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わた☆あめ 脳内読書会 https://wataamebook.hatenablog.com/

会話形式で本の感想を綴っています。あまり長くならず、楽しく本を紹介できるよう試行錯誤中です。 あるある、こういう読書傾向ね~とひっそり共感してもらえると嬉しいです。

わたあめ
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2019/12/24

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  • 中学校に通い続けることが致命的に危険と判断し子供たちは学校を捨てた:『希望の国のエクソダス』

    ナマムギ。パキスタンで地雷処理に従事していた日本人少年は同じ日本の少年たちからそう呼ばれていた。CNNの取材記者に日本語を話してみてくれと言われ「ナマムギ・ナマゴメ・ナマタマゴ」と答えたからだ。 コロナによる休校では学校を恋しく思った生徒がいる反面、のびのびと自宅で自分なりの学習時間を持った生徒も多かったのではないかと思う。勉強は本当は自分が好きな場所で、好きなように、好きなだけすればいいことなのだから。 世界中でステイ・ホームでの生活が広まる中、自宅からのリモート・ワークの場にはいくつもの可愛らしいハプニングが起こっている。子供が画面に映りこんだり、先日は猫のしっぽのみが映り込み、飼い主が白…

  • 「不離怨願、あたご様、五郎子」:『よろずのことに気をつけよ』

    川瀬七緒さんのデビュー作。第57回江戸川乱歩賞受賞作品。 巻末におさめられている選評では「呪いに対する理解が甘い」「会話文が多く冗長」と辛口だったけれど、私は純粋に楽しめた。 床下から見つかった呪い札は専門家が見れば「うなじの毛がチリチリと逆立つような」もの。これをつくったものは本気だ、まったく迷いがない、と文化人類学者で呪術を専門にしている中澤は思う。 しかしこの札の材質を調べると、札は何十年も前に床下に埋められたようなのだ。なぜそんな前から呪いの札が埋められていたのか、そしてなぜ、今になって老人は殺されたのか。老人の写真が剥がされたアルバムは何を意味するのか---。 「あたご様」や「五郎子…

  • 変人が帰ってきた:『シンクロニシティ 法医昆虫学捜査官』

    法医昆虫学捜査官シリーズは第1作目の『147ヘルツの警鐘』も読んだけど、この一作目での赤堀先生はどこか普通の女性。岩楯刑事と色っぽい関係になりかけたり・・・第一作目だから安定路線で行ったのかなぁ? でもこの作品ではしっかり変人に戻っている。腐乱死体を発見した刑事に「で、何回吐いた? もちろん、寮に帰ってからも思い出し吐きしたよね?」と嬉しそうに尋ねたり。そうでなくちゃ。 レンタル倉庫で見つかった腐乱死体。遺体は腐乱が進んでいて身元の特定ができない。赤堀先生はレンタル倉庫コンテナの床下で見つかった蟻の死体をヒントに、アリの巣を調査、その巣の中の「蟻のゴミ捨て場」から欠けた脱皮痕を発見する。その脱…

  • 子どもの頃の夜をありがとう:『フジモトマサルの仕事』

    フジモトマサルさんの訃報を耳にした時、あの『ダンスがすんだ』の人だなと思いだし、家の棚を探して見たけれど処分してしまったようでもうなかった。この本は久しぶりに出かけた大きな本屋で見かけて、その時は買わずに帰ったのだけど、その後も表紙の印象が頭から離れずに購入。 なぜ彼の絵がこんなにも心をとらえたのかは、この本におさめられている糸井重里さんの文章にそのまま表現されている。子どもにとっての「行っちゃいけない夜」を思い出させる感じ。それをもう子供ではない自分に思い出させる。既視感というか、入れ子になった記憶の感覚というか。 フジモトマサルさんは二本足で立ちあがって生活している(擬人化された)生き物を…

  • 勉強するということはノリが悪くなること:『勉強の哲学』

    なんとも不思議な本でした。「勉強すること」について、著者の専門である哲学の考え方や用語を使って、著者自身の体験も盛り込んで語っている本です。タイトルにある「哲学」とはそういうことだったんだと読み終わって気づきました。勉強することの姿勢、セオリーのようなものについての本かと思って手に取りました。 哲学の難解な用語を使いながらも、ノリやツッコミ、ボケといった大衆的な言葉も用いて「勉強すること」について語っています。 勉強することは今いる環境(ノリ)から別の環境へと移動すること。皆がいる環境(ノリ)から移動するのだからキモい人になる。 僭越ながら、なんだか分かります。興味に没頭していると自分もノリの…

  • ほうずき市の由来に驚愕:『イネという不思議な植物』

    『イギリスはおいしい』という本の中で著者の林望さんが日本のパンにふわふわした食感のものが多いのは「主食というものは白くて温かくふわふわと柔らかいもの」という刷り込みがあるからだ、というようなことを書いていらして、とても納得した。日本のパン、あれは炊いたお米の一種なのか。確かに外国では日本のようにフワフワしたパンをあまり見かけない。そうはいっても、私自身はお米は週に半分くらい食べれば十分で、海外にいた時もお米が恋しくて恋しくてということも特になく、冷凍のクロワッサンなどを喜々として食べていた。 ただ食事では「主食」というものを食べるべしという刷り込みは強くて、おかずだけで食事を済ました時は何とな…

  • お気に入りの変人をまた一人見つけた:『メビウスの守護者 法医昆虫学捜査官』

    ミステリー小説は私にとって純粋に読書だけを楽しめるジャンルです。他の本は読み終わった時に少しでも賢くなろうと言う下心が・・・。 法医昆虫学とは遺体に発生・寄生する虫、その成育段階や種類で死亡時期や場所の特定を試みるものらしい。Wikipediaによるとアメリカでは裁判の証拠として採用されることもあるとか。 遺体に群がる昆虫たちだから、登場する昆虫はどれもぞっとするものばかり。法医昆虫学者である赤堀先生は屍肉食の凶暴なハエが顔一面にたかっていてもびくともしない。すごい、惚れた! 死体から発生するウジが脱皮する回数で経過した時間がかなり正確に測れるなんて知りませんでした。赤堀先生曰く「虫は本能でし…

  • 恋、家族、友情、祖国、幽霊、そして殺人。娯楽小説の王道:『流』

    台湾を舞台にした外省人一家の物語。波乱万丈な人生を送る祖父(そもそも中国から台湾に渡った人で波乱万丈でない人がいるだろうか)、彼は台湾のある地で現地の人々を大量に殺戮したという過去があるのだが、まったくそれを気にすることなく暮らしている。周りの人々もそれは同様で、「あれは戦争だったんだ! わしがおまえの家族を殺して、おまえがわしの家族を殺す。そんな時代だったんだ」とお互いを乱暴な口調で気遣いながら、いつか大陸に帰るという夢を抱いて台湾での日々を過ごしている。 その祖父が殺される。 これから歴史に絡んだミステリーが始まるわけねと思っていると、そうは進まず。高校生の主人公は替え玉入試で進学校を退学…

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