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性依存症からの回復 https://note.com/seiizon1

性依存症の当事者. 現在は精神科に通院しています. 学んだことや, 読んだ本の感想などを書いていきます.

性依存症からの回復
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2020/03/28

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  • 普通・特別

    自分は「普通」だと思いながら、自分は「特別」だと思っています。 自分は「普通」だから、「こんなの常識でしょ」と他人を非難したりします。 自分は「特別」だから、軽んじられると腹が立ちます。 一旦立ち止まり、逆の発想をしてみると、 他人は他人で自分のことを「普通」と考えているのではないのでしょうか? 他人は他人で自分のことを「特別」と考えているのではないのでしょうか?

  • やめさせるためのアプローチ

    性依存症の当事者の中には、やめたい自分とやりたい自分がいます。 やりたい自分が「認知のゆがみ」を作り出して問題行動を正当化したり矮小化したりしています。 やめたい自分は「いつかは大変なことになる」「自分はおかしいんじゃないか」と感じています。 「自分は普通の人間じゃないんじゃないか」という感情を抱いて、ネット掲示板やSNSで自分と同じように性犯罪を常習化している人をみて安心したりしています。 結構、依存症当事者の頭のなかは葛藤していて複雑なんですよね。 「反省しろ」と責めることは意味がありません。性依存症者を否定しても、新しいストレスを生み、問題行動のきっかけとなります。

  • エスカレートの本質

    性依存症はエスカレートする病気です。 最初はいわゆる「ビギナーズラック」から始まります。 満員電車で偶然女性に触れてしまった。 偶然パンチラが見えてしまった。 偶然着替えている女性が見えてしまった。 そういった「ビギナーズラック」を経て、エスカレートすることで性依存症は完成します。 なぜ、エスカレートするのでしょうか? エスカレートの本質とはなんでしょうか? 内容の過激化・難易度の上昇 まず、エスカレートというのはどういうことかというと、「内容が過激になる」ということです。 過激になるということは「大胆になる」ということですから、「前回よりも高いリスク」を伴います。

  • Choose your first idea

    「最初の考えを選べ」 タイトルを翻訳すると上のようになります。 これは、デザイナーの佐藤オオキさんがYoutubeで言っていた言葉です。 佐藤オオキさんは東京2020オリンピックの聖火台デザインを担当したことで有名です。 いやしかし、最初のアイデアって、思考せずに、直感に従って浮かんできますよね。 その直感が、きっと無意識に影響を受けているんだと思いますが、 その無意識に従うということが、良いんだと思います。 佐藤オオキさんのような著明なデザイナーは、アイデアが沢山出てきて、そのアイデアを比較検討したり、修正したりして、一つの案件を仕上げるんだと思いますが、 経験上、あ

  • 搾取から共生へ

    受験勉強のときは、総合点で評価されますが、社会に出てみると、総合点で評価されません。 職場やコミュニティで必要とされる部分の点数で評価されます。 ピアニストであれば演奏技術で、 弁護士であれば弁護活動の成績で、 スポーツ選手であれば競技での成績で、 評価が決まります。 受験勉強の時は、総合点で評価されますから、苦手科目を頑張った方がいいです。 得意科目は伸びしろが少ないですからね。 極端な例ですが 英語95点、数学95点、理科95点、社会50点、国語50点 の人がいたら、英語、数学、理科に比べて社会と国語は伸びしろがあるのですから、社会と国語を勉強した方が「得」とな

  • 今あるカードで勝負する

    当たり前のことですが、生まれながらにして我々は不平等です。 子どもがどんな親のもとに生まれるのかは運任せであり、家庭環境によって人生を左右されることを、スマホゲームの「ガチャ」にたとえて「親ガチャ」と言われますね。 つまり、人生において、与えられる手札(カード)は人それぞれだということです。 そのなかで、どう人生を組み立てていくか。 なかなか難しい問題です。 どうしても、他の人のカードを羨ましがったり、自分に足りないカードのことを考えてしまいます。 しかし、本当は、与えられた手札(カード)をどう使っていくかということにフォーカスすべきです。 ジェンダーの問題もそうです。 性別というもの

  • 人間関係において、ゴールを決めることと、それに向かって一貫した態度をとるということが大切

    幸福を決めるのは人間関係 人が幸福感を感じるのは、何かの達成とか事実ではなくて、人間関係なのだそうです。 例えば、志望校に合格したときのことを考えると、合格した瞬間よりも、大切な人に「合格したよ」と伝えて喜んでもらえたときに人は幸福を感じるのだそうです。 人間関係のゴールを意識する 人間関係を考えるときに、大切なことは、 相手との関係にゴールを設定する ゴールに向かう一貫した態度 だそうです。 ゴールを決めるというのは、 この人とは仲良くなろう この人とは無関係でいいや というようなゴールのことです。 一貫した態度というのは、 仲良くな

  • 『走ることについて語るときに僕の語ること』を読んで②

    走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫) amzn.to 570円 (2025年03月10日 23:03時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する Pain is inevitable. Suffering is optional. 簡単に訳せば 痛みは避けがたいが、苦しみはオプショナル(こちら次第) ということになります。 『走ることについて語るときに僕の語ること』の冒頭に出てきました。 この、Pain is inevitable. Suffering is optional.とい

  • 『走ることについて語るときに僕の語ること』を読んで

    最近は、村上春樹さんの『走ることについて語るときに僕の語ること』というエッセイを読んでいます。 走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫) amzn.to 570円 (2025年03月10日 23:03時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する これ、走ることに関する村上春樹さんのエッセイなのですが、実に哲学的で面白いです。 村上春樹さんは1983年に、ギリシャのアテネからマラトンまでを走ることになりました。 これが村上さんにとっての、初めてのフルマラソンだったそうです。 雑誌の取

  • 『人は話し方が9割』を読んで

    人は話し方が9割 amzn.to 1,450円 (2025年03月10日 23:00時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する 話し方を最近は意識することが多いです。 会話というのは、当たり前のように毎日しています。 会話を通して相手への印象とか、お互いの関係性を確認することもあると思うので、会話はとても重要な行為だと思うのですが、 会話のスキルというのはなかなか習う機会がないと思いますね。 私は、この本を少し読んだのですが、なかなか興味深かったです。 特に注意すべきは、以下の3点です。

  • 問題行動をしないためのルールの作り方

    依存症との決別 依存症のことで、強烈に印象に残っているのは、パソコンを破壊したインターネット依存の方の話です。 たしかオンラインゲームの依存症だった彼は、文字通りパソコンを破壊しました。ハンマーで叩き壊したのだそうです。 久しぶりにその彼のことを思い出しました。 「(パソコンは)それなりの価格でメルカリで売れたんじゃないんですか?壊さなくてもよかったんじゃないですか?」と彼に聞いたことがあるのですが、その時の返事は「自分には破壊することが必要だった」という内容でした。 いや、思い切ったことをする人もいるもんだな、とその時は驚きましたが、依存症治療はそんな感じなんだと最近は特に

  • 人生最後の○○

    人生最後の食事は何がいいですか? 今まで食べたことがない珍味や高級なものでしょうか? 食べなれた大好きな料理でしょうか? きっと、後者の人が多いと思います。 もしも、人生最後の食事に「食べたことのない料理」を選択する人は、 今まで食べてきた料理がおいしくなかったと感じている人なのかもしれませんね。 では、性的なことはどうでしょうか。 人生最後のセックス(や類似行為)は誰としたいですか? 会ったことがない人でしょうか? 今一緒にいるパートナーでしょうか? きっと後者の人が多いと思います。 もしも、人生最後のセックスにおいて会ったことがない人(風俗など)を選択する人は

  • 私たちは単純な因果関係が大好き

    「これを食べると脳梗塞にならない」みたいな雑誌の記事が多いですが、 こういう、「ああすればこうなる」という単純明快な因果関係が我々は好きなようです。 実際に、そういうタイトルにすると雑誌も良く売れるそうです。 ところで、因果関係が好かれるのは、極端マインドとか白黒思考のようにも言われますが、私たちが極論を求めているからです。 しかし、現実はそんな単純ではありません。 「ああすればこうなる」、「○○だから■■をした」、という話は物事を単純化しすぎています。 実際はもっと複雑なのです。 依存症もまさにそうで、原因も治療も複雑です。 性依存症の原因は何か。 答えは1つでは言

  • 精神科の処方薬を飲むのが怖かった

    ※本noteは数年前に執筆したものをリライトしたものです。 ふと思い出したのですが、私は精神科の薬を内服するのに抵抗がありました。 一年半前から精神科で治療を開始しましたが、最初は処方薬の内服を渋っていましたね。 一言で言えば、怖かったのです。 自分が変わってしまうのではないかというのが怖かったのです。 頭の回転が遅くなったらどうしようとか、今ある自分の良いところが消えてしまったらどうしようとか、そんなことを考えていましたね。 しかし、根本的には性依存症を治したいと思って通院していたわけです。 主治医の提案も無下にできません。 私は葛藤していたのですが、 主治医「どう

  • 依存症治療は賢くなることなのかもしれない

    ※本noteは数年前に執筆したものをリライトしたものです。 依存症治療を受けて、1年9か月になります。 日常生活で、性的な関心が出てくることもありますが、だいぶその頻度も減ってきました。 渇望のようなものが出てきても、 「これで最後はこれが最初」 「耐性が生じて、逮捕されるまでエスカレートする」 「私が手に入れたいものはなに?」 など、色々な言葉が思い浮かんできて、問題行動をすることはありません。 以前の自分と違うことはたくさんあるのですが、 知識 がまず違います。 依存症の講義もたくさん受けましたし、本もたくさん読みました。 あとは、 友達 が違います。 精神科で、多くの良い出会い

  • 依存症ではlikeからwantになってしまう

    好き(like)は、対象を大切に思う。対象は尊敬すべきものだし、人に自慢したくなることもある。 欲しい(want)は、対象は手に入れさえすればいいので、大切には思っていない。 好きは、どこが好きなのか、どこが優れているのかなど、対象に対してマニアックになる。 欲しいは、なんでもいい、手に入りさえすればいい、手っ取り早く手に入れたい、という心境だろう。 欲しいときに、コスパという言葉が出てくる。金をかけずに欲しいからだ。手っ取り早く欲しいのだ。 好きな時は、コスパという言葉は出てこない。どうやってお金を集めようかと工夫するはずだ。 自分の好きなものは、コーヒーと登山用品、服、

  • 手がかり反応性

    満腹になると、タバコが吸いたくなる という人は多いようです。 これは、「満腹」という状態が、「喫煙」を希求しています。 こういう風に、直接は関係がない事柄と問題行動が結びついてしまうことを手がかり反応性と言うそうです。 いつも駅で盗撮していたのであれば、駅に行くたびに盗撮したいと思ってしまいます。 いつも給料日直後にパチンコに行っていたのであれば、給料日がパチンコを連想させてしまうのです。 これらは、問題行動をやめる上ではとても厄介です。 「満腹」「駅」「給料日」のように、日常にありふれていて避けるのが難しい事柄と問題行動が結びついてしまうと、依存症の回復が難しくなってし

  • ギャンブル依存症対策としてのsuica

    ※本noteは数年前に執筆したものをリライトしたものです。 先日、ギャンブル依存の方とお話ししました。 すごく熱心に回復に向けた取り組みをされている方で、話していて私もとても励みになる方です。 その話の中で、 「お金を持っているという状況がトリガーである」 「お金があれば、できる!、と思ってしまう」 とお話しされていたのが印象的でした。 お金というのは私たちの生活には欠かせないものですから、それがトリガーになってしまっては大変です。 盗撮でのスマホ、痴漢での満員電車、のようにはいかないので、大変だろうなぁと思いました。 その方は、渇望が出たら、お金を使うために買い物を

  • 「あなたもきっと依存症」レビュー

    あなたもきっと依存症 「快と不安」の病 (文春新書 1304) amzn.to 1,045円 (2025年03月09日 01:45時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する とても勉強になる本でした。 私は原田先生の本を読むのは2回目です。 前回読んだ『痴漢外来』もとても良い本でしたが、 今回の『あなたもきっと依存症』は内容がアップデートされているように感じました。この本は依存症全般に関する本です。(性的依存症というテーマで性依存症も扱われています) 個人的に面白かったのが、依存症の4つのモデルの

  • 自分には様々な欲があります。 お金持ちに見られたいと思って、高いものを買ったときもありました。 モテたくて、服をたくさん買ったこともあります。 沢山の選択肢があることに憧れて、眼鏡をたくさん買ったこともあり、洋服は色違いで買うことも多かったです。 趣味を持つことに憧れて、コーヒーや登山用品をそろえている自分もいますね。 知識を増やしたいと思って、読めないほどの本を買ったこともあります。 私が最近気が付いたことは、 「現状に満足できない」という特性を自分は持っていて、 幸せは身近なところに転がっているのに、それに気が付くことができない時があります。 だから、「もっともっ

  • 依存症の治療は楽しい

    ※本noteは数年前に執筆したものをリライトしたものです。 依存症の治療というのは、とても楽しいものです。 人間関係を円満なものにしたり、趣味を充実させたりしています。 最近は、登山が趣味なので、良く登っています。 登山の後に、銭湯に行ったのですが、とても気持ちが良かったので、また行きたいですね。 また、昨日、登山用のズボンを買ったので、実際に使うのが楽しみです。 登山用のズボンは、すごく伸縮性に富んでいて、履きやすいです。タウンユースでも活躍しそうです。 あとは、クラフトビールを飲んで、とても美味しかったです。 クラフトビールのIPAというタイプが私には合うようです。

  • 性奴隷の心境

    女性の性依存症のタイプの一つとして、性奴隷があるそうです。 誰かに服従して、逸脱した性行為におよびます。 暴言を吐かれたり、虐げられることに快感を覚えます。 この、性奴隷の心理としては、 自己肯定感の低さが根底にあり、 自分を好きになってくれる人に対して興ざめしてしまうというものです。 「自分なんかを好きになるなんて大した人じゃない」と考えています。 つまり、相手から「好き」と言われると、相手のことが嫌いになってしまうという心理があるようです。 裏を返せば、「本当は自分は価値のない人間だ」と思っているところに、 「お前はクズなんだ」と罵倒してくれるのが、心地よく感じる

  • 性欲は6つに分けられる?

    性欲とは何でしょうか。 相手との間に子供を作りたい欲求なのでしょうか。 射精したり、エクスタシーを感じたいのでしょうか。 モテる自分を誇らしく思うことでしょうか。 色々とあると思います。 あるネット記事で、AV男優の森林原人さんという人が書いていましたが、性欲は6つに分けられるということみたいなんですね。 (1)性的接触行為によって肉体的快感を得たい(肉体的快感欲) (2)相手を所有・支配・征服したい(支配関係欲) (3)精神的につながりたい(連帯関係欲) (4)セックスを通して社会的な評価を得たい(社会的承認欲求) (5)遊びや非日常的な時間や感覚を堪能したい(

  • 感情の予測は難しい

    感情の予測は難しいです。 バイキングで食べ物をとりすぎてしまうのも、 30分後の自分の感情が予測できていないからです。 欲しくて買った服を着ないでタンスにしまったままにしてしまうのも、 購入後の感情が予測できていないからです。 そう考えると、 問題行動をしたときの感情も、しなかったときの感情も、予測が難しいことになります。 問題行動をしたら後悔することや罪悪感を抱くことは、問題行動をする直前は想像できません。 問題行動をせずに踏みとどまったときの達成感や悦びも、問題行動をする直前にはわかりません。 私たちは、予測が下手だから間違うのです。 予測の精度を上げるためには

  • 優しさ

    「底つき」や「底つき体験」というのは依存症治療の入り口と言われています。 「もうこのままではダメだ」と本人が自覚することで、治療が開始されるということですね。 私は、この底つき体験というのは、ネガティブな感情だと思っています。 つまり、絶望・不幸を見ることで自分が悪い状況に陥っていると気付くんですよね。 しかし、もっと、温かいポジティブな気付きというのもあると思うのです。 それが、優しさに触れたとき。 人は、優しさに触れたときに、恥ずかしさや罪悪感を抱くときがあります。 支えてくれる人の優しさに触れて、「このままじゃだめだな」と感じることもあります。 ちょうど、誰かと握

  • 「価値観が合わないので離婚しました」ってどういうことなのか

    「価値観が合わない」 というのは離婚会見で必ず聞かれますね。 価値観が合う・合わないとはどういうことなのでしょうか。 まず、私たち人間の性質として、価値観が合うところは分かりにくく、価値観が合わないところは目につきやすいです。 幸せは目につきにくく、不幸は簡単に目につくというのと似ています。 人間は損害だったり足りないところに目がいきやすいのです。 だから、パートナーのことが嫌いになってしまいやすいんですね。 放っておけば、嫌なところが目について、「思ったよりもこの人嫌いかもしれない」なんて心境の変化があるもんです。 一度嫌いになってしまうと、価値観の合わないところは簡単に探せますから

  • 一回酒を飲んでアルコール依存症になる確率は?

    酒飲みがみんな依存症になるわけではありません。 一部の方がアルコール依存症になってしまうだけであり、 大多数の人は依存症にならないんですね。 その”一定数”というのはどのくらいの割合なのかというと、 4% らしいです。 どうして、一部の人だけがアルコール依存症になるのでしょうか? ドーパミンが出にくい人? 孤独な人? 辛い環境に置かれた人? ストレス? どれも正解のような気がします。 依存症には多面性があるので、色々な答えが正解なんだと思います。 ところで、酒を飲むということは、そのあとの時間を酔って過ごすわけですから、 「この後の用

  • お金の使い方は自分の心を反映する

    お金が3000万円あったら何が欲しいですか? 精神科の講義で聞かれたのですが、 正直、欲しいものは高級腕時計かなと思いました(笑) しかし、3000万円もあるんじゃもっと高いものをということで、 高級車を第一希望に設定しました。 そんな欲しくもないですが、もらっておいて損はありません。 一方で、友達のA君は自転車が欲しいとのことでした。 自転車か~そんな安くていいの? と聞いてみましたが、今欲しいのは自転車なのだそうです。 これ、実は「偉そうにしたいかどうか」ということが分かるらしいのです。 必要な物よりも高いものを選ぶ人は「偉そうにしたい」 (安くても)必要な物

  • 性依存症に潜む愛着や思い入れ

    競馬で当てた100万円と、仕事をしてコツコツ貯めた100万円、どちらを大切に使いますか? きっと、後者ですよね。 「同じ100万円だからどちらも同じように扱う」という現実的な考えの人は珍しいと思います。 その理由は何故かというと、仕事してコツコツ貯めた方には、愛着や思い入れがあるからなんですね。 人間、「モノはモノ」という冷静な考え方は難しいようで、どうしても気持ちが乗ってしまう。 プレゼントにしても、(貰う方もあげる方も)愛着や思い入れが生じるでしょう。 モノをみながら、「ああ、これは誰々さんからもらったヤツだな」と思い出すというのは誰もが経験していると思います。 いず

  • 「負けを取り返したい」というギャンブル依存症者

    「負けを取り返したい」 この言葉がギャンブル依存症のサインなのだそうだ。 「負けを取り返したい」という願望は、お金が無くならないようにしたいということだから、「安心」を追い求めている。 ここまでは全く問題がない。 しかし、そこで、「ギャンブル」というドキドキ・ワクワクが得られる不安定な娯楽に浸ってしまうのでは、欲しい「安心」という感情が得られなくなってしまう。 もともとは「安心」が欲しかったのに、途中から「不安定感」が欲しいと変化してしまっている。 つまり、欲しい感情がスイッチしてしまっている。 これが心理学的には依存症の本態なのだろう。

  • 絶対的な正しさは存在しない

    日本人は、学校であまりディベートというものをしません。 賛成派と反対派に分かれて議論をすることは、「相手にも立場というものがある」という事実を知ることができて教育上良いのでしょうが。 ディベートの経験が少ない日本人は、何かと不満が多いのではないでしょうか。 政治的にも、ゴシップニュースに対しても。 「けしからん」「お前は自分のことしか考えていない」 などといった不満がヤフコメ欄にも多いです。 結局は、絶対的な正しさというのは存在していなくて、自分には自分の、相手には相手の正しさがあります。 自分の正しさを押し通そうとする人の背景には劣等感やコンプレックスがあり、 さらに

  • これが隣人愛なのでしょうか

    電車の中とかで「ヤンキー」に会うことがあります。 刺青が入っていたり、髪を染めていたり、ダボダボの服を着ていたりするわけです。 そういう人を見ると、以前の私は、なんとなく嫌な感情を抱いていました。 反感というか、「なんだこいつら」というか、そんな感じです。 「この世からいなくなってしまえー」という排除したい思いすら抱いていたかもしれません。 こちらに害がないのに、「迷惑なんだー」と思っていました。(ひどい言いようですね、すいません) しかし、最近は、なんだか、他者が愛おしく感じられることがあります。 この人はどんな仕事をして、どんな家に住んで、どんな暮らしをしているのかな

  • 「カフェ巡りする人」と「行きつけにカフェに通い続ける人」の違い

    カフェ巡りする人がいますね。 インスタで様々なカフェの写真をあげたり。 どちらかというと、収集癖やコンプリート願望に近いものがあるかもしれません。 神経伝達物質でいうと、ドーパミンを求めているのかもしれません。 一方で、行きつけのカフェに通う人もいますね。 これは、「いつもと同じ」という安心を求めているかもしれませんし、 追求をやめて現状に満足しているということなのかもしれません。 初めてのカフェに行ってまずいコーヒーを飲みたくないという「損したくない」という感情もあるかもしれませんね。 幸福な自分を大切にしたいということかもしれません。 神経伝達物質でいうと、オキシ

  • 楽観視と問題行動

    今回は問題行動を実行する上での前提のことを書こうと思いますが、 もう勘の良い読者の方なら、私が何を書こうとしているか分かっていらっしゃると思います。 問題行動の背景には、「今回は大丈夫」「今回はギリセーフ」という楽観視が背景にあるのです。 そういう認知が背景になければ、問題行動はできません。 もし、あなたが問題行動をやめ続けようとしているのであれば、 問題行動に関しては現実的な考え方に改めるべきですよね。 「大事になる可能性が高い」という冷静な判断をすることができれば、問題行動をしなくて済むかもしれません。 ちょっと依存症に対する知識のある方であれば、「耐性」「エスカレー

  • 会話の難しさ

    会話は何気なく毎日していると思いますが、 ふと考えると、難しいなぁと思います。 例えば、相手が 「リンゴが好きなんですよ」 と言ってきたとします。 返事として、 「そうなんですね」 「リンゴが好きなんですね」 と回答したらどうでしょうか? そっけない印象を与えてしまったり、 ともすると、「お前とは話したくない」といった印象を与えるかもしれません。 単に、「了解しました」では円滑に事が運ばないんですね。 考えてみると、 発言した人は相手の返事を予想していたり、続けて話したい事柄があるとわかりました。 つまり、 「どんなリンゴが好きなんですか?」 とか 「

  • 「老害」はなぜ生まれてしまうのか?

    昔はよかっただの、最近の若い奴らはダメだの、 お年寄りが口酸っぱくいうことがありますよね。 どうして、この世代間の争いが生まれてしまうのか考えたのですが、 異文化を尊重できないということは、 自分の人生が幸せでないということなのかな、と感じました。 妬みとは、 ”隣の芝生は青く見える現象” だと思いますが、 これは自分が幸せで満ち足りた人生の人には発動しない現象なんですね。 幸せで満ち足りた人ならば、「そういう文化もあるよねー」と多様性を尊重(許容?)することができるわけです。 あと、不思議なことに、この世代間の争いというのは、 老齢層から若年層に向けての嫌悪感と

  • 想定外の出来事と楽観視の関係

    生きていると、想定外に悪い出来事に直面することがあります。 この「想定外」とは何なんでしょう。 これは、「ずっと順調」という前提があったからなんですね。 たとえば、貯金するというのも、「近い将来では死なない」という前提があるはずです。 椅子に座るというのも、「この椅子は座っても壊れない」という前提があるはずです。 目の前にコーヒーがあったら、「こぼれないだろう」という前提がありますよね。 つまり、想定外の出来事に直面したということは、「ずっと順調」という楽観視が背景にあったということなのです。 もちろん、「ずっと順調」という楽観視はみんな持っているので、それがいけないとい

  • 傷ついた自己愛が求めるもの

    性的に価値がある男性というのは「みんなに求愛される男性」でしょう。 性的に価値がある女性というのは「高嶺の花」でしょうか。 ところで、それを打ち破りたい欲求(つまり天邪鬼的な考え方)が人間にはあるようです。 「みんなから愛されている男性」のことを「私はあの人嫌い」と言ったりします。 「私は一味違う」「お前らとは目の付け所が違う」という風に。 また、「高嶺の花」である女性に同意を得ずに性的接触を図る(つまり性犯罪をする)こともあります。 「俺はこんなことができるんだ」という優越感が得られます。 「私は人と違うんだ」「こんなこともできるんだ」という差別化や優越性の追求を必要と

  • 巡り巡る支え合い

    最近、ふとした時に、私たちは支え合っているというのを感じます。 子供にミルクをあげているときに、このミルクは製造者がいて、運搬する人がいて、陳列・販売する人がいて、ミルク代を稼ぐ私がいて、ミルクを用意してくれる母親がいて、巡り巡って子供のもとに届いているという事実に気が付きました。 ハッとさせられました。 今までは、「金を払って買うもの」という認識だけでした。 だから、なるべく安く買いたいとしか思っていませんでした。 しかし、このミルク代で生活している人もいるという事実をひしひしと感じました。 お金も巡っていますし、サービスも巡っています。 人間の営みについて、俯瞰的に見

  • 問題行動をするときの私の認知のゆがみ

    問題行動をするときは、認知のゆがみがあります。 有名なのは、「痴漢されて喜ぶ女性がいる」とか、「こんなミニスカートを履いているからいけないんだ」などでしょうか。 私の場合、認知のゆがみというか、考え方みたいなもので、 「次こそは理想のシチュエーションになるのではないか」という期待や希望をもって問題行動を続けていたことがあります。 そうでもしないと、気持ちが萎えてしまうので、自分を鼓舞する感じでしたね。 「今やめてしまったら、もったいない」とも思っていました。 もしかしたら、ギャンブル依存症の方に近い考えだったかもしれません。 損失回避ともいいますが、 「今やめてしまって

  • 「本当の自分」と向き合う恐ろしさ

    色々な場面で、葛藤することがある。 ダイエットしたい自分と、お菓子を食べたい自分といった具合に。 色々な場面で、妄想(想像)することがある。 子供を家のベランダから落としてしまったら大惨事になってしまうというグロテスクな想像といった具合に。 人は、目標と正反対のことや、思ってもいないことが頭に浮かぶときがある。 欲に負けていたり、グロテスクだったり。 ところで、「怖いもの見たさ」という言葉がある。 何かに対して恐れる自分もいれば、興味があって見てみたいという自分もいるということだろうけれど、 じゃあ、恐れる自分と興味がある自分はどちらが本当に自分なんだろう、という疑問が

  • 自分の内面に切り込みたい

    自分の内面に切り込みたいと思っています。 どうして、性の問題行動をしたいのか。 そこを突き詰めたいのですが、なかなか難しいです。 その「性の問題行動」についは、ラスボスとして取っておこくことにして、 今は、身近な物事について、自分はどうしてこのような思考になるのだろう、と考えてみるようにしています。 色々な自分がいます。 馬鹿にされたくない自分 自慢したい自分 特別になりたい自分 貢献したい自分 能力があると思われたい自分 モテる自分 衰えない自分 力強い自分 被害者な自分 「これくらいいいでしょ」という甘い自分

  • 言葉にしてみると

    私が精神科医だったら、ご本人(患者さん)と家族に、性依存症をどう説明するか、考えてみました。 家族には、こう説明すると思います。 「ご主人のことを応援したい自分と、叱責したい自分がいませんか? 優しく接することができるときもあれば、そうでない時もあるでしょう。 依存症も似ていて、やりたい自分とやめたい自分のせめぎ合いなんです。 安全に過ごせる日もあれば、渇望だらけの日、はたまたスリップしてしまう日もあります。 しかし、やめたい自分を応援し続ければ、やりたい自分を懲らしめ続ければ、 いつかは安寧な生活にたどり着くことができて、それを回復と呼びます」 罪悪感、自己治療仮説、

  • デイケアという居場所について

    「メンバーさん」 デイケアに初めて参加したときに、この言葉に戸惑った。 こんな言葉聞いたことがなかった。 ちなみにどういう風に使われていたかというと、 ミーティング中に、「この前、メンバーさんと食事に行ったのですが…」 などと使われていた。 私は、「メンバーさん」という言葉に違和感を覚えた。 どちらかというと、デイケアの利用者なのだから「ユーザー」なのではないかと思ったからだ。 しかし、私は、この「メンバーさん」という意味を徐々に分かり始める。 少し昔話になるが、 私が彼女と結婚することになり、相手方の親族と会うことになった。 当時はすごく不安だった。 精神科に

  • 「毒舌」な人はどんな人なのか

    「すごな~、私はかなわないな」と相手を立てることができない、そんな人は自己肯定感がない人でしょう。 自己肯定感がないから、相対的に優位に立ちたい。 だから、相手との比較をして、勝とうとしてしまうのでしょう。 その症状の、分かりやすいものが、「毒舌」です。 「あいつはバカだな」「くだらない」 そんな風に、他人を馬鹿にすることで、自分の優越性を他人に誇示します。 一方で、絶対に勝っている相手には優しくなれる。 子供が列に割り込んできても、あまり怒らないんです。 それは、相手が所詮「子供」だからです。 自分の優位性を脅かすような存在ではないので、張り合わないで済むのです。

  • 「自分はしっかりやっているのに」という状態は危険なのかもしれないですね

    「自分はしっかりやっているのに」という考えは危険かもしれません。 「お前も私と同じくらいやれ」ということですよね? 何が危険なのかというと、 嫌なことをやっているという現状 他人に対してコントロール願望があるということ の2点でしょうか。 「しっかりやっているのに」というのは、嫌々何かをやっているということです。 学生の時の掃除当番とか、自分がしっかり掃除しているのに、さぼっている人がいたら嫌だろうと思います。 しかし、人生において嫌々やっているというのは損ですよね。 「掃除している方が先生の評価が上がって得だからやる」 「掃除している方が気分が良くなる

  • 人生の大局観

    人生は決断の連続です。 直感・運・ご縁 引っ越し、結婚、就職、受験。 人生において大きな決断を迫られるときに、私たちは予測します。 上手くいきそうか、失敗しそうか。 その予測は正しいでしょうか? 実は、情報不足のために、正しい決断は極めて難しいと思います。 引っ越しするまえに、物件見学をしてから決めると思いますが、 見学しただけではわからないことが沢山あります。 結婚だって、相手の分からない部分がある中で決めなければいけません。 就職や受験も、入ってみるまで分からないですよね。 人生は、一本道で、一方通行です。 Aという道と、Bという道に分かれているときに、

  • 1年半の治療を受けて

    本noteは数年前に執筆したものをリライトしたものです。 依存症治療の世界に入って、1年半が経過した。 1年半は自分にとっては長かった。 大学を出てから、初めての無職・無給期間となり、今まで縁のなかった精神科に定期通院したというのは、私の人生で大きな意味をもつ。 そんな1年半の間で、たくさんの出会いがあった。 私がお会いする性依存症の人は全員男性で、半分くらい配偶者がいる。 そして、配偶者がいる男性のほとんどが、配偶者との関係で悩んでいた。 離婚する人もいれば、言い争いが絶えない人もいた。深夜にケンカになるといった声も多かった。 私の場合、夫婦関係は精神科に行くことで

  • 自己肯定感がない人の症状「他人の不幸が嬉しい・他人の成功が妬ましい」

    ”他人の不幸は蜜の味”ともいわれますが、まさにその通りと思いますね。 自分が情けないな、うまくいっていないな、と思っているときは、 他人の不幸が嬉しかったり 他人の成功が妬ましい なんてことありませんか? 私は結構あったんです。 自己愛性パーソナリティーの影響からか、 自分より下の人を馬鹿にして生きていく一方で、 自分より上の人がいるとものすごく妬ましい気持ちになります。 ”どす黒い嫉妬”と”自分を高めたい欲求”が脳内を支配します。 この嫉妬や自分を高めたい欲求というのは、とても強くて、なかなか抑えることができません。 ずるしてでも勝ちたい

  • 人生の大原則(相互理解に向けて)

    本noteは数年前に執筆したものをリライトしたものです。 今まで生きてきて、いろいろなことを学んだ。 原則としては、 他人をコントロールしようとしてはいけない(対立を生む) 他人を否定してはいけない(相手の態度が硬化する) この2つが、本当に大切だと思っている。 特に、妻や母親との関係を通して、人間関係について学ぶことが多かった。 相手に対して、何かをしないで欲しいと思うor何かをして欲しいと思う、ことは多いと思う。 私も多かった。 例えば、コロナワクチンの接種について。 私は打ったし、母親にも安全のために打って欲しかった。 相手をコントロールしたか

  • 心の老化は「興味の喪失」から?

    最近、周囲をよく観察するように努めているけれど、 とくに、街中にいる子供たちの言動が気になる。 ある子どもは、足元にあるタイルに沿って歩いていた。 「赤色のタイルを踏んだら、負けなんだよ」 と親に自分の決めたゲームルールを教えて(強要?)していた。 ある子どもは、お菓子に書いてあるキャラクターをしげしげと眺め、 同じお菓子でも、パッケージに書かれているキャラクターが違うので、 どのキャラクターが描かれている商品を買うか厳選していた。 思い返せば、私も昔は似たようなことをしていたと思う。 しかし、今では足元のタイルには全く興味がないし、お菓子の包装にも全く興味がない。

  • 大切な人には相談できない悩みがあってもいい

    「法を犯した、借金がある、じつはアルコール依存になっている。」 そういう悩みは、大好きな人や大切な人には相談しない(できない)ことが一般的です。 相談できない。 相談したくない。 知られたくない。 なぜなら、それは相手が大好きな人や大切な人であったら、その関係を壊したくないからです。 自分のすごさを見せつけている相手には、弱い自分は見せられませんし、 普段大切な人との関係においてあなたが「いい子」を演じていたら(自分の良い面を強調していたら)、自分の邪悪な部分は相手に見せられません。 「自分の弱みを見せても、関係が壊れないだろう」という楽観視ができる人は

  • 女性の盗撮犯がいないのはなぜ?

    女性の盗撮犯はほぼいません。 服装倒錯(異性の格好をする)ひともほとんどが男性です。 痴漢をするのも男性がメイン。 なんで、女性は性的な問題行動をしないんでしょうか。 テストステロンというホルモンのせいもあるかもしれませんが、 男性は異性である母親に育てられる一方で、女性は同性の母親に育てられるという生育上の差異も影響しているようです。 男性は、自分の父親を殺して、母親とセックスしたいという願望(エディプスコンプレックス)を持っているとフロイトは考えていました。 一方で、女性は自分の母親とはセックスできないとあきらめるのだそうです。 そのあたりの、母親との関係が、成人し

  • 「生きる」の対義語は何ですか?

    ※本noteは数年前に執筆したものをリライトしたものです。 高校の時に、校長先生の話を生徒みんなで聞くという授業があり、 「生きるという言葉の対義語は何ですか?」という質問をされました。 みんな、「死ぬ」なんじゃないかと思っていたら、校長がこう言いました。 生きるの反対は死ぬではありません。 死ぬの反対は生まれるです。 生きるの反対は「生きていない」なのです。 つまり、 生まれると死ぬというのは、人生を時間軸で見たときの両端です。 生きるというのは、人生の過程である「今、ここ」に向き合うことです。 この校長先生の話は記憶に残っているんですよね。 今日は、そんなこ

  • 哲学的な雑感

    ※本noteは数年前の執筆をリライトしたものです 最近は、朝6時台に起床し、7時過ぎには出勤することが多くなりました。 私の人生において、こんなに早起きをする経験は少なくて、 この朝方の生活はなかなかなれません。 朝起きると、妻と子供が仲良く横に並んで寝ています。 子供の寝顔からは、母親に守られ安心している穏やかさを感じます。 妻の寝顔からは、子供を守る母性を感じます。いつも、妻は子供の方を向いて寝ていて、手で子供を包んでいるときもあります。 私は、彼女たちの健やかな温かみのある寝顔をみてスタートする一日が大好きです。 朝は、妻が水筒に水を入れて用意してくれています。

  • 『居るのはつらいよ』を再読

    『居るのはつらいよ』を再読した。 居るのはつらいよ: ケアとセラピーについての覚書 (シリーズ ケアをひらく) amzn.to 2,120円 (2025年03月07日 22:43時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する 心理士の主人公(筆者)が沖縄のデイケアで働き、経験したことを綴った物語だ。 私も一年ほど無職でデイケアに通った。 今も、頻度は減ってしまったが、デイケアに通っている。 だから、とても興味深く読めた。 今回読んでみて注目した点がいくつかある。 まず、デイケアに参加する人は

  • パラリンピックに感動をもらう

    パラリンピックを見ていると感動する。 なぜなら、自分も性依存症という立場で、障害のようなものがあると自分で考えているからだ。 なにせ、自立支援医療を利用していて、役所の窓口に行こうとすると、「障がい者窓口」を案内される。 ああ、自分は障がい者なのか、と落胆した時期もあるが、確かに色々な人に助けけられて生きているというのは全くその通りだと思う。 いまでは、自分にはハンディキャップがあり、サポートがないと生きていけないと考えているし、 他人に迷惑をかけるタイプの障害なのだから、サポートをうけるのが責務だと感じている。 水泳の視覚障害の方(網膜色素変性症という病気で、二十歳くらい

  • 認知のゆがみ 例外者

    <例外者>とは、フロイトが指摘している。 「人間が誰でも、自分は『例外』だと思い込みたがること、そして他人と違う特権を認められたがるものであることには疑問の余地がない」。 こうした理由は、子どもの頃に味わった苦悩と結びついていることが多いそうだ。 「自分は十分に苦しんできた」と思っている。 だから、不公正感を抱いたり、賠償を取り立ててみたり、自分が<例外者>であることを要求する権利があると主張することが多い。 なんだかんだ、色々な問題を抱えている人の特徴として多いのは、不遇な家庭環境など、幼少期の満たされなかった経験だろう。 私も、思春期の頃に家族関係で苦労した経験があるが

  • 優性思想

    昔、Daigoさんが炎上しました。 生活保護には価値がないという発言をしていましたね。 価値って何?という話にもなりそうですが、 端的に言うと、このような発言は優性思想という思想なのだそうです。 【優性思想】 身体的、精神的に秀でた能力を有する者の遺伝子を保護し、逆にこれらの能力に劣っている者の遺伝子を排除して、優秀な人類を後世に遺そうという思想。優生学の成果に立脚する。人種差別や障害者差別を理論的に正当化することになったといわれる。 私は、Daigoさんの話を聞いたときに、自分にもそのように考えてしまう側面があるというのを感じました。 私も、特権意識みたいなものがあり、

  • 忙しいのがリスクなのか暇なのがリスクなのか

    先日、精神科で話題に上がったのが、 忙しいと問題行動をしなくてすむから、忙しくしています、という意見と 忙しいと問題行動をしたくなるから、休むようにしています、という意見。 皆さんはどう考えますか? 忙しい方が危険ですか?暇な方が危険ですか? ちなみに、私はどちらなのかと考えてみると、どちらも危険なような気がします。 問題行動をしていたころを思い出すと、 仕事が忙しいときに問題行動をしていたこともありますし、 暇でどうしようもなくて問題行動をしてしまったこともあります。 私の感覚では、 忙しいとストレス(のようなもの)が溜まってしまい、問題行動に走るリスクが増します

  • ギャンブル依存に学ぶ

    先日、精神科に行ってきた。 ギャンブル依存症の講義があって、興味深かった。 特に、興味深かったのは、ギャンブルをやる目的は何ですか?という質問に対する解答だ。 性依存であれば、問題行動をやる目的は何ですか?という質問にどう答えるか、と考えてもいいと思う。 よくある解答が、お金を増やしたい、性欲を解消したい、だと思うが、もちろんそれだけではない。 そういった短絡的は思考の場合もあると思うし、少なくとも問題行動を最初にしたときは、そういった思考だったと思う。 しかし、依存症となってしまうまで、問題行動を反復してしまう理由とはならないだろう。 お金を増やしたい、ということであれ

  • 普遍的ストレス処理能力など

    普遍的ストレス対処能力とは、 1 「有意味感」を持てること 2 「全体把握感」を持てること 3 「経験的処理可能感」を持てること なのだそうだ。 最近、講演会を聴いて得た知識だ。 有意味感というのは、今は興味の無いタスクにも 「今は面白みがわからなくても、そのうちに・・」 「まあ将来的に何かの役にたつかも・・」などのように考えることができる感覚のことで、 計算づくの納得ではない、「鈍感力」のようなものだそうだ。 全体把握感というのは、時系列(プロセス)を見通せる感覚。 「今は厳しいが、あと2週間すれば・・・」 「今週末は出勤だけど来週は二日有休で」 などと考えることで、膠着

  • 性依存症は誰でもなりうる病気なのか?

    性依存症は誰でもなってしまう可能性のある病気だ、という意見がある。 だいたいが、性依存症者に対して言ってくれている温かい言葉のことが多くて、 「誰でもなることがあるんだから、気にするな」 という優しいメッセージなのだろう。 しかし、考えてみると、誰でもなる可能性があるというのであれば、性依存症者は色々な人がいるということになる。 強気な人、弱気な人、高学歴な人、低学歴な人、友達の多い人、友達の少ない人。 色々な人が性依存になるはずだ。 だが、実際は性依存症の人を見てみると、一定の傾向があるように感じる。 少なくとも、金髪で入れ墨が入っているような性依存症の人に、私はあっ

  • 出口と入口と伸縮性の話

    近所の無印良品は入店制限をしていて、入口と出口が決まっていた。 人が多すぎたら、入口でならんで待たされた。 ふと、人間のストレスとかそういう精神的なものも、入口と出口があるのではないかと思った。 仕事でストレスが生じる。 仕事とは別のことで息抜きする。 現代人はそんな風に生きていると思う。 ストレスがなければ、人生に張り合いが生まれないし、 息抜きがなければ、ストレスが溜まる一方だ。 そして、このように人間を容器のように例えたときに、その容器が破裂なり破損なりしてしまったのが、精神疾患なのではないか。 そして、精神疾患にかかりにくい人は、風船のように伸縮性をもった容器

  • 両価性感情

    最近思うのが、両価性感情というのは色々なところに潜んでいて、 私たちは、勘違いしている、ということです。 例えば、好きの反対が嫌い、だと考えているひとが多いですが、 好きの反対は無関心です。(嫌いの反対も無関心です) 好きだからこそ嫌いになれるという状況もありますし、 相手に関心があるからこそ、好き嫌いというレッテルを貼りたくなります。 例えば、とても好きなお菓子があったときに、味はいいんだけどパッケージが気に食わないとかそういう感じです。 「どうでもいいや」にならないというのがポイントで、対象にとても強い関心があるということです。 人に対しても同じことが言えます。

  • 収入の断捨離

    何も持たないで生まれてきたということを思い出すようにしている。 地位も名誉も金も家族も、何もなしで私は生まれてきた。 生きていくうちに、色々なものを獲得してきた。 同時に、色々失ってきた。 私は、人よりも失う機会が多かったと思う。 依存症のせいだ。 依存症という病気のせい、というよりは自分のせいといった方が適切かもしれない。 今日は、その議論をしたいのではなくて、人生における獲得と喪失のことを話したい。 獲得することは、善なのか。悦びなのか。 失うことは、悪なのか。悲しみなのか。 よく考えていくと、この答は難しい。 確かに、勉強して知識を得たり、友達が増えたりする

  • 成長しているところ

    問題行動をしたいと思うことがある。 ふと頭に浮かんで、問題行動ができたら幸せだろうなと思う。 しかし、そこで、自問する。 「幸せ」とは何か。 幸せの定義が問題行動では悲しいではないか。 依存症になると、幸せの定義が乱されてしまう。 その定義を正したいと思っているが、なかなか難しい。 文字通り、染みついてしまっている。 でも、今は、自問できる自分がいる。 ここが、治療を頑張ってきた成果だと思う。 問題行動を実行する前に時間稼ぎができる。 問題行動のことを考えてしまっても、飲み込まれることなく、冷静に立ち止まることができる。 まいた種が、小さい芽を出している、そんな

  • 問題行動で満たそうとしていた感情

    突然ですが、読者のあなたにお尋ねします。 問題行動で満たそうとしていた感情は何ですか? 脳科学と心理学の復習 問題行動の原因が性欲ではないというのは、以前お話ししました。 性依存症の原因は性欲ではない|性依存症からの回復|(旧)性依存.com 性欲ではないのです。性欲だったら、勃起しているのが必須ですが、性犯罪では勃起していない人が多いのです。 では、なぜ問題行動をしていたのか。 脳科学的には「ドーパミンが欲しい状態」だったから、問題行動をしていたのです。 問題行動の結果で得られる神経伝達物質(脳内物質)がドーパミンです。 脳科学的に依存症をみると、ドーパミンという言

  • 相手のこころ・自分のこころ~村上春樹『ドライブ・マイ・カー』を読んで~

    「どれだけ理解し合っているの相手であれ、どれだけ愛し合っている相手であれ、他人の心をそっくり覗き込むなんて、それはできない相談です。(中略)しかし、それが自分自身の心であれば、努力さえすれば、努力しただけしっかり覗き込むことはできるはずです。ですから結局のところ僕らがやらなくちゃならないのは、自分の心と上手に正直に折り合いをつけていくことじゃないでしょうか。本当に他人を見たいと望むのなら、自分自身を深くまっすぐ見つめるしかないんです。」 村上春樹「ドライブ・マイ・カー」 相手のこころをみるのは、一見すると簡単なように感じる。 あの人は恥ずかしいんだな、緊張しているんだな、自信がある

  • 二種類の酒飲み

    「世の中には大きく分けて二種類の酒飲みがいる。ひとつは自分に何かをつけ加えるために酒を飲まなくてはならない人々であり、もうひとつは自分から何かを取り去るために酒を飲まなくてはならない人々だ。」 村上春樹「ドライブ・マイ・カー」 というセリフが村上春樹の「ドライブ・マイ・カー」という短編小説に出てくる。 たしかに、その通りだと思った。 何かを手に入れたくてやる行動よりも、現実逃避であったり、何かを取り去るための行動の方が依存しやすいと思う。 特に、それが、自分自身を失う行動、不幸になる行動、自傷的な行動のことが多い。 心の中に何かトラブルを抱えていると、人は自分自身を傷つけたく

  • 好かれる人の4つの特徴

    憧れ 共感 同情 なんじゃこりゃ 大ヒットする漫画の主人公は、上の4つの特徴のどれかを有するそうだ。 憧れは、ドラゴンボールの悟空。 共感は、ちびまる子ちゃん。 同情は、鬼滅の刃の炭次郎。 なんじゃこりゃは、ボボボーボ・ボーボボの主人公。 が具体例らしい。 確かに、私も、漫画のキャラクターに 憧れ 共感 同情 なんじゃこりゃ を抱いていたと思う。 特に、漫画「ワンピース」に出てくるキャラクターは、4つの特徴がバランスよく配分されていたような気がする。ナミの生い立ちには同情するものがある。ルフィーは憧れでもあり、なんじゃ

  • ディズニーランドいくときの渋滞で険悪なムードになるのはナンセンス

    今日の話は、精神科で聞いて、「なるほどな~」と思った話が元ネタとなっています。 楽しむために、ディズニーランドへ向かうとします。 そこで、渋滞にあい、険悪なムードになる(イライラする)。 こういう状況って、似たようなことは誰でも経験があると思います。 本来は幸せになるために○○したのに、途中で怒りやイライラが生じる。 あれ?当初の目的は?楽しむためだったんじゃないの? という感じです。 「結婚してから離婚」もそうかもしれません。 途中で険悪になるくらいなら、ディズニーに行く計画や、結婚はしなければよかったということになります。 人生をうまく生きるコツは、 あれ?当初

  • 幸せは目に見えなくて、不幸は目に見える

    幸せは目に見えなくて、不幸は目に見える。 幸せはゆっくりやってくるが、不幸は突然やってくる。 これはテレビ番組で紹介されていた言葉だ。 とても共感した。 不幸というのは、どれも、目に見えるし、突然やってきた。 幸せというのは、最近だと、子供とお風呂に入ったり、おいしい夕飯が食べられたり、妻と話したり、読書していたり、そういった日常の場面で感じることが多い。 ありふれた毎日に幸せが隠れている感じがしている。 どれも、目立つことではないけど、とても大切なことだ。 そして、それらは目に見えないし、ゆっくりと育まれるものだと思う。

  • 論破するのではなく他人との線引きを

    口論が起きているのをみました。 「俺はこう思う」という主張をぶつけ合っていました。 論破しても相手に残るのは劣等感なのに… 信頼している人からの言葉じゃないと響くわけないのに… 私は自分からみたら不快なメッセージなどがあっても、「あなたはそう思うんですね」と、それ以上なんとも思わないようにしています。 別に、その人の考えを変えたいとも思いませんし。 他人との線引きというのは重要ですからね。

  • 偽善

    今日は、偽善しかないですよ~という話をしたいと思います。 そもそも、「善」って何という話題です。 自分の為に行う行動 自分の為に行う行動は、そんなにトラブルが起きません。 たとえば、 疲れたから休む。 モテたいから筋トレする。 それらは、良かれと思ってやっていることで、本当に良いことだったかを判断するのは、結果です。 つまり結果論というやつです。 そして、結果が良ければ、繰り返すんです。 疲れたから休んでみると、すごく調子がいいのであれば、その人はしっかり休みをとる習慣ができるでしょうし、 筋トレしたらすごいモテたということであれば、筋トレ大好き人間に

  • 大切な人の前での自分・匿名サイトでの自分

    大切な人からどう見られるか意識していますか? 誰もが意識すると思います。 そういう時は、よそ行きの自分(つまりは、良い部分)を見せようとします。 ちょっと疲れるかもしれませんが、トラブルは起きないでしょう。 一方で、正反対の状況が、匿名サイトです。 自分の素性は誰も分からないから、攻撃的な自分や陰湿な自分、自慢したい自分、構って欲しい自分、注目されたい自分(つまりは、悪い部分)が出てくるでしょう。 スッキリするかもしれませんが、トラブルが起きてしまうかもしれません。 本当に、人間の心理って面白いです。 私から、助言させていただくとすれば、 大切な人と対峙している時でも、「別に嫌われたっ

  • 「いい人」を捨てる

    他者との関わり合いの中で、好かれたいと思うことがあります。 なぜかわかりませんが、「普通」では満足できなくて、好かれたいと思ってしまいます。 そうすると「いい人」を目指してしまいます。 「いい人」を目指してしまうと、疲れます。 それはあなたの人生ではなくなってしまいます。 「あなたがしたいこと」ではなく、「他者がしてほしいと思っていること」をする羽目になってしまいます。 過度に、「他人から好かれたい」と願うのはやめましょうよ、という私の提案です。 これぞまさに、”嫌われる勇気”ですね。 でも、「他者から好かれたい」と思う自分も認めてあげると楽になると思います。 結局は

  • 自己肯定感と依存症

    現状に満足して「ああ、幸せだな」と感じることができる人はなかなか多くないと思います。 常に、何か欲しかったり、何かを目指していたり。 向上心や成長といえば聞こえはいいのですが、 結局は自己肯定感がないのだと思います。 ブランド物を買ったり、お金を稼いだり、高学歴を目指したり、整形手術をしたり、 そんな”努力”をして、誰かに自慢する、舐められたくない、そういった人は自己肯定感がありません。 今の時代、簡単にSNSで自分より”上”が見つかってしまいますから、誰かに自慢する、舐められたくないという願望にはキリがないし、承認欲求を長期的に満たし続けるのは難しいですね。 自己肯定感

  • グリップ

    最近、「グリップ」というワードが気に入っています。 一瞬幸せになることって簡単です。 しかし、幸せを掴み続けることって大変だと思うんです。 この、「掴み続ける」というのが、最近の私のテーマです。 当然、人間ですから、波があります。 掴む力が強いときもあれば弱いときもあります。 掴み続けるためには、弱いときも、幸せを握りしめていなければなりません。 すると、大切なのは、掴む力が弱くなりそうだな、という予兆を感じ取る能力や継続力です。 自分が危ない状態になったら、自分で(あるいは人に相談して)うまく対応する。 着実にやるべきことを実行していく忍耐力。 このあたりをポイン

  • 自分との信頼関係

    人は、誰かの意見を正しいか正しくないかではなくて、意見を言ったもののことを好きか嫌いかで判断しています。 なので、本当の賢者は、相手からの信頼を得てから、進言するようです。 たしかに、「これは、こうした方がいいよ」というアドバイスも、好きな人から言われると「なるほど」と思いますが、嫌いな人から言われたら「うっせえわ」となるかもしれませんね。 ところで、私は、一つの考えが頭をよぎりました。 自分自身の言葉についても、上の考え方が適応されるのではないか、という考えです。 つまり、自分との約束である決心や、自分自身を慈しむことも、自分に対する言葉かけですが、その言葉がけは自分との信

  • 私にとってのミーティング

    ミーティングというのは、向き合う場所であり、秘匿しない場所だと思っている。 自分の感情・心理(特に邪悪な自分) 向き合いたくない現実 過去(特に後悔している過去) これらのような、普通は人に話したくない弱みを共有する場だと思う。 自助グループでは、 「私は性に対して無力であり、思い通りに生きていけなくなったことを認めた」 という、いわゆる12ステップの中の、最初のステップがある。 これこそ、まさに、一番隠しておきたい部分だと思う。 自分は性に無力で、思い通りに生きていけないなんて、とっても格好が悪いし、 思い通りにできないというあたりが、本当に情けな

  • グッドライフプラン

    以前、精神科で、グッドライフプランを扱いました。 仕事・自立 お金 知識・教養・自己啓発 コミュニティ 人間関係 恋愛・家庭 健康・食事・睡眠 精神・感情・心の平穏 時間・趣味・遊び この、9項目が幸福度を決めているのだそうです。 最近、こういう事実を忘れかけていて、「お金」「仕事の自己決定権」ということばかりを考えていた自分がいます。早く、仕事で独立したい、そう思っていました。 しかし、それだけが幸福ではありませんよね。 今日の講義で、この9項目をみてみると、1や2ばかりに目が行っていたんだなぁと反省しました。 それ

  • ドラゴンと恐怖

    ある若者が、寝る前にドラゴンが出現して襲われそうになるという恐怖と直面していました。 本当に目の前にドラゴンが現れてしまい、困っています。 若者は、カウンセラーに相談に行きます。 すると、「ドラゴンは実在しないから、大丈夫」と正論をカウンセラーから言われてしまいます。 「いや、しかし、ドラゴンが出てくるんだ」といっても、カウンセラーは聞く耳を持ちません。 若者は、それ以降も様々なカウンセラーに悩みを相談しますが、一向に解決しません。 「ドラゴンはいない」といわれるだけです。 しかし、ある日、一人のカウンセラーに出会いました。 「いやぁ、ドラゴンに襲われそうになるなんて、

  • 手段が目的化してしまうのが依存症

    手段と目的を明確に分けて考えると、 お金は手段です。「お金を使って○○する」という構造だからです。 飲酒も手段です。「飲酒して○○という感情を味わう」という構造です。 怒りも手段です。盗撮も手段です。 しかし、人間は、だんだんと手段と目的が逆転してしまうことがあります。 お金を集めるのが目的。 飲酒するのが目的。 怒るのが目的。 盗撮するのが目的。 最初は、手段だったものが、だんだんと目的になることがあるんですね。 こうなってしまうと、もうこれは依存症なんです。

  • 「依存症はどんな病気ですか?」と聞かれたら、あなたは何と答えますか?

    タイトルにもある通り、「依存症はどんな病気ですか?」と聞かれたら、あなたは何と答えますか? 「依存症はどんな病気ですか?」と聞かれたら、私は以下のように答えます。 依存症は、「問題行動ができる」と期待したとき、ドーパミンが出たり、理性を司る前頭前野の血流が落ちてしまい、自分の行動が制御できなくなる病気です。 これを、依存症じゃない人に説明して理解を得るのは相当難しいと思います。 やりたいから、やっているんじゃないの? 自分の行動が制御できないって何? こういわれてしまうと思います。 あなたなら、どう反論しますか? やりたいから、やっているんじゃないの?

  • three good things

    three good thingsは、ポジティブ心理学で有名なペンシルベニア大学のセリグマン博士が行った研究が元になっています。 研究では1000名以上の被験者に対し、寝る前に今日の良い出来事3つを書き出してもらいました。 すると、幸福に関するさまざまなメリットがあったのです。 ということで、私もthree good thingsを導入してみたいと考えています。 毎日、寝る前に、その日良かったことを3つ思い描きたいと思います。 ちなみに、今日ですが、 「バーミヤンで友達と話をして楽しかった」 「友達からプレゼントをもらってすごくうれしかった」 「ボクシングと筋トレを頑張

  • 悔恨→(加虐性)→復讐

    人の奥底に沈んでいる心理として、 悔恨があり、そこから復讐心が燃えていることもあるようです。 私も、中学生時代の失恋を機に、女性嫌悪が生じ、 「俺様を舐めるんじゃねぇ」 という復讐心があるのではないか、と考えています。 だから女性を傷つけたいのかもしれません。 無意識の話なので、理路整然と説明することは無理ですし、あくまで仮説の話なのですが、 私の中には、邪悪な自分や加虐的な自分もいると思っています。 これらを適切に放出といいますか、ガス抜きすることができずに抑圧してしまっていたので、性依存という形で暴走してしまったのではないかと推察しています。 殺人などの凶悪犯罪事

  • 「やらなきゃいけないこと」はやめましょう

    「やりたいこと」はやりましょう 「やらなきゃいけないこと」はやめましょう というセリフをあるドラマで知りました。 いい言葉だと思います。

  • ウサギとカメの心理

    イソップ物語に出てくる「ウサギとカメ」の話の解釈について。 一般には、 カメのようにコツコツ努力しましょう ウサギのように油断してはいけません という教訓がこの物語には込められていると考えられています。 しかし、目的論で考えると、 ウサギは他人を見下すために走っていた、ウサギは優越感を得るために走っていた カメは歩くこと自体が楽しくて歩いていた という解釈もできるのだそうです。 確かに、ウサギはカメとの距離を気にしていました。カメと大差だから休もうとしました。 一方で、カメはウサギのことなど気にすることなく、ただただ前に進みました。 競争を

  • 錯覚と依存症

    依存症の治療とは 依存症の問題は、脳内報酬系の異常が背景にある。 問題行動をするとドーパミンが分泌されるようになってしまったのが、依存症だ。 そうなると、治療は ①問題行動をしてもドーパミンが出ないようにする ②問題行動ができないようにする ③ドーパミンが必要ないようにする ④我慢する といったところだろう。 ①は現在の科学では無理。 ②は行動療法。(性犯罪でいえば、収監されているとか、外出しないようにするとか) ③は薬物療法や運動療法。 ④は日記を書いたりして、問題行動のない日々を続けようと努めることかもしれない。 依存症は”錯覚”である 今回は、特に①で

  • 錯覚

    なにか対象があったときに、事実は事実として存在しているが、 それを感じ取る観察者としての「私」が必ず存在している。 「客観的な事実」と「私から見た事実」というのは微妙にズレていることが多い。 上の図はよくある錯覚だ。 「横線は上も下も同じ長さなんですよ」という客観的な事実も大事だが、 「下に描かれている横線の方が長く感じられる」という主観的な事実も大切だ。 これもそうで、中央にある丸の大きさが、実際は同じだが、違って見える。 人間は事実をありのままに感じ取るのではなくて、必ず何かしらの解釈が存在してしまう。 解釈。 これが、曲者なのだ。 この、自動的にされてしま

  • 差別

    差別とは、自分とは異なる性質を持つ他者に対して、その人を個人として批判するのではなく、その人が属していると思われる集団のスレテオタイプに結びつけて短絡的な判断をすること と定義したい。 差別をしないためには、個人を個人としてみることが大切だ。 たとえば、「黒人」という枠ではなく、「○○さん」という個人として接すればよろしい。 どうしても、スレテオタイプは存在する。 「アフリカ人」は足が速い 「ユダヤ人」は聡明 「ロシア人」は酒に強い などと、私の中にもスレテオタイプは存在する。 ステレオタイプというのは、その人が過去に与えられた情報によって、なかば自動的に作られてしま

  • 劣等感から生じる激しい自己否定によって人の心が破壊される

    人は、自分の存在意義を考えてしまう生き物です。 そんな時に、自分の存在意義が「○○が周りと比べて得意だから」などと条件付きの人がいます。 条件付きの自己愛というのは、自己否定感につながります。 人はどんなに優れているように見えても、欠点が存在します。 行き過ぎた条件付きの自己愛は、その欠点が許せなくなってしまうのです。 じゃあ、どうすればいいのか。 能力や性質に焦点を当てる態度を改めるべきです。 自分が精いっぱい努力しているところ、懸命に生きているところ、成長、といった点に着目してみるのはどうでしょうか。 周囲の人間と比較するのではなく、過去の自分と比較してみるのはどう

  • 教え魔

    教え魔というワードが最近有名なようです。 ボウリング場などで、他人に教える行為がよくみられるそうなのです。 そして、別に教えてもらいたくない人にまで教えてしまう人がいて、トラブルとなっているようです。 この、教え魔について、今日は書いていきます。 背景にあるのは権力意識・承認欲求 アドバイスという行為によって「自分が上という権力意識」が得られます。 アドバイスすることで、自分の影響力は強いと錯覚しやすく、「もともと権力志向の人が教え魔になりやすい傾向がある」という結果でした。 教え魔の心理には、「承認されたい」「他人に影響力や権力を行使したい」という欲求があるというわけで

  • 人間関係のバランス

    社交とは、他人に合わせることであり、自分を捨てることだ。 誰かと接するためには、個性や気分の相違の為に、必ず不調和が生じる。 人前では、「いい自分」「社交的な自分」を演じてしまい、帰宅したらドッと疲れが押し寄せてきたという経験がある人も多いだろう。 社交とは、頑張ることであり、疲れることなのだ。 一方で、自己の内面の空虚と単調から社交の欲求が生じるのもまた事実である。 孤独を避けたいというのは、人間の根源的な欲求の一つだ。 まとめると、孤独を解消したいという欲求もあれば、社交で不調和が生じ疲れてしまうという性質もあるのが人間だ。 なんとも、生きにくい矛盾を抱えている。 じゃあどうすれば

  • 幸せの基礎体温

    今日は精神科でのデイケアがあった。 その時の講義で、「幸せの基礎体温」という話があった。 依存症になりやすい人はどういう人か?という問いの答えとして、 幸せを感じにくい人 というのが答えなのだそうだが、そういう風に幸せの感じ方には個人差があるのだそうだ。 それを「幸せの基礎体温」と院長は表現していた。 実に分かりやすい表現だなと感心した。 私はこれを聞いて、自分は幸せの基礎体温が低いなと思った。 私は、ナイーブで、内向的な性格だ。 幸せの基礎体温を下げる要素を考えてみた。 上方比較(自分より上にあるものと比較して、自らを卑下すること) 恥(なんらかの比較の

  • 多くの人を巻き込みながら生きていくこと

    最近は、人間関係を非常に大切にしている。 家族、恩師、主治医、上司、お世話になった関係者、隣人、職場の従業員、精神科の仲間 以前とは比べ物にならないくらい、人間関係を密にしている。 挨拶、手紙やメールでの近況の報告などを積極的に行っている。 そうしていると、多くの人を巻き込みながら生きている感じがする。 今までは、どちらかと言うと、「信じられるのは自分ひとり」といった信念で生きてきた。 人を蹴落とすのが大切なんて思っていたこともある。 今は、多くの人と助け合いながら生きていきたいと思っている。 私は、多くの人に助けられているので、 何か皆の役立てないかと思いながら、特

  • 「詳しく聞かせてもらってもいいですか?」

    世の中にはテクニックというものが存在する。 そういったテクニックを利用しない手はない。 今回ご紹介するのは、仲良くなりたい相手との会話についてのテクニックだ。 精神科での学びがもとになっている。 タイトルにも書いた通り、「詳しく聞かせてもらってもいいですか?」というセリフだ。 これは、能動的な傾聴の姿勢を表している。 人は、自分の話を人にしたいものだ。 なにかを証明せんとばかりに、主張するのが大好きだ。 そして、自分の主張が誰かに受け入れてもらったときに、気持ちいいと感じる。 その性質を使ったのが、「詳しく聞かせてもらってもいいですか?」だ。 このテクニックは、褒め

  • 共感を我々は欲している

    共感して欲しい、という欲求は誰にでもある。 その根本にあるのが、「孤独の回避」であろう。 自分だけが変な考え方を抱いているというのは不安だから、誰かと共有したいのだ。 しかし、共感と言うのは、本来的には不可能な作業であり、人間はどうしても主観的な生き物である。 だから、共感を過度に求めてしまうと、それは生きにくさとなる。 「どうしてわかってくれないの」となってしまう。 私は私、あなたはあなた、といった線引きがないと、生きていく上で苦労するだろう。

  • 外的要因のせいにしてしまいがち

    何か物事がうまくいかない時に、私たちは外的要因のせいにしてしまいがちです。 恋人ができない理由は背が低いからだ 問題行動をしてしまったのはストレスのせいだ などです。 本来は、恋人ができないのは人間性の問題であることが多く、問題行動をしてしまった原因はドーパミンを追い求めていたという方が真実に近いでしょう。 このようになにか不都合な出来事を外的要因のせいにしてしまえば、「自分のせいではない」という言い逃れができます。それが、自分にとってのメリットです。 しかし、事実とは違った解釈をすることになり、責任逃れをしていますから、事態をみつめて正しく修正することができな

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