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  • うの華4 60

    住職さんは、いかにも大人の余裕とでも言いたげに胸を張ると、しゃんとした姿勢になり、その場で両の足を踏み締めた。仁王立ちとでも言うのだろう。如何にも威風堂々としていた。それは私達が見る何時もの住職さんの姿だった。子供と話をすると、これだから困る。何処まで知っているのか知らないのか、こっちも判断に困る。彼は私に背を向けるとブツブツと、頭を掻きながらそんな事を独りごちていた。それから又私に向き直ると、「なぁ、」と、同意を求めてる言葉を掛けて来た。私が見上げる彼の顔は笑顔だった。そんな事を言われてもと、私の方は返事の仕様も無いという、眉間に皺という難しい顔をした。「まだ帰ら無いのかなぁ。」、あの子供は。鈍な子ですからなぁ。そんな言葉を本堂の中で交わす舅と嫁。こちらは寺の先代の住職と、現在の住職の嫁、若奥様であった...うの華460

  • うの華4 59

    住職さんは暗い顔付きになり、その表情は何やら煩悶しているのだが、私には彼のそんな状態その物が謎だった。その儘私達二人は暫く無言の儘だったが、見守る程に闇の深みへと沈み込んでいく住職さんの顔に対して、私の顔はどんどん元気を回復して行った。『喜怒哀楽以外の感情』、先程の彼の言葉が私の脳裏へと浮かんできた。すると未知の言葉に、私は次第に興味深々となってしまった。私は本堂を背に明るい大気に向き直ると、目をパチパチさせた。好奇心に富む明るい表情を浮かべると、『聞いてみようかな。』と思った。勿論住職さんにだ。そこで再び彼に向き直ると、私は物思う熱い視線を彼に送り始めた。これは、教えて教えてと言う、この世のあらゆる物に対する興味、向上心に富む童心から来ていた。それは何気無い日常、気儘な自身の普通の状態だった。知りたがり...うの華459

  • うの華4 58

    (さて、この話はこの回で最終回にしたいと思います。前回のうの華4の57回から長く経ちました。急な場面展開で御免なさい。)私は一人、何時も遊び場にしている寺の本堂前に辿り着いた。この場所での遊びが習慣になっているせいか、馴染み有る空気と風景に包まれ、目の前の建造物を目にすると、私はほっとして落ち着くのだ。今日はその安堵感を改めて感じた。数段の石の階段を登り詰めると、私は自分を確りと個として感じた。続いて私は一歩一歩、この寺のご本尊の納められている場所、御堂の入り口、その高所へと続く木製の、欄干に挟まれた古めかしい階段下へと近付いて行った。今日はここへ来る道すがら誰にも会わなかった。そして境内に入ってからもそうだ。この場所には人気が無かった。その代わり、境内はこの季節の樹木や大気、ごく一般的な自然の香と音で満...うの華458

  • 暑い日が続きます

    本当に近年は暑い日が続く7、8、9月です。今夏は汗疹に悩ませられる歳周りとなりました。頭の中も痒いので、スッキリとショートカットにしてきました。洗髪がし易くなりました。そして、見た目高齢者スタイルの定番になった感じがありありです。さて、長休みしがちな私のブログ。今年ももう9月に入り、そう大した実績を残さずに過ぎてしまいそうです。うの華も途中だし、エッセイもポツポツUPです。少しずつ纏めて行きたいと思っています。今日はこのページに来ています。こようと思えばすぐ来れるのに。不思議と足が遠ざかってしまいます。ここでふふっと、この表現で良いのかしらと思ったりしています。書き物なので、何かしらの手先表現がないかなと考えたりするのです。手が止まる、筆が止まる、目前で何をどうと考えているとそうですが、短期長期にお休みし...暑い日が続きます

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