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2020/02/19

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  • エッセイ・『明星』

    その日はひどく疲れていて、かなり早く床に着いたのを覚えている。 ところが、なかなか寝付けない。家族の生活音を遠く聞きながら、何度目かの寝返りを打った時、こんな会話が始まった。 「大変ご迷惑をお掛けいたしました」 「いえ…早くご対応いただいてありがとうございます」 業者の謝罪に私は応えた。 一人暮らし先に業者を呼んで壊れたドアストッパーの、修理を依頼したのだ。そして作業はどうやら完了し、これから業者は帰ってゆくらしい。代金は補償があるためかからない、とのことだった。 帰ってゆく姿を見届けようとした矢先、業者の男性はこう告げた。 「お客さま、当方の従業員より少々お話がございますがよろしいでしょうか…

  • 小説・「海のなか」まとめ6

    前回のまとめはこちら。 kuromimi.hatenablog.com どうも。 暑い夏がこの世で一番忌々しいです。クロミミです。 今回は連載小説のまとめ記事を投下します。 久々のまとめ記事、今回は連載小説・「海のなか」の(27)から(32)のあらすじをざっくりまとめます。また、併せて新しい登場人物の紹介なども行っていきます。 更新がスローペースすぎて記憶が失われた際には、こちらをご一読下さい。過去のまとめ投稿は、noteでは「海のなか」まとめマガジンにて確認できます。 なお、はてブをご利用の方はページ上部の「海のなか まとめ」タブから飛んでください。 それではどうぞ。 海のなか(27) 第八…

  • 小説・「海のなか」(32)

    前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com *** 何度も繰り返し、叫んでいる。 「ーーーー!」 誰かを追いかけていた。 遠くに長い髪が靡いているのが見えた。わたしと同じ、色素の薄い髪が日の光に透けた。 ああ。あの後ろ姿を何度も見送ったことがある。 「ーーーまって!」 飽くほど口にしたはずの言葉を、また吐き出した。 その人が決して立ち止まらないのを、よく知っていた。馬鹿みたいだ。こんなこと、意味がないのに。そんなふうに嘲笑してみても、喉からは追い縋るような嗚咽が溢れ続けている。そうしてようやく、自分が泣いているのだと気がついた。だからこんなにも景色が歪むのか。潤んだ視界はも…

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