三島亜紀子,2005,児童虐待と動物虐待,青弓社.(5.28.24)児童虐待と動物虐待青弓社ライブラリー 三島亜紀子青弓社本書は、英国、米国、日本の児童虐待についてのクレイム申し立てに先行して、動物虐待のそれがあったことを論証する。社会的弱者は動物に近い存在とされてきたからこそ、彼らを救おうとするとき、動物をもその射程に含めなければその使命がまっとうできないと考えられた、といえないだろうか。街角に設置された水飲み場が、人間と馬ののどを同時に癒したように。弱者と動物は、福祉国家のデザイン画のなかに、人間の縁辺部分に存在するものとして描かれていたように思える。そして、ベンサムやミルは主流に位置する人間である。彼らに限らず、他者を救済するのは主流にいる人々であった。たとえばドンズロは「保護複合体」のなかでのソー...【旧作】児童虐待と動物虐待【斜め読み】