介護とリハビリの仕事をしている方、目指している方、介護やリハビリってどんな世界なの、という方に読んでいただきたいです。
介護やリハビリの世界って、意外と閉鎖的だと思います。 これからお世話になるかもしれない皆さんに、少しでも介護やリハビリの世界を知っていただき、病院や施設を上手に選んでいただけるような、そんなお話をつづっていきたいと思います^-^
新型コロナウイルス感染症の拡大予防のため、おうちで過ごす時間が増えることによって外出に頻度も減ってしまいます。そんな、外出頻度の減少の中、お手軽に運動できる方法として以前、「階段昇降」についてお伝えしました。今回のブログでは、この外出頻度減少の中で、私自身が行った階段昇降運動の内容と、その経過報告をいたします^-^まずは結果からですが、約2週間で体重が2kg減りました。理学療法士でありながらも、50歳を目前にして腹回りの脂肪が気になっておりました。まだまだほんの少しの減量ではありますが、これを機に継続していこうと思います^0^方法についてお伝えします。私の家は、11階のマンションの6階にあります。そのマンションの階段で実践しました。①6階のマンションの階段をスタート地点として、1階まで降ります。降りるスピードは...階段昇降運動で2kg減量できました^-^
首や背中など、何かと体の背面は痛みやコリがたまりやすい場所ですね。前回もお伝えしましたが、二足歩行の動物へと進化してしまったため人は、肩コリや腰痛に悩まされてしまうようになりました。では、少しでもそれらを軽減できる方法はないのか…、と考えてみましょう。言われてみれば当たり前なことかもしれませんが、実はその理由があまり分からなかった「コリ」を起こさない体の部位の話をしてみましょう^-^力こぶを作るとムキッと盛り上がる「上腕二頭筋」について考えてみましょう。この上腕二頭筋は、ムキムキの代表的な筋肉です。肘をまげて力をこめると盛り上がるこの筋肉が、「凝ったなぁ…」と感じることは、普段ほとんどありません。なぜかというと、日常生活の中でこの上腕二頭筋は、「収縮」だけでなく「弛緩(ストレッチ)」も繰り返しているからです。筋...人が腰痛に悩む理由②
肩こりや腰痛は、男女問わず多くの方が悩んでいる症状です。厚生労働省は、毎年「国民生活基礎調査」を実施していますが、3年に1度、大規模調査として、健康や介護に関する情報を収集しています。2016年(平成28年)の調査では、「病気やケガによる自覚症状」の内容として、男性の第1位が「腰痛」、第2位が「肩こり」、第3位が「せきや痰が出る」、女性の第1位が「肩こり」、第2位が「腰痛」、第3位が「手足の関節が痛む」でした。人は、寝ている時間以外、基本的には「立位」または「座位」をとっています。立位や座位では、脊柱(背骨)が地面に対して垂直になった状態です。脊柱は背中側についており、内臓や(ついていなくてもいいのに)脂肪はお腹側についています。脊柱を垂直に保つためには、イラストで示した様に、お腹についている内臓や脂肪を腰背部...人が腰痛に悩む理由①
歯磨きさえ自分でできず…、もう何年もこうして誰かのお世話になってる…。優しくやってくださると、とっても口の中がさっぱりするのだけど…、乱暴にされると息ができなくて、嗚咽がして…とっても苦しくなる…。「丁寧にお願いします…」って伝えたいけど…声が出せなくて…。だから、せめてムセてる時などは、私の辛さを察してほしいです…。寝たきり患者の声④
今回は、男性陣には少々耳の痛いお話です^-^;私は男性です。コンビニや公衆トイレ、公共施設などで男性トイレを使用する際、立って使用するオシッコ用であっても、洋式トイレであっても、足元が池のように水浸し…ではなく尿浸しになっていることが、高頻度にみとめられます。トイレのにおい問題は、たびたび耳にします。2015年には、NHKの番組でも取り組んでいました。オシッコがはねて周囲を汚す、というのも分かりますが、トイレの床が尿浸し…というのは、はねる以前の問題ですね。介護の仕事をしている頃、歩行や立位が不安定な男性の利用者さんのトイレ介助をする際、座って用を足していただくことを促しても、「男は(小便を)立ってするもんだ!!」と怒られて、なかなか洋式トイレに腰かけていただけませんでした。立って行っても、案の定ズボンや下着に...時代は変わりました、男性も変わりましょう
「不要不急の外出は控えましょう」でも、「適度な運動は継続しましょう」おっしゃることは分かりますが、「出かけるなと言われながらも体を動かせと」と、難しいことが、現在求められています。そこで、「遠くまで出かけない」ながらも「運動する」という状況を考えてみました。「自宅(マンション)や近所の歩道橋などにある階段の昇り降りで、健康を維持できないか」と思い、過去の研究論文を探しました。ありました^-^1994年にアメリカのLoy先生達が調査していました。50~65歳の運動不足がちな24名を3群に分け、①階段昇り運動のみ群、②階段昇り運動+筋トレ群、③コントロール群(何も運動しない比較のための群)に分けて、それぞれの運動を12週間実施しました。①の階段昇りのみ群の運動課題は、40分間の階段昇り運動を週3日、12週間行うとい...階段の昇り降り運動で健康維持を図る!
趣味のお話
運動不足は命の危険につながります
施設での生活は、どうしても退屈になりますから…、ちょっとした時にでも冗談で笑っていただければと思います^-^水分補給していただく時、ホントは美味しいお茶を、お好みの温度で提供したいのですが、それもままならない時に、こんな冗談で笑ってもらっていました。ちょっとした工夫で笑顔になってくだされば…
医療や介護の現場では、言葉遣いについて気になることが多々あります。私は、理学療法士になる前は、介護士でした。介護士になる前は、一般的な会社で働いていました。当然のことですが一般的な会社では、お客様相手の商売が多いため、お客様に対する言葉遣いや態度といった「接遇」について、しっかり研修を受けます。一方、医療や介護の現場はどうかと言いますと、最近では養成校で接遇の授業を受けたり、就職してからも接遇の研修を受けたりと、患者様・ご利用者様に対する接遇を身につけましょう、という流れが主流となっています。なぜ、最近では主流になっているかと言いますと、それ以前が主流でもなんでもなく、ものすごくあいまいでひどかったからです。具体的に申し上げますと、現時点で20年~30年以上のベテランの従事者さんほど、言葉遣いや接遇ができていな...言葉遣いや態度
爪楊枝を2本ご用意ください。その爪楊枝をピタッと2本並べてずれないように保持してください。その2本の爪楊枝のとがった部分である先端を、ご自分の人差し指の指先部分(指紋のある部分=指腹)に軽く押し当ててみてください。「2本触れている」ということが、(かろうじて)分かると思います。お歳を重ねていくと、また糖尿病などを長く患っていらっしゃる人ですと、分かりにくいかも知れません。「2本触れている」というのが分かった人は、次に同じ様にその2本の先端を、肘から手首の間(この部分を「前腕」といいます)にそっと押し当ててみてください。ここでは、「2本触れている」ということが分からないはずです。もちろん、自分自身で2本の先端で触れる、ということを理解していますので「分かった気」になってしまいます(^-^;もし今、そばにどなたかい...爪楊枝で分かる簡単な感覚テスト^-^
数日ぶりにブログを書きました。今週明けから体調を崩して、しばらく動けない状態でした(^-^;ちなみに、最近話題の感染症ではありませんです。単なる胃腸風邪でしたが、胃や腸の痛みで食事も進まず、トイレの出入りを繰り返し、本当にしんどかったです。医療に携わる立場の者が体調を崩す…というのは、恥ずかしいことではありますが、時々こんな状態におちいります。反省です。時々やってくる「アピールタイム」に、コメントする程度でした…。そろそろ元気になってきましたので、イラストも描いてブログもアップしていきたいです。フォローしてくださっている皆さんにも、また楽しんでいただけるようにがんばります^0^寝込んでおりました…(^-^;
いつもブログを拝見してくださる皆さん、ありがとうございます。今朝は、少し古いイラストになりますが、2003年に私が介護士だった頃に描いたマンガです。施設に入所しているパーキンソン病の高齢女性の利用者さんとの、チクリと来る会話を紹介しています^-^高齢者施設での日常①チクリと来た一言
2020年3月4日のブログ「心臓」に続きまして、自律神経のお話です。今回は「胃腸」のお話です。自律神経とは、「交感神経」と「副交感神経」という2つの神経の総称です。この2つの神経は、主に体内の臓器の活動を活発にしたり(促進)、休ませたり(抑制)する神経です。この2つの神経は、いずれか一方が働いている時、もう一方は休憩するというように、拮抗した働きを持っています。自律神経の働きは自分の意思ではコントロールできません。周囲の環境や、精神的・身体的な変化によって、自動的に働いている神経です。心臓の場合、「戦う」とか「逃げる」といった「命に関わる状況」におかれると、交感神経が自動的に活性化され、心拍数が増えたり、心臓の拍出量が増えたりして、筋肉をたくさん使って逃げ出せるように、戦えるような状態にしたり、手足の血管を収縮...自律神経のお話「胃腸の場合」
心臓の病気が進行すると「心不全」という、全身に血液を送る心臓ポンプの機能が低下して、症状が出現することがあります。心臓のポンプ機能が破綻してしまうと、全身の血液をスムーズに送れなくなります。全身に送れなくなると血液の循環は遅くなり、全身の血管内で滞ってしまいます。血管には小さな穴が開いています。その小さな穴から栄養や酸素・二酸化炭素、水などが周囲の細胞に出入りします。ところが、血管の中で血液が滞ると血液の水成分が血管の外にしみ出てしまいます。心臓のポンプ機能が低下することで、「浮腫」が起こります。心不全が原因で起こる浮腫は、手足や顔などでみられることが多いですが、肺の中でも起こります。肺の中で浮腫が起こると、酸素と二酸化炭素の入れ替えである「換気」ができなくなります。これが、心不全によって起こる「呼吸困難」とな...心不全を予防しましょう
さっきの優しい職員さんが帰っちゃうと…、今日この後はこの人が担当なのね…。柄が悪いし、怖いし、乱暴だし…、着替えとかオムツ交換してもらう時、乱暴に扱われるから、痛いのよね…。あぁ、嫌だなぁ…。寝たきり者の声③
あぁ、今朝も丁寧におしもを拭いてもらって、最後に清潔なおしぼりで顔を拭いてもらって、とても気持ちよく目覚めることができたわ…。彼女が担当してくれると、とても心地よくて…体のこわばり感もなくなって、とってもリラックスできるのよね…。彼女に、ずっとお世話してもらいたいわぁ…。寝たきり者の声②
私は重度の脳梗塞で、たしか数年前に入院して…、それから施設にうつって…、ずっと介護を受けていたんだっけ…。話しかけても返事がないから…、たぶん声が出てなくて届いていないのね…。寝たきり者の声
■■■ファミリーレストランにて■■■お客さん:(ファミレスの客席にあるボタンを押す)ピンポーンしばらく、誰も対応しない。……。お客さん:(もう一度、客席のボタンを押す)ピンポーン……。ウェイトレス:…大変、お待たせいたしました…。お客さん:いつまで待たせるの…、もうずっと待ってるんですけど…。ウェイトレス:本当に、申し訳ありませんでした…。→ファミレスの客席に設置してあるボタンは、注文などの用事があるお客さんが、店員さんを呼ぶためのもの。■■■病室にて■■■患者さん:(病室にあるナースコールのボタンを押す)ピンポーンしばらく、誰も対応しない。……。患者さん:(もう一度、ナースコールのボタンを押す)ピンポーン……。看護師さん:…何ですか!?患者さん:あのぅ…ちょっと汗かいて、着替えたいんですけど…。看護師さん:そ...ファミレスのボタンとナースコールの共通点
時々、こんな行列が見られる施設があります。少ない職員さんで、多くの入所者さんを食堂から各フロアの居室へご案内しなくてはいけない時、エレベーター前で1時間以上も前から行列に並ばされていることがあります。決して、おいしい食事を食べたくて、利用者さんが自ら行列を作っているわけではありません…。例えば100人の入所者さんのうち、50人が車椅子をご利用なさっているとすると、そのうち数名はご自分でエレベーターの利用も可能な方がいたりします。そういった方は、食事の時間になればご自分でエレベーターを使って食堂のあるフロアへ移動できます。しかし、車椅子の移動に介助が必要な、例えば50人のうちご自分で移動できるのが5人だとすると、残りの45人の方は職員さんの誘導介助が必要です。そんなに前もってエレベーター前に並ぶ必要もありませんが...行列のできる高齢者施設
ひとまず今回で、支持基底面や重心(線)のお話を終わります。脳梗塞やパーキンソン病などでバランス能力が低下してしまった場合、両足だけで作られている支持基底面の中に重心線を安定して維持しておくことが難しくなります。この場合、杖や歩行器などを使うと、支持基底面を広げることができて、安定しやすくなります。(a)正常(b)バランス能力が悪く、フラフラしている状態(c)左手に杖を持っている状態(d)両手で歩行器を持っている状態病気になっていなくても、高齢になると感覚神経のセンサーや、神経の伝わる速度などが遅くなることから、バランス能力が低下します。リハビリの中で身体能力の検査・評価の中に「タンデム歩行」というものがあります。タンデム歩行とは、片側の足の指先を、もう片側の足のかかとにつけて、この状態で交互に足を運びながら歩く...バランスについて③
前回に続いてバランスのお話です。「支持基底面」のエリアの中に「重心(線)」を維持している間、物体は立位の状態を保っていられる、というお話でした。人の場合、「骨盤の中あたり」に重心がありますので、身長が高い人ほど重心の位置も高くなる、ということになりますね。柔道など、相手を倒す競技に関して、背の低い日本人が海外の選手よりも強いというのは、それだけの理由ではありませんが、納得できる気がします。物体が安定して立位の状態を保つためには、広い支持基底面と低い位置の重心、という条件があればよい訳です。したがって、サランラップの芯とトイレットペーパーの芯を立ててみると、支持基底面はほぼ同じくらいですが重心の位置はサランラップの方が高いので、ちょっとした外力が加わるだけで、サランラップの芯が転倒してしまう、という訳です。バラン...バランスについて②
「バランスがいい」とは、どういうことなのでしょうか?「バランスがいい」とは、体の重さの中心、これを「重心」と言いますが、この重心を自分の体を支えている「支持基底面」というエリアの中に、静かに安定して制御することをいいます。今回は、この「重心」と「支持基底面」のお話をします^-^まずは「重心」のお話です。たとえばコップのような、底が丸くて円筒状の形のものがあるとします。このコップの重心は、コップの中心に位置します。重心は目に見えません。人の重心は一般的に、立った状態であると骨盤の中あたりにあるといわれています。もちろん目には見えませんが、イメージとしては、人の体を抱えて持ち上げる時、骨盤あたりを中心に折り曲げて、お姫様抱っこのような姿勢にすると上半身・下半身ともにバランスよく抱えられそうですよね。人の重心は、おお...「バランスがいい」とは?
自律神経のお話をします。少し難しい内容なのですが、できるだけ簡単にお伝えしてみたいと思います(^-^;分かりづらかった場合は、コメントに「やっぱり分かりません!!」とお叱りメッセージをください。私の目標である「難しいことを、できるだけ簡単にお伝えする」の評価の参考にさせていただきます。さて、そもそもですが「自律神経」という言葉は、よく耳になさると思います。・自律神経失調症・自律神経が乱れている・ストレスが自律神経の調子を悪くする…などなど自律神経は、解剖生理学的な分類として、「交感神経」、「副交感神経」という2つの神経に分類されます。この2つを合わせて自律神経といいます。この2つの神経は、どちらかが活動している時(ON)、もう一方は休憩する(OFF)、という「拮抗」した働きを持っています。この自律神経の働きにつ...自律神経のお話「心臓の場合」
今朝も、いつも通りに目覚め、いつも通りに朝食を摂り、いつも通りに朝の支度を済ませて一日を過ごし始めている方が、多くいらっしゃると思います。いつも通りと違うのは、ここしばらく続く新型コロナウイルス感染症によって生活が激変しているところでしょうかね…。明日もいつも通りの生活を過ごしていくためには、やはり病気やケガを予防し続けることが重要です。たびたびお伝えしていますが、介護が必要になる原因には「認知症」、「脳卒中」などありますが、「転倒→骨折」、というケースも多いです。特に、「転倒→骨折」は、「認知症」や「脳卒中」と違って、血管の病変が徐々に進んできた結果…というよりも、全身の筋力やバランス能力が徐々に低下してきた結果、ちょっとしたきっかけ(小さな段差、歩行中のちょっとした不注意など)で転んでしまい、打ちどころが悪...片足立ち持続時間の目安
脳梗塞や脳出血などで片側の手足に運動麻痺が起こってしまうと、これまで当たり前にできていた動作ができなくなってしまうことが多いです。それは、歩くことも難しくなることがありますが、ベッドで寝ている姿勢から起き上がって腰かける、なんて動作でさえ難しくなることがあります。そんな日常生活の中で介護が必要になる行為の一つに排泄、つまりトイレの介助があります。トイレの個室内で、ズボンを下げて、下着を下げて、便座に腰かけ、用をたし、陰部をトイレットペーパーでふき、立ち上がり、下着を上げ、ズボンを上げて、トイレの個室から出る、といった一連の動作のどこかに介助が必要になると、「トイレ動作に介助が必要な状態」と判定されます。脳梗塞などによる片麻痺の方に難しい動作は、「立ち上がり」や「腰かけ」といった姿勢を変える動作と、片手で行う「ズ...紙オムツでなきゃ、ダメ?
介護の現場では、こんなのんびりした時間が流れています^-^私は、こんな時間が大好きです。大好きな、介護現場の時間の流れ
病院や施設をいくつか回ってきていて思うことがあるのですが、ひと昔前は本当に不親切な病院や施設が多かったです。最近でこそ、ようやく「患者様第一主義」とか「ご利用者様第一主義」などとホームページの最初の画面に大きく載せているところが増えました。けれど以前は、「病院は医者を始めとして医療者が治してあげるもの、患者は医療者の言う通りに薬を飲んで生活をするもの」という暗黙の了解のような雰囲気がありました…よね^-^?そういった雰囲気はようやく薄れてきていますが、それでもまだ、古い体質でずいぶんと上からの目線で患者さんやご利用者さんに命令みたいな説明をしているところもあります。そんな時、これからはもう我慢はなさらなくていいと思います^-^ただし、直接その場で文句を言っても、逆に「うわ、モンスター・ペイシェント(患者)だ…、...病院を良くするためのご意見箱
「読書が頭や体に良い」というのは、もはや疑うことではありません。理学療法士として健康寿命の延伸のために、時々地域のご高齢の皆さんへお話させていただく際、新聞や読書をなさっているかお尋ねすると、現在のご高齢の皆さんのほとんどが毎日たくさんの本を読まれていることに驚きます。恥ずかしながら、私は高校生の頃まで本を読むのが苦手でした。正直なところ、今でも読むのは苦手かもしれません(^-^;けれど、読むこと自体の楽しさを覚えましたので、ここ何年も図書館へ通ったり、本屋で本を買ったりと、読書の習慣を維持しています。もちろん、理学療法士として専門の論文なども読むようにしています。読書が健康によい、という内容はテレビでも放送されていました。2018年11月に、NHKで「AIひろし」が導き出した提言「運動よりも食事よりも、読書が...本を読むことは健康のもと
介護の現場で時々、こんな声が聞こえることがあります。「私、10人くらいなら30分あればオムツ交換なんて、終わらせられるわよ」と、同僚や後輩の介護職員に対して利用者さんのオムツ交換を素早く終わらせられることを自慢している職員さんがいます。この職員さんは、「早く終わらせられる私は、介護のプロなのよ!」と同僚や後輩から尊敬の目で見てもらいたい、という医療従事者症候群(この場合は、介護従事者症候群ですね)になってるのかも知れないですね。利用者さんや患者さんのオムツを全介助で交換する場合、関節の動きが制限されてしまっている拘縮(こうしゅく)や、大柄な体格の方の場合は体の向きを変えることも難しく、個々でかかってしまう時間が変わってきます。ですから、介護の仕事の力量を時間で判断すること自体がおかしな話です。「10人を30分で...オムツ交換、早ければいいの?
前回に引き続き、骨折とその予防についてのお話です。骨は、成長と破壊を繰り返して、常に新しい状態を保とうとしています。この状態は、ご高齢の方であっても同じです。骨の成長には「骨芽細胞」という、これから骨に生まれ変わる赤ちゃん細胞が、徐々に増えて骨を丈夫にしていきます。一方、「破骨細胞」という細胞は、骨の古くなった部分を破壊して、骨芽細胞の受け入れる場所を作ります。これら骨芽細胞と破骨細胞の働きは、ちょうどよいバランスを保ちながら、常に骨を新しい状態にしてくれています。人は立ったり歩いたり、活動する際、常に体重を支えています。歩く時に地面に足を着くと、その衝撃を足の骨が支えます。この「衝撃を受ける」という刺激が、骨芽細胞の働きを活性化することになります。運動が体に良い、歩くことは健康の源である、というのは、こういっ...元気な骨を維持しましょう
厚生労働省の「平成28年国民生活基本調査」によると、「転倒・骨折」は、主な原因の第4位になります(厚労省の報告書類に飛びます)。若い頃はおもいっきり転んでも手足を擦りむいた程度で済んでいたのですが、歳を重ねるとおもいっきり転ぶ…なんてことを想像するだけでも恐ろしいものですね。高齢者に多い骨折は、足の付け根(大腿骨頸部骨折)、手首付近(橈骨遠位端骨折)、背骨(脊椎圧迫骨折)といわれています。いずれも転倒がきつかけになるいずれも転倒がきつかけになることが多いです。ところで、転倒しても必ず骨折する訳ではなく、高齢者であっても頻繁に転んでいるのに骨折されない方もいらっしゃいます。転ぶのが上手な方もいらっしゃるのでしょうか^-^?私の祖母のスーザンは、大腿骨頸部骨折を受傷してから、ほとんど寝たきり状態になり、その後数年は...転んでも骨折しないためには?
「立ち上がりテスト」に引き続き、「2ステップテスト」をご紹介します
前回、「30cmや40cmの台から立ち上がれるか」というお話をお伝えしました。これは、日本整形外科学会が提唱しています、「ロコモティブシンドローム」のパンフレットに掲載されているテストのひとつでした。年代相応の移動能力を維持できていますか?というお体の状態を2つのテストで評価していただくものです。その一つが「立ち上がりテスト」でした。今回は、もう一つのテストである「2ステップテスト」をご紹介します。このテストは、「気をつけ」の姿勢から、大股で2歩、前方へ移動します。2歩目に出した足の位置で両足をそろえてバランスを保ち、気をつけの姿勢で終わります。その際の、スタート位置のつま先から、2歩目で足をそろえた時のつま先の位置までの距離を測定します。その距離をご自身の身長(cm)で割ります。つまり「2歩幅(cm)÷身長(...「立ち上がりテスト」に引き続き、「2ステップテスト」をご紹介します
「転ばぬ先の杖」とは、本当にうまく表現された言葉だと思います。リハビリの現場で、足の痛みが長引きそうな患者さんに杖をお勧めすると、「杖を使っていると爺さんみたいだからなぁ…」、「杖なんて、おばあさんが使うものでしょ?」と、60歳代、70歳代の患者さんに言われることがあります^-^;私、心の中では「お孫さんもいらっしゃるのですから…すでに…」なんて思ったりもしていますが^-^;それはさておき…、杖に関して同じようにお考えの読者の皆さんに、ちょっとだけ杖の良い点をお伝えします。例えば体重が60kgの方がいらして、その方が左足を痛めていたとします。人は歩く時、一瞬片足立ちになりますので、この方の場合、右足を前に運ぼうとする瞬間、痛みのある左足に60kgすべてが乗ることになります。それが痛くて足をかばって歩こうとしてし...「転ばぬ先の杖」の再考
今日、2月23日(日)は、今年度の理学療法士国家試験の受験日でした。全国8カ所で一斉の実施されました。受験生の皆さんは、今日のために一生懸命勉強してきたことと思います。皆さん、お疲れ様でした。昨年(2019年3月)は、12,605人中10,809人が合格しました(合格率85.8%)。今年は、何人の受験生が合格できるでしょうか?いずれにしても、これからますます少子化が進み、超高齢化が進む中、理学療法士をはじめリハビリ職員は、まだまだ必要になる職業だと思います。需要に対して供給過多となっている、と言われていますが、実際の現場ではまだまだ必要だと思います。現場の皆さんは、どう思われますかね^-^?私は現在、地域で生活するご高齢の皆さんに対して、健康に関するお話をさせていただいたり、慢性期の病院で長期療養の患者さんを診...理学療法士国家試験
冬の季節は、布団から出られなかったり、外出を控えてしまったりしちゃいますね。年度末はあちこちでいろいろな行事がありますが、小さなお子さんがいるご家庭ですと、卒業式など学校の体育館でしばらく過ごしていると、寒くてついついトイレに頻繁に通ってしまいます。ところでこの、寒いとトイレに行きたくなる、という現象は、血圧と関わっているってご存知でしたでしょうか^-^?人の体は、常に一定の状態を保とうと自動的に調節されています。これを「恒常性」といいます。血圧も脈拍も体温も、多少の個人差はありますが、常に自動的に一定に調節されています。血圧は、「血液の量」と「末梢(手足など)の血管の硬さ(収縮度合)」で決められています。血液の量が増えると、血圧は上がります。逆に血液の量が減ると、血圧は下がります。血液の量を測るセンサーは体の...寒いとおしっこに行きたくなるのは…
ご高齢の方でスマホデビューされた、という方、近年とても増えているようですね。そんな皆さんに朗報です^-^スマホを使って、いろんなことにチャレンジしてみてください。スマホであれば、頭の体操などのゲームもできます。「頭の体操で認知症を予防する」という、脳科学の研究もたくさんあります。今回は、そんな話題をご紹介します。野内先生や川島先生らが調査した内容をまとめた論文によると、「音読や簡単な計算問題、頭の体操のゲームなどは、脳の前頭葉を活性化させる」、そしてそれは「認知症の予防に効果があると考えられる」というものです。「声に出して文章を読む」とか、「カンタンな計算問題をたくさん行う」とか、「脳トレゲームやテトリスで遊ぶ」など、いずれも脳の活性化につながるそうです。スマホなど、使い方によっては個人情報の漏洩や特殊詐欺など...スマホで認知症予防
皆さんは、ご自分の「足の力(筋力)」をご存知ですか?病院で働いていますと、患者さんの足の筋力は、比較的頻繁に測定します。専用の機器がありますから、簡単に筋力が測定できます。その結果の数値を患者さんの体重で割ると、目標としたい「筋力/体重比」が算出できます。一般的に、普通の日常生活を過ごしていただくためには、「筋力/体重比」で計算すると、0.5程度(体重の50%程度の筋力)が必要とされています。病院で患者さんに元気に歩けるようになる時の目標値として、まずは0.4(体重の40%程度)を目指していただきます。しかし、病院に入院したりケガをして外来で通院したりした経験がない場合、筋力を測定する機会はほどんとありません。そこで、足の筋力を簡単に測るための方法として、山本先生らは「立ち上がりテスト」という方法を報告されまし...足の筋力を簡単に測る方法
この場を借りて、宣伝させていただきます^-^私、つたないながらもイラストを描いております。イラストACさんで「りょう」の名前で登録しております。よろしければ、覗いてやってください(*^-^*)理学療法士としても、元介護士としても、これからもたくさんの方に、健康と幸せな生活のための、運動やリハビリ面からのちょっとしたお話を、お伝えしてまいります^-^どうぞ、よろしくお願いいたします。イラストも描いてます
病院は退院できるのですが、引き続き介護が必要な状態になりますと、介護老人保健施設という、病院と自宅の中間にあたる施設で、もうしばらくの間、リハビリを受けて生活動作のさらなる回復を目指して入所することがあります。自宅に帰って、身の回りの動作を安全に行うためには、ベッドからの起き上がりや立ち上がり、時には車椅子などへの乗り移り動作(これを「移乗動作」といいます)を自立して行えるようになる必要があります。そのため、介護老人保健施設ではリハビリも行いますが、生活の中にも運動の機会を組み込むために、介護士さん達とも協力して、積極的に利用者さんの動作の自立を目指します。と、これが本来の介護老人保健施設の役割なのですが、実際にはそんな対応をしていない施設もあります。利用者さんの動作能力のうち、どうしても足りない部分(例えば筋...本来の介護老人保健施設の役割
もし、介護が必要になってしまい、自宅で生活を続けることが難しくなった場合、いわゆる「老人ホーム」に入居する、という選択肢が浮かびます。もし、介護施設に入居すると、30~40歳代の介護職員さんにお世話になることでしょう(クリックすると厚生労働省の資料に飛びます)。80歳代の方からしますと、30~40歳代の人は、「子ども」よりは年齢が下になりますが、「孫」というほどでもありませんでしょうか?いずれにしても、若い職員さんにお世話をしてもらうことになるでしょう。40歳代の方は「団塊ジュニア」と呼ばれ、就職氷河期を過ごしてきました。30歳代の方は「ポスト団塊ジュニア」などとよばれ、いわゆるゆとり教育を受けた世代ともいえます。そんな介護施設でがんばっている職員さん達も、当たり前ですが「人」ですので、好き嫌いもあるでしょうし...老いては子に好かれよ
歯磨きは、皆さんにとって、すっかり生活動作の一部になっていることと思います。朝起きたら顔を洗い、食事を済ませたら歯を磨く。昼食を食べて、コーヒーを飲んで、一息ついたら歯を磨く。夜、寝る前に、トイレを済ませて歯を磨いて床につく。歯磨き自体は、長くても2~3分程度で済ませていらっしゃると思います。その目的は「虫歯予防」ですよね。ですから、「歯が痛くなってから、慌てて歯を磨く」という人は、めったにいないと思います。では、肩コリや腰痛・膝痛の体操はいかがでしょうか?朝起きて、顔を洗い、歯を磨いて、首や肩を十分動かす。昼食を食べて、コーヒーを飲んで、一息ついてから腰を伸ばす。夜、寝る前に、トイレを済ませて膝を曲げ伸ばししてから床につく。こんな方は、なかなかいらっしゃらないと思います。歯磨きと違って、肩コリや腰痛・膝痛は、...肩コリや腰痛の予防は、歯磨きと一緒
寝たきりの患者さんのリハビリを、患者さんの病室で行うことがあります。4人部屋の病室ですと、カーテンで仕切られています。そんな時、同室のカーテン越しの隣のベッドから、そのベッドの患者さんと看護師さんとの会話が聞こえてくることがあります。看護師さんは、私が隣にいることを知ってるか知らないかは分かりませんが、おそらく聞かれているとは思っていないと思われます。「お体の具合はいかがですか?」「まだ、痛みますか?」「そうですね…、早く落ち着くといいですね」とても丁寧で、患者さんのお気持ちにそっていて、隣で聞いていてとても気持ちよく嬉しく思うことがあります。こんな看護師さん、時には介護士さんなど、そんな職員さんにはこれからもぜひぜひ活躍していただきたいと思っています。ですから、私はそんな職員さんには、「先ほどの声掛け、そばで...素敵な職員さんは、皆で守りましょう
お年とともに血管が硬くなることで、「動脈硬化」が進んでいきます。血管が硬くなる原因には、さまざまな理由があります。そんな中で、多くの皆さんが、心がけることでどうにか予防に近づけられることがあります。それが、「有酸素運動」です。有酸素運動とは、比較的軽い負荷の運動で、公園やプールでの「ウォーキング」や「自転車エルゴメーター」など、無理のない範囲で長い時間運動をし続けることができるような、そんな運動のことです。有酸素運動を続けると、じっとしている時よりも血流が増えますよね?この「血流」がとっても大切なのだそうです。血液の流れが勢いを増すと、血管の内側の壁に血液が「こすれて」あたります。血管の内側の壁のことを「血管内皮細胞」といいます。内皮細胞に血液が勢いよく「こすれる」と、内皮細胞は大喜びします^-^大喜びした内皮...血管を若く保つためには…
車のない時代は、歩いて出かけていました。洗濯機のない時代は、洗濯板でゴシゴシと洗濯していました。エレベーターのない時代は、階段を使って昇り降りしていました。パソコンのない時代は、手作業で仕事をしていました。便利な世の中になればなるほど、人が運動する機会は減っていきました。「便利を求める」ってことは、「運動したくない」ってことなのでしょうかね^-^?リハビリ、中でも理学療法士は、患者さんや利用者さん達の運動機能や、身の回り動作の能力の維持や回復を目指してプログラムを組み立てます。基本的には「筋トレ」を行ってもらい、基礎基礎体力などの底上げを図ります。便利な世の中になってしまった現代人の場合、すでに筋力・体力は落ちていることがあるため、病気や障がいでさらに筋力・体力が落ちているように思います。そのような方たちに筋ト...貯筋は今のうちから
元気なおばぁのスタンプも作っています。覗いてやってくださいm(__)mLINEスタンプ、もうひとつご紹介
少し前にLINEスタンプを作成しました。良ければご購入ください^_^URLの貼り付け方が分かりません(T_T)ラインのURLをコピーしてから移動していただくか(上)、Twitterから移動するか(下)で覗いてやってくださいm(__)m[太めのチンアナゴ]https://line.me/S/sticker/3862106/?lang=ja&ref=gnsh_stickerDetailhttps://twitter.com/rrrrryo11/status/1227229561349267460?s=09LINEスタンプ作ってます
病院や施設で働く職員さんの中には、毎日たくさんの患者さんや利用者さんのお世話をしているうちに、「麻痺」してる人が時々います。例えば、長い間寝たきり状態となった意思疎通が困難な高齢者さんのお世話をしている間に、その方のことを同じ「人」として見られなくなってしまいます。だから、つい本音が口からこぼれます。本来でしたら思っても口にしないでしょうけど、返事ができない人は、もう「人」じゃない、とでも思っているのでしょうね。このように、長い間かけて病院や施設で勤務して、患者さんを人として見られなくなり、そのうちに平気で暴言を吐いたり失礼な言動をとってしまう、しかもそれに対して悪いことをしているという自覚もなくなっている人のことを、私は「医療従事者症候群MedeicalStaffSyndrome:MSS」と呼んでいます(造語...医療従事者症候群MSS
医療や福祉の現場で働いている人の中には、結構面倒くさい方もいます。私が苦手なのは、「認知症や意思疎通の困難な寝たきり患者さん」といった患者さん・利用者さんに対してのみ、無愛想だったり雑な対応をする職員さんです。こういった方は、お世話を「してやった」にも関わらず、感謝の言葉や態度を示すことができない・難しいため、お世話を「してやっても」見返りがない、とでも考えているようなオーラを放っています。一方で、よくお話されるような、気の強そうな、発言に力をもっていらっしゃるような患者さん・利用者さんに対しては、必要以上に関わりを持つようにしており、言葉の端々に「あなたには、特別にケアしています」とったオーラ全開で突入していきます。医療・介護の従事者も人ですから、好き嫌いはあると思いますけど、それでもその道のプロなんですから...医療・介護従事者は素敵な人?
2020年になり、1ヶ月が過ぎました。私のブログ作成の継続性の無さが露呈しております(^-^;SNS全般が苦手な私が、このたびTwitterを始めることになりました。ブログもTwitterも、仕組みをあまり把握できていませんが、「イラストをたくさんの方に見てもらいたい」、「介護やリハビリの仕事をご存知ない方に、あれこれお伝えしたい」という思いだけで進めております。どうぞ、長い目でお付き合いくださいm(__)m理学療法士の仕事は、患者さんや利用者さんとじっくりお話しながら対応させていただけるところが、とても良いと思います。痛みや動きの難しさを、その場で具体的にお聞きしてサポートいたします。バタバタと急がしい時もありますが、患者さんや利用者さんの心の声を、できるだけ正確にお聞きできるようにこれからも心がけてまいりま...理学療法士の仕事
今回も、大変期間を空けてしまってからの投稿です^-^;ところで、突然ですが私は、病院や老人保健施設、有料老人ホームにおける、各スタッフの「対応の悪さ」がとても嫌いです。すべてのスタッフではなく、本当にごく一部のスタッフなのですが、理学療法士にしても、看護師にしても、介護福祉士にしても、時々、見ていて辛くなる対応に遭遇することがあります。敬語が分からないとしても、丁寧語ですら話せないスタッフ、声掛けもせずに突然車椅子を移動させるスタッフ、プライベートで嫌なことがあったことをそのまま仕事中に態度に表して患者・利用者さんに気を遣わせるスタッフ、便失禁してしまった(させてしまった?)パジャマを、すすぎもせずに家族が持ち帰る洗濯駕カゴの中に放り込むスタッフ…、書き出したらきりがありません。私自身、介護の仕事を始めたばかり...●●あばたもえくぼ●●
リハビリテーションの分野では、団塊の世代が75歳以上を迎える「2025年問題」に向けて、地域包括ケアシステムの構築に力を入れています。現在、年齢層で最も多い昭和22~24年生まれの方達が、あと8年程度で「後期高齢者」と言われる75歳以上になられます。医療費や介護費の負担をどう削るか…など、厚生労働省を中心にあれこれと策が考えられ、その実施が市町村を中心に進められています。理学療法士には、障害を持った方の生活動作の回復や、回復が難しくても悪化を予防する、などの働きが期待されています。私自身、その一環として図書館の集会室をお借りして、月に2回、健康に関するお話と簡単な体操を、ボランティアとして実施させてもらっています。その体操教室では、地域のご高齢の皆さんがたくさん集まってくださり、約1時間の会を楽しんでくださって...●●笑う門には福来る●●
介護の仕事をしている時、初めて認知症の方の対応をさせていただく経験をしました。私達が想像もしない行動をとられたり、なぜそんな行動をとられるのか分かりませんでした。もちろん今でも分からないことがたくさんあります。でもある時、認知症で徘徊を繰り返すご利用者さんに対して「どこにいくのですか?」と尋ねた後で気が付いたことがありました。「あぁ…、もしかしたら『ここ』が楽しくないから…、落ち着かないから…ここではないどこかに行きたいのかなぁ…?」と。ご自宅にいても「家に帰る」と外へ出て行ってしまう方もいらっしゃいますが、それはもしかして、その方の「家」とは、子どもの頃に過ごされた田舎とか、思い出深い土地なのかもしれませんね。自宅に帰れず、長い間施設で生活しなければならないご利用者さんがいらっしゃるのであれば、ぜひその施設を...●●ここではないどこかへ●●
認知症のおじいさんの、とっても可愛らしいお話をひとつ。その場のお話は可能ですが、難しいことはニコニコ笑いながらそれとなく話を終わらせるところや、昨日どころかさっきのことすらあっという間に忘れてしまうくらいの、すばらしい忘却力の持ち主のKさん。リハビリが始まるため、5分くらい早めに訪室しお迎えに上がりました。すると、呼吸器疾患があるため、居室でまだ吸入器を使用していらっしゃるところでした。吸入器とは、薬のとかしてある水蒸気を、空気と一緒に薬を吸い込むための機械です。よく見るとKさんは、水蒸気の出る部分を口ではなく、顔に散布するようにこまめに顔を保湿されていました!!「Kさん…、これは口にあてて空気を静かにすったり吐いたりする機械ですよ」とお伝えすると、「あはは、そうか…」と理解してくださったのか否かは不明ですが、...●●吸入器?美顔器?●●
私が介護士をしていた頃、とっても仲良くしてもらっていたKさんという女性の利用者さんがいました。とてもユニークで冗談をおっしゃり笑い上戸な方で、時々下ネタもご披露なさる方でした^-^;ある時、大学で介護を学んでいる実習生がやってきました。髪の毛も茶色くて、誰が見ても「介護に興味はない」というのがドーンと伝わってくるような男の子でした。やる気もなさそうでしたし、何よりも高齢者に興味がない、という印象でした。とりあえず大学で介護を学んで手に職をつけておけ、と親に言われたまま過ごしてきたのかなぁ…という感じでしょうか^-^;?対応に困っていましたが、ふっとKさんを思い出し、Kさんに彼を紹介しました。私「Kさん、彼は実習生の〇〇君です。実は彼…、好きな子がいるそうなんですが、どうやって声をかけていいか分からないそうです。...●●究極の指導者●●
私達、医療従事者・介護従事者には、一日に何度も発してしまう言葉がありますね。その中の一つに「ちょっと待って」があります。鳴り響くナースコールを解除して「ちょっと待っててください」荷物を運んでいる最中に声をかけられて「少し待っていてくださいね」リハビリ中に業務連絡が入り、いったん席を外す時に「少しお待ちください」…などなど。一日の中で、何度この言葉を発しているでしょうか^-^;差し詰め、お母さんが子どもに「早くしなさい」を毎日連呼しているようなものなのでしょうね*^-^*「ちょっと」とは、どのくらいの時間なのでしょうね。介護やリハビリに従事する立場の職員の「ちょっと」と、今にもオシッコがもれそうで早くトイレに連れていってほしい要介護状態の方の「ちょっと」は、きっと分単位以上の認識の違いがあるでしょうね。先日、ちょ...●●口ぐせ●●
あけましておめでとうございます。昨年からブログを始めましたが…さっそく更新を怠っておりました^-^;どんな方々がご覧になってくれているのか分かりませんが、実際の現場の様子を私なりの視点でお伝えさせていただき、介護やリハビリの業界に興味を持っていただければ何よりです^-^今回は、私が初めて描いたイラストをご紹介します。介護の仕事を始めたばかりの約20年前、完全な寝たきり状態で、お話もできず、声をかけても反応のない状態のご高齢の利用者さんのお世話をしておりました。清拭のために体を動かしても時々、痛みを感じられたかのような眉間にしわがよるくらいしかない表情の変化、オムツ交換などの時に体位変換(体の向きを変えるなど)を行うと、閉じていた目がパッと開いたりするような反応しかありませんでした。もちろん、口からの食べ物の摂取...●●独り言上手●●
介護の仕事をし始めてから、それまではお年寄りの皆さんについて、それほど気にとめたことはありませんでした。ひょんなことから介護士として老健で働き始め、お年寄りの皆さんの「可愛さ」に気づくことが多くなりました。慌てず騒がず、穏やかで、ちょっとしたことでも動じない、それでいて思っていることはきちんとおっしゃる、そんな認知症のおばぁさんもいらっしゃいました*^-^*その方はいつもニコニコされていて、私達のような若い職員に対してもいつも礼儀正しくされていて、しかしながら認知症のため身の回りのことをある程度確認させてもらう必要がありました。いわゆる「問題行動」というのはなかったので、介護スタッフからも比較的人気のある、愛されるキャラの方でした。ある日、居室に置いてある「楽のみ」といわれるプラスチックで作られた、寝たままでも...●●楽のみの正しい使い方?●●
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