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海外オヤジの読書ノート https://lifewithbooks.hateblo.jp/

50代、窓際おじさんが、それでも成長し生き抜くために読書をします。その読書録。最近、生き抜くより息抜く読書が多めです。2014年から海外で生活しています。因みに奥さんは外人。

仕事術、健康(サラリーマンとして)、思想、歴史、陰謀論(趣味用)、教育、金融(家庭の維持用)などの本を読んでいきます。今年は老後の生き方の模索とキリスト教がテーマ

住所
東南アジア
出身
東京都
海外オヤジ
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2019/12/13

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  • 落選集だけど確かに面白い。不思議なやわらかさの短篇集 『戌井昭人 芥川賞落選小説集』

    皆さん、こんにちは。 やっと居所に戻る日程を決めました。5月末には居所に戻ります。 懸案は先般骨折(右手!)して入院・手術し現在家事のできない母、そして認知症の父。 退院後私達夫婦も共に寝起きしていますが、私は一足先にもどり、家内にはもう一か月日本に居てもらうことにしようと思います。 医者からは概ね三カ月程度は安静に(家事禁止)、と言われています。うち二カ月半程度は我々でカバーできる予定です。 体力も心配。母も家に居てずっと何もしないものですから、とにかく筋力が弱まってくる。母は股関節が悪く足の長さが異なってきてしまったので杖なしには動けないのですが、その杖は本来は骨折した右手でコントロールす…

  • 相変わらずムスコ君が素直でステキ。英国下流地域の一風景 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』ブレイディみかこ

    皆さん、こんにちは。 先日下の子の春休みの読書(いっても大学生だけど。。。)に読ませたプレイディ氏の著作。というか読んだかどうかもしらんけど。 先般書店に行きますとパート2がありまして、早速購入したものです。中古だけど。 日本語の本は苦手とのことでこの本を下の子に読ませるかどうかは思案中。より彼女の興味には沿いそうなんですがね。 ということで本題に参ります。 地域の移り変わりと社会の移り変わり 家庭の「話せる」雰囲気 おわりに 地域の移り変わりと社会の移り変わり 前回に引き続き、英国の下層?の住宅地のお話。ムスコ君は中学2年-3年になります。 やはり公立中学に通うムスコ君の話がメインも、彼の友…

  • 大人も読める(子どもには刺激強め?)YA 『書店主フィクリーのものがたり』ガブリエル・セヴィン、訳:小尾芙佐

    皆さん、こんにちは。 レーベル(ブランド)への信頼感ってないですか? 私のような昭和の人間からすると、たとえばSONYとかはオーディオ関連だと「オシャレ」「かっこいい」の代名詞でした。で、そのSONYがPC事業をやるといって始めたVAIO(今は売られちゃったけど)も、その後光を受けたかのようなオシャレな印象があった気がします。 いや、何が言いたいかというと、ハヤカワepi文庫です。 本屋をうろついていて、このレーベルは多分間違いなさそうだな、と何も考えずに手に取って買える。それすなわち、レーベルへの信用です。 ということで、買ってみたらたまたま2016年本屋大賞(翻訳部門)一位の作品でありまし…

  • 引退後スパイ + 打倒「AIビッグブラザー」のディストピア的物語譚、の連作 『シーソーモンスター』伊坂幸太郎

    皆さん、こんにちは。 引越しをしたため、諸々入り用が続いています。 土日はデフォルトで家内にお付き合いして家具屋・雑貨屋・百円ショップを徘徊する日々であります。 それにしても、女性の皆さんは何故にかように雑貨が好きなのか。 私は正直そういうの「どっちでもよい」というタイプの人間(お金がないだけというのもある)。家内にもそう公言しています。ただ家内も家内で、聞いてほしい・相談したいというものがあり、(仮に「壁打ち」のようでも)それを聞くことこそ夫の役目・共に生きること、と考えており、一緒についていくことにしています。長時間連れまわされ最終的にちょっと不機嫌になるのですが。 まあ、疲れたっていう愚…

  • 65歳で引退ムリ! 100年人生を生き抜くための指針を 『ライフシフト 100年時代の人生戦略』リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット、訳:池村千秋

    皆さん、こんにちは。 いつの間にか連休ですね。 私はアジア勤務で一時帰国中につきオンラインでの勤務をしております。もちろん在所のカレンダーで勤務しております。 ということで4/29も勤務でした。で、夕方街にでたらどうも若い子や夫婦然としたカップルが多く、家内が「今日日本は祝日だよ」と気づいたものです。連休中も当然勤務となります。 ということで本題に参ります。 いつまで生きる? 3ステージの崩壊 お金とキャリア 無形資産:家族 戦略を持ち、準備する おわりに いつまで生きる? 先進国の寿命がどうやら大分伸びている、否、今後も伸びてゆく(100歳超えるのが普通)、という想定のもと、生き方を考えるべ…

  • 日本グルメの黎明期小ネタ集 『歴史のかげにグルメあり』黒岩比佐子

    皆さん、こんにちは。 現在三拠点?生活をしています。 アジアの辺境の居所がひとつ。新たに引越しした神奈川県、そして実家のある東京都下。 そもそもは80代の親から子供たち(彼らの孫ら)を外に出してほしいという話が発端でした。ところがその親(母)が転倒・骨折(右手)で入院・手術をし、3カ月程度は家事禁止とのこと。父親は穏やかながら認知症なので、私と家内で実家暮らしをしつつ諸事面倒を見ております。 ということで、引っ越し先の神奈川県と東京都を行ったり来たりしているものです。 兎に角疲れます。 ということで本題に参ります。 筆者と概要 日本グルメの黎明にスポットを当てる 具体的には 接待におもう おわ…

  • 殺すこと、食べること、働くこと、生きること、のノンフィクション 『鶏まみれ』繁延あづさ

    皆さん、こんにちは。 下の子が大学に進学し、引っ越し等もあり、かなり入り用が続いています。 うちは概ね決済は楽天に寄せており、そちらのポイントで子どものケータイの支払いやら必需品を買っています。で、今月はポイントがかなりたまったので、贅沢して新刊を購入! 普段古本メインだと、ただ新品を買うだけでも楽しくなります。幸せの沸点の低いやつです。 ちなみに本書、”基本読書”の方が紹介されており、気になり購入したものです。 ということで本題に参ります。 食肉の現実のどうして エッセイのテイスト おわりに 食肉の現実のどうして いやあ、良かった。 基本的には本書はノンフィクションに位置づけられましょう。 …

  • 劇チックな青春小説 『ブラザー・サン シスター・ムーン』恩田陸

    皆さんこんにちは。 引越しをしています。でバタバタしています。 これまで私の父母の家で私の子どもたちが住んでいました(ジジババwith孫ら)。 子ども達を高校生から寮や独り暮らしにするのも心配(寮に入れる金がなかった)、老齢の両親が一軒家で暮らすのも心配。だったら孫のお世話をしてもらおう、というのが当初の目論みでした。変な詐欺もおおく、若い人がいると少し安心かなとも。 しかし今や、父は認知症となり、母も弱って来て、もう孫らの面倒を見切れないと。子どもたちも祖父母世代との価値観のズレにイラつき気味。で、この度晴れて実家を出ることになりました。 ところが先日母が庭で転倒、入院、手術をしました。医師…

  • 女子グループ、母子関係、難しそうだなー 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ』辻村深月

    皆さんこんにちは。 大学生になった娘が服に苦慮しています。服がない。コーディネートが分からないと。 思い返すこと30余年前、私にもそういう時代がありました。これまで制服で、着たきり雀でも良かったわけです。しかし、キャンパスには女子がいる(それまで6年間男子校)! 変な恰好できない! というかモてたい! そんな心境でした。 私の場合、地方から出てきた服飾大好きな友人がおり、まだ全国区ではなかったユナイテッドアローズやビームズの本店、その他諸々のセレクトショップを彼から教えてもらい、そこのセール品だけ買っていた笑 渋谷と原宿を行き来しウインドーショッピングをして自分のテイストを作りました。 今、こ…

  • 飄々とボケることを目指す 『遊行期』五木寛之

    皆さん、こんにちは。 読書ですが、結構2冊ないし3冊を並行して読むことが有ります。 で、こうやってメモを残しておくのですが、メモを書くときに読み途中の本に言及したくなる時ってありませんか? そういう時、なんかもやっとしませんか? 読み途中の本は、途中ゆえ、その後の展開によってはどうなるか分からない。また既読ではないのでリンクをペコっと貼っておくわけにもいかず。とはいえ一からその本の説明をすると長ったらしい…。 まあ、既読のふりをして『〇〇にも似たようなことが書いて有りました』って書けばいいだけなんですがね。所詮は私人の書き散らしですし、ここにきて厳密さに拘るのもおかしな話です。 ということで本…

  • 2019年ゴールド・ダガー賞受賞作 猟奇殺人と驚きの結末 『ストーン・サークルの殺人』M・W・クレイヴン、東野さやか

    皆さんこんにちは。 80代の母が退院しました。転倒発生から入院、手術を経て一週間かからずのスピード退院となりました。 怖いのは、母の足腰の衰え。 先生も仰っていましたが、全身麻酔の後、入院が長引くことで認知症を引き起こすこともあるとか。幸いうちの場合は認知症は大丈夫のようなのですが、既に足が弱ったか、入院前と比べて歩みがかなり遅くなりました。 自分の生活もおぼつかないわけですが、今後は両親の様子も見守る必要がありそうです。 ということで本題に参ります。 あらすじ(裏表紙より) 現実逃避?での読書 展開やよし。主人公のキャラ弱め? おわりに あらすじ(裏表紙より) 英国カンブリア州に点在するスト…

  • ダイエット・長寿・生殖のコントロール?からの陰謀論も 『食欲人』デイヴィッド・ローベンハイマ―、スティーブン・J・シンプソン、訳:櫻井祐子

    皆さんこんにちは。 母の手術があり、本日も病院に参りました。で、この病院の対応(総合受付)がイマイチ。ちょっと不親切なのです。 不幸自慢ではありませんが、私自身30歳前後から50歳の今まで5度入院・手術をしました。そうすると、あそこは良かった・ここは良くないというのが分かってきます。 私が入退院をした20年間で色々変わったでしょうが、これまでにダントツでよかったのは神奈川県のE市の総合病院。 Wifiもあるし、スタッフも多いし、全てにおいてスムーズでした。ついでに先生もめちゃくちゃ分かりやすかったです。 ということで本題に参ります。 はじめに タンパク質が食欲を決める ダイエットへの応用も 食…

  • 最後にほろっとさせる韓国YA小説 『アーモンド』ソン・ウォンビョン、矢島暁子訳

    皆さんこんにちは。 てんやわんやです。 母が庭で転んで、右腕を骨折しました。見た目腕が”く”の時に曲がっていました。 日曜の夜に大学病院の救急にかかり、粉砕骨折+開放骨折とのこと。数日後にオペをするそうです。命に別条がないのにもほっとした次第。 たまたま夫婦で一時帰国していたのは幸いでしたが、私は仕事はそっちのけで病院を往復し、家内には認知症の父の面倒を家で見てもらっています。 これまで同居していた子ども(ジジババの孫)達も4末に引っ越しを控え、その準備も私達が仕切ると。 電車での移動、病院での待ち時間が多く、それはそれで本が読めるのはいいのですが、仕事に身が入りません。浦島太郎になりそうで今…

  • やや中だれ感あるかな 『ときぐすり』畠中恵

    皆さん、こんにちは。 物価の上昇を感じること、あろうかと思います。 スーパーや外食などで物価上昇を感じるのは一番身近でありましょう。ただ読書好きは、やはり本の値段に物価上昇を感じることが多いのではないでしょうか。 新書は新品で900円台、下手すると1000円台。文庫も翻訳ものの分厚いやつは1000円越え、700円800円台もザラになって参りました。まとめ買いをすると、千円札で釣りがくるというのは過去で、万札を出して数千円おつりがくる、という状況変化ではないでしょうか。 そして庶民の味方のブッ〇オフ。ここにも物価上昇の波が押し寄せてきました。 これまでは最低価格は110円(税込)であり、このライ…

  • 概ね納得感のある仕事術本。若手・中堅向きか 『仕事の結果は「はじめる前に」決まっている』大島祥誉

    皆さんこんにちは。 書籍のタイトルや惹句、結構気になりますよね(なりませんか)。 「転生したら〇〇だった××」「ハーバード(スタンフォード)式〇〇」等々。 特に見た目が10割とか、戦略がすべてとか、ああいうのが本当に苦手で…。だって受験予備校で習いませんでしたか? All とかAlwaysが使われている選択肢は大体間違いなんですよ! だから、悲喜こもごもに満ち溢れるこの世界で「絶対」「10割」と言い切る姿勢に対しては、眉唾ものと疑ってかかったほうが良い、というのが個人的スタンスです。 もちろん内容や筆者の思いとは別に、出版社や編集者の思惑の末の惹句という側面はあろうかと思いますが。 で、久々に…

  • 徒花と消えた民主化の夢。巻き込まれた元学生らの行く末は 『時が滲む朝』楊逸

    皆さんこんにちは。 外国語で文章を書く、なんて想像できますか? 私、海外に住んでいるということで、同僚とのteam連絡やメールは当然の事ながら英語がメインです。スピーチクラブにかれこれ7年程所属しているので(発音はともかく)、多少はサマになる文章を作れるようになったかなという自信はあります。アジア英語ですが。 しかしながら、人に読ませるような文章を書けるか(ましてや書いていて楽しいか)と言われれば、答えは絶対にノー。 だけど、そういうことが出来る方がいらっしゃるんですね。日本の方が海外でやっている例としては多和田葉子さんとかが代表になりましょう。反対のパターン、母語が日本語ではない方が日本語で…

  • 淡くプラトニックな大人の恋慕 『センセイの鞄』川上弘美

    皆さんこんにちは。 読書が好きです。 で、そういう同好の士のブログを見ていて、ふと書名が頭に刻まれることがあります。 それがおきたのはつい先日。いつも楽しみに読ませてもらっているじゅくせん氏(id:Hirono0562)のブログで目に留まり、そのまま頭に残っていたのが本書。そのポストで、いったい何の本の話をしていたのかも覚えていないのに、引き合いに出された本書だけ不思議と頭に残っていました。 ということで本題に参ります。 あらすじ(裏表紙より) ひとこと 読後にじわじわ「分かるかも」と。 おわりに あらすじ(裏表紙より) 駅前の居酒屋で高校の恩師と十数年ぶりに再会したツキコさんは、以来、憎まれ…

  • このムスコ君、いいやつだなあー 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ

    皆さん、こんにちは。 先日下の子の高校の卒業式でのこと。 校長先生が「文学でも経済でも哲学でも、なんでもよいので是非春休みの間に古典と呼ばれるものを読んで、大学生活に備えてください」と仰られていました。 それを聞いた私は、よし娘にプラトンの対話篇でも読ませてみよう、思いました。が、まあこれは絶対にウザがられるのだろうと一瞬で脳内却下。 少しして、古典読めって校長言ってたじゃんと娘にいうと、娘は「あそういえば、「イエロー」?とかって本?あれ読んで見たい」とのこと。ああ、あれねと早速仕入れてきたのが本書。 子どもに読ませる前に自分で読んでみたものです。 ハーフの男の子のはなし マージナルな存在 家…

  • 20世紀半ば、米国孤児院とリンゴ農園での濃密な人間模様 『サイダーハウス・ルール』ジョン・アーヴィング 訳:真野明裕

    皆さんこんにちは。 相変わらず、寒かったり暑かったりですね。 先般、下の子の大学の入学式に行ってきました。これがまたすんごい人。 幾つかキャンパスがあるのに、7学部7000人を超す新入生+その父兄(=合計で2万人は下らないと思います)を一つのキャンパスに集め、時間をずらすことなく一気に入学式を行う。まあ駅から大学までが混んだこと。雨も降っていたこともありましょう。 対して2年前に出席した上の子の入学式は二日に渡り数回に分けて開催したため、(混んではいたものの)そこまできつくはありませんでした。 ひとえに学校の方針の違いではありますが、下の子の大学は学生・父兄へのやさしさは少なめでしたかねえ。 …

  • 出口のないインド貧困。死ぬか苦しむか 『レンタルチャイルド』石井光太

    皆さん、こんにちは。 今年の日本は桜の満開が遅めですね。私の実家近辺ではこの前の週末、未だに7分程度の開花具合でした。夜は夜で未だ寒く、上着が手放せません。 雨が降ったり、寒かったり、そのくせ花粉もけっこう飛んでいたり。 私は花粉症はないのですが、家内や子供たちは辛そうです。 早く暖かくなるといいですね。 暖かければ暖かいで、これまた暑い暑いと文句になるのでしょうが…。 ということで本題に参ります。 概要(裏表紙より) 蟻地獄のような、出口なしの貧困 物乞いでも苛烈な競争社会 おわりに 概要(裏表紙より) 2002年、冬。インドの巨大都市ムンバイ。路上にたむろする女乞食は一様に乳飲み子を抱えて…

  • 25周年記念の短篇は、連作ではなく個別に楽しむ 『パズルと天気』伊坂幸太郎

    皆さんこんにちは。 来月辺りに(子どもたちの)引っ越しを予定しています。 実家から持っていけるものは持っていくとして、家電や家具の幾つかは新たに買い揃える必要があります。で、下の子が高校卒業間際に友人から「わたし、実家に戻るから要らないし、家電とか欲しい?」と聞かれたそう。その子から冷蔵庫・洗濯機・ベッドなどを譲り受ける予定です。 はて、高校から独り暮らしとは(てか付属の高校なんですが進学せんの?)、と思い、子どもに尋ねると、もともと米国在住、ご両親やご兄弟は向こうに居るそう。うちみたいにハーフということでもなし。そして高校三年間を日本で過ごし、再び米国に戻り、米国の大学に行くとのこと。で、高…

  • 夢のマイホームをニュータウンに持つと悲劇!? 今後の「家」は手放す前提で 『こんな街に「家」を買ってはいけない』牧野知弘

    皆さんこんにちは。 先日NHKのクローズアップ現代で、空き家問題についての番組が放映されていました。 丁度不動産を見て回っていたこともあり、興味深く見ていたのですが、偶然にも積読していて手元にあったのが本作。なかなか面白かったです。 近年「不動産」が「負動産」と呼ばれることも多くなってきました。大きな買い物をギャンブルに例えて言ったりしますが、不動産を持つというのはこれまでとは違った「賭け」になるかもしれない、と思いました。 ということで本題に参ります。 ひとこと リスクが高いのは「ニュータウン」 おわりに ひとこと 不動産業界に関わってきた筆者による、あらたな「不動産のミカタ」とでもいった本…

  • ホラーと見紛う展開。161回芥川賞受賞作 『むらさきのスカートの女』今村夏子

    ランキング参加中読書 皆さん、こんにちは。 先日、少し上めの上司から「AIを使って効率化せよ」みたいな物言いがありました。 よくあることかもしれませんが、一部の上層部には上位ライセンスが付与され、私のようなペーペーには当然のことながら高機能AIにはアクセス権限なし。かといって、個人情報漏洩防止の観点からオープンAIとかを使えるわけでもなく…。 社内AI(使いづらい)の活用頻度を上げるきっかけとしては良かったのですが、本当に自分が使っているのか、どうにも評論家のような物言いのように聞こえ、独り憤慨しておりました。 今年は本格的にAIを使う元年にしたいと思います。英訳・タイポミス発見以上の、より高…

  • お気楽な調子から一点、悲劇が麻之助を襲う 『こいわすれ』畠中恵

    皆さん、こんにちは。 下の子が高校を卒業しました。 学部を選ばなければほぼ100%内部進学ができるという学校でしたが、約一割程度の人が「その他」の進路を選んだということで、非常に驚きました。 浪人なのか、他大なのか、詳細は分かりませんが、小学校(幼稚園?よく知らん)から上がってくる子が半数近くいることを卒業式の校長の話で聞き、驚愕。知らんかった。で、それで外部を選ぶの? うちの子がそんな状況で外部を選んだら「お前さあ、」と、もやもやと責めるような言葉を投げちゃいそう。親の苦労がしのばれます。 でも、親の苦労が無駄になったのかといえば、きっとそうではなく、親が与えた環境があったからこそ自由に自分…

  • 家を買う人は概要は知っておいた方がよいかも 『火災・地震保険とお金の本』石川英彦・高田晶子・三上隆太郎

    皆さんこんにちは。 日本に帰ってきましたが、三月の半ばというのに、相変わらず寒いですね。気温10度前後ですと、居所の気温30度から20度近く下がることになります。 電車に乗ると、座っている方が全員スマホを同じ姿勢で見ているという光景も普通になりました。そんな折、紙の本を窓の脇で読んでいる方などを見かけると、「同士よ、共に頑張ろうぞ」と勝手に応援したくなります。 紙だけが本でもないですし、読めばよいというわけでもないし、ましてやケータイが悪いとも言いませんが、少数派の肩を持つのが私の流儀、underdog、でございます。 読書で自己を鍛えるって、今だとブルーオーシャンだと思うんですけどねえ…。出…

  • 母娘の禍根物語。あるいは母性の勝利と父性の失墜 『母性』湊かなえ

    概要(裏表紙から) 父性の母性に対する敗北 おわりに 概要(裏表紙から) 女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。 世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。……遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が交錯し、浮かび上がる真相。これは事故か、それとも――。圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語(ミステリー)。 父性の母性に対する敗北 母と娘を巡る確執の話、という如何にもな湊氏作品。 自殺未遂の娘、その母親、そのまた母親(孫からしたら祖母)。祖母の無条件の愛のも…

  • 人の指導より、自己の成熟が先だよ 『上司の壁』白戸三四郎

    皆さん、こんにちは。 またぞろ日本に一時帰国しております。 下の子の高校卒業・大学進学に伴う諸行事に参加することが主因です。 しかし、子育てというのもあっという間ですね。うちは二人の子がどちらも中学卒業とともに親から離れたのでなおのことそう思います。 全然よい父親でなかったのですが、上の子が日本の高校に行きたいと考えたところから家族へのスタンス(と同時に仕事へのスタンスでもありましたが)が変わってきました。 会社には悪いのですが、やはり家族優先です。 まあ仕事もアサインされているものはやっているつもりですし、ご不満ならほかの方にやらせても結構、と開き直っておりますが。というより、そんな気を遣わ…

  • 人生の無常観を感じる不倫作品? 『見えないドアと鶴の空』白石一文

    皆さん、こんにちは。 忙しいです。 本を読む時間は全力で作っていますが、感じたこと・思ったことを綴る時間が取れません。 ただ、経験からするとPDCAはCの注力具合で出来栄えが変わるし、読書も読んだ後の振り返り(これね)によって深みが変わってくると感じております。知らんけど。 生きることも、読書も、別にそのままでもいいのです。さらさらと生きる・読む・振り返らない、そういう時も必要。でも私個人は敢えて振り返りたい。年齢や病歴から残された時間は多くないと仮定できるし、だからこそ自分にとって意味・意義のあることに時間を使いたい。振り返りは私にとって意義深い時間です。面倒なんですが…。 ということで、戯…

  • 作家の、ヲタクで騒がしく楽しげな日常 『悶絶スパイラル』三浦しをん

    皆さんこんにちは。 週末0歳児の甥っ子の世話を焼き、赤ちゃんのかわゆさにキュン死しそうな50代おじさんです。 無垢という言葉が具現化したかのような赤子を見ると、文字通り「洗われた」ような気持ちになりますね。 すぐに汚れるおじさんの心ですので、定期的に借りこてないとなと思った次第です。 それでは本題に参ります。 あらすじ(裏表紙より) 楽しい作家の日常 おわりに あらすじ(裏表紙より) 作家の一日は忙しい。「シャツがイン」のあるべき姿を考察し、脳内政界ラブロマンスに思いを馳せ、ジョジョTを着て打ち合わせに向かう。タクシー運転手さんにはモテ女を演じ、野球場のゲイカップルをやっかみ、天丼を求め夜の在…

  • 連れ去り事件当時者の女児。長じてその心に去来する気持ちとは 『八日目の蝉』角田光代

    皆さん、こんにちは。 義弟がそのお嫁さん一家の用事で家を空けるということで、甥っ子(義弟の子)とお手伝いさんを預かっています(なお、当地では結構お手伝いさんは大分メジャー)。 いやあ、その預かっている甥っ子ですが、実はまだ6カ月。ぷりっぷりのレンコンさんの足・ほくほくの頬っぺたに頬ずりしまくりです。 で、そんな折に読んだ本が本作。 赤ちゃん連れ去りがテーマなので今の状況の時宜に即しているな、などと感じながら読みました。ただ、どうしてどうして。なかなか骨太な本だったと思います。 あらすじ(裏表紙から) 視点の違う二部構成。どちらも良かった おわりに あらすじ(裏表紙から) 逃げて、逃げて、逃げの…

  • リフォーム会社と付き合う心構え 『住宅リフォームを考えたら必ず読む本』二宮生憲

    皆さんこんにちは。 さて、今年も二カ月が既に過ぎました。 一月も二月も慌ただしく過ぎ、そして三月も下の子の卒入学や引っ越しなどが待ち構えています。 家族優先が個人KPIの配点で一番高いので、ここは集中です。ただ、自己研鑽系の個人KPIも設定しています。そちらについては、わずかな時間ですが日々積み上げて、目標に一歩でも近づく努力をしたいと思います。 ということで本題に参ります。 はじめに リフォーム会社との付き合いは必ず。そして一生。 中古と新築 おわりに はじめに 子どもたちの実家(と、私どもの終の棲家)を作ることを念頭に家探しをしているものです。 海外にいることから、頭でっかちでいいから予習…

  • ホームズの苦闘を回顧する。優れたパスティーシュ作品 『絹の家』アンソニー・ホロヴィッツ、訳:駒月雅子

    皆さん、こんにちは。 そろそろ人事の季節ですね。早い会社さんですと4月1日付の人事が発表になっています。 私の勤める会社でも一足早く副拠点長は赴任されてきました。 私よりちょっと年下ですが、御多分に漏れず単身赴任だそうです。ちょっと気の毒です。お子さんは日本で中学受験で、奥様は子どもの面倒を見ると。 うちは子どもたちは15で親元を離れましたが、家内は幸いなことにずーっと私と一緒です。おかげで家事のことはサポートも得られましたし、くたびれて体力がなくなる前に妻と二人で旅行できたりもしています。子どもたちとの距離感もほどほどであります。 そう思うと転勤というのはなかなか過酷・残酷ですよね。 それで…

  • 角度・切り口を変えて離れた仲間を励ます。ある意味理想の上司か 新約聖書 エフェソの信徒への手紙、フィリピの信徒への手紙、コロサイの信徒への手紙 『聖書 新共同訳』

    皆さん、こんにちは。 前回ポストしてから二カ月ご無沙汰した聖書読破キャンペーン。年初のドタバタにかまけて全く読んでおりませんでしたが、そろそろ仕切り直しで再開であります。 これまでは一日15分とか実に細かく読んでおり、最終的に何が言いたいものだか良く分からないこともしばしばでありました。 旧正月で祝日続きということもあり、まとめて時間をとり、久方ぶりに進捗させてみました。 ということで本題に参ります。 エフェソの信徒への手紙 フィリピの信徒への手紙 コロサイの信徒への手紙 おわりに エフェソの信徒への手紙 エフォソとはトルコ南部の街。現在は古代の遺跡で有名で世界遺産にもなっていますね。そこの宗…

  • 再読したが、相変わらず参考になる 『世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと』クリス・ベイリー、訳:服部京子

    皆さん、こんにちは。 旧正月はじめ祝日が多いうえに仕事が立て込んでき、またまた多忙モードになりつつあります。 無くならない仕事・増え続ける仕事を如何にするのかを考えると1)部下の育成、2)自らの生産性の向上、であると考えています。 で、業務全体の合理化や効率化などを念頭に旧正月前後から再読し始めたのが今回の本であります。 どういう本? なぜ効率的・生産性になりたいのか、を再考する 地道なトラッキングの重要性 おわりに どういう本? 本作は、著者が1年間生産性を徹底研究・実験した成果をまとめた本。自ら週90時間労働や瞑想など過激な実験を行い、「時間」「集中力」「活力」の3要素をいかに活用するかを…

  • 友と旅と人生の諸問題と 『ハグとナガラ』原田マハ

    皆さん、こんにちは。 旧正月です。 今年もうるさい。とてつもなくうるさい、爆竹と花火。朝も夜も。たまに昼も。 親族の家に赴き、分からない広東語・時々北京語をバックにひたすらビールを飲み、途中でうたた寝をして、深夜に帰宅という日々。 英語もみんな喋れるし話せばいいのに、と家内は言いますが、わいわいしている皆をほろ酔い(泥酔)かげんでそっと見ているのも好きなんですよ。 地方出身者のモーレツサラリーマン核家族に生れ育ちましたので、正月はだいたい家族四人だけ。家内の家族の大家族の雰囲気、正に一族郎党、という雰囲気にノスタルジーを感じます。 たまにバカみたいに飲むとみんな喜んでくれるんですよね。まあ年も…

  • いまが低金利の最後のチャンスなのか!? 「中古住宅+リノベーション」を賢くお得に買う方法、著:美馬功之助

    皆さんこんにちは。 そろそろ旧正月が始まります。 先週末からお休みモードが漂い始め、ショッピングモールがすき始めました。他方朝晩は帰省なのか道路がこみ始めたな印象です。 私は2月頭に休みましたので、祝日も少し仕事モードであります。 ということで本題に参ります。 はじめに いいかもしれない シンプルな主張 おわりに はじめに 昨年実家にて最後通牒を受け、子どもともども実家から出る準備をしております。 50代、子どもの学費のピーク、貯金少なし、年金少なし、家内働かず、という状況で本当に終の棲家を用意できるのか不明ですが、細々と勉強を始めたものです。 いいかもしれない これまで幾つか本を読んでまいり…

  • 正義の泥棒・黒澤氏が籠城事件をするりと解決!? 『ホワイトラビット』伊坂幸太郎

    皆さんこんにちは。 家族旅行がおわり、子どもたちが日本に戻っていきました。 下の子は今春より大学生です。付属ということで受験は免除ですが、今週あたりに進学学部発表があるそう。 うちは行きたい学部にまあ何とか行けそうとのことですが、成績が振るわない場合はそうもいかないとのこと。それはそれで付属も大変ですね。 私の同期たちも、こどもに中学受験させるのが普通・小学受験も増えてきました。ただ、こどもが途中で息切れして留年・退学、付属高校・大学に進学できない、進学できるものの意図した学部ではない、ということも大いにありえます。 親は、子どもにできる限りの可能性を授けたいと思い、手筈を整えるのですが、なか…

  • コンパクトで写真入り。エジプト旅行のお供に最適 『古代エジプトの教科書』監修:河江肖剰

    皆さん、こんにちは。 エジプト帰りのフライトで書いています。 私のバケットリストの1つだったエジプト、疲れましたが楽しい旅でした。 旅行者について言うと、言語的ハードルが高い国だからか、団体旅行が多いと感じました。日本、中国、台湾はもとより、スペイン語話者の団体旅行が非常に多かったのが印象的。 それぞれの団体に付き従うガイドも中国語、スペイン語、ドイツ語等、それそれ当然ながらペラペラ ヒゲ面のアラブ男性が中国語を流暢に操るのはとても不思議な感覚。英語がしばしば通じないので、クルーズなどでトラブルがあった時は家内が中国語ペラペラのエジプト人ガイドから情報を聞き出す、なんてシーンもありました。 と…

  • 宛先 古代エジプト愛が溢れ出す 『古代エジプトうんちく図鑑』芝崎みゆき

    皆さん、こんにちは。 あっという間にエジプト旅行が終わりました。これまで幾らか旅行をして参りましたが、なかなか厳しい旅行でした。4500年前の遺跡たち、ホコリっぽい空気と昼夜の寒暖差、そしてアラビア語中心の非英語環境、色々上手くいかない所もありました 本のブログですが旅行の件をまとめておきたいと初めて思いました(多分しないけど)。 ということで、旅のお供に持っていたのが本作です。 はじめに 教科書とは違う、消化をした上での古代エジプト おわりに はじめに 古代文明マニアの芝崎みゆきさんによる古代エジプト本。 どんな方なのか気になって調べるとブログをされていました。これまた凄く親近感の湧く?感じ…

  • エジプト版「走れメロス」? 『ファラオの密室』白川尚史

    皆さん、こんにちは。 エジプトは、私の想像をかなり超える国でした。ホコリっぽい空気、ボロボロの車、激しい交通渋滞、散乱するゴミ等。 私の居所、東南アジアの片隅はまだまだマシで、日本なんかパラダイスだと感じてしまいます。 価値観は色々ですが、日本に慣れると多分エジプトはきついのだと思います。英語も通じたり通じなかったりだし。 ということで本題に参ります。 はじめに あらすじ(裏表紙から) プラス古代エジプトの知識で、面白さ倍増 おわりに はじめに ざっくり言うと、表題通りですが、エジプトの友情物語、じゃないかなとおもいます。 あらすじ(裏表紙から) 紀元前14世紀、古代エジプト。死んでミイラにさ…

  • エジプト社会のイスラムと現実 『エジプトの空の下』飯山陽

    皆さん、こんにちは。 エジプトに向かうフライトで1冊読了したのが本作です。 なかなか面白かったです。 はじめに まなびになります おわりに はじめに イスラム研究者の飯山氏によるエジプト滞在エッセイ。 まなびになります 面白かったのは、イスラムの「濃度」のようなもの。過激派やノーマル(世俗の人)と、同じエジプト人でもそれぞれ。 また、スラム街には救われない人々の現実があり、イスラム内にも差別的な取り扱いがあること。 更には、イスラム同胞団がコプトはじめ異教徒からジズヤ(人頭税)を取ろうとしたり、グローバル化の現代でも価値観は一様では無いことを改めて感じる。 エジプト観光には役に立たないが、旅行…

  • 女性親友同士の離せないドロドロ、からの悲劇 『悪いものが、来ませんように』芦沢央

    皆さん、こんにちは。 今回の作品も、夜に眠れず寝室から抜け出し、そっと本棚から取り、読み始めた本です。 たまにお邪魔するブログに掲載されており、ホラー・サスペンス系で面白そうだと思い購入していたものです。 結果はうーん、という感じでしょうか。 では、本題に参ります。 概要(裏表紙から) えー、結局二人の関係は?? おわりに 概要(裏表紙から) 助産院に勤める紗英は、不妊と夫の浮気に悩んでいた。彼女の唯一の心の拠り所は、子供の頃から最も近しい存在の奈津子だった。そして育児中の奈津子も母や夫、社会となじめず、紗英を心の支えにしていた。そんな2人の関係が恐ろしい事件を呼ぶ。紗英の夫が他殺体で発見され…

  • とにかく簡潔に書こう! 『簡潔さは最強の戦略である』ジム・バンデハイ、マイク・アレン、訳:須川綾子

    皆さん、こんにちは。 これがポストされる頃にはエジプトに居ることでしょう。頑張って金使うぞ! もう”DIE WITH ZERO”以降、銀行残高の急降下に免疫がつきました、少し笑 さて、グループチャットやチェーンメールな大嫌いな私。本作も、そうだよねー、と膝を打つような内容だったと思います。 それでは本題に参ります。 概要 主張に大賛成 おわりに 概要 情報過多の現代において、相手の時間を尊重し「短く伝える」ことの重要性を説く一冊。著者は、読者が文章の冒頭数秒で読むか否かを判断していると指摘。 ダラダラとした説明を排除し、「結論・根拠・詳細」の順で構成する独自のメソッドを提唱しています。単なる時…

  • 貧しいHarryが拓く逆転人生。シリーズ第一作はツイストの嵐 『Only Time Will Tell』Jeffrey Archer

    皆さん、こんにちは。 あっという間に一月も終了。バタバタとした一か月でした。 一月は、Year Resolutionを作成しやりたいあれこれに優先順位をつけ、先ずやってみるという月でした。そして、まずまずワークしたと思います。 仕事はやや忙し目、本も余り読めず、けれども家内と運動をしたり、(これから行く)エジプト家族旅行計画など、やるべきことはやれたかなと。 ひと月一冊は読みたい英語の本もギリギリ読了であります。 ということで本題に参ります。 概要 安定の面白さ おわりに 概要 1920年の英ブリストル。貧しい家で育った少年ハリー・クリフトンは、美声と明晰な頭脳を武器に、過酷な運命を切り拓いて…

  • 制約を超え、ことばの可能性を信じる 『生きる言葉』俵万智

    皆さん、こんにちは。 突然ですが、『夫が寝たあとに』というTV朝日系列の番組を結構見ます。 www.tv-asahi.co.jp ミキティーと横澤夏子さんが司会をしているバラエティー番組です。一応「子育て」は、片棒に満たないくらい程度で参加したと考えていましたが、女性陣の話を聞けば聞くほど、自分は何もやっていなかったと自覚するに至ります。 その番組に最近、俵さんが出てくるのですね。 かの方のシングルマザーっぷりも、当時「一世を風靡した」かのような勢いがありました。そんな氏の本が他所のブログで紹介されており、手に取ったものです。 ということで本題に参ります。 概要(Amazonより) どうしてか…

  • えぐみ・奇抜さもある青春小説。爽やかなだけじゃないのが良い 『対話篇』金城一紀

    皆さん、こんにちは。 40代後半から、疲れているのに眠れないというと事がたまに起こるようになりました。 で、そんな日が先週ありました。 そういう時はケータイには極力触らず、小説を読むようにしています。 ということで手に取ったのが本作。 いやあ、これがなかなか良かった。 それでは本題に参ります。 概要(裏表紙から) 青春小説。えぐみ・つらみが爽やかさを引き立たせる。 「恋愛小説」:純愛だな 「永遠の連環」:Kとは誰だ? 「花」:若き日の悔悟と純愛 おわりに 概要(裏表紙から) 本当に愛する人ができたら、絶対にその人の手を離してはいけない。なぜなら、話したとたんに誰よりも遠くへといってしまうからー…

  • 効率化を求めた果てに辿りついた諦観。繰り返し読みたい 『限りある時間の使いかた』オリバー・バークマン 訳:高橋璃子

    皆さん、こんにちは。 相変わらず忙しいです。その中でも仕事の中で小さい喜びを見出しています。 自由研究。私が勤める会社は当地では設立以来14年程。開業以来すべてのFinancial Statementを引っ張り出してきて、BS/PL/Cash Flowを連結させてみました。更に主要項目にCAGRをつけて伸び率を見たり、経費率をくっつけたりしています。 今は人件費周りとヘッドカウントの情報を集めています。そして近々に粗利の将来見込みをはじき出すモデルを作りたいと思います。 …って本当に忙しいの?って書きつつ自分に突っ込み。 毎朝タスクの洗い出しをしますが、緊急度×重要度の二軸の表で、緊急じゃない…

  • あなたは自分の夢を生きないのか? 『アルケミスト』パウロ・コエーリョ 訳:山川紘也+山川亜希子

    皆さん、こんにちは。 突然ですが、月末からエジプトに旅行に行くことになりました。 私、昨年”DIE WITH ZERO”を読んで、偉く感動しておりました。そして実は家内の考え方も以前よりそうした考えに近しいものがありました。 で、私のバケットリストの旅行先であるエジプト。子どもたちも何でか都合がついてしまい話に乗っかり、家族四人で珍道中となりそうです。ただ費用は半端ない。飛行機やらツアーやらビザやらすべて自前で安く抑えていますが、それでも高い。クレジット枠は増額で対応、銀行残高はみるみるうちに減り、こちらのお金で円換算で50万円を割っています。。。怖いです。怖すぎです。 でもとりあえず何とかな…

  • まんまチェックシートの本。建売が少し怖くなるかも 『こんな建売住宅は買うな』田中勲

    皆さんこんにちは。 相変わらず仕事が忙しいです。 もとい、部下さんを叱るのをやめて、1人作業とマニュアル作りに勤しんでいるものです。 彼女はまあ切れるというタイプではなく、むしろ根はいい人、というタイプ。呑み込みが良い方ではないので私の方が常にイラついてしまいます。 しかし、切れて部下が変わるわけではありません。そして『あいつは何度いっても分からない』、これは上司の敗北宣言だとのたまう書籍に出会い、上記のマニュアル作りに舵を切り替えたものです。 家内曰く、急激に白髪が増えてきたそうです。年齢不相応に若く見えてしまうので丁度いいかなとも思いますが。 ということで本題に参ります。 はじめに ほぼ一…

  • 山奥育ち、ホーリスティックな女の子の自己陶冶小説 『王国』よしもとばなな

    皆さん、こんにちは。 仕事が忙しいです。日々前進し、早く楽になりたいです。 ということで本題に参ります。 よしもとばなな、といえば 程よいスピリチュアル系!? こんなはなし 雫石の成長物語 おわりに よしもとばなな、といえば 私が学生だった頃、よしもとばなな氏といえば、吉本隆明氏のご令嬢ということで、昭和の知識人の家庭で育まれた文芸界のホープ、よく言えばサラブレッド、悪く言えば二世、みたいな印象でした。 ここにきて幾つか作品を読むと、結構ねっとりと心の底を描写しつつ、しかも恋愛がらみの作品が多いことが分かりました。 つまりクセがある。大分ね。 好き嫌いでいうと、とても好きともいえないのですが、…

  • 祖母のもとで回復する中学生。YAかな 『西の魔女が死んだ』梨木香歩

    皆さん、こんにちは。 昨年12月より新しく部下さんが増えてしまい、諸々時間を取られ、本が読めておりません。 これが本来の働く姿なのかもしれませんが、どうにも面倒だなあと感じております。 とはいえ、先日読んだ上司が読む本的な奴には「仕事の細分化は上司の仕事」とあり、まあそうだよなあと思い、渋々?仕事をしています。 あと数年かけて、私の抱えていた仕事を図式化・定式化し、意義を書き、できれば使用しているマクロも共通部品化してシンプルで手入れが利くようにしたいと思います。 1人でやっていた仕事ですが今は(私を入れて)3人でやると。なんだか効率的ではないのですが、継承するというのはこういうことなのですか…

  • 中年以降で転職をする前に読む本 『早期退職時代のサバイバル術』小林祐児

    概要(裏表紙から) 「勝ち組」には関係ない本 中年の転職のポイント 日本の人事制度に詳しい おわりに 概要(裏表紙から) コロナ禍で早期退職の募集が急増している。対象は3年連続で1万人を超え、リーマンショック後に次ぐ高水準だ。業績良好な企業の「黒字リストラ」も少なくない。長年尽くした会社から突然、戦力外通告を突きつけられ、会社に残れば「働かないおじさん」と後ろ指を指される。なぜキャリアを積んだ中高年がこんなに邪魔者扱いされるのか。転職すべきか、留まるべきか、どう変わればいいのか。制度疲労を起こしている「日本型雇用」の問題を浮き彫りにしながら、大リストラ時代を生き残る術を示す。 「勝ち組」には関…

  • 優しき農場労働者らの苦境と人間模様 『ハツカネズミと人間』スタインベック 訳:大浦暁生

    皆さん、こんにちは。 50代になり、寝つきが悪くなることが増えました。 とりわけ夕方にうたた寝などするとてきめんで、その晩は眠れないことが多い。あとはちょっと日常と違うことが有ると、ペースが崩れるのかその晩は眠れないこともあります。 実は、さる大晦日・正月と、家内の友人夫婦が当地に遊びに来て、私達夫婦が当地をアテンドしていました。 うちの奥さんより4つ上の友人とその一回り(12歳)年上の旦那さん。で、旦那さんも69歳。50歳のわたしなぞ小僧ですよね。 因みにその夫婦は中国人で家内の日本留学仲間だったものです。69歳の旦那さんとは18年ぶりくらいにあいました。 2人とも時に日本語でしゃべってくれ…

  • 話は分かるけど、難しくない? 『自分の頭で考えて動く部下の育て方』篠原信

    選書の理由 概要 確かに、の気づきも おわりに 選書の理由 知人を職場に迎え入れ、初めての部下ということもあり、丁寧に教えているつもりで2年。成長が当方の期待ほどに達せず、切れキャラのようになりつつあり、これではまずいとハタととまったのが彼女が入社して2年半。 この部下さんとの関係・接し方を改善するべく、書籍を渉猟している時に本書に遭遇しました。まさに、そうなってほしいよ、というタイトルだったので。 概要 もうタイトルにある通りです。 色々書いてありましたが、裏表紙にもある上司の非常識な十訓というのが本書のキモといっても過言ではないとは思います。 懇切丁寧に教え込む、というのではないところに特…

  • 殺人事件。女にハマる刑事。その先にあるのは。 『その先の道に消える』中村文則

    皆さん、こんにちは。 明けましておめでとうございます。 いやああっという間に一年経ちましたね。 まだ一年の目標をきっちり立てていません。週末を使い、なんとか計画を立てたいと思います。 それでは本題に参ります。 あらすじ 相変わらずのダークさと性の奔出 おわりに あらすじ アパートの一室で発見された"緊縛師"の死体。参考人の桐田麻衣子は、刑事・富樫が惹かれていた女性だった。現場を偽装する富樫。全てを見破ろうとする同僚の葉山。やがてある“存在告白”が綴られた驚愕のノートが見つかり、一つの事件が思わぬ境地へと飛翔していく。 相変わらずのダークさと性の奔出 中村氏の作品といえば、初めて読んだのが「掏摸…

  • 2025年読書を振り返る(印象に残った5選)

    今年一番感動したシーン、ケニアのサバンナで見た野生のライオン(本文とは関係ありません) はじめに 今年の読書は170冊くらい 1. 読み直し(コンプリート)シリーズ(伊坂幸太郎、村上春樹) 2. 生き方の参考本:『DIE WITH ZERO』『限りある時間の使いかた』『東大八年生』 3. 死に方の参考書:『透析を止めた日』『母さん、ごめん』『介護未満の父に起きたこと』 4. 文芸・エンタメ:『カササギ殺人事件』 5. 英語:”The Finkler Question” おわりに はじめに 皆さん、こんにちは。 今年も沢山見ていただきまして誠にありがとうございます。 基本的には備忘であり、おもね…

  • 建築家と現実化する素敵な家づくり 『家を建てたくなったら 令和版』丹羽修

    選書の理由 建築家と家を作りたい!になるよ おわりに 選書の理由 『実家は死んでも渡さない(意訳)』という母親の発言により、自分たちの終の棲家、そして子どもたちの「実家」を作りたいと思うに至った2025年11月。 少ない予算、というかそもそもお金をいくら用意できるのか分かりませんが、とにかく家の購入についてのTo-Doを整理したいという一心で、AIにおすすめの本を幾つか選んでもらったものの中から読んでいるものです。 建築家と家を作りたい!になるよ いや、家が欲しくなります。注文住宅で欲しくなります。 土地や建築費がどれくらい高騰しているのか・いくら払えるのか等々、全く考えていませんが、家が欲し…

  • 戦時下の英国。報道機関BBCでの人間模様を静かに描く 『HUMAN VOICES』Penelope Fitzgerald

    皆さん、こんにちは。 年初に「英語の本を月二冊読みたい」という目標を掲げておりましたが、結局平均して月一冊すら読めませんでした。英語力の向上も推してはかるべし。 でも買うのは楽しいものですから、洋書の積読が大変なことに…。来年こそは月に一冊はきっちり読んでいきたいですね。 ブッカー賞受賞作や候補作は確かに面白いし感じるものがあるのですが、いかんせんムズカシイ。他方、エンタメ系で読んでいるAgatha ChristieやJeffrey Archer は確かに面白いしpage-turnerなのですが、読むだけになってしまいがちで、たまに「この時間なんなん?」と疑問に思うことも。 面白いとともに、ふ…

  • 自分の死を自分のものにするために 『死ねない老人』杉浦敏之

    アジアの辺境に住んでいます。 医療体制は当然の事ながら日本とは異なります。 皆保険はありませんので、高額の民間保険を購入し、医療サービスを受けるたびに保険金の申請をします。いきおい、余り医者にはかからない、手遅れになる、という側面も現れます。 医療技術についてもすんごく進んでいるというわけではありません。私が日本でやった、モヤモヤ病からの脳の動脈のバイパス手術は当地では断られました。 これらのことから、当地の医者はとりわけガンなどでは、ある意味で「あきらめが早い」傾向に。患者は家に帰され最期を迎えます。ということで、今年亡くなった妻側の親族2人も家で最期を迎えました。 そうしたことを想起しなが…

  • 閑職社員が社内の黒歴史を暴く!絶品エンタメ作品 『星間商事株式会社社史編纂室』三浦しをん

    皆さん、こんにちは。 最近、三浦しをんさんの作品を結構読んでいます。 思えば私が中年になり読書を再開したそもそものきっかけは、二つ。 一つはダメリーマンな私が、何とか自分を立て直すためのヒントが欲しくてビジネス書や自己啓発書を読み漁ったというもの。 もう一つは、日本語がヤバい子どもたちが日本の高校に進学したいと言い出したため、彼らの国語力向上を目指し子どもでも面白く読める、練習になる小説を探すというもの。 後者の文脈で東野圭吾さん、森絵都さん、恩田陸さん(爽やか系作品のみ)などをチョイスして勧めていましたが、いまや子どもたちも無事高校・大学へと進学。私の文芸・エンタメ系読書はこの路線を引きずる…

  • 気持ちが続きません… 新約聖書 コリントの信徒への手紙(二)、ガラテヤの信徒への手紙 『聖書 新共同訳』

    皆さん、こんにちは。 今年中に終わりたかった聖書読破キャンペーンですが、どうやら越年決定となりそうです。12月に入り予想以上に仕事が忙しくなり、窓際のくせに増えてしまった部下2名の塩梅について考える・本を読んで参考にする・一から諸々説明する・話を聞く等々しており。ごくごく普通のことであるのですが、なんだかちゃんと仕事をした気に少しなりました。 でもこうして部下をもって分かりましたが、教える・指導するということが私は楽しくありません(普通なのかな?)。一人で効率化・自動化をちまちますすめていくほうが好きです。 はい。愚痴はその程度にして本題に参ります。 コリントの信徒への手紙(二) ガラテヤの信…

  • 嫉妬なくして読めず。でも参考になる。 『リーダーは自然体』増田弥生、金井壽宏

    選書の理由 筆者は恵まれすぎ? 傾聴に値する金言たち おわりに 選書の理由 部下をつけてもらって二年超、彼女が思ったように育たず、関係はどんどん悪化。どうにかしたい・何とかすべしと手に取ったのが本書。ただし、思惑は大分外れたかなあと思います。 筆者は恵まれすぎ? 何だか嫉妬してしまって、本筋が頭に入って来ませんでした笑 何ていったってきらびやかなキャリア。20代でリコーからJVに出向でニューヨーク勤務。30代でリーバイス本社採用でサンフランシスコ勤務。後にシンガポール勤務。数年のキャリアブレイクを経てナイキ本社勤務。 そして本人は英語が特段上手いわけでも、がつがつとストイックに仕事をやるタイプ…

  • 清冽な書き口も、意外と重苦しい読後感 『推し燃ゆ』宇佐見りん

    当初は中古でも高かったので 新鮮で清冽 推し活は期間限定の宗教? 学習障害も気になる おわりに 当初は中古でも高かったので こちらの作品、2021年の芥川賞受賞作ですね。筆者が若いということで話題になっていたと思いますが、ほとぼりが冷めたというか、落ち着いてきたところで手に取って読んだ次第です。 新鮮で清冽 まず感じたのは、若さ。バーガー屋さんじゃないけど、Freshness。 これは綿矢りさ氏のデビュー作『インストール』を読んだときにも感じましたが、少し自意識が強めな文章、とでも言いましょうか。 どちらも高校生が主人公でしたが、高校生の割には自己省察のできる冷静で的確な表現力。他方で、己の表…

  • FPが書いた家の本。ベーシックかつ網羅的 「家を買おうかな」と思ったときにまず読む本、 竹下さくら

    先日一時帰国したときに高校時のバンド仲間と飲みました。 その彼、今年再婚し、奥様(18歳年下とのこと)との共同名義で家を購入したそう。ギリギリ35年ローンを組めたとのことですが、35年後って、彼、84歳ですよ。 へーえ、すごいなあ、と大変だなーと思っていたら、そうそう他人事ではない状況に私もあることにその後気づきました。 それでは本題です。 選書の理由 基本事項の勉強に おわりに 選書の理由 先月一時帰国したときに、実家を(死後も)渡すつもりはない、とやんわりと母に申し渡されました。勝手に老後は実家に戻ろうと考えていた私は青天の霹靂。 これまでの親不孝・不仲がここにきて結実してきた形です。 就…

  • 会社不祥事の元凶は? 次第に状況が見えてくるクライム小説 『七つの会議』池井戸潤

    皆さん、こんにちは。 忙しくなってきました。仕事に、プライベートに。 仕事は部下さんに『考えさせる』ことを諦めました。もう1人部下が出来てしまい、1人だけに贅沢に時間を使うことができなくなりました。『伝わらない』への対策は、明白な指示のマニュアル化です。複雑な思いもある一方、これはこれで業務を見つめなおす切っ掛けにもなりそう。 プライベート。今夜も、今年三度目のお通夜に行ってきました。明日はお葬式。 今回は義母の妹に当たる方。何せ義母、本人併せてきょうだい11名(2男9女)! 結婚20年超(こちらで式をしました)、移住して12年目ですが、未だに親族の名前がかなりあやしい。殆ど覚えていません。も…

  • リモート勤務の建付けの秘訣 『リモートワークの達人』ジェイソン・フリード/デイヴィッド・ハイネマイアー・ハンソン 訳:高橋璃子

    皆さん、こんにちは。 突然ですが、自宅勤務、どう思われますか? うちの会社では週に2日の自宅勤務が許されており、当方もフルに利用しています。 良いか悪いかでいうと、確かにいいですよ。まずもって通勤時間がなく、その分の身体的負担がない。 ただ、会社勤務の良さも確かにあると考えます。すぐに質問できる。ちょっとした説明をするときに手書き(粗描ですが)で図示できる。 これがオンラインだと、図示するときは空のエクセルをあけて、(その場で)罫線を引いてBSを書いたりして説明したりと、対面と比較するとスピードが落ちる。そのほか、やる気も確かに落ちるかも。 で、本書。今から2013年に発表され、コロナを経て文…

  • あたたかい作風がメイン、背筋の汗のような冷感が一瞬漂う短編も 『日曜日の夕刊』重松清

    あらすじ(裏表紙より) 重松氏の思い出=キコク受験 ほのぼの、だけではない おわり あらすじ(裏表紙より) 日曜日、お父さんがいてお母さんがいて「僕」がいて、お兄ちゃんとお姉ちゃんは恋人がいて――。ある町の春夏秋冬、日常の些細な出来事を12の短編小説でラッピング。忘れかけていた感情が鮮やかに蘇る。夜空のもとで父と息子は顔を見合わせて微笑み、桜の花の下、若い男女はそっと腕を組み……。昨日と同じ今日なのに、何故だか少し違って見える。そんな気になる、小さな小さなおとぎ話。 重松氏の思い出=キコク受験 本作、重松氏がサンデー毎日に連載を持っていたものを作品化したもの、だそうです。 重松氏は直木賞作家で…

  • 世界史既修者なら、かなり面白い会計と世界史の関連 『帳簿の世界史』ジェイコブ・ソール 村井章子訳

    皆さん、こんにちは。 かなりドタ勘に近い大雑把な感触ですが、男性というのは結構、ウンチクが好きかと思います。 トリビアの語を冠した番組であったり、雑誌やムックの特集に「〇〇の雑学」みたいなタイトルがつくものがこれまでに散見されてきました。あれはきっと編集トップやディレクターが男性だったのだと確信しています(もっとも最近はその手のものは見かけなくなりましたが)。 さらに年を経ると、このうんちく好きは更にレベルアップして、オジサンは歴史好きになるのだと、個人的には確信しています。 一昔前ならば、大河ドラマに見入ったり、突然司馬遼太郎に目覚める、というパターンです。 そして、私がこのうんちく好きを自…

  • 結婚関連ルールが印象的 新約聖書 コリントの信徒への手紙(一) 『聖書 新共同訳』

    皆さん、こんにちは。 昨年から引き続き聖書読破キャンペーンを一人で細々と続け、もう年末を迎えてしまいました。旧約は今年読破、新約も何とか半ばまで来ましたが、いかんせん新約は物語性が旧約に比べるとやや薄いかなと感じます。飽きました泣。 半ば苦行のような、苦しみながらの読破ですが、早く終わりにして次の二年間くらいはシェークスピアとかギリシア哲学に進みたいなあと想像しています。 ということで本題に参ります。 はじめに 結婚について おわりに はじめに 具体的な背景についてはwikipediaを参考にウォームアップ。 ja.wikipedia.org 端的に言えば、パウロからコリント(ギリシア)にいる…

  • 私たちは分かり合えないのですか?泣 「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 今井むつみ

    皆さん、こんにちは。 私、一人部下がおります(外国に居るので、日本人ではありません)。 採用して2年がたちましたが、正直成長は私の期待を下回ります。 今もって、何度も繰り返して説明していますが、全くと言ってよいほど伝わっている感がありません。最近、なるほど、と嘘をつくようにもなりました(その「なるほど」は分かっていませんね、と突っ込みますが)。 そして次第に私も不機嫌になり、顔にも態度にも出るようになりました。 これはまずいと思い上司(日本人)にも相談しました。 彼の答えは「もう見ない、というか物理的に見れない。それを皆さん分かってもらうことで、あ、これは自分がしっかりしなくてはダメだなと感じ…

  • ボロアパート住人らによるエンタメ!?だけではない心の叫びも 『小暮荘物語』三浦しをん

    あらすじ(裏表紙より) 変人?住民たちの短篇連作!? その想いに見方が変わる・・・ おわり あらすじ(裏表紙より) 小田急線の急行通過駅・世田谷代田から徒歩五分、築ウン十年、全六室のぼろアパー ト木暮荘。そこでは老大家木暮と女子大生の光子、サラリーマンの神崎に花屋の店員繭の四人が、平穏な日々を送っていた。だが、一旦愛を求めた時、それぞれが抱える懊悩が痛烈な悲しみとなって滲み出す。それを和らげ癒すのは、安普請ゆえに繋がりはじめる隣人たちのぬくもりだった……。 変人?住民たちの短篇連作!? ぱっと見、これはアパートの住人を巡る短篇連作、であります。 ただ、本作、それにとどまりません。 誤解を恐れず…

  • 村上氏のフィルターを通した地下鉄サリン事件 『アンダーグラウンド』村上春樹

    皆さん、こんにちは。 12月に入りましたが、忙しくて本が読めなくなってきました。 本作も、11月にゆーくり、ゆーくり読みつつ、最後は居所に戻る際の飛行機上で読了したものです。何となく備忘を書きそびれて、今頃になり、まさに忘れぬように綴ったもの。 ああ、本が読みたい。 もっと仕事で楽したいので、やっぱり来年は仕組みやプロセスの見直し(マクロ等も共通化・部品化)でもしようかなとぼんやり考えています。 ということで本題に参ります。 地下鉄サリン事件のインタビュー集。だけど文学!? いつのまにか『ナショナルストーリー・プロジェクト』 おわりに 地下鉄サリン事件のインタビュー集。だけど文学!? いやあ、…

  • マンガのノベライズっぽい。和+学園+美形+アクション 『雪月花黙示録』恩田陸

    皆さん、こんにちは。 11月末に居所に戻り、近頃仕事が結構忙しくなってきました。ひょっとすると、自分のやる気?が戻っただけかもしれませんが。 去るもの日々に疎しとはよく言ったもので、オンラインで仕事をすると、私の場合、少しやる気が落ちます。とりわけ居所(アジア)から日本に一時帰国しての自宅勤務はそう。 本当にだめな50代。 で、戻って着た途端、シンガポールの地域統括から細かい注文がつき、それにアドホック対応するために慌ただしくなっているというもの。だめ気味な部下の指導にも力が入らず放置気味、そして自分が黙々と仕事を背負いこむという良くない流れを感じます。 人の育て方についてイマイチ相談できる人…

  • 介護の厳しさ・追い詰まりを、切実にくっきりと描く佳作 『母さん、ごめん』松浦晋也

    皆さん、こんにちは。 あっという間に、ことしも師走と相成りました。 思えば今年の初め、『今年の計画は自分中期経営計画を立てるぞ』と妙な怪気炎だけを上げておりました。が案の定、細かいWBSも作らなかったこともあり、成果物も進捗もない単なる読書オジサンが出来上がっただけになりました泣 近年自分の大病、親の認知症などがあり、自分の将来を積極的に思い描くよりも、目の前に迫りくるかもしれない優先事項に当たっておかねばならないかも、と介護・死などの本を立て続けに読んでいた次第です。 で、今回の本。 介護の本ですが、かなり刺さりました…。これは40代以上で親御さんがご存命でしたら是非一度手に取ってほしい内容…

  • お金の困りごと+ファミリーストーリー、が新味か 『三千年の使いかた』原田ひ香

    皆さん、こんにちは。 本当にひねくれが治らず我ながらため息が出ますが、私、関心あるくせに、流行りものは嫌い。 で、一息ついたころにようやく手を出してみる、というのが行動習慣としてあります。 まあその根本にあるのはマーケットで高値で取引されているところで今は手を出さない(高値掴み厳禁)、下がるまで待つ(底値狙い)、みたいな気持ちです。ま、株と違い本は時間とともにほぼ確実に値段が下がりますしね(除く学術書)。 或いは、時の試練をくぐり抜けてきたものを有難く拝読したい、と。 で、今回の作品。時の試練をくぐり抜けたかどうかは分かりませんが、値ごろ感ありまして手に取りました。 あらすじ(裏表紙より) 売…

  • 今度もあっと驚く展開。さすがの名探偵的結末。 『その裁きは死』アンソニー・ホロヴィッツ、訳:山田蘭

    皆さんこんにちは。 居所に戻ってきました。 荷造り中、奥さんに、「で、なんでそんなに本を買うの?」と改めて詰められました。 いやあ、まあ唯一の趣味みたいなものですので、と言いたかったのですが、色々つっかれそうだったので、とりあえず無言ニヤニヤでスルー。 まあでも、自重せねばなりませんね。 体も弱くなる中、基本は本は取っておかない(読んだら売る)、の姿勢を続け、身の周りの整理をしたいと思います。というより、読む本も本当は吟味し、歴史・古典系へ移行したいのが本音ではあります。いつまで生きられるか分かんないし。だけど、意志力の弱さからエンタメに流れているのが実際のところ。 ということで、『え?どうい…

  • 男性目線の青春小説… 『愛でもない青春でもない旅立たない』前田司郎

    皆さん、こんにちは。 そういえば子供が20歳の誕生日を迎えました。 いやー、20年、あっという間です。子どもの成長も感慨深いものがありますが、それを考えると奥さんと知り合って来年で30年。むしろそちらのほうが驚きというか、よくもまあここまで耐えてくれたなあ、共に歩んでくれたものだ、と思います。 来年は家内と二人でアニバーサリーとかやっちゃおうかな、と考えています。 あらためて、ムスコ、おめでとう。 もう、健やかに、これだけだよ。多少ア〇なのは、もういい笑 心身ともに健康を維持できればよし。 ということで本題に参ります。 あらすじ ファンタジック青春小説? おわりに あらすじ 主人公の大学生の「…

  • 静かに育まれる不穏・狂気の9篇 『痺れる』沼田まほかる

    沼田まほかる氏 本作は短篇集 おわりに 沼田まほかる氏 沼田氏の作品を読むのも久しぶり。 はじめて氏の作品を読んだときはイヤミスという言葉すら知らず、ただただ読後の不快感に、こういうのは肌に合わないな、と感じたものです。 20年の時を経て、「そういうもの」と分かった上だと、それもまた一つのジャンルだと頭で理解して、心から味わうということが出来るようになった気がします。 改めて。沼田まほかる氏は、1948年大阪府生まれ。主婦、僧侶、建設コンサルタント会社経営などを経て、2004年に56歳で『九月が永遠に続けば』にて第5回ホラーサスペンス大賞を受賞し、遅咲きのデビューを果たした小説家。 その後、『…

  • 英国ブッカー賞二冠の筆者が描く、静謐さに満ちた短篇集 『The Assassination of Margaret Thatcher』HILARY MANTEL

    皆さん、こんにちは。 私、洋書は読むようにしていますが、どちらかというと金銭的理由であります。 日本で翻訳書を買うより、居所で原書を新古品店で買う方が安いと。 洋書を読むことで拙い英語力が向上すればという意図もありますが、原書の単語は難しすぎて日常使いにはなじめないものが多いですね。ということで、やはり洋書購読の主因はお金。 そんな状況ですから、日本に帰ってくると途端に洋書を手に取る機会(気力)が減ります。もう日本語の本の読みやすさに没入です。そして、日本の古本の安さよ。コンディションの良さよ。そして紙質の良さよ。日本クオリティ万歳、であります。 逆に、洋書を日本で読める方のその心の強さに敬服…

  • 老舗の定番の安定感。的なミステリー 『メインテーマは殺人』アンソニー・ホロヴィッツ、訳:山田蘭

    久方ぶりではないホロヴィッツ作品 ギョーカイの中身を描く 探偵と助手がしょっちゅう仲たがいする おわりに 久方ぶりではないホロヴィッツ作品 先週ホロヴィッツ氏の『カササギ殺人事件』を読んで、偉く感激?しオマージュ・ミステリーを堪能いたしました。 今回、手元の積読を居所に戻る前になんとか解消したくて本作を読んだのですが、前回の作品と比べると満足度はやや下回った印象。 作品そのものが原因か、あるいはスパンをあけなかったことが理由かはイマイチ分かりませんが。 とは言え、最後の締め間際のツイストはさすが。あっと驚かせ、畳みかけるように結びをつける作法、おみそれいたしました。 ギョーカイの中身を描く 前…

  • 心の声に従う生き方、取り囲む人たちのやさしさ 『東大8年生』タカサカモト

    皆さん、こんにちは。 どこの中二病かというくらい、未だに人生の行方について悩む、恥ずかしい50代です。 答えは自分のみが導き出せると頭では理解していますが、世間的な成功・名声・お金といった他人尺度の成功も捨てきれずにいる現在(いやもう、ほとんど駄目だけど)。 生きていく上で、とりわけお金は必要なわけですが、それでもなお、お金で買えない満たされた気持ちがどこにあるのか、どうやって満たすかみたいなことをつらつらと考えます。 コンサル的な本じゃない、他人の生きざま、生きぶり?とでもいったものが知りたい(特に定年前のキャリアチェンジの話みたいなのが)と思います。 そんな折に、最近よくお邪魔するブログで…

  • 追い詰められる女性の半生。暗くとも直視すべきフェミニズム小説 『82年生まれ、キム・ジヨン』チョ・ナムジュ、訳:斎藤真理子

    皆さん、こんにちは。 過日、ケ〇の穴の近くの腫瘤の切除をしてもらいましたが、あれから一週間。傷口からの体液の滲出はまだあるのですが、痛みは大分引きました。11月末には居所に戻りますが、フライトにも何とか耐えらる自信が出てきました。 さて、帰国前に妻には「今回はもうあんまり買わないから」とどや顔で宣言していたのですが、結局手元に30冊以上山積みになっています。ブック〇フ、私の心の友であります。 本って、なかなか重いんですよね…。これをどうするか。 幸い今回戻りの便はLCCではなく中国系航空会社で安めのものをチョイス。荷物が結構積めます。日本においておくと買ったのを忘れてネットで同じ作品を買ったり…

  • しっかりとオチが味わえる百田短篇集 『幸福な生活』百田直樹

    短篇もお上手、唸らせる 女性陣からの反撃の数々 おわりに 短篇もお上手、唸らせる これまで百田氏の作品は長編は幾つか読んだことはありました。で、今回は短編集。全部で19篇収録されています。 帯にはデカデカと「衝撃のラスト1行」とありますが、確かに、どれも最後のオチの付け方に唸りました。 作中には、社内結婚後は女性は寿退社で主婦、女性を前に猥談を平気でする等、かつての昭和なモチーフが描かれ、それがためにやや古色を感じる部分もあります。 ただ、そうした中に(こそ)女性側からのカウンターアタックかのようなツイストも効果的になるわけで、これらが本作のスパイスになったと言うこともできましょう。 女性陣か…

  • 夢での成果が現実に反映する!? 不思議でドタバタな近未来伊坂ワールド 『クジラアタマの王様』伊坂幸太郎

    あらすじ(文庫裏表紙より) 異世界と近未来の行ったり来たり おわりに あらすじ(文庫裏表紙より) 記憶の片隅に残る、しかし、覚えていない「夢」。自分は何かと戦っている? ――製菓会社の広報部署で働く岸は、商品への異物混入問い合わせを先輩から引き継いだことを皮切りに様々なトラブルに見舞われる。悪意、非難、罵倒。感情をぶつけられ、疲れ果てる岸だったが、とある議員の登場で状況が変わる。そして、そこには思いもよらぬ「繋がり」があり……。伊坂マジック、鮮やかなる新境地。 異世界と近未来の行ったり来たり 全く関連性も類似もしない三人、製菓メーカーの広報の岸、政治家の池野内、そしてアイドルの小沢ヒジリが、実…

  • 若手から老年まで、読者を問わない人生設計のヒント 『人生の経営戦略』山口周

    皆さん、こんにちは。 今年は自分中計を作るといいつつ既に11月も半ば。一時帰国中ということもあり、仕事も読書もいまいちコミットできず(どうしようもない窓際オジサンです)。 そんな折に出会ったのが本作。 山口氏といえばリベラルアーツ推しの元コンサルみたいなイメージです。比べるべくもありませんが、私も哲学で修士までいってから世に出たタイプ(ただし、アジアの片田舎で呻吟する今の状況は氏とは雲泥の差がありますが)。ということで、仄かなジェラシーを感じつつも若干の親近感あり笑 しかも、本タイトル、まさに自分が今年考えていたことじゃん、と膝を打ち、これまた新品にて購入と相成りました。 それでは本題に参りま…

  • 漂うかのようなモテ男に哀しみすら感じる 『ニシノユキヒコの恋と冒険』川上弘美

    皆さん、こんにちは。 先般ケ〇の穴付近の腫瘤を取ったことで、図らずもナプキン生活をしております。それを家族が面白がり、家内はともかく、息子や娘にまで尻だとかケ〇の穴を見られております(お薬の塗布が必要で)。 『キモ』とかいうのはいいけど、なら見なきゃいいのにって思いますが。 問題は座ると痛みがあるので(ドーナッツクッションも痛い)、立ったままだったり、腹ばいだったりの時間を増やさねばということで。仕事はまあ今はリモートなので、立ちっぱなしでオンライン会議だったり、ドキュメントを読んだりはできますが、メールを書くのは座らないと難しいなと。メールはかなり書きますので、立ったり座ったり忙しい…。読書…

  • オマージュ・ミステリ?劇中劇? 本屋大賞一位は伊達じゃなかった 『カササギ殺人事件』アンソニー・ホロヴィッツ、訳:山田蘭

    皆さん、こんにちは。 一泊二日でケ〇の穴付近のしこりを切除してきました。 一年ぶり五度目(大相撲ばりの頻度…)の入院となりましたが、なんだかんだ入院経験を積んでしまい、病院の良しあしみたいなものが薄々分かってきました。 それでいうと、今回の病院はやや外れ。 日勤と夜勤、看護師と医師との間の伝達・連携が今一つで、何かを聞いても知らなかった・確認してきます、の顔。また看護師サイドが受け身に回る場面が往々にして見られました。 他方、昨年入院したところは、申し送りが密、というか、引継ぎ後の巡回でこれですよね?あれですよね?食事は今日からでしたよね?先生の回診、今日ありますよ、あれが終わったら言ってくだ…

  • 家裁調査官武藤と破天荒上司陣内の数奇な活躍!? 『サブマリン』伊坂幸太郎

    皆さん、こんにちは。 今更ですが、私、多分現在存命の作家さんの中では伊坂幸太郎氏が一番好きかもしれません。 多分全集とか出たら、真っ先に新品で買いたいとすら思う程。 今回読了した『サブマリン』は、前作『チルドレン』の続編となりますが、既に『チルドレン』は手元になし。処分済みであります。 でも本作『サブマリン』を読むと、あれ?これって前作で伏線張られたやつかなーと疑う展開・会話もちょくちょくある。それが読み返せないのが悔しい。そして前作も俄然読みたくなる。 ふと思います。はて、全集なんて、作家が存命のうちに出るものなのかな? 作家よりきっと私の方が健康的にはおぼつかないけど、出たら欲しいなあ。 …

  • 当事者の話・気持ちを聞く。全てのことにも当てはまる!? 『認知症の私から見える社会』丹野智文

    概要 認知症当事者の気持ち、考えてみた? 自由・独立の喪失 話を聞くこと おわりに 概要 本作、筆者の丹野智文氏が若年性アルツハイマー型認知症の当事者として、300人超の仲間との対話から得たリアルな声を綴る一冊。 認知症になっても「何もわからなくなるわけではない」とし、周囲の"やさしさ"が当事者を追い詰める現実を指摘。偏見を脱し、工夫することでよりよく生きる道を示す、当事者の視点からの社会への提言を行うもの。 認知症当事者の気持ち、考えてみた? 認知症の方(本作中では「当事者」、以下当事者)の生の声を届ける本作、結構考えさせらえました。 人間は急には変わりません。変化は徐々に来るものです。とこ…

  • 気軽に読める。日常に潜む「不思議」の物語 『人質カノン』宮部みゆき

    皆さん、こんにちは。 突然ですが、今度ちょっと入院してきます。一泊二日の極々簡易なもの。 実はケ〇の穴付近にしこりが出来ており(痛くない)、この半年で巨大化してきているような感じがあり、一時帰国を利用し医者にかかっているものです。 で、問題は金額。 一応非居住者ステータス(無保険者)なので、全額自己負担。 当初は部分麻酔で日帰り・クリニックでも可、という話でしたが、切除中の痛みが強いために総合病院で腰椎麻酔にて切除・一泊でやりましょうと。この時聞いていたのが3割で6-8万。 で、総合病院で改めて診察にかかると、服用している薬(アスピリン系、昨年の脳の手術もあり服用継続)が悪く作用する恐れがある…

  • 芸事を極める。師匠もプライベートもわちゃわちゃ 『仏果を得ず』三浦しをん

    関西って歴史に溢れている 文楽に弟子入りした若者の物語 蛇足 おわりに 関西って歴史に溢れている 私、学生時代の最後の二年は大阪で過ごしていました。 その当時気に入って通ったのが文楽。日本橋(にっぽんばし)まで電車で通い、国立文楽劇場でひと時を過ごす。結構通いました。 今となっては、文楽が好きだったのか、文楽が好きな自分というイメージに酔っていたのかは分かりません。でも、そういう歴史にまみえることが出来る関西に居られたのは幸せな思い出の一つであります。 梅田で電車を降りて曽根崎警察署を発見すれば、『すわ、曾根崎心中の曽根崎か』となり、大阪城を見れば、『やや、豊臣秀吉の築城ぞ』となる。 もちろん…

  • 窮地に陥ったときの知識、頼る人のあたりをつけるための本 『死なないノウハウ』雨宮処凛

    雨宮氏といえば これは知らなかった FPと親和性あり おわりに 雨宮氏といえば 私のおぼろげな記憶をたどると、筆者は右翼っぽい印象が頭の片隅にありました。いつも通りwikipediaで調べてみますと、右翼から左翼に転向?し、以降は貧困問題・新自由主義反対等に取り組むライター・ジャーナリスト的な活動をしているような方とお見受けしました。 ja.wikipedia.org 因みに右翼という印象ですが『新しい神様』(1999)というドキュメンタリ映画に右翼バンドのボーカリストとしてに出演しており、その時の印象だと思われます。 これは知らなかった なお内容としては、「公開情報ではあるものの、能動的にア…

  • 父親との心的わだかまりの『消化』活動 『猫を棄てる』村上春樹

    父親を語ることで「消化」する 村上作品の中の戦争の影 おわりに 父親を語ることで「消化」する 幼少時、父親とともに猫を川べりに捨てにゆく、という話で始まる本作は、村上氏による父親へのオマージュ、否、一種の消化活動の結晶とでも言う作品だと思います。 長らく不和であったという父親との関係が回復したのは父親が亡くなる前とのこと。 恐らく父子関係のわだかまりは未だ消化しきれていなかったのだと思料します。 そうした背景もあり、本作は父親が語っていたという出征の話を事実と比較しつつ父親や当時の日本に思いを馳せる、とでも言った作品だったと思います。 村上作品の中の戦争の影 戦争への言及といえば、村上作品の中…

  • 弱りつつゆく親を遠隔見守りする 『介護未満の父におきたこと』ジェーン・スー

    皆さん、こんにちは。 子育てがひと段落つきそうと思うと、次に来るのは自分の健康不安や親の介護。中年というのはそういう世代でありましょう。 私、昨年は脳の手術をしましたが、それも相まって死を改めて意識し始めました。 父親は痴呆を示し、母親の腰も丸くなりつつあります。まあどちらも80代ですから致し方ありません。 片方に何かあったらどうするか。 家内とも話していますが、夫婦とも海外に居るところ、家内だけ日本に戻る(つまり私だけ単身赴任の形)、あるいは我々揃って日本に戻るか。でも50過ぎての転職は条件がよろしくなかろうから、身の振り方にも迷う今日この頃です。 そんな折に他のブログで取り上げられた本が本…

  • 『何者でない自分』を受け入れる苦しさ 『田舎の紳士服店のモデルの妻』宮下奈都

    タイトルにご注意 あらすじ 世のメインストリームから外れる? 夫よ、自省しよう! おわりに タイトルにご注意 本作、ジャケット等見ずにタイトルだけで買いました。 なお私、タイトルを誤解しておりました。 モデルをやっている妻、ということではなく、男性服のモデルをやっている旦那さんの奥さん、の話、ということでした。 あらすじ 夫のうつ病がきっかけで、東京から福井の夫の実家へ移り住んだ梨々子。都会での華やかな生活から一転、慣れない田舎での暮らし、つかめない夫の心、子育ての不安など、さまざまな葛藤を抱えながら、妻として母として、そして「何者でもない自分」としての日々を生きる10年間を描く物語。 世のメ…

  • 理想の生き方!? 実はなかなか難しいかも 『生きるように働く』ナカムラケンタ

    皆さん、こんにちは。 今更ですが、ブログっていうメディアが結構好きです笑。 SNSは多種ありますが、情報過多すぎるSNS(X, Facebook, Instagram)は私すべてやめたので、良くも悪くも情弱的なポジションに自ら追い込んでいる気もします。でも安心して下さい。ブログがあります笑 ということで、本の情報はブログから頂いていることが多うございます。というかそれしかない。とりわけ未知のジャンル・種類は。 最近も、一つ、私の琴線に響く本をどんどんアップされている方がいらっしゃり、そのブログの本をwish listにせっせと溜めておりました。でその本を一時帰国を利用して購入した次第です。 と…

  • 「僕」の語る日常。ほのぼの、ちょっとミステリアス。 『夕子ちゃんの近道』長嶋有

    皆さん、こんにちは。 そういえば、一時帰国しています。 下の子が高校最後の学園祭の実行委員をやっているとかどうとかで、最後だし見に来れば?とか言ってくれたのがひとつ。 あとはセカンドライフ模索で、家内がとある国家試験を受けるとのこと。調理師を持っているのですが、もう一つ気になるものを取って、仕事につなげたいそうです。これに帯同。 この半年、学習のスケジューリングをしたり、補足資料をプリントしたり、可能な限りサポートしましたが、え?こんな細かいことも聞くの?てか実務で必要なの? みたいな知識も結構ありました。 勉強っていうのは、実に目から鱗が落ちる体験を多くもたらしてくれる行いであります。私も見…

  • 自分が社会不適合者なだけかもしれない!? 『部下が勝手に活躍する魔法の質問』伊藤治雄

    皆さん、こんにちは。 ところで皆さん、ブログを書かれるときはパソコン派でしょうか、それともケータイ派でしょうか。 私はいらち気味でして、とにかくサクサクやりたいというのでパソコン派であります。ばちばちキーボードをたたいて、記事を作る。 ところが過日、ケータイも意外といいと気づきました。 一時帰国で飛行機に乗っていた時、持ち合わせていた本は既に読んでしまい、パソコンもない。ケータイにもオフラインでアクセスできる気になるコンテンツもない。で本の感想でも書いとくかとGメールで自分宛のメールを作成し下書きとして感想を書いていたのです。 で、まず気づいたのがフリック入力。一文字ワンタッチです。他方、ロー…

  • 苦境に襲われる子どもたち、最後に希望は残されるのか 『未来』湊かなえ

    負の「念」 あらすじ あーもう、負の連鎖 おわりに 負の「念」 これまでに湊氏の作品はかなり読んできたと思います。 イヤミスという切り口もありますが、これまでに感じていたのは「揺るがない自己」という切り口。登場人物が「自分が悪かったのかな」とか振り返ることがない(少ない)という印象です。 そして今回感じたのは、「念」とでもいいましょうか。 とりわけ強烈な負の気持ちの強さ、みたいなものを感じました。 あらすじ 10歳の少女・章子の元に、「20年後のあなた」からの手紙が突然届く。手紙の内容を信じて生きる章子の周囲には、いじめ、家庭内暴力、親の過去など重い問題が次々と浮かび上がる。同時に同級生・亜里…

  • 突然押しかける年下の自称「兄」、その正体は 『春、戻る』瀬尾まいこ

    皆さん、こんにちは。 9月に多忙だった反動なのか、10月は自己研鑽への志向が弱まっています。 こういう時は何が起きるかというと、四六時中ケータイでどうでもよい情報を斜め読みするという…。50代にもなり本当に恥ずかしい。 そういう時は本でも読もう、と常日頃考えています。ということで一冊手に取りました。 瀬尾さんの作品、かれこれ半年ぶりくらいに読みます。 家族がテーマだったり、人と人との繋がりが描かれていたりすることが多く、いつもうるっとしつつ読むことがおおい作家さんであります。 ということで本題に参ります。 あらすじ おおらかな人たち or 他人事な人たち おわりに あらすじ 結婚を控えた36歳…

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50代、窓際おじさんが、それでも成長し生き抜くために読書をします。その読書録。最近、生き抜くより息抜く読書が多めです。2014年から海外で生活しています。因みに奥さんは外人。

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