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  • 4月

    4月、私の誕生月になりました。昨日今日と良いお天気です。今年は、考えれば昨年末から、極めて多忙な日が過ぎて来ました。落ち着いたかと思うと忙しくなるという、バタついた冬、春を迎える事となりました。これはひとえに私事からの事、私事なので致し方ないという所です。私は元々せっかちな方なので、する事は早めに仕上げてしまいた性分です。なので多分人より早目に動いてしまうのでしょう。空回りしているなぁと思う事が多いものです。でも、昨年は、のんびりし過ぎて間に合わなかったという事がありました。これは、私にしても遅過ぎて後悔する事が有るのだ、という自身の人生においての真っ新な発見となる出来事でした。今後、今年はどの様な出来事があるのだろうか?と、私は不思議な予感めいたものを感じて不安でもあり、期待もして過ぎた先月でした。4月

  • 今日は雨

    「うの華」を、お休みしながら、近況を書き出した私です。本格的な続編投稿への復帰は、4月からにしたいと考えています。私事で忙しい最中だからです。さて、長い休暇の後、急にここへ来たのは健康診断を受けたからでした。椅子に座って運動し、やはり長い運動不足を解消しようという、そんな目的を得たからでした。健康診断で歩行を勧められた私の、先ず頭に浮かんだのが不調な膝でした。速歩は膝に無理が掛かるだろう、普通に歩けばその分歩行時間が延びるしと、負担を受ける膝の健康を気遣い、如何しようかと迷いながら考えていた私に、椅子に座って踵を上げ下げするだけでも、歩行運動の代わりになりますよと、椅子に座ってする踵の上げ下げ運動を勧められました。椅子に座って…、する事といえば、と、先ず脳裏に浮かんだのがこの長年の記事投稿。それを行ってい...今日は雨

  • 久しぶりの投稿

    長く投稿期間が開きがちでした。スランプかというと、そうだったのかもしれません。主な原因は、パソコンの故障です。使えなくなり、新しく購入を考えたのですが、この三年間のコロナ禍で、品質や価格の安定しないもの商品を買うよりは、世の中が落ち着いてから、新品のパソコンを買おうと考えていました。ところが、今度は世界情勢が危機的状況になり、私も年齢を重ねてて、パソコンは要らないんじゃないか、と、判断されそうです。そうですね、今からだと、年賀用、と、ブログ書き込み、趣味のゲーム程度しか使わないかもしれません。と、思っていましたが、世の中よく出来ていますね、公的な書類作成にも使える様になって来た様です。これもテレワークのお陰なのでしょう。今後は、定時収入の出る仕事に使えるとよいなぁ。ですね。久しぶりの投稿

  • 2023年度の春

    3月、春のお彼岸になりました。お昼少し庭の片付けをして、草や古い鉢の整理をしました。庭の門は年々幅が狭まり扉が閉まらなくなり、今では鎖で縛り開くのを防いでいます。今日改めて見直してみると、より一層幅が狭まり、この先どうなって行くのかと、門の両側に在る支柱を眺めていました。傾いているのだろうと思い、家の壁と見比べると、やはり両者は全くの平行に並んでいない、壁と門の支柱でした。この家が建ってから四半世紀が過ぎました。家も古くなったのだなぁと思います。今日は思い切って、庭に長年存在していた水仙を抜きました。水仙は母が好きで、人から貰った球根を植えていたのですが、ある年から植えられていた場所の、庭の反対方向へ引っ越しをし始め、徐々に違う株の水仙も混在し始め、母は不審がっていました。「お前が植え替えたの?。」と、私...2023年度の春

  • 謹賀新年

    今年もよろしくお願い致します。皆様のご健勝とご多幸を祈念致しております。謹賀新年

  • うの華4 56

    「おい。」私の背後から声がした。やや怒った様な声だった。「お前何処へ行くつもりだ。」父が私に声を掛けて来た。私が振り返ると、父は私に不愉快そうな視線を送って来た。「そんな所へ何しに行くんだ。」何って、私は思った。家の中に、こんな奥まで知らない人が来て、お父さんは自分の家の事が気にならないのかしら?。そこで私は父に答えた。「変な人が家の中にいるみたいだから、何をしているのか見に行くんじゃないか。」すると父は何故かホッとした様に微笑した。この父の表情の変化は私には不思議な出来事だった。そこで私は父の心情について考え出した。『お父さんは私の事を怒っていた。』それは確かだ。怖い顔で睨んでいた。では、お父さんは私の何を怒っていたんだろう?。私にすると特に変な事をしたという気持ちは無かった。寧ろ父は私の事を自慢して良...うの華456

  • うの華4 55

    私は思った。幾ら客といっても、家の奥の奥に当たるこんな裏口に迄遣って来るなんて、妙な客だな。と。それで家内にいる声の人物達に不審感を持った。又、家内にいる筈の自分の家族、祖父母の身を案じた。そうして母の事も、私には少しは気に掛かった。年寄りの祖父母はか弱く、今いる侵入者に対して力負けしたとしても、若い母はもう少し抵抗出来たのではないか。家の奥に迄侵入者を許すなんて…、と、私は家族では若い身の母の事を不甲斐無く感じた。それが自分の女親と思うと尚更に口惜しく思えた。すると、ポソポソと小声で話すらしい声が家から聞こえて来た。彼等は何の話をしているのだろう?。興味を持った私は彼等の話に自分の耳を傾けた。彼等の話がよく聞こえるには、と、私は家に近付く事を考え、裏口に向けて自分の歩を踏み出そうとした。すると、私の前方...うの華455

  • うの華4 54

    あれの事で思い煩うのはお止め。夫はパシっとした声で妻に命じた。この声に妻は言葉も無く夫を見詰めた。彼女は何か言いたくてモゴモゴと口を動かした。が、彼女の口から何かしらの言葉は出てこず、頭にさえ、どんな考えもさっぱり浮かんでは来なかった。『今日は如何してこんなにも頭が働かないものか?。』彼女自身、自ら不思議に思った。「本当に嫌な奴だ。人の嫌気の壺を心得ているとしか思えない。」彼は言った。「あの言葉を聞くとね、私はカッと頭に血が昇って来てね、目の前さえ赤く見える位なんだよ。」神経を境撫でされる様な気持ちとは、この事なんだね。正にそう言う気持ちになっているんだよ、私は。この時夫は普段と語調を変えていた。彼が商売等で各地に出歩く時の、如何にも他所行きの声音と口調であった。彼の妻は思った。夫は彼等の孫の智に、彼等の...うの華454

  • 敬老の日

    今年の敬老の日は、母にフラワーバスケットを送りました。16日にはもう届いた様です。年寄りの目には色が濃いめに映る、暗い色に映る様だ。と以前聞いた、お花屋さんのアドバイスを受けて、明るく薄い色目の花材の物を選びました。喜んでくれるといいのですが。さて、母ももう高齢です。食べられる物も限られて来ました。食品は安易に送れないと思うと、あとは衣類か小物等ですが、今年は花だけにしました。夏にはアイスクリームが喜ばれた様子でしたが、又アイスクリームを送って良いかどうか、母の食事ペースが分からないので、アイスクリーム店のウインドウも眺めていたのですが、今回はアイスクリームは取り止めにしました。他にも、母への敬老の日プレゼントが届いていると、大変ありがたいです。敬老の日

  • 今年のお盆が過ぎて

    今年もお盆が過ぎました。今年は新型コロナも3年目のお盆、というせいもありますが、外出自粛にも慣れてしまい、ポツポツ買い物、そして家でのんびりという、私にすると落ち着いた感じのお盆となりました。そこで、お盆の過ごし方について、暇に任せて検索する余裕も出て来ました。覗いた記事によると、お盆は余りあれこれとせずに、先祖供養の事だけを考えて過ごせば良いそうでした。細かく書けば、殺生をしないということは勿論、海や川で泳がない、釣りをしない等の禁止行為が有りました。そこで成る程ねと、私も今年はこの検索結果に合わせ、家で先祖供養に専念してみました。家にご先祖様達を迎えてもよい様、掃除。玄関や廊下を簡単ですが掃き清め、仏壇への供え物等を少々しました。そうして、お経のCDを流し、ながら族。座敷に寝転んでみたり、所在無く昼寝...今年のお盆が過ぎて

  • うの華4 53

    何をぶつぶつ言っているんだい。夫が彼女の顔色を見て心の内を言い当てる様に口にした。「ならぬ堪忍も堪忍袋の緒が切れるという事があるよ。」「お前さんもいい加減に見限ったら如何だい。あれの事は。」私はあれと違って無学だが、あれ程性根は悪く無いつもりだ。幾らお前さんにとって馬鹿に映ろうとね。おや、と、妻は思った。「何故お父さんが馬鹿なんです?。」私がそんな事言いましたかしら?。言って無いと思いますがなぁ。妻は合点がいか無いと言うと首を捻って考え込んだ。すると彼女のその仕草を見ていた夫は、あら、と、思わず嬉しい笑みを零した。「してみると、」夫は言った、私の誤解だね。この夫の声に、あれこれと考え込んでいた妻が我に返った。えっ?と、夫の言葉に聞き返すと、すっかり機嫌の治ってしまた夫はあっさりと笑顔で彼女に言ったものだ。...うの華453

  • うの華4 52

    夫は常に自分には愛想が良い、愛妻家の鏡の様な人物としてこの長年来たものだ。だと言うのに、一体如何したというのだろうか、何だか何時もと勝手が違う…。妻は夫の様子を不審に思った。「子は可愛いものでしょう。」細々とした声で、遠慮勝ちに妻は夫に念押ししてみる、が、夫から妻への同意の言葉、相槌等は全く返って来無かった。彼女は再び同じ言葉を夫に掛けたが、結果は同じだった。彼は黙した儘身じろぎもせずにそこに立っていた。妻は夫のそんな様子を見詰め、やや考えていたが言った。「あなたはは子供が可愛く無いんですか。」一寸言葉尻に批判めいた響きを効かせてみる。すると夫の表情が心持緩んだ様子に見えた。彼女は気持ちを強くした。そこでこの機に自分の立場を常の優位な状態に戻そうと奮起すると、そうなんですね、と断定する様にきつい感じで言っ...うの華452

  • うの華4 51

    「如何したんだい。」反射的に夫は妻に声を掛けた。「ずいぶん顔色が悪い様だが…。」そう言いつつ夫はハッと思い当たった事が有った。「あれだね、またあれが悪い風を吹かせたんだ。」我が家に、この家に、何時も悪い風を吹き込むんだ。あいつは逆風の様な奴だのう…。最後は夫の声も嘆息気味となり、か細く土間に向けて落ち途切れた。勝手口はシンとした切り、裏庭の方からも特に物音は聞こえて来無い。夫がこうなると妻は気落ちしていられない。彼女は一応庭に気を配ってみたが、如何したの?等、子供の声が洩れ聞こえて来ても、彼女の息子が孫に答える声が細々と聞こえて来ても、そんな事、もう向こうに気など配っていられ無いと彼女は思った。今は夫の事だけをかんがえるのだ、自分の子である息子はもう人の親、子の事は親に任せれば良いんだ。彼女は決意して、庭...うの華451

  • うの華4 50

    おいおい。声に気付いて振り向くと、彼女の背後敷居の上に、何時戻って来たのか彼女の夫が立っていた。「親も馬鹿は無いだろう。」私はお前の夫だよ。夫の私が馬鹿なら妻のお前も馬鹿だろう。彼はそう言うと明らかに機嫌を損ねた顔付きになった。不機嫌そうに目を吊り上げている。この顔は夫が可なり立腹した証しだった。『何か気に食わ無い事が有ったのだ。』瞬間妻は悟った。不味い事になったわね。彼女は思った。夫の不機嫌を宥めるには如何したら良いだろうか。一方で裏庭の様子を気に掛けながらも、彼女は眼前の夫の尋常で無い様子から、今の場合こちらの方が自分にとっては重大事だと受け取った。僅かな間に何が自分の夫の心情にこれだけの影を落としたのだろうか。彼女は彼女の視線を繁々と夫に注ぎ彼を気遣いながら、一方では彼の背後の家の内の気配をそれと無...うの華450

  • うの華4 49

    否、いるんだ。誰かいる。戸口の影になった部分だ。誰か人が隠れているのだ。彼は思った。『誰だろう?。』。父だろうか?、一旦その場を去った後、父は再びここへ戻って来て、戸口の影からこちらの様子をそっと窺っているんだろうか?。それが父だと思うと、彼は何時父がこちらへ飛び出して来て、ゴン!とばかりに自分に拳を振り下ろすのかと、いい知れぬ恐怖に襲われた。ブルル…、っと彼には身震いが起きた。それからゾォーっと背筋に寒い物が走る。安堵の後の恐怖に、彼はヨロヨロ…と、思わず2、3歩勝手口の戸口から遠ざかった。背後に注意を向けつつ数歩歩いた彼は、ここまで来れば一安心、一呼吸置ける間合いの場と自身が判断出来る場所に来た。すると彼の目に子供が円な瞳を開いて不思議そうに彼の顔を見上げているという丸い顔が映った。はたと、気が付いて...うの華449

  • うの華4 48

    もしかしたら。彼はハッとした。『こちらの様子に合わせて彼等は口を閉じたのだろうか。』彼は推察したのだった。機嫌を損ねたかな。親の話を盗み聞きするとは。自分は親から子としてはした無く思われたんだろうか。思わず彼の頬は赤らんだ。恐る恐る屋内の気配の様子を見ながら、彼は反らしていた顔の方向、自分の家の母家へと自らの体の向きを変えた。そうして具に彼の家の勝手口を窺った。すると家の内直ぐの場所から彼の父の好きにしろとの声が上がった。続いてバタバタと去っていく足音が聞こえ、その足音は小さくなると聞こえ無くなくなった。あの様子では父さんは家の面方向に向かったのだ。と彼は察知した。危うい危機は去ったなと、彼は安堵したが、また一方ではガッカリもした。怒った父から叱られる事が無く、折角の彼の父の息子に対して行われる修羅場を、...うの華448

  • うの華4 47

    この家の裏庭では、この屋の若旦那であるらしい男性が焦ったく思いながら苛々していた。彼は一旦は彼の親に虚勢を張ってみた物の、その結果酷い目に遭うだろう事も予想していた。なので彼は直後から、内心ハラハラとその場を動かずに狼狽えていた。が、彼が恐れる様な親の反応は、彼に対して一向に起こって来無かった。彼の親がこの庭に現れ出た気配も無い。ましてや彼を咎める声さえも無かった。『出たは出たんだろうか。』彼は親が庭に姿を現す事だけはしているのかと考えた。しかし彼の背後ではこそりとも音はし無かった。その割には後方が静か過ぎるなと考えた彼は、『黙って睨み付けられているんだろうか?。』とも思った。裏口に背を向けていた彼には、自分ではその様子が把握出来無い事から、彼の前方で自分の方を向いている彼の子供の顔付きから、自分の背中の...うの華447

  • うの華4 46

    「また以前の失敗を繰り返すんですか。」一郎の時に懲りたでしょう。幼い子の前でその親を怒鳴ったり、乱暴したりと、お父さんの怒った姿を見せたら、あの子はその後如何なりました。妻は夫に切々と訴えた。それ迄はよく慣れた、とても可愛い子だったのに…。「それっ切り。お父さんは勿論、お父さんの連れ合いの私に迄、それはもう、他所他所しくなって…、あの子あれ以来変わりました。始終気を張って、遠慮して…。「ここを出てからは、今じゃ寄り付きもしない。」あの子はあれ以降、親に付いた切りだったんですよ。お父さん、今もあの時と同じ、酷く怖い顔してますよ。もしそんな怖い顔で今出ていけば、お父さん、本当にあの子もそれっ切りですよ。あの子も親にくっ付いて、あの孫同様私達祖父母にはもう慣れてもくれ無くなりますよ。…。「今から思えばあれが境目...うの華446

  • 「平日」

    平日は日常一寸好い物御馳走と言う人も実際、食もある、衣食住気付いたら良い場所人も声も歌もある、相和す合奏実際、営みがある、喜怒哀楽目覚めると善い所だった今はそう感じる町並み、通り、抜けて行くと開けた場所から望む、山、また山の連なり実際、草花が見え、緑に青、群青と藍青色が帯を引き広大遥かに山、峰、頂き、中腹に木立の影、窪み蒼天は紺碧に上空空色と青、白、通常の天空日常は平日…囃子詞…2022年母の誕生日によせて祝「平日」

  • うの華4 45

    子供の父の方は自分の両親がいる場所、彼の後方に向いて意識が向いていた。彼はフンという態度で以って屋内にいる自分の父の言葉を受け流した。「何も分かってない年端の、子供を育てている真っ只中の、文字通りに親の気持ちが、君達なんかに分かるもんか。」彼は腕組みなどして、この庭に向けて開いている母家の入り口には背を向けた儘、如何にも大層に言ってのけた。「共に無学な人間くせに、私は大学と名の付くところを出た人間なんだ。」もう勘弁ならん!。お父さん堪えて、孫の、小さい子供の前ですよ。と、屋内は何だかバタバタと騒々しくなった。庭にいた子の父である彼も、その家内の騒動の様子に内心穏やかでは無かった。彼の親に、否、目の前の自分の子供の手前だろう、かもしれないが、彼は一旦虚勢を張ってみた物の、その実この横柄な言葉を口にした瞬間か...うの華445

  • うの華4 44

    さて、それと無く庭の周囲を見回した彼は、特にここには如何という異常も無い様だがと思う。そこで彼は自分の子に向かって言った。「智ちゃん、何が有るんだ。」お父さんが見る所、ここには、裏庭にはだが、何も不思議な物は無さそうだがなぁ。彼は子に向かって普段通りの、彼の平生の声音で言った。しかし彼の内心にはイライラが募って来ていた。『あー、イライラする。』。さて、これより遥か前の事だが、彼は両親から子育ての極意は気長になる事と教えられていた。「なぁにが気長にだ。」彼は呟いた。もう怒りの尾がブッツン!と、と彼はそう思うと、「切れそうだ。」と言葉に出した。そうしないと、「こっちがおかしくなりそうだ。」フン!と、彼は鼻息荒く口にした。「修行が出来てない父親ね。」母家から如何にも呆れたという様な女性の声がした。本当だね、両親...うの華444

  • うの華4 43

    お父さんが、呼んでいた?。私の事を?。私は父の言葉を繰り返した。すると父は私の事を、おやと、何事か気付いたように眺め始めた。「お父さん、私の事を呼んでたの?。」もしかしたらと、私は父に問い掛けた。父が黙ったまま怪訝そうに頷くので、私はそうだったのかと、自分のその少し前の状態を思った。確かに、私は自分の目前に有る奇妙な何物かに心奪われていた。その為だろう父が裏庭に現れた事にも気付いていなかった。普段なら自分が気付くだろうその彼の足音や気配さえ、何時今彼が立つその場へ来たのかさえも私は気付けないでいたのだ。多分父の私への声掛けにも気付かなかったのだ。そうか、それで父は怒っているのだ。私は漸く彼の怒りの元に合点した。それだけ私の意識は私が感じた奇妙な事に集中していたのだ。私は自身の周囲への意識がここに無く、所謂頭がお...うの華443

  • うの華4 42

    「お前こんな所で何をしている?。」私は父の声に気付いてハッとして振り返った。「人が聞いたら直ぐに返事をする様言ってあるだろう。」父は不機嫌な声でそう言うので、私は父の顔を注視した。やはり、私が父の声音から読み取った通りに父の表情は機嫌が悪い様相を呈していた。否、機嫌が悪いのを通り越して怖い顔をしている。私はぼうっとした頭で苦笑いをした。父が私の訳の分からない事で怒っているのは今回が初めてじゃ無い、そう思うと、私は思わず合点した様に苦笑してしまったのだ。「何をニヤついてるんだ。」父の声は相変わらず怒声を含んでいる。父の怒りが長引いているのは珍しい事だ。何を怒っているのだろう?。私は父の声が恐ろしくもあったが、その彼の声音を発する原因にも興味が湧いた。そこで私はおずおずと、彼が何を怒っているのかと尋ねてみた。「お父...うの華442

  • うの華4 41

    誰もいなくなった裏庭の光景。私はその空虚な庭の光景を1人眺め遣った。庭には見る程の花も無いのだ。『ああ、少し赤っぽく色付いた物が有る。花かな?。』紅系の花々が私の目に映った。向こうの盛り土の方向で何箇所かに群れて点在している様子だ。何の花だろう?、私は思った。そこでおずおずと私は歩み出し、気持ちを落ち着けながらその植物に近付いて行った。結局、近付いてみるとその燻んだ赤い色は花では無かった。「葉だ。葉の先が赤っぽくなっている。」何だろうこの葉は?と、私はひょっとその植物に心を留めた。今迄私が目にした様でしていなかった様な物だ。改めて関心を持って眺めて見る葉の形に色。「花じゃ無い様なのに先だけ赤い色だ。」どう見ても、やっぱはりこれは葉っぱだなと私は再度思った。何だろう?。不思議な草だと漠然と感じながら、私は暫く無言...うの華441

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