敵な「ABT」の6色セットで、短冊とポストカードを

    絵を描くことは、ずっと好きだった。でも、ここ数年は、刺しゅうのデザインのためにちょっと描くくらいで、絵を描くことを楽しむ、というのを、もうずっとやっていない。 忙しかったり、他にもやることがたくさんあって、優先順位がそこまで高くなかった、のかもしれない。それでも、「絵を描きたいな」と、時々呪文のように口にしていた。 描くなら、何を?どんなスケール感で?画材は?うすぼんやりと考え、気持ちが乗ってくるのをなんとなく待っていた。(今時はイラストやお絵描きといったらデジタルなのかもしれないけど、私は手描き) そんな折、ほぼ日さんのあるページを目にして、ドキン!とした。 www.1101.com これ、…

  • 初々しい歌唱に涙―西城秀樹さんのデビュー時からのアルバム復刻

    デスクに置いたハンディ扇風機を付けると「恋の暴走」のイントロが脳内再生される。ドライヤーをスイッチオンすると「若き獅子たち」だ。いつからか、動作音がそう聞こえてしまうようになっている。 この3年間、どれだけ西城秀樹さんの歌を聴いてきたことだろう。すっかり耳がHIDEKI受信機になってる?我ながら可笑しいけど、悪くない気分である。 訃報の後、ファンに戻ったことを自覚して、その後、動揺と混乱の時期を乗り越え、今は気持ちが落ち着いている。時々は、不意打ちのように歌が沁みてきて、視界がにじむこともあるけれど・・・ 人の言動に惑わされず自分のペースで「推し」を推すことも、できるようになってきた。つまり、…

  • 野鳥に会える森へ行きたい

    梅雨の晴れ間もあるけれど、今日は曇天。これから雨になるらしい。空の暗さに気分も重く沈みがちになる。 日常の心配事は、ひとつ減ったらふたつ増える。そんな感じで、ちっとも心が晴れ渡らない。 でも外を見れば、こんな日にも小鳥は飛び、さえずっていて・・・なんだかすごい。彼らはすごい。一生懸命、当たり前のこととして生きている。 小さく感心して、やがてリスペクト。不思議なんだけど、ただそれだけのことで、少し心に日が差す。 先日、県内にある森林公園に出掛けた。野鳥が見たいし、森の空気が吸いたかったから。本当は標高の高い山とか丘陵地帯の自然公園などに行けたらいいのだが、まだ非常事態宣言中。県をまたいでの外出は…

  • 物語を読むということ、書くということ

    本を、あまり読まなくなってきたな・・・そう感じ始めたのは、いつからだろう。 もちろん、全く読まないわけではない。本は今も大好きだし。けれども、かつてのように履歴書の趣味の項目のトップに「読書」と書けるかと自分に問えば、今はもうできない気がする。残念ながら。 40代の頃はまだ、通勤電車の中で文庫本の小説を読んでいた。降りる駅に気がつかず、乗り越して遅刻してしまったこともあった。鞄には常に、本が入っていたあの頃。 転職をして、読む本は仕事の資料優先になって、それがきっかけで楽しみとしての本から少しずつ離れていったのかもしれない。仕事上の悩みも多く、忙しさもあって。 いや。単純に、視力の低下で細かい…

  • 12歳の私へ―回想と戯れた日

    早い入梅のために、大好きな5月が半分奪われてしまったような、ちょっとやるせない気分でここ数日を過ごしている。 ひょんなことからメルカリを始めることになり、出品できそうなものを探していた先日のこと。あっちの引き出し、こっちの引き出しと開けていくうちに、ふと手が止まった。 40年前、いやいやもう半世紀近く前の、古い“生徒手帳”を発見。 へええ、懐かしい。生徒手帳って、中学、高校で毎年学校から配布されていたんだっけ。だとしたら何故、これひとつだけだけ残しておいたのかな、過去の私。 中学1年生。12歳。あの頃の自分を、こんなに年月がたった今もまだ思い出せる。照れて薄笑いを浮かべながら、ページをめくった…

  • 5月の薔薇とカーネーション

    子どもたちが幼かった頃。幼稚園のスクールバスを待つ場所は、近所のお宅の玄関先だった。 そのお宅のフェンスには、蔓薔薇が絡ませてあり、このくらいの季節になるとたくさんの赤い花が咲いた。バスを待つ間、甘く清潔なその香りに包まれるのが毎朝の楽しみだったことを思い出す。 当時、私は赤いミニ薔薇を2鉢、ベランダに置いていた。大した世話もしていないのに、薔薇は何年もの間、春と秋に可愛い花を咲かせてくれた。小さな花だったけど、顔を近づけるととても良い香りがした。 昔から薔薇が好き。でも、本格的なものを自分で管理するのは難しそうで、ずっと手が出せず今に至る。病害虫の対策も勉強して、いつか素敵な香りのする薔薇を…

  • 体と心に声を掛けよう―私のセルフケア

    数日前、ツバメの姿を見た。我が家の前の電線にも、一昨日から2羽のツバメがよく羽を休めている。マンション1階店舗の軒先に、また巣を作るのかな。今年も来てくれたんだね。「おかえり」と言いたくなる。 家に居ながらにして、間近に野鳥の姿を見られるのは、嬉しいものだ。特にこのツバメたちは、私の顔を見る。逃げない。話し掛ければ聞いている風にさえずりを返す。 この先の毎日の楽しみが、ひとつ、できた。 左膝の調子が良くなってきたと思ったら、今度は右膝が。痛みが消えたと喜んでいたら、再び左膝が。好きな散歩にもなかなか出られず、家にこもる時間が増えてしまった私。 どうも1万歩を超えて歩くと悪くなる気がする。健脚だ…

  • 動力は「憧れ」だった―桜の季節に思い出すこと

    憧れ。ただそれだけが、前進するエネルギー源だったんだろうと思う。あの頃の私。20歳だった。 4月になり、桜の花びらが舞う中を歩いていると、これまでの人生で経験した、さまざまな節目のシーンを思い出す。私自身の入学・卒業式だったり、娘たちのそれだったり。 そして何故か今年は、20歳の自分を何度も思い出している。社会人になって上京した、小舟のように危なっかしい自分を。 短大を卒業し、私は神戸市に本社のあるアパレルの会社に入社した。勤務は東京本社だったので、最初は井の頭線の三鷹台駅に近い女子寮に入居することになった。 親元を離れて、初めてひとりで暮らす。東京も住むのは初めてだし、寮も初めて。でも、どこ…

  • 花の名は?―心和む優しい春散歩

    晴れた春の日は忙しい。暖かくなったら始めよう、晴れたらやろう、と思っていたことが山積みだからだ。 冬物の片付け、寝具の手入れ、ベランダの大掃除。店頭に並ぶ明るい色が嬉しくて、たくさん買い込んでしまった春野菜の調理。 あれもこれも、晴れている「今日」にやってしまおうと、心が焦る。なにも焦らなくてもいいのにね、と我ながら呆れるのだが。 雨が降りそうな曇天とか、降り込められた寒い日とかが、とても苦手である。気圧のせいかなあ。晴れていないと気持ちが沈みがちになり、なかなか頑張ろうと思えない。 だから、晴れている「今日」はとても貴重。無駄にできない。それで追い立てられるような気分になってしまうんだね。 …

  • 歩きたい気持ちが、前を向かせてくれる

    ここのところ暖かい日が続いていて、まだ2月というのが信じられないほどだった。昨日は美容室へ向かう片道15分のウオーキングが、なんとも爽やかで気持ち良く、マスクの中で鼻歌を歌っていた私。上着、脱いじゃった。 その前の日も、午前中、夫と近くの川べりを散歩。ぽかぽか陽気で、光る川面は童謡そのもの。紗のかかったような景色の中を歩けば、まあるい休日、という言葉が浮かんだ。 そして、梅の花の蜜を吸っているメジロを撮影していたら、次から次へとお仲間が集まって来て、ちょっと焦ったけど笑ってしまった。 青空の下、抹茶色の小さなお饅頭が、いっぱい飛び回っている! メジロってあまり人を怖がらないのかな。きっとあの梅…

  • これまで生きてきて、嬉しかったことはどんなこと?

    この季節、お花屋さんの前を素通りするのは難しい。選んで買うとなると、ますます難しい。悩むけど、笑みがこぼれる。 SMAPのあの歌のように、 ひとそれぞれ好みはあるけど どれもみんなきれいだね と、お花たち全部まるごと、褒め称えたくなる。 「人生で一番嬉しかったことは何ですか?」 そう聞かれたら、なんて答えようかと考えてみた。いつか読んだ新聞の投稿欄で、そんな話題があったから。 でもこれ、初恋はいつですか?という質問と同じくらい、難しいな。 え?初恋?難しい?と言われるだろうか。 だって、小学生くらいから、クラスの男子の中に「ちょっといいな」くらいに想う子がいたりするけど、それって恋と呼べるのか…

  • 素敵な方と隣り合って暮らしていた、そんな幸せ

    その人は時々、ベランダで空を見ていた。手すりに肘をあずけて、あるいは頬杖をついて。どこか物憂く、寂しそうな表情にも見えれば、うっとりと夢見ているようにも見えた。 隣に住む私は、隔て板の向こうの彼女に気付くと、いつも声を掛けようか迷った末、首を振ってベランダから部屋に戻った。 邪魔をしてしまう気がして。彼女の世界を乱してはいけないと思って。 当時の私は、確か40代前半。まだ子育ても終わっていなかったし、仕事も大変な時期だった。生きていくのに必死のバタバタした日常の中、マンションの階段でたまに出会う彼女は、落ち着いた穏やかな印象だった。 その方、Tさんはちょうど私と母親の中間くらいの年頃で、お連れ…

  • 刺しゅうの雑誌を買ってみたら・・・

    あっという間に師走ももう半ばである。気分だけは慌ただしいが、なかなか動きが伴わない日々。 世の中は相変わらずコロナで、先の見通しが立たず、年末年始の計画も宙ぶらりん。家の中のことなど、今できることをやっていこうと思うのだが、気持ちが乗ってこない。 といって、娯楽に流れるほど度胸もない。「遊んでる場合じゃないでしょ」という鋭い声が、自分の中から聞こえてくる。 ああもうほんと、12月ってやっかいだ。 そんな私を落ち着かせてくれたのは、刺しゅうだった(これは遊びではない。薬っ!) 11月に予約注文して届いていた「リンネル特別編集 素敵な刺繍生活」。その付録、刺繍スターターキットを使って、私の好きな刺…

  • ノスタルジックな気分と幸福感―クリスマスの飾り付けに思う

    11月は、週末をいつも次女と過ごしている。一緒に買い物に出掛けたり、カフェに行ったり、彼女が家に泊まったり、私が彼女の部屋に行ったり。 去年の暮れに、同じ県内でひとり暮らしを始めた次女。当初はよく会っていたのだけど、その後コロナ禍で会えない時期が長く続いた。 ✻次女のひとり暮らしについて書いた記事はこちら↓ tsukikana.hatenablog.com その間、母が亡くなったことを始め、いろいろな出来事があり、電話やLine、ビデオ通話はしていたものの、会って話せないもどかしさを感じ続けた。 まるでその反動であるかのように、最近はよく会っている。・・・でも多分、反動だけではないのだと思う。…

  • 父とふたりで、母の思い出のレストランへ

    久しぶりに、ハンカチにアイロンをかけた。 え。何年ぶりだろう。昔は家族4人分のハンカチに、毎日のようにせっせとアイロンをかけたものだった。夫がパイル地のハンカチを愛用するようになって以来、我が家ではアイロンの必要なハンカチは日の目を見なくなっている。 いつからか、ハンカチの必要なシーンも減った。商業施設でも、駅やサービスエリアでも、トイレには手を乾かしてくれるハンドドライヤーが、普通に装備されてきて。 もっとも最近はコロナのため使えないようにされていて、またハンカチが活躍しているが、それはダブルガーゼやパイル地の、アイロンをかけなくて済むハンカチだ。 綿ブロードの大きなハンカチにアイロンをかけ…

  • “ささやかな幸せ”を抱きしめる―11か月ぶりの再会

    今日も、あたたかい布団の中で、空腹も感じずに、眠ることができる・・・ ここのところ、毎晩のように、このささやかな幸せをかみしめている。新聞やテレビで、悲しい切ないお話を、ずっと見聞きしているからかもしれない。 ・・・どんなに辛いことがあっても、私は飢えていないし、凍えていない。それだけでも幸せなことだ。ありがとうございます・・・ そして、このささやかな幸せを同じように抱きしめていた、遠い昔を思い出した。 慌ただしかった子育て中、不安も不満も自己嫌悪も、いっぱいあった中、並んでスヤスヤと眠る幼い娘たちを見て、ふっと安心した夜があった。 「大丈夫。この子たちはお腹を空かせていない、寒がっていない」…

  • 爽やかに生きるために―ホ・オポノポノ手帳2021

    いつも爽やかな気持ちで生きていたい。私の究極の願いはそれ、かもしれない。 私だけでなく、家族や大切な友人たち、周囲の人、できれば世界中の人たちが、爽やかでいてくれたら、どんなに嬉しいだろう。 しかし、世の中は“爽やか”とはほど遠く、今なお戦争や内戦に生命を脅かされる人々がいて、災害に苦しむ人々がいる。貧困。差別。その上今年は、新型コロナだ。なんという年になってしまったのか。 大変な、本当に大変な思いをしている方が大勢いるから、私がコロナで受けた影響など小さなことかもしれない。それでも控えめな声で、呻くように言ってみる。 「私も、大変でした・・・」 苦しみはまだ続いている。いくつかの問題がそびえ…

  • 月とワインと神秘と科学―今宵、中秋の名月

    昔、ワイン教室に通っていた。動機は大したことではない。 ワインが好きでずっと飲んできたけれど、レストランでもワインショップでも、いつも選ぶときに迷ってしまう。勧められたものをただ漫然と飲んでるのも情けないので、自分で選べるよう少し勉強してみようと思ったからだった。 教室には、私のようにライトなワインファンも結構いたけれど、ソムリエやワインエキスパートを目指す、目が真剣!な人たちもいて、その温度差に、講師の先生はさぞやりにくかっただろうと思う。私や友人は、単純に楽しんでいたなあ。本当に面白い講座だった。 その先生が、自然派ワイン(ヴァン・ナチュール)が好きな方で、ヨーロッパでの自然派ワイン造りの…

  • 米寿の父に家事を教える

    秋分の日、敬老の日、そして父の誕生日はとても近いなあと、毎年、思う。今年は母が他界し、結婚してから初めて妻のいない誕生日を迎える父。清水の実家でひとりで過ごすのはあんまりだと思ったので、お祝いに行ってきた。一緒にワインでも飲もうかな、と。 米寿となるので、本来ならもっと華々しく祝福してもいいところだが、喪中だしコロナ禍だし。で、優しく静かに過ごそうと思ったのだ。 孫娘たち(私の次女と弟の長女が一緒に。そして、私の長女が3人のこどもたちと一緒に)から私のスマホに、父宛の動画メッセージが届き、それを見た父はこの上なく嬉しそうだった。 滞在中に彼岸入りともなったのだが、母はまだお墓もないし、小さな仏…

  • 潔く、やり直す!刺しゅうが思い出させてくれた“母の教え”

    自分の図案で刺しゅうができるようになりたい。 そう思い始めたのはいつ頃だろう。 家族のためにマスクを作ったとき、小さな刺しゅうをアクセントに施してみたりとか、その程度はしたけれど。ある程度の大きさのものを自分でデザインするって、私にはなかなかのハードルの高さで、ずっとトライできずにいた。 大好きな刺しゅう作家さんの図案に憧れて、本を買って、お手本を見ながら指定のステッチでチクチク・・・そんな刺しゅう体験も素晴らしく幸せなのだけど。そしてこれからももちろん、そういう刺しゅうもしていきたいのだけど。 自分の心の景色を絵にして、刺しゅうで表現してみたいという気持ちが芽生え、その芽も大事に育ててみよう…

  • 人生は短いから不幸でいる暇なんてない ―「ターシャ・テューダー 静かな水の物語」から

    忙しすぎて心が迷子になっていない? そんな風に聞かれたら、どれだけの人がドキッとするだろう。私の場合は忙しすぎではないと思うが、心は迷子になりがちだ。 何をしていても「今って、こんなことをやってていいんだっけ?」「私はどこへ行くのだったかしら」と心細くなり、目的地や道しるべを探したくなる。また、「気持ちが散漫だな」と思い、「軌道修正をしなきゃ」と焦ることが多い。 冒頭のことばは、「ターシャ・テューダー 静かな水の物語」という映画の予告編字幕で見て、心の端に刺さっていた。 公式サイト tasha-movie.jp ターシャ・テューダー(Tasha Tudor)さん。1915年8月28日に生まれ、…

  • ストレッチ&スロトレで、からだと心を整えたい

    力が入らない。食欲もないし。 夏バテ気味なのかもしれない。それでも、毎日ヨガマットを広げては、ストレッチや緩い筋トレを続けている。そうすると、少しだけ元気が出てくるから不思議だ。 からだの声を聴き、声を掛けてあげる。どこが調子悪いのか、どこを伸ばしてほしいのか。一日のうちの、ほんの30分ほどだけど、面倒がらずにちゃんとからだと向き合うことを大切にしている。 あれ。同じようなことを以前も書いていたなあと思ったら、2年前のことだった。 tsukikana.hatenablog.com このときは冒頭で、15分座ったら膝が固まって動けない、なんて言ってる。そうだったんだね。 でも何故だろう。2年後の…

  • 睡眠。私の場合は・・・

    昼寝をすれば夜中に眠れないのはどういう訳だ そんな風に始まる井上陽水さんの『東へ西へ』を聴いたのは、いくつの頃だっただろう。中学生くらい? すごく共感した覚えがある。学校から帰ってきて一度寝てしまうと、夜、なかなか寝付けない。それでラジオの深夜放送を聴く。睡眠時間が少なくなる。だから授業中にウツラウツラしてしまったり、家に帰ってまたちょっと寝てしまったり。 ・・・悪循環。早寝早起きの規則正しい生活をしろと言われるけど、「難しいよ!」そう感じてた思春期の私。 とにかく若い頃って眠いのだ。20代になっても、私は基本、いつでも眠かった。寝てるの大好き。ベッドの一部でいたい。仕事に行かなくて良いならば…

  • 実家の片付けは難しい―断捨離は急がずに

    母が亡くなり、清水の実家には父ひとりになった。威張りん坊だった父がものすごくしょげかえってしまい、見ていられない。父には反発することが多く、度々反抗的な態度をとってきた私だったが、最近は本当に父に優しくしている。可哀相すぎて・・・ 区役所や年金事務所に出向いての各種手続き(本当にやることが多い!高齢化社会ではもっと簡素化すべき!)をサポートしたり、新盆(清水は7月盆)の来客対応などを手伝ったり、家の火災保険の新規契約に立ち会ったり。7月に入ってからも、清水通いは続いている。年を取り、事務処理能力にすっかり自信を失っている父を励ますのも、私の大きな仕事のひとつだ。 本当は、母の遺品の整理もそろそ…

  • 「ありがとう」と言われた気がした―母のことをもう少しだけ

    清水の実家にはお仏壇がない。理由は聞いていないが、父は次男だし、結婚してからは転勤族となり、引っ越してばかりだったから、だと思う。薄給の公務員だったし。 ただ、父の家の先祖代々の霊を祀る紙と、母のお父さん(私の祖父)の戒名を書いた紙(紙位牌?)が貼られた木箱(多分みかん箱)が家にはあり、香炉とりん、花立、燭台など、小さな仏具も備えていた。 我が家ではそれを「のーのさん」と呼んでおり、私も時々はお線香をあげていた。受験の日の朝とかね。「のーのさん」は父が清水に家を建ててからも、そのまま和室に置かれていた。 最近になって知ったのだが、母は生まれた赤ちゃんの夜泣きに悩み、この「のーのさん」をこしらえ…

  • 50'sの恋人たち―母の青春時代

    私の知っている母は、当然ながら私がもの心ついてからの人物で、それ以前は未知の人だ。若き日の母は、古いアルバムの中でしか知らず、それは子どもの私にとってすでにセピア色だった。 少女の頃、私は、母によく若い頃の話をしてほしいとねだった。どんな女の子だったの? 中学・高校時代はソフトボールの選手で、セカンドを守っていたこと。高校卒業後は、幼稚園の先生をしていたこと。洋裁学校に通い、服を作っていたこと。フォークダンスや社交ダンスが得意だったこと。 父とはそのダンスを通じて高校生のときに知り合い、長くグループ交際をしていたのだとか。父との馴れ初めを話すときの母の表情を、今も思い出す。少し照れたような、で…

  • 平和はわたしから―ハーブとホ・オポノポノの力を借りて

    昨日、駅前のスーパーマーケットまで、ハーブを買いに自転車を飛ばした。イタリアンパセリとディル。ここのハーブは新鮮でお値打ちなのだ。どうしても欲しかったディルは最後の1パック。入手できてほっとした。 このディルに加え、ベランダからローズマリーとチャイブ、タイムの葉を摘んできて、これらを細かく刻み、室温に戻したクリームチーズに混ぜ込む。キッチン中に、青い爽やかな香りが満ちる時間。私は大きく深呼吸した。 ハーブの力を借りよう! 辛いことが続き、内面が傷ついたまま治癒していないと自覚したとき、私はハーブづくしの食卓にしたくなる。まさに、薬草を求めるように。 昨夜はこのハーブチーズを石窯焼きのバゲットの…

  • 母の入院で事態は急展開―遠距離介護が始まった

    母が歩く夢を見た。 退院した母が、土間のような場所に立ち、そこから明るい外を見て「あらぁ」と嬉しそうに、ゆっくりと、薄桃色の紗がかかったような春の庭に出て、表の道を歩き出した。杖もなしで、父の肩に手を掛けて。 「待って」と私は慌てて追いかけ、母の手を取った。 「お母さん、歩いているじゃない、すごい!」と私が驚くと、微笑んだ母。「良かったぁ。治ったんだね。もう歩けないかと思ったよ。怖かったよ」と私は涙ぐむ。母の手を両手で包む。 良かった・・・という自分の声がもう一度、私の口から出かかったとき、眠りの淵からこちらに戻ってくる感覚がわかり、私は絶望を感じた。 いやだ。目覚めたくない!ずっと、夢の中に…

  • 次郎長親分と南岡町

    手を洗い過ぎて手荒れが大変。ハンドミルクの減りが激しい、ここ数週間。ニューコロナ関連の日々のニュースには本当に気が滅入る。明るい兆しが早く見えないものか。 前回の記事で、明るい気分で3月を迎えたい、と書いたけれど、なかなかそうは問屋が卸してくれない。母の様態が思わしくなく、先週、静岡の実家に行ってきた。 頸椎から足を痛め、杖を使っていた母が、いよいよそれでも歩くのが困難になり、車椅子と介護ベッド、家の各所に手摺を導入することに。 先行して弟が行ってくれていたが、交代で私が4日間。初日は夫も来てくれて、キッチンのシンク周りを磨くなど、一生懸命協力してくれた。 私も母の通院に同行する他、2階のトイ…

  • 自分の中に変化を感じた2月―刺しゅうの可能性にときめく日々

    今年は閏年だから29日まであるけれど、2月はやっぱり短くて、だからこそ大切にしてあげたくなる特別な月だ。柔らかな日差しは春の近さを感じさせ、時折吹く良い香りを乗せた風は、楽しい予感のようなものまで連れてくる。 ふと気づいたことがある。最近の私、「楽しかったー!」と言うことが増えたみたい。他にも「なんて可愛いの!」とか「嬉しい、ありがとう」「もー大好き♡」とか、素直な喜びの声が、臆面もなく口から飛び出している。もちろん良いことなんだけど、ちょっと驚いている。笑 PCが壊れて買い替えなければならなくなった等々、相変わらず金銭的な危機は繰り返しやってくるのだけど。それでも友情や家族の絆を感じる局面が…

  • ビックリハウスに住んでいる?

    一年で一番寒いはずのこの時期。春のような温もりが部屋に満ちている。レースのカーテン越しにパステルブルーの空が広がり、遠く聞こえるヘリコプターの飛行音が眠気を誘う。 一昨日のこと。穏やかな昼下がりに、次女の寝顔を見下ろした。まだ熱が残っているようだ。 12月にひとり暮らしを始めた次女。しっかり自炊もして会社にお弁当も持って行ってるようで、元気に頑張っているねと安心していたのだが。 出張の帰りに突然具合が悪くなり、吐き気がするため新幹線で多目的室を使わせてもらい、降車した名古屋駅でもスタッフの方に親切にしてもらったらしい。そのままひとりの部屋に帰るのが不安で、私に「おうちに帰ってもいい?」と連絡し…

  • 上手になりたい、とシンプルに思う。刺しゅうも、他のことも・・・

    『一週間』という歌がある。ロシア民謡らしい。 日曜日に市場へ出かけ 糸と麻を買って来た テュリャ テュリャ・・ 月曜日にお風呂をたいて 火曜日はお風呂に入り テュリャ テュリャ・・ 水曜日にあのこと逢って 木曜日は送っていった テュリャ テュリャ・・ 金曜日は糸巻きもせず 土曜日はおしゃべりばかり テュリャ テュリャ・・ 恋人よこれが私の 一週間の仕事です テュリャ テュリャ・・ というのが歌詞。初めて聞いた小学生の頃、なんて変わった人なんだろうと思った。 やること少ないんだなあ。暇なのかなあ、のんきなのかなあ。こんな人が恋人だったら、いくらテュリャテュリャ・・~♪って歌われても嫌になっちゃう…

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