ちょっと珍しい病気にかかったコピーライターの日記です。 お酒と美味しいものを楽しみつつ、仕事もこなしながら治療に臨みます。 好きな作家は村上春樹、漫画や映画も好きなので、そんなあれこれも挟みつつ。
「58歳没はちょっと早いけど・・・」山本文緒さんの“逃病記”を読む
2021年10月にすい臓がんで亡くなった作家 山本文緒さんの「無人島のふたり~120日以上生きなくちゃ日記」 「58歳没はちょっと早いけど、短い生涯だったというわけではない」 「58歳にもなれば、ずいぶん沢山の知人ががんで亡くなっている」 「どんなにいい人生でも悪い人生でも、人は等しく死ぬ。 それが早いか遅いかだけで一人残らず誰にでも終わりがやってくる」 同世代で、 レベルがあまりにも違うのでおこがましいけれど、 私も「物書き」を生業にしてきたこと。 これを読んで初めて知ったけれど、 実はうちのごく近所に部屋を借りていらしたこと。 (多分、我が家から歩いて7~8分) 猫好きで、「さくら」という…
コロナワクチン未接種。1ミリも後悔していませんが、けっしてワクチン否定ではありません。
新型コロナワクチンに対して、自分の考え方とかなり近く 非常にわかりやすく言語化していただいているので、備忘録として。 コロナ第8波「もし感染しても悔いないでほしい」免疫学者が「これから感染する人」に伝えたいこと|OTONA SALONE[オトナサローネ] 自分らしく、自由に、自立して生きる女性へ コロナ後遺症に苦しむ人たちが例外なく口にする言葉とは?免疫学者がそんな人たちに「伝えたいこと」|OTONA SALONE[オトナサローネ] 自分らしく、自由に、自立して生きる女性へ
ひさしぶりの更新です。 術後1年半検診。 CT画像も血液検査も 「まったく問題ありませんねー っていうか、血液検査で1つも異常値がないって、 実はかなり珍しいんですよー」 いつもながらニコニコ笑顔の ハンサム熊さんドクターに癒される・・・ ひとまずホッとしながらも、 今回念のため聞いておきたかった質問を。 「あのう、万が一コロナに感染したとき、 わたし、“基礎疾患あり”になるんでしょうか…」 「なりませんね(きっぱり)健康体です!(笑)」 なるほど、いざという時も 優先的に入院できる望みはなさそうなので、 感染対策、ますます気を付けないと。 それにしても、コロナ騒動は先行きがますます見えなくな…
自分の「ポンコツぶり」を確認するための通過儀礼、 それが確定申告。 確定申告が苦痛なのは、 数字に弱く計算や経理作業が苦手なせいと思いこんでいたけれど、 フリーランス21年目の今年、はた、と気づいた。 「自分のダメさや醜さと向き合うこと」が辛いのだと。 申告するからには損はしたくない、 ちょっとでも多く還付金を手にしたいというセコさ。 反面、経費を計上し過ぎたりして 税務署に目をつけられたらコワい、という臆病さ。 昨年は多額の医療費がかかったのに、 肝心の領収書類が行方不明、というだらしなさ。 作業にかかる日数は概ね2~3日なのですが、 その間何度も、自分は使えないダメ人間、と痛感する。 ああ…
昨年からかかわっていた出版プロジェクト、 ついに歌集が発売されました。 「黒い雲と白い雲との境目にグレーではない光が見える」 こだわりの装丁、コンパクトなサイズ感 sayusha.com 「サイレンと犀」「たやすみなさい」などで知られる 現代歌人・岡野大嗣さんのオンライン短歌レッスンを経て、 26人の女性サバイバーが作品を寄せています。 私自身は、8首の短歌とエッセイを1つ掲載していただきました。 いちおう、自選の代表作 長年、文章を書くことを生業としてきましたが、 本格的に短歌を詠んだのは初めて。 そもそもコピーライターというのは、 自分自身の気配を消して黒子となり、 クライアントになり替わ…
「日常が 生活が 環境が 世界が、 がらりと変わってしまった」 と、みんながいう。 自分自身を顧みれば、少なくとも生活はあまり変わっていない。 フリーランスのコピーライターという仕事柄、 そもそもStay Homeな日常だし、 そもそもIndoor Personだし、 わざわざ電車に乗って打合せに出かけて 余分な時間を割く機会が減って、 逆に仕事の効率は上がっているかもしれない。 外飲みしなくなったことと、 映画や美術館に行く頻度が減ったこと、 旅行に気軽に行けなくなったこと。 それが一番大きな変化だと思っていた。 でも、そんなことは、実は何でもなかった。 旅も、飲みも、映画も、いつか行ける。…
朝、メッセンジャーの着信音が鳴った瞬間に、 「ああ、亡くなったんだな」 と、直感した。 若い頃から通っていたお店のマスター。 10歳上だが、大学の先輩にもあたり、 家族のように接してくれていた。 私に娘が生まれたときは、まるで孫の誕生を祝うかのように 病院まで駆けつけてくれた。 自身のお父様と一緒に始めたカラオケスナックは、 今年で42周年になるという。 ほぼワンオペで、19時の開店から、 お客様が帰るまでエンドレスの営業。 本人は20年以上前から禁煙していたが、 副流煙、毎夜の付き合い酒、過酷な肉体労働。 無理が限界に達したのだろう。 一昨年、小細胞肺がんと診断された。 ふつうの肺がんと違っ…
先日のCT撮影日とはうってかわって、快晴の東京。 術後一年検診の結果を聞きに、再び築地へ。 今日の院内はそれなりの混み具合。 とはいえ、外来での待ち時間は5分程度で ハンサム熊さんドクターの診察室へ。 「半年ぶりですね。体調はいかがですか?」 「はい、おかげさまでまったく問題ありません (今日はじゃっかん二日酔いですが)」 「CTの画像も、まったく問題ありませんねー はい、再発の心配はなしです!」 さすがに一年で再発はないだろうと思ってはいたものの、 やはりほっとするお言葉です。 「それにしても、(腫瘍は)7センチあったんですよね・・・・ 本当によかった。 そういえば、どうして見つかったんでし…
雪がまじった冷たい雨の中、久しぶりに築地に向かう。 術後一年検診で、血液検査とCT撮影。 予約したのは半年前だったので、 CTの承諾書やら国がんの保険証やらをあたふたと確認し、 16時の予約に十分間に合うように出発。 血液採取コーナーは人気がほとんどなく、 待ち時間ゼロ。 CTの予約には時間があるけれど、 ほかにすることもないので受付すると あっという間に呼ばれて あっという間に終わる。 15時40分。 半年前はコロナ禍の谷間的な時期で それなりに混みあっていたけれど、 これが緊急事態宣言の効果なんだろうか? コロナの影響で検査控えや手術延期が話題になって久しいけれど、 実際に命にかかわる方が…
ひとり飲み、ひとり旅、ひとりご飯。 ソロ活がなんでもなくできるようになったことは、 私にとって「大人になったな」と感じる瞬間かも。 ひとり飲みは20代後半頃から、 初めての海外ひとり旅は33歳頃だったかな? そして、「大人」を超えて 「老化したな~」としみじみ実感したのは、 一昨年に希少がんが発覚したこと。 さらに最近、節制した食生活、 定期的な運動習慣を身に着けても それでも体重の増加に歯止めがかからない・・・ この明らかな代謝の低下も、大人になったせいでしょうか。 近所で人気「jam coffee」のパンケーキ 電話帳みたいだねそのパンケーキふんわり溶ける糖質爆弾 今週のお題「大人になった…
すいぶん長いこと会っていない友人から年賀状が届き、 思いがけなく嬉しい言葉が添えてあった。 「ブログ、読んでるよ!」 そして、昨年のこの投稿と、短歌についてもお褒めの言葉が・・・ kgrapevine.hatenablog.com 病気の件もひと段落したし、 そろそろおしまいにしようと思っていたこのブログ、 細々ながらも、もう少し続けてみようかな、と ちょっとほっこりした気持ちになったのでした。 そしてダメ押しで届いたのが、 「はてな」からの自動更新の通知! 年間8000円余りかかる「Pro」の設定、 解除しようと思っていたのに忘れていた! 事前に一言知らせてくれればいいのに・・・ なんとも世…
さすがに検査当日はお酒ご法度。明日のお楽しみ~ 人生初・内視鏡検査が無事終了。 昨年、胸腺腫が発覚して CTやらPETやらいろいろと検査はしたものの、 消化器系の病変は見つかりにくいと聞いていたので、 一念発起! どうせなら一度に済ませておこうと、 胃と大腸の内視鏡検査を一日で。 前日の検査食、当日の絶食、下剤処置などを乗り越え、 いざ15時から胃の内視鏡、続いて大腸から十二指腸・・・ 意外なことに、鎮静剤の効果で苦痛はゼロ。 特に胃の検査はまったく記憶なし、 腸検査の最後の方は薄ぼんやりと、 「あ、お腹が何かもぞもぞするなー・・・」くらいの感覚でした。 結果、「胃も腸も食道もきれいな状態」と…
患者会の「Zoom おしゃべり会」に初めて参加。 「胸腺腫」は20万人に1人といわれる希少がんなので、 同じ経験をした方に会える確率は非常に低い。 また、病院選びや治療に関する情報も集めづらい。 その結果、とても深刻な状況に陥ってしまう方の多さに、改めて気づかされた。 5年前のCTに腫瘍が写っていたのにもかかわらず 「心膜嚢胞」と誤診され放置してしまった人。 胸腺腫の合併症として知られるMG(重症筋無力症)を発症し、 その可能性を医師に訴えたのに、 「そんな病気のわけないでしょ、ドラマじゃあるまいし」と退けられ、 確定診断までに5年を要し、Ⅳ期にまで進行してしまった人・・・ 今回のミーティング…
マーク・トウエインが遺した言葉がある。 「愛はもっとも素早く育つものに見える。 だがもっとも育つのが遅いもの、それが愛なのだ」 確かにこれはある意味真実だと思う。 それとは逆に、「嫌い」という感情は 一瞬で育つのではないだろうか。 ちょうど一年前、私に希少がんが見つかったとき、 強く感じた思い、それは 「わたしの遺産、オットに残すのは絶対にいや」 というものだった。 むすめがお腹にいるころ、 あるいくつかのことをきっかけに オットを急速に嫌いになった。 具体的な理由は彼の人権にかかわるので書かないが、 生理的に許せないことと、感情的に許せないことが複数あった。 もともと「すごく好き、愛してる」…
「僕」と「五反田くん」が食べたのは、たぶんこんなピッツァ 私にとって初めてのピザは、 冷凍食品のうす~いやつ。 オーブントースターでチンして、 ふにゃっとしたのを片手で食べる。 あれはあれで、それなりに美味しかったような気がする。 私にとって初めてのデリバリーピザは、 大学生の時に観た映画「ET」。 エリオットがピザを受け取り、 確か落としてぐしゃっとしてしまうんだっけ? 当時日本にはまだドミノピザもなく、 実際に食べたのはさらに数年後のこと。 小説に出てくるピザの中で一番美味しそうだったのは、 村上春樹の「ダンスダンスダンス」。 「僕」と「五反田くん」が最後に会うシーンで、 ふたりはシェーキ…
数日前の六義園 「告知」とは、その字面の通り「告げ、知らせること」 ですが、なぜか、がんの枕詞のようになっていますよね。 私が「告知」されたのは、約一年前の11月5日のこと。 とはいえ、主治医の経験から 「命にかかわることのない軽微な状態」と判断されたのか、 まったく深刻な雰囲気ではなく 「ま、大丈夫ですからねー 腫瘍をまるっととったら終わりですよー」 という感じでした。 そうは言っても、やはりがんはがん。 それなりのショックは受けたし、 人生でもっとも「死」に近づいた瞬間だったのは確か。 告知の夜しんと冷たい爪先に言葉を持たぬ猫の温もり それは、六義園の紅葉がはじまる時期で。 毎日のように散…
2週間ほど前につけた、ちょっとしたかすり傷がまだ治らない。 さすがに50代も半ばを過ぎて、新陳代謝の衰えを痛感する。 そして代謝が下がると、体重は驚くほど簡単に増える。 別に若い頃に戻りたいとは思わないけど、 やはり一抹の寂しさというか何というか・・・ そう、そして加齢による変化といえば、 最近ずーっと気になっている「胃もたれ」。 胃腸は丈夫でいつでも食欲全開の私にしては かなり珍しい状況なのです。 今年は胸腺腫の手術も受けたし、 人生初の胃カメラ・大腸カメラの予約を入れましたよ。 鎮静剤でかなり負担なくできるらしいけど、 3日前から食事を調整したり、結構大変なのね。 内視鏡上と下から貫通しわ…
胸腺腫の摘出手術から半年。 先日撮影したCTと血液検査の結果を聞きに、外来へ。 「腫瘍は完全に取り除けたと聞いているし、まあ大丈夫だろう」と思いつつも、 やはり「取り残しがあったら・・・」などと暗い想像が脳裏をよぎる。 大丈夫、大丈夫じゃない 7対3 外来前築地本願寺 久しぶりのA外来。 30分ほどの待ち時間の後に番号を呼ばれ、 28番診察室に入る。 ハンサム熊さんドクター、初めてのマスク姿だが 目がいつも笑っているので印象は変わらず。 「〇〇さん、いかがですか、お変わりありませんか」 「はい、おかげさまで元気です!」 「それはよかった。・・・先日撮ったCTですが、なんにも問題ありませんねー …
白皙の馬走り去る永遠に 死よりも傷む生があるのか 実は特にファンというわけではなく、 それでも第一報を受けたときはかなりのショックを受けた。 三浦春馬さんの出演作はそれほど多く観ていないが、 印象的だったのは「おんな城主直虎」。 屈託のない笑顔、横笛を吹く佇まいの美しさ。 周囲の謀略に巻き込まれて非業の死を遂げる 井伊直親という役柄がしっくりと似合っていた。 「白皙(はくせき)」は「肌が白く美しい」という意味。 彼が何を思い、何に背中を押されてしまったのかは 知る由もありませんが、ただただ切ない。 ご冥福をお祈りします。
友人からのお誘いを受けて、 女性がんサバイバー限定の短歌の会に加えていただくことになった。 さて、折も折、今週は術後半年検診で、久しぶりの築地。 結果は2週間後。 ちょっと宙ぶらりんな気分ながら、 遅いランチを食べながら冷えたビールを1杯だけ。 そんなひとときを詠んでみました。 検診後 風のテラスで飲むビール 酒のなかでは一番好きだ 今週のお題「2020年上半期」
これからの人生における、お金のかけどころについて考えた~Defferent strokes by defferent folks.
高校時代の友人が、3年がかりでようやく完成させたこだわりの別荘にお泊り。 外観も内装も明るいアメリカンスタイル 土地探しから設計、施工を経て完成までは3年だけど、 彼女は高校生の頃から「いつか理想の家を建てる」と宣言し、 間取り図などをせっせと書いていたので、 40年越しの夢をついに叶えたことになる。 本当に良かった! 私も心から嬉しい! しかも、ゲスト用に専用バスルームつきのお部屋まで。 窓のデザインが素敵なゲストルーム おかげさまで、個人的には縁のないであろう 別荘ライフを満喫させていただきました。 さて、別荘を建てたというと、どんなセレブよ・・・ と思う方もいらっしゃるでしょうが、 彼女…
個人的癒しスポット「六義園」がついに再開。 最後に来たのは、ちょうど桜の頃。 約2ヶ月半ぶりの六義園は そろそろ終わりかけの躑躅、 紫陽花が色あざやかに。 躑躅があざやかに咲く六義園 木陰にひっそりと紫陽花が 年間パスポートは、閉園の2ヶ月半分、期限を延長してくれた。 スタッフさんたち、忙しそうだがいきいきとしている。 園内はますます緑が濃くなり、芝生もきれいに刈られ 閉園中も怠りなく手入れされていたのだろう。 少しずつ、紫陽花のようなグラデーションで日常が戻りつつある。
先日のリモート会議では、ちとやらかした。 参加者は4人。 私の他は、40代男性アートディレクター、Aさん。 クライアントの女性2人。 1人は以前から知っているアラサー女子のMさん、 もう一人は彼女の上司で初対面、推定30代半ばの女性Yさん。 初めての「Whereby」にはスムーズに入れたものの、 4分割の画面、私だけ顔が異様に暗い。 というのも、私の仕事部屋の机は壁に向かって作り付けで、 窓は右斜め後方と真後ろにあるだけ。 完全に逆光なのだ。 対して、女性2人はパッと輝くような美肌。 (Aさんはオフィスから参加で、いつものAさん) もちろん、お二人とも私より断然若いから キレイなのは当たり前な…
内田百閒に「おからでシャムパン」という短文があり、 すっかり気に入ってしまったので、 今夜は満を持して実行することにする。 自粛生活に入ってから自分に課しているのが、 「毎日お酒を飲まないこと」。 飲んだ翌日は必ず1日空けるのがマイルール。 昨日、一昨日と抜いたので、きょうは胸を張って飲めるのだ。 朝起きてすぐ、「シャムパン」ならぬ チリ産のスパークリングワインを冷蔵庫で冷やす。 (百閒先生が飲んでいたのも本物の「シャンパン」ではなく、 和製の「シャムパン」だった) 午後になり、散歩がてら 近所の美味しいお豆腐屋さんにおからを買いに行く。 毎日あるとは限らないおからが、今日は手に入った! これ…
ほぼひきこもり生活になってから約1ヵ月。 フリーランスのコピーライターという仕事柄、 もともと自宅が仕事場だし、 生来の出不精でもあるので、 それほど生活が激変したとも感じていなかったのだが。 机の中から昨年のスケジュール帳がひょっこり出てきて、 何気なく眺めていたら・・・ 去年の私、けっこうアクティブ! ちなみに2019年4月の最終週は 月曜 英会話レッスン 火曜 中野で観劇 水曜 英会話レッスン 木曜 表参道で食事会 金曜 成田のホテル泊 土曜 カンボジア・シェムリアップへの一人旅に出発 対して、2020年同時期のスケジュール帳 ほぼ真っ白。 ちなみに、私はここ10年以上、 「ほぼ日手帳W…
フリーランスで働く多くの方々と同じように、 私もこのところ、かなり暇である。 幸い、レギュラーの仕事が何本か進行しているので まったく何もしていないというわけでもないけれど、 対前年比でいえば50%以下の稼働率かな、体感的に。 ということは、今動いている仕事が形になって請求に入る 2~3ヶ月後くらいから、収入はどんどん減少するだろう。 空いた時間を有効に使いたいと思って オンライン英会話を再開してみたり、(びっくりするほど話せなくなっていた) ホコリをかぶっていたピアノを弾いてみたり(びっくりするほど下手になっていた)。 自らの急速な退化っぷりを再確認してがっかりする日々。 ん? ということは…
コロナに感染していなくても、コロナのせいで亡くなる人々・・・
今や、病気といえばすべてコロナ一色、 病院にはコロナの患者しかいないような錯覚に陥りそうなほどだが・・・ もちろん、今この時にもさまざまな病気や怪我、 さらにはもっと深刻な病が発覚して、一刻を争う状況に直面しているひとがいる。 というか、数的にはその方が圧倒的に多いだろう。 私が悪性腫瘍の手術を受けたのは、約2か月前。 もしそれが今だったら? もっとも、私が入院したのはがん専門病院だから 感染症患者の受入れはしていないし、 手術は粛々と行われたかもしれない。 でも、日本中の病院ではこのコロナ禍の影響で手術が先延ばしされ、 そのせいで命を落とすことになる方もいるのではないか・・・ 以下、 慶應大…
3月25日、六義園の枝垂れ桜 手術から2ヶ月、レントゲンは問題なし 術後2ヶ月の外来を受診したのは、3月26日のこと。 そのわずか数日後に、国がん病棟勤務の看護師さんに コロナ陽性が出たと聞いて驚いた。 そういえば外来の時、W先生、マスクもしていなかったなあ。 時節柄、さぞかし厳戒態勢かと想像していたら、 意外にいつも通りだったので拍子抜けしたのであった。 「まさかコロナ!?」と怯えた日々 そして私自身、この3週間ほど、 コロナ疑惑で自主的に隔離生活を送っていた。 3月17日に鼻水、くしゃみ。 19日に38.3℃の発熱があったものの、 その後は36~37℃前後で落ち着いていた。 念のため都の相…
そうだ、温泉行こう 退院から一月半。 手術の傷もだいぶ目立たなくなってきたので、 じんわりと閉塞感漂う東京を抜け出し、 1泊2日の温泉旅へ。 ヘルシーな料理と、 『なーんにもしない』を満喫できる宿がいいなーと思っていたところ、 ふと目に入ったのが、「里山十帖」。 www.satoyama-jujo.com かなりの有名宿で、普段はなかなか予約困難らしい。 しかし、幸か不幸かこのコロナ禍でキャンセルが多発、 数日後の予約をとることができた。 部屋からは巻機山を一望 越後湯沢はスキーで何度か来ているが、 さらに二駅の「大沢駅」から送迎バスで約5分。 築150年という重厚なレセプション棟を中心とする…
酒とつまみと病気の話と・・・ 大塚「まるま」にて 先週末、ちょっと不思議な飲み会に参加した。 場所は大塚駅そばの、美味しい日本酒と それに合うおつまみが楽しめる、雰囲気のいい居酒屋だ。 retty.me 集ったのは、男女それぞれふたりずつ。 といっても別に合コン(笑)とかではなく、 私にとっては、いわゆる「がん友」との初対面。 きっかけは、知人のライター・Nさんが 「実は自分の友人がサバねこ主義さんと同じ病気で、 一昨年手術を受けたんですよ。 もしよかったら一緒に飲んでみませんか?」 と声をかけてくれたこと。 ちょっと不思議な集いではあるが、 滅多に知り合えない「希少がん仲間」とお会いできるチ…
私が住む街は、東京23区の中でもっとも高齢化が進んだエリア。 つまり、道を歩けば高齢者にあたる。 昨年、病気が発覚して手術を受けるまでの間、 散歩や買い物の途上でおばあさんを見るたび、 やけに羨ましくて仕方がなかった。 もちろん、別に「孫が欲しい」という話ではなく。 人生でもっとも「死」に近づいたとき、 ひしひしと迫ってきたのが、 「私はおばあさんになれないかもしれない」 という怖れの感情だったのだ。 術後1ヵ月が経過して、ふと気づいたら あれだけ羨ましかった「おばあさん」の姿が、 すっかり日常の中に溶け込んでしまっていた。 手術が無事終わり、病理検査の結果も出て、 とりあえず、「最悪の想定」…
数字に弱いフリーランスは、ホワイトデーに向けてブルーになる。その理由はもちろん…
3月15日に向けて、日に日にブルーになるフリーランサー フリーランスで働く者にとって、 特に、数字に弱く経理作業を大の苦手とするものにとって、 もっとも憂鬱なタスク、それが確定申告。 年が明け、クライアントから支払調書が続々と届くようになると、 じわじわと真綿で首を絞められるような、 追い立てられているような気がしてくる。 しかも今年は1月末に手術を受け、 仕事やプライベートであれこれと調整が必要だったので、 ますます憂うつに・・・なるかと思っていたら、あら不思議。 案外順調に準備が進められている。 この3連休は、1年間 溜め込んだ領収書類の仕分けと経費の計算。 もっとも面倒な作業を大体やり終…
がん保険加入率は30~40%前後 がん保険に加入している人って、どのくらいいるんだろう? ふと気になって調べてみたら、がん保険・がん特約の加入率は、 30代から50代で約40%。 保険の基礎知識↓ https://kichinto.club/knowledge/cancer/cancer02.html 私ががん保険に入ったのは約20年前だが、 この2~3年、「がん保険って本当に必要なんだろうか?」と思うように。 とはいえ、いざ保険をやめたとたんにがんになったりしたら悔しいな、 という逡巡があり、ずるずると保留にしていたのだった。 そして昨年、まさかの希少がん「胸腺腫」の疑い。 いろいろあったも…
今まで縁もゆかりもなかった人が、 突然、「自分にとって一番大切な人」になることがある。 たとえばそれは、自分の命さえも左右するかもしれない人。 私の場合、それは「執刀医」だった。 昨年11月に「胸腺腫」という希少がんの疑いを指摘され、 今年1月末に手術を受けるまでの約2ヶ月半。 特に手術日となった1月27日は、 例年流行のインフルエンザに加え、 新型肺炎が日本に上陸したタイミングでもあった。 年間250件もの肺がん手術をこなし、 手術まで「100人待ち」という超多忙で凄腕のドクター。 手術日が決まってからは、自分の体調はもちろんのこと、 「先生、風邪ひかないで!インフルに罹らないで~!」と、 …
ひさしぶりにラジオ体操、できた! 「何か運動していますか?」と聞かれて 「毎朝、ラジオ体操を」と答えると、なんだか微妙な顔をされる。 ラジオ体操って・・・・運動って呼べるの? いや、私にもいまひとつ自信が持てないが、 実はけっこう何かに効いてると思うんですよ、ラジオ体操。 胸腺腫の手術を受けてから20日。 今朝は、ラジオ体操第1・第2を端折ることなくできた! もともとお粗末な筋力がますます落ちることを危惧し、 退院前から、スクワットなどできる運動だけは続けていたものの、 やはり右脇部分に胸腔鏡手術での傷が3ヵ所、 ドレーンを挿入した後の傷が1つあるため、 体の右側を伸ばしたり、 腕を大きく回す…
2月13日、退院後2週間の外来へ。 「いかがですか、体調は問題ありませんか」と、 いつも通りにこやかなハンサム熊さんドクター。 「おかげさまで痛みもほとんどなくて、鎮痛剤は一度も使っていません。 退院したその日から仕事できたので助かりました~」 「それはよかった。じゃ、追加のお薬は必要ないですね」 そして、核心の病理診断結果へ。 「やはり胸腺腫で間違いありませんでした。 7センチとかなり大きかったんですが、 周りに浸潤する前に見つけられて、本当によかったですね!」とドクター。 「そんなに大きかったのに、胸腔鏡で出してもらえて・・・ 本当にありがとうございました! 絶対切るって思っていたので、び…
“健診行かない派”だった私が、ぎりぎりで希少がんを発見できたワケ。
亡くなった父が繰り返し夢に・・・ 20万人にひとりの希少がん、胸腺腫。 胸骨や心臓の蔭に隠れてレントゲンに写りにくいため、 発見された時にはものすごく大きくなっていたり、 転移や播種を起こして手術ができない場合もあると聞く。 そもそもフリーランスで健診の習慣を持たないわたし、 特に3.11の原発事故の後は極端に放射線リスクを恐れ、 レントゲン撮影をかたくなに拒んできた。 今回、比較的腫瘍は大きくなっていたものの、 周辺臓器への浸潤はなく、手術でまるっと摘出することができた。 抗がん剤も放射線治療も必要なし。 「よく見つかったね」「ラッキーだったね」と言われることも多い。 そんなとき私は思う。 …
1週間前の今頃は、がん病棟で いやいやながら焼きそばを食べ、 ようやく点滴やドレーンを外してもらっていた頃・・・ そう思うと、ふと不思議な気分になる。 30日に退院し、その日のうちに 急ぎの請求書作成に追われ、 31日は終日自宅でのんびり。 翌土曜日は、母と娘と3人でご近所ディナー。 スパークリングワインを1杯だけいただく。 日曜日はネパールランチの後、カラオケ! そして3日月曜は朝10時から午後4時まで、 レギュラーの仕事のオリエンに参加。 日常が帰ってきた!と思いきや、 昨日は一転、朝から気怠くて眠気がとれず、 急ぎの仕事に着手してみたものの捗らず、 2度寝、3度寝してしまうありさま。 や…
ややさかのぼり、あれは退院の前日。 ドクターから、肺炎予防のためになるべく歩くよう言われていたので、 検査や食事の合間に院内を散歩していた。 もちろん、患者然としたパジャマ姿のまま、 1階のセブンイレブンを物色してからエレベーターに乗り込み、 ドアが閉まろうとする寸前、 二人の女性が駆け込んできた。 60代後半と、50代後半と思われる二人組。 どちらもメイク濃い目でつやのない茶髪パーマ、 スナックのベテランママとチーママ?という雰囲気。 「13階で〇〇ちゃん待ってるって~」 「え~そうなん?」とわちゃわちゃしながら 階数ボタンを押す気配もないので、 「13階ですか?」と聞いてから代わりにボタン…
退院日。「7㎝」の腫瘍を「2㎝」の穴から引き出せた秘密は・・・
退院前に解消したい疑問があった 手術からわずか3日、1月30日に退院。 実は退院する前に、どうしても確認しておきたいことがあった。 ・本当に手術は「完全胸腔鏡下」で行われたのか ・どうやって、「7㎝」の腫瘍を「2㎝」の穴から引き出せたのか ・「胸腔鏡下では無理」と言われていたのに、なぜそれを実施したのか 胸腔鏡手術についてわかりやすいサイト↓ www.jfcr.or.jp 外来、さらに入院した日の説明でも、 「手術は胸の脇を5センチほど切開して行う。 概ね4cm以下の腫瘍の場合、完全胸腔鏡下で行うことも可能だが、 それより大きな腫瘍の場合、結局完全には取り切れなかったり、 無理をして腫瘍が弾け…
痛みも思ったほどではないし、何より手術の結果が良かったことで、俄然気持ちが上がってきたわたし。そうなると猛烈な飢餓感に襲われ、とにかく何か食べたくて食べたくて。 午前中は点滴やドレーンをガラガラと引き連れて4Fのレントゲン室へ。車椅子も用意できるそうだが、試しに歩いてみると何とかいけそう。 そして・・・待ちに待ったお昼ご飯!おかゆと梅干、卵焼きにお味噌汁なんかいいなーと思っていると、運ばれて来たのは、まさかの焼きそば! ソース焼きそば、けっして嫌いじゃないけれど いやいや、さすがにこれはないでしょ。ツナと大根のサラダ、バナナを貪り食べた後、焼きそばに箸をつけるが、うーん、ちょっと食べる気がしな…
昨夜はさほどの痛みもなく(鎮痛剤が効いているので)術後なので1~2時間ごとに看護師さんがやってきて体温や血圧を測定してくれる。38.2度くらいの発熱があったが、それほどつらくもないので解熱剤は辞退。そこそこぐっすり眠ることができた。 朝、副担当医A(濃い顔・クール系)が来室。「傷の痛みどうですか?胸腔鏡でやったから、それほど痛まないと思いますが」「腫瘍は7センチあったと聞きましたが、胸腔鏡で出せたんですか?」「はい。3か所穴を開けて、その中の1つから引き出しました」「そんなことしたら、腫瘍が弾けてばらまかれたりしないんですか?」「特殊な袋で腫瘍を包み込んでから引っ張り出したので大丈夫ですよ」 …
手術終了。胸腔鏡で7センチの腫瘍を摘出。これって、神業じゃないですか!?
1月27日13:05、担当の看護師さんと手術室へ入室。 私と同年代の方なので、エレベーターで18Fから8Fに向かいつつ、「えー、お孫さんいらっしゃるんですか」「娘、もう30だから・・・でも、出産が大変で腰傷めて手術したから、もう産めないのよう」「いやあ、うちなんて産むの遅かったから、娘まだ高1ですよー」なんて話しながら手術室へ。 手術室は全部で15。それがほぼ1日3回転、つまり約45件のがん手術が毎日行われているそう。 入室して手術台に横になると、まずは硬膜外麻酔。戸田菜穂似の若い麻酔科のドクターに処置してもらう。ドクターも看護師さんも若いせいか、てきぱきと手順を進めながらも、ちょっとした世間…
今週のお題「応援」 昨夜は10時半頃就寝、途中で1回目が覚めたものの、5時過ぎまでよく眠れた。病室の窓から10時の方向にそびえたつ電通ビルを眺めながらストレッチ。 電通ビルを見ると、「早く治って仕事せい!」と励まされているような気が 7時前、副担当ドクターA(濃い顔のクール系)が訪れ、手術をする右側の胸の上に油性マジックでマーキング。(取り違えを防ぐためだそうだが・・・)その後、体温・血圧・体重測定。 昨夜の下剤の効果が出てトイレにこもっていると「〇〇さーん、おはようございます」と爽やかな声が。今度は副担当ドクターB(高身長の癒し系)。やはりこのタイミング・・・ この後、検温・血圧・体重測定が…
イカ墨パエリア、カヴァはお預け お昼ごろ、友人が訪ねて来てくれたので、外出許可をもらって「銀座びいどろ」でパエリアランチ。いつもなら食前にカヴァをオーダーするところだが、もちろん今日はぐっと我慢。 魚介とイカ墨、2種のパエリアをシェア フォトグラファーである友人は、来週から南アフリカへ撮影旅行に。実は私もどこかでコラボする予定だったのだが、病期発覚のおかげでお流れに。次のタイミングでご一緒することを約束し、お互いの無事と健闘を願ってエールを贈り合う。 シャンプーもしばらくお預け! その後、娘と一緒に行きつけのヘアサロンでカットとヘッドスパ。明日から2~3日はシャンプーもできないだろうから、スタ…
入院3日めの朝。昨夜もよく眠れた! ふだんどれだけいろいろなことに眠りを妨げられているかがよくわかる。家族や猫がたてるさまざまな物音、仕事のことや娘の学校の予定、明日のお弁当づくりの段取りやゴミ出しの曜日。そんな一切から解放されてみると、睡眠の質がめざましく向上するのだ。あ、あとお酒を飲まないのも要因かもしれないです。 ところで、入院するとすぐ腕にリストバンドが装着され、本人確認や注射・採血・レントゲン・手術まで、すべての照会や記録に使われる。退院するまでは、入浴中も外せない。 今朝、ふとリストバンドの下の肌を嗅いでみたら、なんだか懐かしい匂いが・・・ 若いころ、腕時計を外した後に感じた、甘酸…
意外にも爆睡できた入院第一夜。 入院2日めは土曜日なので、検査などの予定はなし。6時半に起床、いつものようにBSで「スカーレット」を見て8時に朝食。 下膳しようと廊下へ向かうと、初対面の副担当医と入り口で鉢合わせ。濃い系の顔立ちの若いドクターだ。「担当の○○です。(トレーの上をちらっと見て)・・・納豆おいしかったですか?」「ははは、茨城出身なので納豆大好きなんですよね。NO NATTO, NO LIFEです!」 一見ホテルのような個室だが、基本カギをかけないので、医師やスタッフがたびたびやってくる。ちょうどトイレに入っているときとか、納豆の残り香が充満しているときとか、必ず来てほしくないタイミ…
入院患者の一日は長い 入院1日めの続き。 17時頃、主治医の回診。「白い巨塔」状態で6~7人いらっしゃり、「こんばんは、体調はいかがですか」といつものように爽やかなハンサム熊さんドクター。朝から3件肺がん手術をこなしてお疲れのはずなのにすごいなー 手術の詳細を根掘り葉掘り聞く その後夕食を済ませ、面談室で別のドクターから手術について詳細な説明を受ける。初対面のドクターで、40代くらい?栄養状態が心配なほど痩せられているが、ほがらかで親しみの持てる雰囲気に、ここぞとばかりにいろいろと質問をしてしまう。以下、自分用に簡単なメモ。(手術とあまり関係ないことも混じっています) ・現段階では胸腺腫の「疑…
1月24日、入院。 部屋は第一希望のC個室。18階の窓からは銀座方面が見渡せてなかなかの景観。 トイレ、ミニキッチン、シャワー付きの個室 このフロアは特別個室のフロアなので、 エレベーターを降りるとセキュリティロックになっており、 入院患者はカードをかざして入室する仕組み。 入院手続きも、部屋に看護師さんが訪問してくれるスタイルなので、いろいろと楽。 シャンプー、コップ、ウエットティッシュなどのアメニティ さまざまな書類にサインをし、血液と尿の採取とレントゲン検査。合間に薬剤師さんや麻酔科のドクターが訪ねてきていろいろと確認&書類へのサインを行う。 現在身体症状はなく、体調もいたって普通なので…
麻酔から目醒めるとき、どうせなら中村倫也の声で起こされたい・・・という手術前の妄想💛
入院を明日に控え、病院から渡された 「手術を受ける方へ」という冊子に目を通してみた。 入院前の準備や持ち物などに続き、 手術当日の流れがかなり細かく説明されている。 手術中は、身内の誰かが専用のPHSを持たされ 院内で待機しなければならない。 術後しばらくして麻酔が醒めるときにも立ち合い、 患者に声をかけたりするらしい。 そこで思ったのが、 「オットの声で呼ばれると、テンション下がるな・・・」ということ。 はっきりいって、「目醒める気がなくなりそう」とも。 オットとはだいぶ前から関係最悪で、 実は今回の病気の一因は、オットに対する怒りやストレスだと考えている。 いわゆる、「夫原病」というやつ。…
入院前日に新規仕事の顔合わせをねじこまれて、妙にうれしかった件
入院を明後日に控え、新規の仕事の依頼が入ってきた。 親しい女性フォトグラファーから、朝いちで電話。 あるエステティックブランドの メインビジュアル開発の仕事に参加してほしいとの依頼だった。 実はその前日、彼女のスタジオで仕事仲間数人での飲み会があり、 病気と手術のことを話そうか迷っていたが、 初対面の方も数人いたので、結局話さずに切り上げてきた。 しかし、クライアント訪問の日程がちょうど手術の週ということで、 遅ればせながら打ち明けることに。 「仕事のお話はありがたいんだけど、実は来週手術を受ける予定で 基本的に動けないんだよね・・・」 「え!手術?どんな??」 「希少がんの一種で、胸腺に腫瘍…
「人生初手術」まで1週間。 別にカウントダウンするほどめでたくはないが、 停滞していた物事が動き出すのは良いことだ。 私の胸腺にある約5.5センチの腫瘍。 がんは「悪性新生物」とも呼ばれるが、 まさにエイリアンが棲みついているようなイメージ? ただ、今の私が腫瘍に闘いを挑む心構えかといえば、 別にそういうわけでもなく。 私と同じくフリーのコピーライターで乳がんを患い 2018年に亡くなった今渕恵子さんの共著書 「がんでも長生き心のメソッド」の中に、 精神腫瘍科の医師に向けたこんな問いかけがある。 「がんという病は、寄り添ったほうがいいですか? それとも闘ったほうがいいですか?」 闘病、という言…
仕事の合間を縫うような綱渡りの日程 胸腺腫の疑いを指摘されてから2ヶ月半。 ようやく手術の日程が決まり、来週金曜日に入院することに。 23、24はもともとムービー撮影の予定だったけれど、 諸事情により立ち会わなくて良いことに。 その代わり、2月5日以降のナレーション録音への立ち合いが必須に。 順調に行けば1月30日に退院できるはずだから、 ぎりぎり間に合うはず! その前に2月3日、レギュラー仕事のオリエンには果たして出席できるのか!? などなど、“手術への不安”を感じるよりも、 「仕事をいかに回していくか」に頭を悩ませる日々なのであります。 手術への不安は不思議と希薄 身体にメスを入れるのは人…
がんになることのメリット、デメリット がん患者が、病気と向き合うために有効な方法として、 「ベネフィット・ファインディング」というものがある。 がん患者の心のケアを専門とする「精神腫瘍科」のメソッドだ。 やり方は簡単。 紙とペンを用意し、真ん中に縦の線を入れ、 左側に「がんになって悪かったこと・失ったもの」を書き、 右側には「がんになって良かったこと・得たもの」を書き出す。 「がんになって良かったことなんてあるわけないじゃない!」 と戸惑う人が多いだろうが、実は私は意外に告知から早い段階で、 「がんになったことは私の人生において悪くなかったのでは?」と感じていた。 わたしのベネフィット・ファイ…
韓国映画「パラサイト」の息子役が、松田龍平に見えて仕方なかったこと・・・よく見ると、安藤サクラも!
手術まであと2週間。 今のうちに映画でも観ておくか!と思い立ち・・・ 2020の初映画は、『パラサイト 半地下の家族』 www.parasite-mv.jp どっぷりと映画の世界にハマり込んだ2時間余り。 観賞前は、安倍公房の「闖入者」、 またはつげ義春の「李さん一家」みたいなお話? と想像していたけれど… 軽々と予想を超えてきた~ 登場人物は全員まったくの悪人ではなく、 それぞれがちょっと間抜けで愛すべき人たち。 それが、ここまでグロテスクな惨劇へと突き進むとは… すべてが濃厚で圧倒的ながら、 松田龍平似?のチェ・ウシク、 安藤サクラ似?のパク・ソダムの今風の佇まいが、 絶妙に中和してくれて…
今週のお題「2020年の抱負」 今年の抱負、「怒らず、心穏やかに過ごすこと」。 なのに、なのに… 今朝もいきなり暴発してしまった。 洗濯機を回そうと1階に行くと、 オットのパンツが脱衣所の床に落ちている。 昨夜酔っぱらって、風呂に入ったときそのまま放置したと見られる。 さ、触りたくない! 娘の部屋には、旅行から持ち帰った衣類が散乱し、 今日部活に持って行く水筒も洗っていない。 夕べ終わらせると豪語していた宿題も、案の定終わっていないという。 なんでこいつらは、こんなにもだらしないのだ!! この家の世帯主(わたし)は、今月手術を控えながらも 毎日めいっぱい働いているというのに・・・ ↑ そう、こ…
手術は1月最終週に決定! 2019年も押し迫った夜、21時頃病院から電話が。 「手術の日程ですが、1月10日でいかがでしょうか」 2月3日から始まるレギュラーの仕事に合わせて、 「1月中に退院できる日程で」とお願いしていたものの、 予想外に早いスケジュールに一瞬とまどう。 実は、今メインで仕事をしているクライアントの別案件で、 1月23、24にムービー撮影に立ち合うことになっていた。 10日に手術をした場合、回復は間に合うだろうか… そこで事情を伝え、「1月の最終週にお願いしたいのですが・・・」 とダメもとでお願いしてみると、 「わかりました!そのように予定を組んでみます」とのお返事。 意外に…
猫と仔ヤギとふかふかワンコ。 海と動物に癒された、石垣島のゆく年くる年。
2019年の大晦日から3泊4日、初めての石垣島へ。 バタバタの年末進行がひと段落、 年明けの手術の日程もほぼ決まり、 ちょっとほっとした気分で初めての石垣島へ。 ステイはこちら。 www.ishigaki-seasidehotel.com 世界有数の透明度で知られる川平湾にほど近く、 比較的リーズナブルな料金、年末年始プランに空きがあったこと、 クチコミ評価が高いことなどからセレクト。 部屋からの景色は最高! 建物は古く、インテリアは洗練とは程遠いながら、 お部屋は広めで清潔に保たれ、スタッフの方々も親切。 カウントダウンイベントや年越し蕎麦のサービス、 元旦の朝食にはお節料理も用意されていて…
1泊2日のデトックス体験ステイへ 伊豆高原の断食施設、やすらぎの里 大人の女は、デトックスが好きだ。 いや、性別に関係なく、ある程度年齢を重ねると 自分の身体に毒素が溜まっていることを自覚する。 特に、希少がんの一種に罹っていることを知ってから、 自分の中に形成されたものの正体は、 一種の「毒」なのではないかと思ってきた。 そんなわけで先日、伊豆高原「やすらぎの里」で 1泊2日の「デトックスコース」に参加してきた。 y-sato.com 基本は断食。 土曜の昼過ぎにチェックインしたら、まずは問診。 続いて、マッサージ、カッピング(吸い玉治療)などの施術・ その他、ヨガや気功などのプログラムが充…
今週のお題「クリスマス」 これは昨年のクリスマスの食卓。今年はさらに手抜きになる予定。 6時半に起きて朝食をつくり、娘を送り出して洗濯機をまわし、 8時40 分からラジオ体操。 9時前には自室のデスクについて、コーヒーを飲みながらPCを立ち上げる。 これが私のルーティーン。 今日やるべき仕事の優先順位を決めて、 ドロップボックスから書きかけの原稿を立ち上げる。 とりあえず、今朝も何の症状も出ていない。 肩凝りは少しきついけれど、身体も頭も正常に動いている。 ありがたいなあ、としみじみ思う。 がんといえば、辛くて、痛くて、毎日がうつうつとする イメージを持つ人も多いと思うけれど、 (私も以前はそ…
怒りっぽい人ほど、がんになりやすい?あるアナウンサーの記憶・・・
ある男性アナウンサーの思い出 最近フリーになった男性アナウンサーが、悪性リンパ腫で闘病中だという。 かなり前のことになるが、私はその人と 仕事の現場で毎日のように顔を合わせていたことがある。 その頃私は、朝の情報番組の中で流される生コマーシャルの台本を書いていて、 担当の日は朝いちばんでテレビ局に入り、カメリハに参加していたのだ。 彼は、その番組のサブキャスター的なポジションだったのだが、 画面で見る印象とはまったく違い、かなり強力なパワハラ体質。 スタッフを怒鳴りつけるのは日常茶飯事、 時にはモノを投げつけるなど、見苦しいことこの上なかった。 冒頭のニュースに触れたとき、最初に思ったのは、 …
銀座のフレンチでバースデーディナー 12月14日。 銀座の「TIERRY MARX DINING」で、誕生日を祝ってもらった。 リドヴォーのフリカッセ プリフィックスコースのオードブルには、 このブログのタイトルになっているリドヴォーの料理を選んだ。 仔牛の胸腺肉のフリカッセに、 マロンとトリュフのブリオッシュを添えたもの。 バターで表面をかりっと香ばしく焼いたリドヴォーは、 ぷりぷりと弾力があり、噛みしめると脂の旨みがじゅわっと口に広がる。 ワインはペアリングをオーダー。 ソムリエールのセレクトはシャンパーニュではなく、 ポルトガルの酒精強化ワイン、マディラだった。 ポルトガル産のマディラワ…
がんは自分で治せる? 正直わからないけれど、希望だけはもらっておくぜ( `ー´)ノ
がんが自然に治った人、こんなにいるんだ この年になると、身のまわりにも、 ちらほらとがんの経験者が増えてくる。 その中のひとりがFBにあげていたのがこの本。 ケリー・ターナー著・長田美穂訳「がんが自然に治る生き方」 サブタイトルは、「余命宣告から『劇的な寛解』に至った人たちが 実践している9つのこと」。 books.rakuten.co.jp しかしこの本の真骨頂は、実は「訳者あとがき」にあると、私は思う。 長田美穂さんは、この本の翻訳を手がける前に 末期の乳がんと診断されていた。 実質的な余命宣告を受けた中で、 「がんを克服した事例」について文献を探しまくった結果見つけたのが、 ケリー・ター…
病気だって、ネーミングが大切。コピーライターとして思ったこと。
「お~い お茶」はもともと「缶煎茶」というネーミングだった コピーライターの仕事にはいろいろあって、ネーミングもその1つ。 ブランド名、商品名、会社名、サービスの名称などなど、 私も時々依頼を受けることがある。 何か商品を世の中に出そうというとき、 ネーミングの役割は非常に重要だ。 たとえば伊藤園の「お~い お茶」は、 当初「缶煎茶」という名前で発売されたがまったく売れず、 改名後に売り上げが10倍にも伸びたというのは、有名な話。 病名のインパクトは、かなり大きい それはそうと、病気のネーミングも、患者にとってはかなり重要だ。 私が「胸腺腫」の疑いを指摘されたのは約1か月前のこと。 「ん?胸腺…
駒込界隈でいちばん好きなパン屋さん。 焼きたてバゲットは幸せの香り 炊きたてごはんの匂いも捨てがたいけれど、 やはり一番しあわせ感にあふれているのは、 焼きたてのパンの香りでしょう! 最近は小麦食のデメリットが盛んに言われているせいもあり、 なるべくごはんや蕎麦、雑穀を摂るようにしているのだが、 寒い夜、シチューのお供には焼きたてのバゲットが欲しくなる。 今日も仕事の合間にビーフシチューを仕込み、 最近お気に入りのパン屋さんへと急いだ。 我が家から徒歩20分余り。 その途上にはほかにも3軒のパン屋さんがあるのだが、 私は「CHAMONIX(シャモニー)」を目指す。 代々木上原あたりにありそうな…
年末恒例の喪中はがきを見て、まだまだ死んでる場合じゃないぞーと自分に喝を入れる師走の一日
筆力高めの闘病ブログにやられてしまい・・・ 昨日は久しぶりに、一日中うつうつとしていた。 きっかけは多分、ある闘病ブログをうっかり読んでしまったこと。 スキルス性の胃がんで夫を亡くした女性の日記だったが、 たまたま目に入ったのが、壮絶な最後の日を描いた内容だった。 しかしこの方、文章力、表現力、描写力が高いため変に引き込まれてしまう。 おかげでまんまと、感情を持って行かれてしまったというわけ。 がんと一口に言っても実に多種多様で、症状も進行も治療法もさまざま。 もちろん、寛解する方もいれば、死に至る方もいる。 痛みや苦しみも人それぞれだろう。 ただ、看取る方のトラウマになるような 壮絶な最期を…
イケメン欠乏気味の朝ドラ「スカーレット」がじわじわと気持ちよくなってきたワケを肉的視点から考察する
今週のお題「いい肉」 最近食べた美味しい肉料理の手持ち画像を探したら、9月までさかのぼってしまった。 週に何回、お肉を食べる? 肉料理の王様といえば、ステーキ、すき焼き、しゃぶしゃぶ、焼肉? 皆さんは、週に何回位牛肉を食べますか? 我が家ではせいぜい週に1度、下手すると2週間に1回くらい。 ちなみに、昭和ど真ん中世代の私にとって 最大のご馳走といえば「ビーフステーキ」なんですが、 さすがに毎日食べたいとは思わないですよね。 年を取ってきたせいもあり、日々の食卓に上るのは、 豚バラや鶏モモ、胸肉、お魚、野菜などちまちまとバランスよく。 それがちょうどいい感じ。 「なつぞら」は肉オンパレードのドラ…
11月28日、雨上がりの六義園 今週のお題「紅葉」 六義園の紅葉は日に日に鮮やかに これは昨日の夕方、雨上がりの六義園の紅葉。 前日よりもさらに色鮮やかで、 茶屋で熱い甘酒をすすりながら眺めていると、 しみじみ幸せな気持ちになったんだ。 そこで今日は、「食の楽しみ」について。 エドガー・ケイシーにちょっぴり感化されて 病気が発覚して間もなくの頃、 「THE READING リーディング ~エドガー・ケイシーが遺した、人類の道筋」という映画を観た。 エドガー・ケイシーは、ウィキペディアによれば「予言者・心霊診断家」。 1877年にアメリカで生まれ、20代半ばから不思議な能力を発揮。 催眠状態で、…
六義園・昼間の紅葉 今週のお題「紅葉」 物事には2つの面がある。 1つは「良い面」、もう1つは「それほど悪くない面」だ。 病気が発覚してすぐの頃に読み返した、 村上春樹の「1Q84」に登場する 変わり者の編集者の口癖が、冒頭の一文。 まあ、シニカルな楽観主義というか、 村上春樹らしい一節なのだが、 私にとって、ちょっとした心の支えになった。 病気になって良かったこと。 それは、あらゆることの“有難さ”を実感できたこと。 たとえば、紅葉がしみじみ美しく見えること。 六義園の紅葉が輝いて見えるわけ 山手線地味な駅ランキングの上位にくるであろう、駒込駅。 「この街に住んで良かったな~」と思うことはそ…
ちょうどいいペースで働けている。やっぱり、仕事運は最強かも。
今日は朝から、某美容カタログのコピーを黙々と書いている。 10年来のレギュラー仕事だけど、働けることのうれしさをしみじみと…。 フリーランス20年にして、こんな新鮮な気分が味わえるのは、 「死」を意識し始めたおかげかもしれない。 病気が発覚してからの1ヵ月、 なぜか仕事の依頼がぱたりと止まり、 (とはいっても2~3件の打診はあったが)凪のような状態に。 実はこの状況、かなりありがたかった。 やはり気持ちは平静とはいえず 先のスケジュールもはっきりと見通せない部分があったから。 しかし、先週の外来で手術が1月以降に延びたところから、 再び新規の依頼や、ペンディングになっていた案件がパタパタと動き…
成長しないで欲しいもの。 成長するって、素晴らしいこと、喜ぶべきこと。 でも、こと病気になると事情はちょっと違う。 希少がんの一種「胸腺腫」の疑いを指摘されて約1ヵ月。 ほぼその診断で間違いなさそうということで、 入院・手術の申し込みはしたものの、 有名国立病院、中でも呼吸器外科の有名なドクターが執刀ということで、 患者さんは100人待ち。手術は早くても2か月後になるという。 そうなると気になるのは、 その間に腫瘍が「成長してしまうのでは?」ということ。 そもそも胸腺腫というのは通常のレントゲンには映りにくく、 自覚症状もほとんど出ないため、気づいた時にはかなり大きくなっていることが多い。 私…
病院のすぐそばには築地場外市場。いつも賑わっている。 検査結果にどきどき、2回目の外来 病院に向かう日比谷線の車内で、中吊りのキャッチコピーに心をつかまれた。 「努力か、才能か、いや体調だ」 宮沢氷魚のビジュアル、「ボディメンテ」の広告。 体調は別に悪くないけれど、今のシチュエーションだと、やけに沁みる。 午前は呼吸器外科・W先生の外来、 午後は麻酔科医との手術前外来とWで受診。 先日のPETやら心電図やら血液検査などの結果を受けて、 新たな診断が下され、手術の術式とスケジュールが決まるのだ。 「最悪、転移があったらどうしよう。抗体検査でMGが見つかったら・・・」 ちなみにMGとは「重症筋無力…
静岡県熱海市梅園町。引っ越し11回目にして、本当に「住みたい街」に住む!
「引っ越し貧乏」の星のもとに生まれて 駒込の自慢は六義園。これから紅葉のシーズン 引っ越しが好き。街の不動産屋が好き。不動産検索サイトで間取り図を眺めるのが好き。これはほとんど病気というか、宿痾(しゅくあ)みたいなものかもしれない。 生まれたのは、茨城県土浦市。大学入学と同時に東京都北区・十条のアパートに住み、その後埼玉県川口市、東京・国立市、豊島区北池袋、結婚して西川口、戸田公園、離婚して豊島区巣鴨、駒込、再婚して文京区湯島、そして今住んでいる北区・西ヶ原に建売住宅を購入し、さすがに気軽に移転しづらくなって15年になる。 それだけ住処を転々としながらも、本当に「住みたい街」に住んだことは、実…
94歳の占い師、鈴木昶園先生とのセッションは、 姓名判断から始まった。 実は私は、2つの名前を使い分けている。 仕事やプライベートのほとんどは旧姓、 娘の学校関係や公の書類のみ、結婚後の姓。 つまり、旧姓の方が自分の運勢により影響を与えていると思われるが、 その画数が今一つなのだという。 昶園先生、「じゃ、ひとつおまじないをしましょうか」と、 名前の一番最後に「、」をひとつ打つことを提案してくれた。 気休めみたいなものだが、藁にもすがりたい私は素直に同意。 次は四柱推命で、なぜか私と娘のことを詳細に占ってくださる。 私の本命星は一白水星、娘は六白金星、 相性がとてもよくふたりとも運は強いのだが…
胸腺腫・胸腺がんの疑い。 人間ドックの報告書にさりげなく書かれた、不穏な一行。 すべてのはじまりは、ここだった。 それから、国立がんセンターを受診するまでの1週間は、 永遠のように長く、気持ちがアップダウンを繰り返し、 じたばた、じたばた、落ち着かない日々だった。 ひとくくりに胸腺腫といっても、良性と悪性があるらしい。 もし悪性なら、まわりの臓器、肺や心臓、血管などに浸潤し、 命にかかわる状態になっているのかもしれない。 最悪の想像が頭を駆け巡るが、 娘にいらぬ不安やストレスを与えたくないので、 なるべく平静を保つように心がけていた。 ちょうど仕事の状態は落ち着いていたので、 普段から日課にし…
胸腺に腫瘍がある、と聞かされたとき、 酒好きで食い意地が張った私の脳裏に 最初に思い浮かんだのが「リドヴォー」。 つまり、フレンチでたまに出てくる「仔牛の胸腺」料理だった。 とはいうものの、この中途半端に長い人生の中で、 リドヴォーを食べた経験は、たった一度。 23歳の頃、当時住んでいた国立のビストロで、 「リドヴォーのトマト煮込」的なものをいただいた。 何しろ相当昔なのでうろ覚えだが、 ぷりぷりっとして、なかなか美味しいものだったような。 ちょっと調べてみたところ、焼肉屋では 「シビレ」という名前で供されているのだとか。 国立がんセンターで「胸腺腫」と診断されたとき、 なぜかお腹がぐううっと…
まずは順天堂医院に行ってみようと決めてから、 改めてネットを調べてみると、 国立がん研究センターに 「希少がんセンター」というものがあることがわかった。 今まで、身の回りでかかる人の多いがんといえば、 胃がん、肺がん、乳がん、大腸がん、子宮がんなどが思い当たるが、 こうしてみると、世の中には実に多種多様ながんがある。 実は「脳腫瘍」や「小児がん」も「希少がん」の領域で、 胸腺腫ももちろんここに含まれている。 この機関のホームページには、「希少がんホットライン」という 無料相談のダイヤルも掲載されていた。 相談は無料で、病院の紹介や治療方法、 ここから直接診療の予約をとることもできるらしい。 さ…
突然ですが、「胸腺腫」という病気をご存知でしょうか。 いわゆる「希少がん」のひとつで、 人口10万人あたり0.44から0.68人が罹患するといわれています。 (国立がん研究センター 希少がんセンターホームページより) 2019年11月5日、私はその胸腺腫と診断されました。 事の起こりは、今年10月20日に受けた人間ドックの結果。 郵送されてきた報告書には、「胸腺腫・胸腺がんの疑い」とあった。 まったく聞き覚えのない病名。 まるでぴんとこない。 ドックを受けたメディカルスキャニングで医師の説明を聞くと、 両肺に挟まれた胸腺という部分に腫瘍が認められるという。 「専門の病院に紹介状を書きますが、ご…
44歳の誕生日に、銀座のミキモト本店で真珠のネックレスを買った。 100万円を少し切る、人生で家(と保険)に次ぐ高額の買い物。 クレジットカードの限度額を超えていたので、 お店からカード会社に電話をして交渉し、やっと承認してもらった。 ミキモトの担当者はとても親切でエレガントで、 支払いを終えて帰る私を晴海通りに面する正面玄関まで慇懃に見送ってくれた。 私はそのネックレスを、「人生の折り返し記念品」にするつもりだった。 「折り返す」という考え方は、村上春樹の古い短編小説からいただいたもので、 元水泳選手の主人公が、35歳の誕生日を「人生の折り返し地点」と決めるというもの。 この話を読んだのはか…
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