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  • 2030年におけるPrecision Medicineの未来像

    2015年1月20日に当時アメリカ大統領であったオバマ氏が個々の患者に対応した医療という意味で、personalizedmedicineを一歩進めたものとして”precisionmedicine”という言葉を発表し、PrecisionMedicineInitiativeという医療政策を推進することを宣言しました。Precisionmedicineについてはいまだに良い日本語訳がありませんが(精密医療とか個別化医療等とも訳されますが、きちんとしたニュアンスは伝わらないように思います)、個人のゲノム情報など様々な情報を使用することで、より進んだ個別医療を目ざすということかと思います。このCommentaryはNIHのJoshuaDenny,FrancisCollinsによる2030年におけるprecisionmed...2030年におけるPrecisionMedicineの未来像

  • ジクロフェナク・ヒアルロン酸の合剤は変形性膝関節症に対して有効

    変形性膝関節症(kneeosteoarthritis,KOA)に対する薬物療法としては、NSAIDの外用薬、NSAIDsやCOX2inhibitorの内服薬、デュロキセチン(SNRI)、ステロイド関節注射に加えてヒアルロン酸の関節注射(IAHA)が日本ではしばしば行われています。IAHAについては最新のOARSIガイドラインでは推奨していますが、ガイドラインによっては推奨していないものもあり、必ずしも評価は一定していません。この論文は生化学工業が開発したDicrofenacとHAを共有結合させた合剤(DF-HA)のKOAに対する有効性、安全性を検証した第3相臨床試験(RCT)で、筆頭著者は名古屋大学の西田佳弘先生です。KLgradeII,IIIのKOA患者に対して、プラセボあるいはDF-HAを4週ごとに6回投与...ジクロフェナク・ヒアルロン酸の合剤は変形性膝関節症に対して有効

  • リウマチ足趾に対する骨頭温存手術の成績は良好

    少し前まではリウマチ足趾の手術というと、切除関節形成術resectionarthroplastyがほとんどだったように思いますが、疾患活動性コントロール改善とともに、中足骨頭を温存した短縮骨切り術が(少なくとも日本では)主流となってきました。東京女子医科大学の矢野紘一郎先生らは、関節リウマチ53足に行った骨頭温存型手術の成績を後方視的に検討し、Self-AdministeredFootEvaluationQuestionnaire(SAFE-Q)の5subscalesいずれも有意な改善が見られ、7年後の生存率(再手術不要)は89.5%という良好な成績を示したことを報告しています。創治癒遅延(すべて治癒)が20.0%、外反母趾再発が10.5%、内反母趾変形が3.8%、lesserMTPJの脱臼再発が7.7%に見ら...リウマチ足趾に対する骨頭温存手術の成績は良好

  • Ligand-receptor interactomeを用いた疼痛誘導メカニズムの解明

    近年データベースに大量に蓄積されつつあるゲノムデータやsinglecellRNAsequencing(scRNA-seq)から得られた遺伝子発現データなどを駆使して色々と推論を進めていく、というバイオインフォ―マティクスの手法は、conventionalなcellbiologyになじんできた私には何やら具体性に欠けるような気がして、どうもとっつきにくい感が拭えないのですが、そもそもが複雑系である生体のダイナミズムを総合的に把握するにはこのようなアプローチがふさわしいのかも、と考えています。この論文は、様々な臓器や細胞と、脊髄後根神経節(DRG)の遺伝子発現プロファイルを用いたligand-receptorinteractomeから、主として疼痛の伝達に関与する分子機構を解析したものです。例えば関節リウマチ(RA...Ligand-receptorinteractomeを用いた疼痛誘導メカニズムの解明

  • TNFαの破骨細胞前駆細胞に対する作用はepigenetic statusによって変化する

    関節リウマチ(RA)におけるTNFα阻害療法の有効性、特に関節破壊抑制効果は臨床的に確立されているため、TNFαが破骨細胞分化を促進することは自明だと考えている人が多いかもしれませんし、そのような先入観に沿った結果を報告している論文は山ほどあります。しかしこれはそれほど自明のことではなく、例えばRANKLおよびM-CSF(CSF-1)による骨髄マクロファージから破骨細胞への分化系にTNFαを添加すると多くの場合は抑制的に作用します。このメカニズムについてはこれまでに多くの研究が行われています。例えばBrendanBoyceらはTNFαがTRAF3の活性化を介して細胞内のNF-kappaBp100蓄積を誘導することが破骨細胞分化を抑制する可能性を報告しています(Yaoetal.,JClinInvest.2009O...TNFαの破骨細胞前駆細胞に対する作用はepigeneticstatusによって変化する

  • 表皮プロテインC受容体が抗リン脂質抗体症候群の病態に関与する

    抗カルジオリピン抗体(aCL)や抗β2GPI抗体などの抗リン脂質抗体(aPLs)の出現を特徴とする抗リン脂質抗体症候群(APS)患者は、臨床的に動・静脈の血栓症、血小板減少症、習慣流産・死産・子宮内胎児死亡などを呈する難病で、原発性APSとともに、全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患にしばしば合併することが知られています。APSにおける凝固亢進のメカニズムには不明な点が多く、aPLsがどのような抗原を認識するのかについての理解も進んでいないことが、APS治療法開発が進まない原因となっています。この論文で著者らは、endothelialproteinCreceptor(EPCR)がaPLsの標的となり、APSの病態に重要な役割を果たすことを明らかにしました。EPCRは内皮細胞、骨髄細胞、胎盤のtro...表皮プロテインC受容体が抗リン脂質抗体症候群の病態に関与する

  • 前十字靭帯急性損傷に対しては早期手術の成績が良好

    前十字靭帯(ACL)損傷は最も一般的なスポーツ外傷の一つで、その頻度は49ー75/100,000人・年とされています。過去には外科的治療と非手術療法を比較した臨床試験(KANONtrial)が行われ、運動療法と組み合わせた保存的治療が良好な成績を示すことが示されています(Frobelletal.,NEnglJMed2010;363:331-42;Frobelletal.,BMJ2013;346:f232)。しかしこの結果出てからもACL損傷に対する手術は年々増加しています。これはKANONtrialでは少なくとも半数の患者で再建術が不要であったためではないかと考えられています。今回のConservativeversusOperativeMethodsforPatientswithACLRuptureEvalua...前十字靭帯急性損傷に対しては早期手術の成績が良好

  • 頚椎症性脊髄症に対する前方手術vs後方手術

    頚椎症性脊髄症患者(cervicalmyelopathy,CSM)に対する手術療法において、前方手術が良いか?後方手術が良いか?という議論は神学論争的な趣きもあり、中々決着がつきません。これまでにいくつかの前向き研究は行われており、わが国でも東京医科歯科大学から両者を比較した優れた前向き試験が報告されていますし(Hiraietal.,Spine.2011;36(23):1940-7;Hiraietal.,JOrthopSci.2018;23(1):32-38)、海外からも本論文の著者らの報告を含めていくつかの研究が発表されています(Ghogawalaetal.,Neurosurgery.2011;68(3):622-630;Kingetal.,Neurosurgery.2009;65(6):1011-1022)...頚椎症性脊髄症に対する前方手術vs後方手術

  • 腹腔内のGATA6+が組織修復および癒着に関与する

    体腔coelomiccavityが存在する無脊椎動物(例えばウニなどの後生動物metazoansなど)では、体腔の損傷が生じると食作用を有する免疫細胞である体腔細胞coelomocytesが速やかに損傷部位に集積して損傷修復を行うことが知られています。このような細胞集積は極めて速やかに生じ、哺乳類における血小板凝集による止血反応に類似した過程です。哺乳類にも腹腔や胸腔、心嚢などの体腔が存在しますが、その損傷もやはり速やかに修復されます。一方腹腔内の手術後には約66%の患者で無菌的な癒着が生じ、これがイレウスの原因になるなど、様々な問題を起こすことが知られています。この論文で著者らは腹腔内のGATA6陽性マクロファージ(GATA6+Mφ)が、腹膜損傷の修復に関与するとともに術後の癒着にも関与することを明らかにしま...腹腔内のGATA6+が組織修復および癒着に関与する

  • TNF-αは静脈内皮細胞におけるClaudin-11低下を介して静脈からのChloride漏出を誘導する

    この論文で著者らはTNF-αが静脈特異的にChlorideイオンの漏出を促進し、その過程にはTNF-αによる細胞間tightjunctionタンパクClaudin-11の低下が関与していることを明らかにしました。TNF-αの下流ではPanx1channel活性化→TRPV4Ca++channelの活性化が生じ、これがATPの細胞外への放出を誘導します。放出されたATPはendonucleotideaseCD39によってadenosineへと加水分解を受け、A2Aadenosine受容体の活性化を誘導し、結果として静脈内皮細胞におけるClaudin-11の低下と漏出増加をきたします。著者らはこれが敗血症におけるTNF-αの病態形成メカニズムの一つではないかとしています。関節リウマチの病態においてもTNF-αによる...TNF-αは静脈内皮細胞におけるClaudin-11低下を介して静脈からのChloride漏出を誘導する

  • TNF阻害薬不応例に対するrituximab vs tocilizumab: a biopsy-driven study

    RituximabはB細胞の表面抗原であるCD20に対する抗体で、海外では関節リウマチ(RA)の治療薬として承認されています。しかしrituximabについては患者によって有効性に差が見られることが報告されています。またtocilizumabは抗sIL-6受容体抗体であり、日本でもRA治療薬として多くの患者さんに用いられています。この研究では従来型の抗リウマチ薬(conventionalsyntheticDMARD)および(rituximabおよびtocilizumabを除く)少なくとも1種類の生物学的製剤に抵抗性のRA患者に対するこれらの薬剤の有効性を検討してものですが、治療前に滑膜バイオプシーを行い、滑膜の組織型によって①B-cellrich,②B-cellpoor,さらに③germinalcenterpo...TNF阻害薬不応例に対するrituximabvstocilizumab:abiopsy-drivenstudy

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