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これからの小学校外国語活動 https://square.hatenadiary.jp/

小学校外国語活動を中心として、国語、算数など各教科の授業についての記事を書いています。小学校の先生方の授業改善のヒントになればうれしいです。 その他、映画、音楽、旅行などの記事もあります。退職教員の徒然なる日々の記録です。

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2019/11/09

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  • まじで、サヨナラべぃべぃ

    理科室の前を通ったらこんな言葉があった。 「人生で変えることができるのは自分と未来だけ」 野口英世の言葉らしい。人は自分よりも他人を変えたいと思うし、未来より過去を変えたいと願ってしまうからね。自分なら変えられるし、未来も変わるのに、そっちにはいかない。理科委員会の子が書いたのだろう。几帳面な字を見ていると、何だか小学生から諭されているような気になった。 この前見た是枝裕和監督の短編映画「ラストシーン」にも似たようなセリフがあったなあ。 「過去は変えられないの。変えられるのは未来だけ」 過去に自分がしたことについて考えることはありませんか? わたしはよくあります。あのときにこうしておけばよかっ…

  • 百年はもう来ていたんだな

    教え子たちのLINEグループを見ていると、若い頃の自分の動画がありました。 見知らぬ男性とハグしています。 誰だろう? こんな同僚いたっけ? なぞはすぐに解けました。 AIか。 30歳のころの自分と40歳をこえた教え子がハグする動画。 30年以上前に撮った子どもたちと一緒の遠足のスナップ写真も動きだしました。 日々進化するAIには驚くばかりです。 次には何を見せられるのか予想もつきません。 京都グラフィー 2025年5月

  • わたしたちにはなぜ物語が必要なのか

    物語を進める原動力はなんでしょう。 ソーンダーズ先生の案内で「かわいいひと」(チェーホフ)「主人と下男」(トルストイ)を読んで気づくことがありました。かわいい女は結婚と死別を繰り返します。主人と下男は雪の中の強行突破を何度も行います。思い出しました。幼稚園で読んでもらった「てぶくろ」は、手袋に入れてほしいと頼みにくる動物たち。小学校に入学して読む「大きなかぶ」では、蕪を抜くために動物たちが次々とお手伝いにきます。そうです、繰り返しは物語を進めさせる仕掛け。読者は、「次もこうなるだろう」と予想しやすくなります。「次はどうなる?」と気になります。「繰り返し」は昔からある仕掛けなのですね。 どうして…

  • 母の話 福岡の生活史

    今は長谷のダムがあるやろ、あそこの底に家があったとよ。学校までは遠かったよう。裸足で歩いて行きよった。香椎小学校まで。遠いやろう。よう歩きよったね。だけん今も元気なんかもしれんね。 農家たい。何にもなかった。店とかあるわけないよ。お菓子とかあるわけないよ。芋とか食べるくらいやね。でもコメはあったね。戦争があって食べるものがないころやったけど、コメだけはあったけんよかったね。町から人が来よったのは覚えとう。食べるもありませんか、って言いよんしゃった。 お菓子はなかったけん、おはぎとか食べるときがうれしかったね。売っとるわけないやん。家で作るとよ、小豆も育てよったけんね。小豆は収穫してから干してお…

  • 傷がないのが傑作ですか?

    学生だった1970年代後半、話題になっていたソ連(当時)の映画を見た。何とよくできたお話だろうと感心したことを覚えている。その原作がチェーホフ。以来、いつか読んでみたいと思っていた。それがこの本を選んだ理由。 「ソーンダーズ先生の小説教室」(ジョージ・ソーンダーズ著)を読んだ。ソーンダーズ先生はブッカー賞受賞の小説家。彼の大学での人気講義をまとめたのがこの本です。ニューヨークタイムズで絶賛されて全米ベストセラーにもなっている。取り上げる小説は、チェーホフ、ツルゲーネフ、トルストイ、ゴーゴリなどのロシア文学。小説の読み方や書き方だけでなく、人生とは何か人間とは何かを考えさせる。 一つの例を紹介し…

  • ロイヤルホストで夜まで語りたい

    このブログのタイトルを変えることにしました。まだしばらく仕事を続けるので「退職しない教員」に変えます。 今年度は再び1年次教員を指導する仕事をすることになりました。3つの小学校の6人の新人教員をサポートします。6つの学級を毎日順に回ります。 学級に初めて行った日には私の自己紹介をしました。そこで必ず言うことがあります。「好きなものはラーメンです。皆さんが好きなラーメンを教えてください」。これは「えさ」。休み時間になると餌に食いついた子どもたちがやってきて私に話しかけます。「先生は丸源に行ったことがありますか?」「ぼくはサッポロ一番味噌ラーメンがすきです」等々。子どもたちは、好きなラーメンのこと…

  • きちんとステップを踏んで踊り続けるんだよ

    「だけど何かが起きている そしてあんたにはわからない そうだろ? ミスター・ジョーンズ」 (「やせっぽちのバラッド」ボブ・ディラン) 3月の修了式の後から体調を崩した。咳、発熱、倦怠感。病院へ行って検査してもらったら、「風邪だと思います。働きすぎではないですか?ゆっくり休まないとよくなりませんよ。」と言われた。全くおっしゃる通り、休まないとよくなりません。 熱があってぼんやりした頭で強烈なドラマを見た。NHK土曜ドラマ「地震のあとで」。村上春樹の連作短編を原作にした「地震のあと」の4つの物語。映画「ドライブ・マイ・カー」の大江崇允が脚本、山本晃久がプロデュース、井上剛が演出。村上春樹の独特の空…

  • 主体性を育てるにはどうすればいいのか?

    3月24日は修了式。学校の1年間が終わります。私が担任していた1年2組の子どもたちともお別れです。振り返ってみると、できなかったことばかりが頭に浮かんできます。 主体性を育てることは、学習指導要領のキーワードです。私が勤めた学校でも重点の第一に掲げられていました。しかし、どれだけ主体性を育てることができたでしょうか。教師が指示したことをさせて育つのは自主性です。主体性ではありません。主体性を育てるには、自分は何をするのか、どのように取り組むのかを考えさせなければなりません。毎日毎日、カリキュラムを終わらせることばかりが気になって、それはほとんどできませんでした。 ではどうすればよかったのでしょ…

  • 百年はもう来ていたんだな

    東京都現代美術館 2025年3月 百年私の墓の傍で待っていて下さい。きっと逢いに来ますから。(夏目漱石「夢十夜」) 東京都現代美術館「坂本龍一 音を視る 時を聴く」。田中泯の声による夏目漱石「夢十夜〈第一夜〉」に引き込まれた。夢十夜はこれまで何度も読んだ作品だが、ここでは音と映像が重なることでより深く小説の世界を体験することができる。あの世とこの世のあわい。これは生まれる前に母の胎内で聞いた音のようにも聞こえるし、死ぬときに見る映像かもしれない。好きな音楽と映像の融合。ここには人間が住む世界を超えた大きな宇宙がある。 この世とあの世のあわいに その世はある 騒々しいこの世とは違って その世は静…

  • 2025年新宿の「甘い生活」

    今年初の東京です。 新宿のNTTインターコミュニケーション・センターで「evala 現われる場 消滅する像」を体験してきました。視覚を中心にした表現領域である「美術(visual arts)」に対し、聴覚を中心にした表現として「サウンド・アート」があります。サウンド・アートでは楽音(楽器で演奏される音)によらない、自然環境音を録音した素材などの、さまざまな音が使用されています。これは、サウンド・アーティストであるevalaさんの現時点における集大成となる展覧会です. 鑑賞者は靴を脱いで暗い部屋に入り、中央にある隆起した柔らかいオブジェの上で仰向きに横たわります。目を閉じると、虫や鳥の声、川、海…

  • 橋本愛「木綿のハンカチーフ」に刺された

    2月15日の土曜参観が終わったら次は2月28日のお別れ集会。卒業する6年生を送る会です。1年生は呼びかけ、歌、ダンスの練習が続いています。体育館で行われる集会で歌う曲は「ハルカ」(YOASOBI)。全校みんなで歌います。曲を選んだのは音楽委員会の子どもたちです。私はこの曲を知りませんでしたがいい曲ですね。切なさと温かさが心に沁みてきます。 「三月一一日のシューベルト」(舩木篤也著)を読みました。タイトルがうまいなあ。この本は絶対におもしろい。予想は当たりました。各章のタイトルにも惹かれます。「メメント・モリ ブラームスと永続性」「春の句読点 一葉とシューマン」「川上未映子のワーグナー 《パルジ…

  • よい文章とは

    昨日は代休なしの土曜参観。1年生は「できるようになったよ はっぴょうかい」でした。国語グループは「たぬきの糸車」の朗読劇、算数グループは時計クイズ、体育グループは縄跳び、音楽グループは「こいぬのマーチ」の合奏を発表しました。終わったあとに保護者から感想を聞くと、「時計のクイズに驚いた」と話していました。70インチのディスプレイを子どもたちが操作してクイズを出していたことに驚いたそうです。そうなんだ。言われて気づきました。昨年までのPCとプロジェクターをつないでいたときにはできなかったことです。この子どもたちと過ごすのもあと25日。やっとゴールが見えてきました。 新聞に建築家の大西麻貴さんの言葉…

  • どうして日本の牛乳は甘くないのですか?

    ベトナムからの転入生がやってきて1週間が過ぎました。予想したよりも早く適応できている様子なので安心しています。「おはようございます」「さようなら」「トイレにいきたいです」など、よく使う言葉はもう覚えて、休み時間は友達と元気に遊んでいます。小さい子どもの適応力には驚くばかりです。 金曜日には、お母さんから子どもの様子について聞きました。楽しそうに登校しているので安心しているということでした。日本に来るまでベトナムの学校で勉強していたのですが、音楽や図工の授業はあまりなかったそうです。お絵描きと歌が好きな子なので、それがうれしいのでしょう。 近くにあるベトナム語を学べる教室にも通うことにしたそうで…

  • サードプレイスのゆるいつながり

    私が発起人となって始まった読書会が21回目となりました。この読書会は香椎にできた小さな本屋「テントセンブックス」を応援することを目的として発足しました。1月25日のイベントに参加したのは17名。場所はテントセンブックス店内です。3つのグループに分かれて自分が読んだ本を紹介します。会の終了後に、今回は新年会ということで近くのファミレスに場所を移して、本のこと以外もいっぱい話すことができました。 この会の目的はテントセンブックスを盛り上げることですが、それ以外にもあります。自分が住む町に小さなコミュニティをつくること。家と職場以外の3つ目の場所があるといい。それは強いつながりでなくてもいい。そんな…

  • すきなものおしえて

    昨日の放課後、教室で採点していると1組のK先生がやってきました。急ぎの相談がある様子でしたが、話を聞くと、転入生が来週やってくるとのこと。つまり転入生をどちらの学級で受け入れるかの相談です。短い話し合いの結果、うちの学級で受け入れることに決まりました。一人でも増えると、それに伴って仕事も多くなりますが、仕方ないです。私は代理の学級担任なので最低限の仕事しかしていません。学年の仕事はほとんど全部、K先生がしているので、申し訳ないと感じていました。せめてここで恩返しをしなくては。 こんどやってくるのはベトナムからの転入生。日本語はまったく話せないそうです。先週道徳で学習した「すきなものおしえて」が…

  • 哲学は役に立つのか?

    先週は3年前に私が初任者研修を担当したSくんが結婚式の招待状を届けに来てくれました。もうすでに1児の父となっているSくんに「哲学対話」のことを伝えました。子育てについては、もっとこんなことをしておけばよかった、と今になって思うことがたくさんあるので、ついついおせっかいになります。 「親子で哲学対話」(苫野一徳著)を読みました。哲学は難しすぎて意味がつかめなかったり、役に立たない感じがしたりして敬遠していました。しかし、苫野先生の本に出合って、おもしろい、役に立つ、ということにやっと気が付きました。この本も「おもしろそうだ」「これは使える」とうなずきながら一気読みしました。 「親子で哲学対話 1…

  • わすれられないおくりもの

    「4321」(ポール・オースター著、 柴田元幸 翻訳)を読んでいます。昨年末から「ビリーサマーズ」「パチンコ」と長編小説を読んできて、やはり小説は長い方が面白さも大きい、と感じてこの本を選びました。800ページ88万字。手に持って読めば筋トレにもなりそうな厚さですが最高の面白さです。 今読んでいるのは88ページ。「あっ」と電気が走りました。「ずっと昔の人よ。クライストっていう、19世紀初めのドイツ人作家」。クライスト。どこかで聞いた名前。そうだ、多和田葉子さんの小説『白鶴亮翅(はっかくりょうし)』に出てきた人物。2016年に多和田さんが受賞したドイツの文学賞の名前も「クライスト賞」。クライスト…

  • 「パチンコ」ミン・ジン・リー (著), 池田 真紀子 (翻訳)、文春文庫

    「ビリー・サマーズ」(スティーヴン・キング著, 白石 朗 翻訳)で長編小説を読む楽しさを再認識したので、そのままこの「パチンコ」に没入しました。正月休みを利用して文庫本で上下700ページを一気に読み終えました。物語は日韓併合下の釜山沖の小さな島、影島(ヨンド)から始まる家族3世代の激動の人生を描いています。読み進めながら、国、民族、差別、そして人間について考えました。 私は韓国に友人がいて、韓国と日本の歴史について知りたいという気持ちが強くあります。この物語を読み終えて、その気持ちは一層強くなりました。この本は、全米で話題となって広く知られた後、全世界に読者を広げました。紛争や経済危機による人…

  • どこで食べるか誰と食べるか

    機張(キジャン)2024年12月 機張(キジャン)で蟹を食べました。ここは釜山近郊の蟹で有名なところです。前は車で行きましたが、今回は鉄道にしました。私が泊まったホテルがある西面(ソミョン) からKORAIL東海線釜田(プジョン)駅までは徒歩20分くらい。途中の釜田市場は中に入ると迷路のように入り組んでいて、どちらの方向に進んでいるのか分からなくなるので要注意です。 釜山の市場は何度見ても飽きることがありません。大根を売っている店には大根や蕪の仲間がたくさん並んでいます。日本では見たことのない種類もたくさんあります。ほうれん草は赤い根っこの部分を手前にして美しく重ねられています。魚介類は特に種…

  • レコードプレーヤーのあるホテル

    12月10日は人権学習参観と懇談会でした。1年生は道徳「はしのうえのおおかみ」の授業です。自分の子どもくらいの保護者の前で、孫のような子どもたちを相手に役割演技をしました。授業が終わってホッとしていると、いつもは無口なKくんが「今日の道徳はおもしろかった!」と伝えにきてくれました。来週の三者面談が終わればやっと冬休みです。 エースホテル京都 2024年12月 「レコードプレーヤーのあるホテル」 京都のエースホテルに泊まりました。このホテルは坂本龍一と縁があります。2019年には、ロサンゼルスのエースホテルにて坂本のピアノ・ソロ・コンサートが開催されました。アートを尊重するとともに、環境保護団体…

  • ロックスターが愛した古い寺

    正伝寺 京都 2024年11月 京都の正伝寺を訪れました。 街の中から離れたこの禅寺に人の姿はまばらで風に吹かれる落ち葉の音だけが響いています。 この寺は鎌倉時代に造営され、元寇の際には禅師の降伏祈願が捧げられました。 ここに「獅子の児渡し庭園」があります。 七五三調を表現した枯山水の遠くには比叡山がそびえ、その上を白い雲が流れます。 この景色を眺めながら数百年の時の流れを思うと時間の感覚が消えていきそうです。 三島由紀夫を愛読したデビットボウイもこの寺を何度も訪れています。 寺からの景色を長い時間眺めて涙を流していたロックスター。 ボウイの名作「ベルリン三部作」から聞こえてくる東洋的旋律もこ…

  • かなしみ

    谷川俊太郎さんが亡くなられました。 40年の教員生活の節目で私はいつも谷川さんの詩を読んできました。 「ネロ」の詩を紹介したのはまだ私が20代の頃。クラスで一番明るく元気な女の子が涙を流していたことを覚えています。死んだばかりの愛犬を思い出させてしまいました。佐々木さん、この詩のことを覚えていますか? 5年前に原西小学校へ新人教員の応援に行ったときは、この詩についての映像や詳しい解説を交えた授業をしました。私が全く気付かない視点から感想を書いていた子がいたので驚きました。 しかしネロ もうじき又夏がやってくる 新しい無限に広い夏がやってくる そして 僕はやっぱり歩いてゆくだろう 新しい夏をむか…

  • オンライン授業と電子黒板でできること

    11月16日は土曜参観でした。 福岡市は1年に2回の土曜参観の実施が定められています。 昨日はその1回目です。オンラインでの授業を行いました。 教師も子どももオンラインでの授業にまだ完全には慣れていません。 この土曜授業が練習です。 普段と同じように8時30分から朝の会を始めました。 健康観察では、一人一人画面越しに返事させます。 画面の背景を勝手に変えて、「ハロウィーン」や「リゾート」から話している子がいます。背景を変える場合は「ぼかし」だけ、と指示します。 好きなスタンプを画面に流す子もいます。これもやめるように指示しました。知らない機能を見つけるのは教師よりも子どもの方が上手です。 1年…

  • 「百年の手紙 日本人が遺したことば」梯 久美子著 岩波新書

    11月8日に勤務校の体育会が終わりました。 11月2日に実施の予定が雨のため延期になっていたものです。 1年生の子どもたちのモチベーションはピークを過ぎていて、前日のリハーサルは散々でした。 当日はどうなることかと心配でしたが今までで一番のダンスを見せてくれたので驚きました。 やんちゃな子ほど本番に強い。 「百年の手紙 日本人が遺したことば」梯 久美子著 岩波新書 わが子が戦場に行くことになったとき私は何を伝えるだろう? 小泉信三は経済学者であり慶応義塾大学の塾長を務めた人物です。皇太子(現天皇)の教育にもたずさわっていました。 戦前にヨーロッパへの留学を経験している小泉は日本の戦争が無謀であ…

  • パレスチナの青空

    「中学生から知りたいパレスチナのこと」(岡真理、小川哲、藤原辰史著)を読みました。 子どもの頃に見ていた西部劇では、騎兵隊は正義の味方、インディアンは悪者でした。 中学生のときに見た映画「小さな巨人」は、インディアンの視点から描かれた西部劇です。 その頃から視点の見直しが進んで、今ではそんな映画を作る人はいません。 インディアンもネイティブ・アメリカンと呼ばれるようになりました。 イスラエルは植民地国家なので、それと同じ状況なのですが、パレスチナへの支持はなかなか広がりません。 それはなぜでしょう。 同じような状況にあるウクライナと比較すると、その理由が見えてきます。 私たちはウクライナのこと…

  • スティーブンキングを読んだら村上春樹につながってしまった話

    あおぞらブルワリー博多店屋町 2024年10月18日 スティーブンキングはずっと気になっていた作家です。 シャイニング、スタンドバイミー、ショーシャンクの空に、ITなどなど。 世界で最も成功している小説家。多くの作品が映像化されています。 しかし、人気がありすぎて有名すぎてかえって敬遠していました。 ときどき本屋で小説の冒頭を読むと、これいいな、でも…。他に読みたい本がいっぱいあるし…。 新作のビリーサマーズも本屋で初めの部分を読んでみて、やっぱりおもしろそうだし、そろそろ読んでみるか、と購入。 読み始めるとキングから強く腕をつかまれて、一気に物語世界に引き込まれました。 ビリーは殺し屋。でも…

  • 安部さんとプーチンとフェラーリ

    唐戸市場 2024年10月5日 山口へ行きました。 1日目は関門海峡を眺めながら寿司を食べて、早めに宿へ向かいました。 大谷山荘は2016年に安部さんとプーチンが語り合った宿です。 さすが高級旅館、対応も館内の様子もすべてに隙がない。 夕食後にロビー横のカウンターで飲んでいたら、団体客がやってきました。 フェラーリの会の皆さんだそうです。 2000万円の車に乗る人がこんなにたくさんいるのですね。 その日の新聞にユニクロの柳井さんの言葉が載っていました。 「これからは年収1億の人と100万の人に分かれて、その中間は少なくなる」。 翌日は金子みすゞ記念館へ。 稀有な才能を認められながらも、理解のな…

  • サンショウウオの四十九日

    アップルミュージックを10年くらい聞き続けています。「お気に入り」のプレイリストは「ジャズの潮流」。ここでは現代ジャズを聴くことができます。古いジャズも大好きです。しかし、最も気になるのは何か今までのとは違う表現を求めているミュージシャンたちです。「こんな音楽は聴いたことがない!」という驚きがほしいのかもしれません。 「サンショウウオの四十九日」(朝比奈秋著)を読みました。姉妹でありながら身体は一つ。その心の動きを描いた作品です。体の一部がつながっている双生児のことは聞いたことがありました。しかし、ここに登場するのは二つの体がほとんど一つに見える形でつながっています。そして、この姉妹の父も双生…

  • 父のこと

    8月3日に父が96歳で亡くなりました。 父は日本占領下の朝鮮で生まれ、旧満州国で少年時代を過ごしました。 終戦前に日本へ帰り、海軍で訓練中に8月15日を迎えます。 戦後は米軍キャンプで働いていましたが、友人たちとタクシー会社をつくりました。 定年を迎えた後、再び頼まれて再度取締役として復帰しました。 社交的な人間ではなかったのですが、社員からの信頼は厚かったようです。 読書と囲碁が好きな無口な人間でした。 高校生のとき、父が私の部屋に来て、「今、お前が好きなものの話を聞かせてほしい」と言われたので、デビット・ボウイがどれだけ革新的で素晴らしいのか伝えました。 父がどれだけ理解したのか分かりませ…

  • 見てから読むか読んでから見るか

    Apple TV+で配信されている『Pachinko パチンコ』というドラマを見ています。 これは在米の韓国系作家ミン・ジン・リーの小説『パチンコ』をドラマ化したものです。 1900年代日本統治下の韓国から始まる、ある家族の4代にわたる日韓の狭間を生きた人たちの物語です。 このドラマの原作は2017年に「ニューヨーク・タイムズ」によってこの年のベスト10に選ばれたベストセラーです。バラク・オバマ前大統領はこの本を2019年のフェイバリット・ブックスの一つとして推薦しています。 アメリカでは批評家からも視聴者からも高い評価を受けているのに日本ではほとんど話題になっていません。 このドラマでは、1…

  • 台北のおすすめ料理

    台北で火鍋を食べました。 私たちが行ったのは西門にある無老鍋(Wulao Pot)という店です。 はじめに店員さんが英語で説明してくれました。 豆腐とご飯は食べ放題、鍋は赤いスープと白いスープの2種類、鴨の血のゼリーもおかわり自由です。 QRコードで注文したのは、牛肉、豚肉、海鮮つみれ、野菜盛り、タレは酢やニンニク汁、まど8種類くらいあったでしょうか、自分でブレンドして作ります。私はすべて混ぜてみました。 スープの中には木の実のような漢方薬膳が浮かんでいます。 豆腐は一度凍らせたものだと思います。スポンジのような感じでスープの味がよくしみます。 たくさんの味が混ざっているけど、あっさりしていて…

  • ポリフォニーを志向する研究書

    「村上春樹研究 サンプリング、翻訳、アダプテーション、批評、研究の世界文学」(横道誠著)を読みました。村上春樹をめぐる批評について私が読んできたものを振り返ると、1980年代には川本三郎さんの本を愛読していました。川本さんの「同時代を生きる『気分』」は内容を覚えるくらい読みました。その後は、加藤典洋さん、内田樹さんが私の村上作品への案内人でした。 大江健三郎も筒井康隆も私は好きです。しかし、村上作品への影響については、それほど大きいとは考えていませんでした。横道さんの研究を読んで、バラバラだったパズルが整って形が見えてきました。そもそも、村上さんは「日本の小説はあまり読みません」と答えていたの…

  • 足元の歴史から未来を思い描く

    「戦争ミュージアム 記憶の回廊をつなぐ」(梯久美子著)を読みました。 これは、日本各地の平和のための博物館を訪ねた記録です。 紹介されているのは以下の施設です。(目次から) 大久島毒ガス資料館 毒ガス使用の知られざる歴史 予科練平和記念館 大空に憧れた少年たちの「特攻」 戦没者学生慰霊美術館 無言館 遺された絵が語りかける青春の美術館 周南回天記念館 若者を兵器として扱った「人間魚雷」の実態 対馬丸記念館 子どもたちを乗せて沈んだ疎開船の悲劇 象山地下壕(松代大本営地下壕) 本土決戦に備えて掘られた巨大な地下壕 東京大空襲・戦災資料センター 記録することで記憶をつなぎとめる 八重山平和祈念館 …

  • 台北から十份へ

    台北から1時間ほど列車に乗って十份という街へ行きました。 ここは願い事をランタンに書いて空へ飛ばすことができます。 ランタンを飛ばす場所は列車の線路の上です。日本では考えられませんね。 ランタンには家族それぞれが願い事を書きました。 長女はやっと就職が決まったのに大学を卒業できるか心配なのでそのこと、次女は「素敵な相手に出会えますように」だそうです。妻は健康のこと、そして私は平和のこと。 係りの人は日本語が上手でみんなを笑わせながら写真や動画をいっぱい撮ってくれます。 私たちの願いをのせて、ランタンは空高くのぼっていきました。 十份 2024年8月

  • 台北の詩生活

    台北にある詩生活という本屋さんへ行きました。 ここは香港からきた魚さんが経営している詩の専門店です。 台湾の現代詩を中心として世界中の詩集や詩に関する雑貨が販売されています。 魚さんからは台湾の本屋事情について教えてもらいました。 台湾も日本と同じでネットを通して安く本が買えるようになって、本屋は少なくなるばかりだそうです。 この本屋は10年限定です。あと3年。 何か寂しい気もしますが、限られたものであることで、いつまでも続く存在になると感じます。 魚さんご夫婦とは、福岡のテントセンブックスでの再会を約束しました。 魚さん、楽しい時間をありがとうございました。

  • あなたにとって天国とは?

    平泉 2024年7月 2泊3日の岩手旅行。初日は花巻空港近くの宮沢賢治記念館、翌日は平泉、最後は岩手県立美術館を訪ねました。 平泉の中尊寺金色堂は平安時代後期に藤原清衡が建立したもの。内部に並ぶ仏像だけでなく柱、床、天井などお堂全体が黄金に輝いています。これこそが当時の人々が思い描いた極楽のイメージ。 その夜、ビールを飲みながら妻と金色堂の感想について語り合う中で「天国のイメージ」が話題となりました。今から1000年前以上前の人々が思い描いた天国を具現化したのが金色堂。それでは自分にとっての天国とはどんなところなのか。 天国と聞いて最初に思い出したのがアビーチーの「ヘブン」。大好きだったアビー…

  • 出生率は「住民投票」

    7月17日から三者面談。担任教師と保護者、子どもの三者が1学期の学校生活を振り返ります。一人20分、4日間で35人の保護者との面談です。私が担任となってからまだ3週間しか過ぎていないのでどれほどの話ができるのか心配です。 面談のはじめに天気の話でもしながらその後の展開を決めます。相手に話したいことがたくさんありそうだと分かれば、私は聞くことを中心に対応します。反対に、特に話したいことがない様子であれば、私が話題を提供しながら面談を進めます。1学期のテスト結果をグラフ化した資料、体力テストの結果、「ひらがな練習帳」「計算ドリル」の進み具合、生活科や道徳のワークシートなどから説明します。子どもも同…

  • 先生はえらい

    サイラーのザッハトルテ 2024年7月 7時50分、教室へ。元気な声で「おはようございます!」と挨拶される度に、こちらも元気が湧いてくる。しかし、朝から落ち着く暇はない。「先生、具合悪い」「先生、これってどうすればいいですか?」と、子どもたちからの質問が途切れない。 9時近く。やっと授業が始まる。1年生にとって、初めての授業は新鮮で刺激的。しかし1年生の集中は続かない。あの手この手で集中を続かせるのは簡単ではない。 12時からは給食の準備。子どもたちは我先にと給食を取りに行く。楽しそうに食べている姿を見ていると、こちらも心が温まる。しかし、そんな束の間の平和もすぐに崩れる。一人の子が突然嘔吐し…

  • 「想定外」が問いを深める

    大濠公園ロイヤルガーデンカフェ 2024年6月 1年生の学級担任の休みが続いています。校長先生から1年生の担任をしてほしいという依頼を受けました。家に帰って家族に相談すると、妻から反対されました。無理をして体調を崩すことを心配しているようです。しかし、一晩考えて引き受けることに決めました。他に選択肢がないことがよく分かるからです。67歳の1年生学級担任…。 「人類学者は人間の想像力には限界があると思っている。だから調査計画や仮説を喜んで捨てて、現場で偶然手にした想定外の事象から問いを深めようとするのだ」(「人類学者のレンズ」松村圭一郎著) 東日本大震災、コロナ危機など、想定外の出来事によって普…

  • 未知なものを身近なものに 身近なものを未知なものに

    参観日の前日に校長先生から相談を受けました。休みが続いている1年生担任の代わりに参観の授業をしてほしいという依頼でした。私が専科教員として担当しているのは3~5年なので、どうして私なのだろう、と驚きました。しかし、事情については察しがついたので承諾して授業しました。どこの学校も同じような状況だと思います。必要な数の教員が配置されていません。日本の教育はこれからどうなるのでしょう。 福岡市南区長丘「サイラー」 2024年6月 「人類学者のレンズ」(松村圭一郎著)を読みました。 外国の話をすると、子どもたちはその不便さや安全でないことばかりが印象に残り、授業の終わりに感想を書かせると、「日本に生ま…

  • だからあれほど言ったのに

    先週は娘の誕生日で博多駅のレストランを予約していました。家族全員の予定を合わせるのは難しく、やっと決めることができたのが11日土曜日の昼。その日は午前に歯科の予約があったが大丈夫だろうと思っていました。しかし治療は予想以上に時間がかかったうえに「3時間は食事をとらないように」と言われたのです。そのときになって思い出しました。前回の説明を。歯科医の表情から読み取ることができました。「だからあれほど言ったのに」 柳川 2024年5月18日 「だからあれほど言ったのに」内田樹著 事象を分かりやすく説明するのはいいです。しかし複雑な問題を単純化してしまってはいけません。困ったことに今の日本では複雑な問…

  • 三島由紀夫と遠藤周作

    遠藤周作文学館 連休は長崎の遠藤周作文学館へ。 読書会の友人が「深い河」について何度も熱心に語っていた。 長崎市内からバスに乗って約1時間。 海に面した最高の場所。 美しい夕日を見ることもできる。 裏切った人間にも救いはあるのだろうか。 神の沈黙について考えた。 「三島由紀夫論」平野啓一郎著 文学館で見た遠藤の日記には三島自決に大きな衝撃を受けた記述があった。 遠藤は三島最後の作品「豊饒の海」から次の小説の着想を得ている。 三島が遠藤周作にも影響を与えていたことは意外だった。 目立つことが好きで変わったことをしては人を驚かせていた三島だが、徹底して真面目で勤勉な人物だったことも間違いない。 映…

  • 世界は経営でできている

    先週は3年生の理科の授業をした。自然の生きものを観察に行って困ったのは名前が分からない花があること。調べてみると、スマートフォンのカメラで撮影すれば花の名前を教えてくれるアプリがあった。便利な道具ができたものです。 「世界は経営でできている」(岩尾俊兵著)は、楽しく読むことができて、考えさせられることの多い本だった。 「虚栄は経営でできている」の章を読んでいると「自虐と見せかけた自慢」の描写に笑ってしまったが、これに近いことを言ったような気もしてきた。少し心配しながら読み進めたが、「尊敬の奪取から尊敬の創造へ」は自分でもできそうなことなので、ほっとした。 「老後は経営でできている」の章も読んで…

  • 日台万華鏡

    来年度から働く学校は決まっていました。 しかし、勤務校へ挨拶に行って打ち合わせまでしていたのに変わりました。 教育委員会も教員不足の中、人員確保に大変なことは分かっているので文句は言えません。 この4月から再任用8年目です。 小学校の外国語専科を任せてもらいました。 デジタル教科書の特性を生かした授業づくりにチャレンジします。 台湾と日本のあいだで考えた 「日台万華鏡 台湾と日本のあいだで考えた」(栖木ひかり著 書肆侃侃房)を読みました。 馬祖(マーヅ―)は台湾の北西にある国境の島。1949年に蒋介石の国民党が毛沢東率いる共産党に敗北して以来、この馬祖と金門島が最前線となりました。ここには多く…

  • 釜山の交番で「聞く力」について考えた

    釜山の交番にあった聞くポーズの警察官の大きな写真。日本ではまず見かけない。写真を見ながらS校長先生から以前に聞いたことを思い出した。韓国の警察官はとても親切で優しいらしい。市民はそれを警察に求めているし、警察も要望に応えているという。 これは軍政時代のつらい経験から得たシステムだろう。警察は市民の安全を守ることが第一で、権力者の利益を守る組織ではない。こういうことは私たちが歴史に学び、政治をきちんとチェックしないと失われる。「聞く力」をアピールしながら支持率が下がり続けるリーダーのいる国。少しは釜山のお巡りさんを見習ってほしいですね。 釜山 2024年3月

  • 釜山で地下鉄の運賃について考えた

    1泊2日で釜山へ行きました。今回は元同僚の教員たちと一緒です。いつものように釜山のS元校長先生に案内をお願いしました。いつもと違うのは移動にすべて公共交通機関を使うこと。前回、地下鉄やバスに乗ってみると日本との違いを多く発見できて面白かったので、今回は地下鉄やバスを利用した計画を立ててもらいました。 空港から市中心部までの往復。1日目に山の近くのお寺まで行って、2日目は列車に40分乗ってキジャン市場まで出かけました。20000W(約2000円)あった交通カードにはまだ10000W残っていました。つまり使ったのは約1000円です。日本の半額以下だと感じました。S先生の説明によると、「公共交通機関…

  • 奈良と三島由紀夫

    奈良へ行きました。三島由紀夫の「豊饒の海」の月修寺のモデルとされる圓照寺に行きたいと思っていたのですが、奈良に向かう途中の新幹線で調べると、通常は非公開で一般拝観は不可とのこと。第一の目的地が消えました。 奈良駅に着いて、最初に向かったのは二月堂。大仏がある東大寺のすぐ裏にある静かな場所です。緩やかな石段の脇の石灯篭は苔に覆われていました。さっきまでは落ち着かない子どものようだった鹿たちもここでは穏やかに遠くを見つめています。二月堂からは奈良の町全体を見渡すことができました。冬の終わりの冷たい雨に濡れた古都。三島はここで何を考えたのでしょうか。 奈良 二月堂 夕食はレストランPOOL。商店街に…

  • 「恋の帰結」ブレイディみかこ

    白内障の手術をした。数日休んで学校へ行くと廊下の掲示板が変わっていたので驚いた。それは1年生から6年生までの行事の様子を並べた写真。「きれいな写真だなあ! よく撮れているじゃないか…」もう一度よく見ると、前と同じ写真だ…。 映画「パーフェクトデイズ」に関する話題がラジオから聞こえてきた。「あの写真現像屋の店主は柴田元幸さんです」えー!知らなかった! 聞いていたらもっと気を付けて見たのに。もう一度観に行こうと思っていたのでこれで決心がついた。 翻訳家の柴田元幸さんの編集による雑誌「MONKEY」第32号が発売された。伊藤比呂美、ジョン・アーヴィング、フィリップ・K・ディック、坂口恭平、古川日出男…

  • 伊福部昭と橋本忍

    誕生日にプラネタリウムをもらった。今年の1年次教員たちからのプレゼント。「テーマは癒しです」と説明してくれた。そんなに癒されていないように見えるのかなあ? まあ疲れているようには見えるだろうけど。セットでいただいたのは、ミッフィーの仲間のボリスのマグカップ、ポールスミスの黒いTシャツ、私の好きなものばかりです。 家に帰って、電気を消してリビングの天井に星を光らせた。効果音もなかなかいい。しばらく部屋いっぱいに広がる星を眺めていた。誕生日の夜はこれからいつもプラネタリウムを見ることにしよう。ぼくはあと何回、この星を見るだろう。 「大楽必易 わたしの伊福部昭伝」片山杜秀著 「鬼の筆 戦後最大の脚本…

  • ナチスは「良いこと」もしたのか?

    村上春樹による小澤征爾の追悼文を読んだ。 スイスのコンサートの終了後、楽屋で意識がなくなった小澤。 村上は医者が来るまでの間、どうしていいのか分からず必死で小澤の手足をこすり続ける。 やっと意識を取り戻した小澤からことの顛末を聞く。 手術後は消化によくないものは食べないように医者から注意を受けていたのに、いただいた赤飯が美味しそうだったので食べてしまった。 「子どもがそのまま大きくなったような部分がこの人にはあった」 村上と小澤の共通点は夜明け前の時間が好きだということ。 小澤は楽譜を読み込む。音楽の深いところまで入り込んで。 村上は意識の深いところまで下りて行って小説を書く。書きながら時折小…

  • 「モトムラタツヒコの読書の絵日記」書肆侃侃房

    今朝は大濠公園のロイヤルカフェで妻とブランチ。 先日見た映画「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」の感想について話した。 ネイティブ・アメリカンの悲しすぎる歴史。 マーチン・スコセッシ監督、ロビー・ロバートソン音楽。 情けないチンピラのディカプリオ、自分はいいことをしていると信じている極悪人のロバート・デニーロ。悪い奴なのにどこか憎めない人間たち。こんな奴いるよねえ。 マイノリティをめぐる状況は100年前と何も変わっていない。 ザ・バンドの名ギタリストであるロビー・ロバートソンの遺作となったこの映画。 ネイティブ・アメリカンの血を受け継ぐロビーの最後がこの作品であったことは運命だろうか。 香椎…

  • 「映画の木漏れ日」川本三郎著

    私が働いている学校でも大谷選手のグローブが大きな話題になっています。 1年生の教室では、先生が子どもたちに説明していますが、よく伝わっていない様子です。 「もうすぐ大谷選手のグローブがきます」 「大谷選手が来るんですか?」 「違います。大谷選手は来ません。グローブが来るのです。」 放課後、保護者から電話がありました。 「実はお願いがあって電話をしています。大谷選手のことです。うちの夫がどうしても大谷を見てみたいと言っているので、学校に行ってもいいでしょうか?」 「映画の木漏れ日」川本三郎著 キネマ旬報社 1970年代から80年代にかけて、小説は村上春樹、評論では川本三郎が私の中心にありました。…

  • 漱石はアンリ・ルソーだった

    久留米市美術館で「芥川龍之介と美の世界 二人の先達 夏目漱石、菅虎雄」を見た。 菅さんは二人と交流があった教育者、書の名人で夏目と芥川のいくつかの著書の題字を書いている。 芥川と漱石のたくさんの手紙を読んだ。 昔の人は驚くほど多くの手紙を書いている。 漱石の手紙は草書体で私にはよく読めない部分もあるが、芥川の楷書の手紙は読みやすかった。 とても味わい深い文字を見ながら私もこんな字が書きたいと思った。 意外な面白さを感じたのは漱石の絵。 この絵を何と表現すればいいか。 すごく稚拙というか下手…。 偉大な日曜画家、アンリ・ルソーを思い出した。 どこか変だが温かい絵。 絵を描くことを楽しんでいること…

  • 「その世とこの世」(谷川俊太郎 ブレイディみかこ著 奥村門土絵)岩波書店

    母を亡くしたブレイディさんは旅に出た。 目的地はウイーン。 ヨーロッパの古都でエゴン・シーレを観る。 そこで、見知らぬ老人からヒットラーをめぐるウオーキングツアーを勧められる。 この有名な独裁者はウイーンの美術学校の入学試験に失敗した。 同時期にその美術学校に入学したのがシーレ。 ヒットラーが合格していれば、あの20世紀最大の悲劇は起こらなかったのか。 運命や歴史について考えてしまうエピソード。 デビットボウイはシーレと三島由紀夫について語っていた。 危うさとはかなさが人を引きつけることをボウイは自らの表現に昇華させようと試みた。 谷川俊太郎さんとブレイディみかこさんの往復書簡は言葉と表現をめ…

  • 映画「PERFECT DAYS」

    好きな小説は数ページ読んだらわかります。「ああ、これはいい…。」同じように好きな映画は少し見たら分かります。「文体」と「リズム」。無口な主人公の心の風景は映像に重ねられた音楽を通して伝わってきます。 「朝日のあたる家」アニマルズ、「ペイル・ブルー・アイズ」ベルベット・アンダーグラウンド、「ドック・オブ・ベイ」オーティス・レディング、「レドンド・ビーチ」パティ・スミス、「スリーピイ・シティ」ザ・ローリング・ストーンズ、「青い魚」金延幸子、「パーフェクト・デイ」ルー・リード、「サニー・アフタヌーン」キンクス、「ブラウン・アイド・ガール」ヴァン・モリソン、「フィーリング・グッド」ニーナ・シモン。この…

  • 風景をつくるごはん

    「風景をつくるごはん」(真田純子著)を読みました。自分の食生活を振り返ると、「旬のものを食べる方がいい」とは思いながら、「食べたいもの食べたいときに食べる」生活になっています。しかし、自分が農村に行ったときには、「ビニルハウスが多い風景にはがっかり」とつぶやいています。何と傲慢なのでしょう。 著者が紹介しているイタリアの農業政策には学ぶべきところが多いと感じました。イタリアのアグリツーリズムは農家の経営する宿ですが、主目的は農業支援です。一方、日本の「農泊」は、観光とビジネスに重点が置かれています。「農泊」では、農業支援にもならず、観光としても中途半端な感じです。アグリツーリズムは、環境や文化…

  • 竹内まりやから小泉八雲へ

    信じられない速さで 時は過ぎ去ると 知ってしまったら どんな小さなことも 覚えていたいと 心が言ったよ 「人生の扉」竹内まりや 竹野屋 出雲に行ってきました。竹内まりやの実家の旅館が出雲にあると聞いたことがあったので、宿はそこにしました。竹野屋は古い建物ですが、手入れがよく行き届いていて感心しました。料理も素晴らしい。”Everyday is a special day.”のマグカップを買ってしまいました。 出雲大社にお参りした後は、松江の小泉八雲記念館へ。ギリシャで生まれて、アイルランドからフランス、アメリカ合衆国、西インド諸島、そして日本。八雲の生涯が物語のようです。 記念館で買った「明治…

  • 語学の天才まで一億光年

    雷山 千如寺 今日は、雷山の千如寺で紅葉を楽しんだ後、糸島茶房でランチをいただきました。 糸島茶房 「語学の天才まで一億光年」高野秀行著 言葉とは何でしょう。人は言葉で思考します。言葉は伝達の機能もあります。それだけではなく、言葉は文化そのものです。だから異なる言語を比較すると文化の違いを知ることができます。言語とは何かを楽しく読みたい。だから私はこの本を読みました。 この本の筆者の高野さんは探検家。アフリカ、南米、東南アジアなどの秘境と呼ばれる地域へ行くことが誰よりも好きな人です。行く前には必ずその地域の言語を学習します。今までに学習した言語の数は25以上。その中には辞書さえない言語もありま…

  • 愛にイナズマ

    先週は約30年前の教え子たちとの飲み会でした。みんなもう40代半ば。このクラスはとても仲が良く、今でも半数以上のメンバーが連絡を取り合って。時々集まっています。やんちゃだったYくんは数年前から焼き鳥屋をしていたのですが、お客が少ないようで心配してました。今は、起業した会社が成功したFくんの紹介で始めた定食屋が順調だそうです。同じクラスのつながりで助け合って生きていく仲間たち。元担任として嬉しい限りです。 映画「愛にイナズマ」 「舟を編む」「月」の石井裕也監督の作品。期待通りの力作でした。私は普通のハッピーエンドではない映画を観たいと思っています。予想外の展開を期待しています。つまり、こんな映画…

  • 「幸福人フー」坂口恭平著

    これは坂口さんが幸福とは何かを書いた本。坂口さんが人生ではじめて会った幸福な人が奥さんのフーちゃん。だからこの本は坂口さんが幸福について研究するため、フーちゃんにインタビューした内容になっています。 坂口さんは躁鬱病で、鬱の時は暗く不安で自分を否定してしまう。躁のときは気分が大きくなってお金を困っている人にあげてしまう。奥さんは普通は困りますよね。でもそうじゃない。これだけ聞いても何だかいい感じです。 私はウディ・アレン監督主演の映画「アニーホール」を思い出しました。ウディの私小説的な映画です。彼ははじめ、自分と似たタイプの女性と一緒になります。しかし、上手くいきません。その後、彼はアニーと出…

  • 愛と絶望のコリア記

    今日は国語研究会の先輩K先生のコンサート。会場はアクロス福岡シンフォニーホールです。プログラムはヘンデルのメサイア。喜びと悲しみ、光と影、ヘンデルの世界へ深く引き込まれました。ハレルヤ。 「愛と絶望のコリア記 地方記者が見つめ続けた韓国」藤井通彦著 海鳥社 この10年ほど毎年韓国に行ってます。釜山に住むS校長先生は私の最も親しい友人の一人です。S校長先生と話すのは、韓国と日本の文化の違いについて。驚くことや考えさせられることが多く、興味は尽きません。韓国についてもっと知りたい、という気持ちはずっと続いています。 この本の著者は韓国での勤務経験のある新聞記者。最近50年ほどの間の韓国の出来事がそ…

  • 吉井町の小さな本屋で坂口恭平の画集を買った

    毎日行っている3年生の教室で体操帽子を拾いました。 名前を探したが書いていないので近くにいた女の子に聞いたら、帽子に鼻を近づけて一瞬で「○○さんの」と当てました。 これは「小学校あるある」です。 小学生の嗅覚、恐るべし。 人間は成長しながら野生の感覚を失っているのかもしれません。 HOSTEL AND CAFE FAROLITO 吉井町に行きました。 福岡市から高速九州道で1時間と少し。 杷木インターで降りたらすぐに着きます。 前に新聞記事を読んで気になっていた場所です。 古い町並みが残る風情のある場所ですが、過疎化のため町の活力が低下しかけていました。 しかし、古い町の建物を生かした再生プラ…

  • コモンの「自治」論

    アジア美術館のカフェで本を読んでいたら隣のテーブルにどこかで見た顔を発見。先輩のK先生でした。今は大学で教えているそうです。今日は、美術館で開催中の「水俣展」のボランティアスタッフとのこと。それなら、というわけで読書を中断して水俣展へ。 「希釈すれば無害である」と語っていた会社の幹部。「排水は病気とは関係ない」と証言していた有名大学の先生方。政治家も学者も役所も会社を応援する構図。現在進行中の「排水」が重なってきます。来てよかった。 「コモンの『自治』論」(斎藤幸平、松本卓也、白井聡、松村圭一郎、岸本聡子、木村あや、藤原辰史)を読みました。 「人新世の『資本論』」の続きが知りたい読者に向けた本…

  • 坂本龍一が遺した音

    昨日はテントセンブックスの読書イベント。 13人もの参加者で店が満員になりました。 終了後にある女性から声をかけられたら、実は昔の同僚の娘さんだとのこと。 小学校教員をしているそうで、驚きました。 今日は東図書館のビブリオバトルに参加。 プロのアナウンサーのように話す方や、練習の成果が感じられる大学生、紫式部について語るご年配の男性など、世代も選書も多様で楽しかったです。 坂本龍一の《Forest Symphony》 坂本龍一が遺した音 宮崎駿監督は「アニメで一番大切なものは『音』です」と言った。 「絵は作れるけれど音はつくれない」だから音を採録しにヨーロッパまで行くことだってあるという。 私…

  • 子どもの言葉から「言語の進化」を考えた

    連休初日は大濠公園のロイヤルガーデンカフェでブランチ。 ここは本当に居心地のよいカフェです。 湖面をすべる巨大な「白鳥」を見ながらコーヒーをいただきました。 夜は久しぶりの「中州ジャズ」。川沿いのオープンステージで山本剛トリオの「ミスティ」が聴けました。あの力強いタッチのピアノは健在。ありがとう山本さん、次の機会にはLPレコードを持参しますので、サインをお願いします。 「ことば、身体、学び 『できるようになる』とはどういうことか」(為末大、今井むつみ著)を読みました。 目次 第1章 ことばは世界をカテゴライズする 第2章 ことばと身体 第3章 言語能力が高いとは何か 第4章 熟達とは 第5章 …

  • 「こんにちは、母さん」山田洋次

    上映館では老人が多くて彼らは映画が始まってもおしゃべりをやめないので困った、とネットの映画レビューにあった。私が行ったトリアス久山のユナイテッドシネマでも同じことが起きてたので笑ってしまった。 老いの哀しさ、リストラする上司の苦悩、親子の断絶、離婚などの重いテーマが描かれている。しかし、言い争いになっても何とか折り合いがつく。それをユーモアを交えて描く職人芸にうなってしまう。問題は簡単には解決しない、でも前を向いて歩いて行こうという気持ちにさせてくれる。 この映画が持っているリズムも心地よい。場面と場面のつなぎに現れる東京の風景。古くからある街の情緒、一方で新しくできたビルの群れは無機的。それ…

  • 「季節のない街」 山本周五郎著

    学生の頃、黒澤明監督の「どですかでん」という映画を観ました。黒澤監督が不遇の時代の作品です。少数者への共感が描かれている、と感じたのはそんな監督自身の境遇と重ねて見たからなのかもしれません。その原作がこの小説です。 そしてこの夏には、「季節のない街」は宮藤官九郎脚本、大友良英音楽という、「あまちゃん」「いだてん」コンビでドラマ化されました。これはもう見るしかない。わたしは急いでDisney+に申し込んで夢中で見ています。 この小説の舞台は、世の中の流れとは外れてしまった人たちが集まる不思議な街です。 登場人物の一人、六ちゃんは知的障害をもつと思われる青年。毎日、自分にしか見えない電車を運転して…

  • 「なぜ豊岡は世界に注目されるのか」中貝宗治著

    昨日は箱崎のブックスキューブリックのイベントに行きました。 イベント後の懇親会では、モトムラタツヒコさんやキューブリック店主の大井実さんとお話できました。 本や音楽、映画を通して自分を語り、相手を知る。読書は人生を豊かにすると確認できました。 「なぜ豊岡は世界に注目されるのか」中貝宗治著 今のまま人口が減少して、都市への集中が続けば地方は衰退していきます。 そんな問題意識から、この流れを変えて何とかしたい、と考える人も増えています。 この本の著者である中貝さんは、兵庫県豊岡市を環境、教育、福祉、ジェンダーの視点から変革を推進して世界からも注目される都市へと導きました。 目次 序章 「小さな世界…

  • 浪のしたにも都のさぶらふぞ

    山口への短い旅行でした。 途中で寄り道して北九州市立美術館の白髪一雄を拝見。熱い! 宿に着いたらJBLパラゴンでジャズを聴かせてもらいました。こういうスピーカーが家にあればいいなあ。でも狭いマンションでは無理ですね。 翌日はYCAM(山口情報芸術センター)で、「等晶播種」(砂糖を通して見る台湾と日本の近代化の記憶)。 終了後にすぐ横のスターバックスでコーヒーを飲んでから山口駅前のサテライトAで「without records」(大友良英+青山泰知+伊藤隆之)。面白いですよ。近くの方はぜひ! 「懐古庵 本店」(素敵な和菓子屋さん!)で外郎と抹茶をいただいて再びYCAMで「浪のしたにも都のさぶらふ…

  • 「鍋の中」村田喜代子

    金曜日は1学期の終業式でした。1年生の教室では先生が子どもたちに話をしていました。「明日から夏休みです」「えー、まだ学校に行きたかった!」と、1年らしい反応です。その後も子どもたちから質問が続出します。「今度は2年生ですか?」「まだ1年生です」「先生は変わりますか?」「変わりません」「クラスは変わりますか?」「同じです」。「ああ、よかった…」と安心する子どもたち。1年生、面白すぎる。 土曜日は中州のBillsでランチ。世界水泳選手権が開催中なので、店内は海外からのお客でいっぱいでした。私たちが外国に行くと和食が恋しくなるのと同じなのでしょう。 「鍋の中」村田喜代子 読む前からとても気になること…

  • あの頃、渡辺貞夫と

    土曜日のお昼は香住ヶ丘の「フルフル 風の森店」へ行きました。 私のお気に入りは、2階のロフトのような場所。ステレオセットにアナログプレーヤー、渡辺貞夫のLPレコードが飾ってあります。「How's Everything」は1980年のアルバム。ギターはエリック・ゲイル、キーボードはリチャード・ティー、ドラムスはスティーブ・ガッド、デイブ・グルーシン指揮の東京フィル、武道館のライブ録音。大好きだったレコードです。 How's Everythingは「調子はどうですか?」の意味と覚えることができたのはこのアルバムのおかげ。40年前の「あの頃」のことが次々と浮かんできます。学生時代の友だち家に行ったよ…

  • 運命のひとひねり 村田喜代子とボブ・ディラン

    「耳の叔母」(村田喜代子著)を読みました。著者の村田喜代子さんには一度お会いしたことがあります。福岡市の国語研究会で講話をお願いしたことがあって、その打ち合わせをしたときです。有名な芥川賞作家と会える、と緊張してしまって何を話したのかよく覚えていません。打ち合わせの前に読んだのが「名文を書かない文章講座」という本。「文章を書くこと」について、「ああ、やっぱりそうだよね」と共感することばかりで、今まで何度も読み返してきました。 今回読んだのは「耳の叔母」は、香椎のテントセンブックスで買いました。出版は、大名の書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)。福岡にゆかりの深い本です。本の帯には「怖れと闇と懐かし…

  • 「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」坂本龍一

    昨日は、後輩Hさんの教頭昇任祝いをしました。彼は2年前に訪問していた学校の教務主任でした。とてもユニークな人物です。教員になる前は、他業種で働いていたところが私と一緒。もう一つ、ミュージシャン志望だったことも同じだと分かって意気投合しました。よい意味で肩の力が抜けているところがいい感じです。そんな学校をつくって下さい。 坂本龍一の「async」(2017年)は大好きなアルバムです。ニューヨークへ一人で行ったとき、ホテルの窓から夜のビルの灯りを見ながら聴いていたら、時間が止まったように感じました。退職したばかりで、いろいろと心配なこともあったのですが、とりあえずこのまま前に進めると感じることがで…

  • 村上春樹と伝説のイノシシ

    昨日は妻と大濠公園でランチ。湖上を迷走する巨大な白鳥たちを眺めながらおいしいパスタをいただきました。出発前に私が急がせたのでムースをつけすぎて髪がゴワゴワになったと言う妻の話を聞きながら思い出したのは先週読んだ椋鳩十。伝説のイノシシのこと。その猪は体についた虫を払うために松の木に体をこすりつけるうちに体中に松ヤニがついて、やがてそれは厚い層となり猟銃の弾丸をも跳ね返すほどになったという。そんな話をすると、「私は伝説のイノシシか?」と危うく妻を怒らせるところでした。何気ない会話に気をつけよう。 大濠公園 2023年6月 次の読書会で村上春樹の新作について話すことに決めました。これはリスクが大きな…

  • 街とその不確かな壁

    シアトルに住む長女から写真が届いた。 「このオジサンはどこかで見たことある。父が好きなミュージシャンに違いない」 さすが我が娘、覚えていてくれてありがとう。 この人はロックギターの神様、ジミ・ヘンドリックスだよ。 ロックの聖地へ父も飛びたい! キースジャレットの「ケルンコンサート」のような物語 キースジャレットはソロピアノの素晴らしいアルバムを何枚も残している。それは、全くの即興演奏で、メロディも構成もその時その場のインスピレーションによって生まれたもの。1976年の来日公演の際、ライブレコーディングの音響を担当した菅野沖彦は、「本当に何も準備していないのか。スケッチのようなものも用意しないの…

  • 「Turn! Turn! Turn! ターン ターン ターン」東山彰良

    この本の冒頭で、ザ・バーズの「Turn! Turn! Turn!」の歌詞が紹介されている。 生まれる時、死ぬ時 植える時、刈り取る時 殺す時、癒す時 笑う時、泣く時 あらゆる物事には時機があり 天の下、全ての目的にはそれにふさわしい時がある 旧約聖書の「コへレトの言葉」の引用。 タイミング、好機…。振り返ると、失敗したことばかり思い出される。 しかし、案外、「運が良かったのかもしれない」とも思う。 66まで生きて、毎日の生活が充実していれば、文句は言えないだろう。 この本には、東山さんの旅、文学、音楽などについての思いが、まるで友人に語るように綴られている。 作家の目的地は、台湾、広島、ハワイ…

  • 葉山 2023年春

    退職して7年目の春。今年度もフルタイムで働くことになった。6名の1年次教員の支援をする。 4名は講師経験あり、2名は3月に大学を卒業したばかり。1年後に「教師になってよかった」と思える研修にしたい。 神奈川県立近代美術館から見える葉山の海 旅行2日目は葉山へ。 横浜から列車で30分ほどで鎌倉、次が逗子、そこからバスで20分で葉山の神奈川近代美術館へ到着。 バスの窓から見るとこのあたりはまだ古い建物が残っていて、何となく嬉しくなる。 道沿いに「日陰茶屋」という看板が見えた。「えっ?あの大杉栄の…」 美術館は横尾龍彦展が開催中だった。 「名前は聞いたことがある」くらいだったけど楽しめた。 初期は聖…

  • 横浜 2023年春

    海の見えるカフェ 横浜2023年3月 横浜1日目は中華街と山下公園の花見。 YOKOHAMA AIR CABINにも乗った。街中から海までをつなぐロープウェイですね。 レストランで夕食を済ませた時間だったので、美しい夜景を見ることができました。 ここの巨大な観覧車は花火のような光を楽しめます。 福岡市も少し前にロープウェイを造る計画がありましたね。 きっとこんなのをつくりたかったのでしょう。 でも、やっぱりいらないかなあ…。 ロープウェイからの夜景 横浜2023年3月

  • 椎名誠は寅さんだった 「失踪願望。」

    「シーナ誠を読んでいる」と知人に言ったら3人が3人とも「ああ、この頃死んだ人?」と返してきた。 鮎川誠と間違えないでほしい。 「失踪願望。」を読んでいる。椎名誠を読むのは久しぶりだがやはりおもしろい。この本は日記形式でコロナ禍のシーナの日常が描かれている。妻、子、孫、友人たちについて、いつもの「よろこびのビール」的なドタバタ生活が読んでいて心地よい。しかしそれだけではない。 足腰も衰えはじめ、運転免許証を返納したり、白内障の手術をしたり、シーナは老いと向かい合っている。昔を振り返ることも多い。若い頃に、妻である一枝さんの実家の庭に山から掘ってきたモミジの木を植えたこと、同じくテレビをプレゼント…

  • 金のおの、ソール・ライター、野原

    1年生の道徳「金のおの」を参観。自分でおのを池に落とした2番目の男は「自分が落としたのは金のおのです」と嘘をついたので、女神はそのまま何も言わずに消えてしまいます。その男の気持ちを吹き出しに書かせると、「せめてじぶんのおのだけはかえしてほしい」を発見。1年生最高! 大宰府の梅 2023年2月23日 福岡市美術館で「永遠のソール・ライター」を観ました。「これ、撮影、失敗しとっちゃない」「これはほとんど盗撮やね」という妻のつっこみを聞きながら楽しく鑑賞しました。 ソール・ライターは絵画も描いていました。画面構成は、抽象絵画の技法を写真に転移させたものだと感じました。 後に心を病んで施設で一生を終え…

  • 誰も奪えぬこの想い 「この世の喜びよ」(井戸川射子)

    私の愛聴盤「エラ&ルイ」(エラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロングのデュエット)。その中でも一番好きなのが「誰も奪えぬこの想い(They Can't Take That Away from Me)」。思い出とは不思議なもので、大きな出来事よりも日常の何気ないことの方が強く残ることがある。お茶の飲み方、音程のはずれた歌、笑顔…。そんな小さなことが忘れられないことがありますよね。 「この世の喜びよ」(井戸川射子)を読んだ。毎日の生活の中で現れては消えていく記憶が語られている。小説というか長い詩のようだ。 ショッピングセンターで働く中年女性、子どもはもう働き始めている。ふとしたきっかけで知り…

  • なぜ書くのか

    昨日はSくんと博多駅で飲んだ。Sくんは昨年担当した1年次教員。仕事以外でもこんな風に誘ってくれるのはうれしい。夏に結婚する予定で、式に参加してほしいという話だった。おめでとうSくん。1年目はいろんな悩みが多い様子だったけど、すっかり成長したね。 文章を書くことはそんなに好きではなかった。学校で出される感想文、小論文は原稿用紙のマスを埋め、ただ悪目立ちしないような言葉を、習った順番で並べる作業だった、もちろんそれは役に立った。高校の教員になり国語を教えて何年かしてからやっと、自分の文章を書いてみようと思った。(井戸川射子 芥川賞受賞エッセイより) 私は毎日書いている。朝、学校に着いたらその日の指…

  • 長く続くジャズ喫茶の秘密

    昨日は元同僚のMくんとテントセンブックスに行きました。この前会ったときにこの店の話をしたら「ぜひ行ってみたい」ということで早速案内しました。Mくんは教員ですが現在は休職して大学院へ通っています。この小さな個性的な本屋が気に入ったようです。 昨日、テントセンブックスで買った本 長く続くジャズ喫茶には秘密があるのでしょうか?私の若い頃(70年代)は、福岡にも多くのジャズ喫茶がありました。しかし、今は少なくなりました。 知らない街へ行くと美術館とジャズの店を探します。このまえ行った名古屋で行ったジャズの店は「JAZZ&COFFEE YURI」。店に着いたのは雨の降る夕方でしたが、すでに満席。少し待っ…

  • 授業実践「自分の好きな詩を見つけよう」

    見通しで意欲を継続させる 「自分の好きな詩を見つけよう」という授業をしました。めあてを提示してから、今日のゴール「自分の好きな詩を見つけること」「学級で一番人気がある詩を当てること」を確認しました。これは、今日は何を学習するのか、ゴールは何なのか、学習の見通しを持たせるためのものです。 音読で授業のリズムをつくる 授業の途中には音読を入れました。これは変化をもたせるもの、心地よいリズムを生み出すためのものです。音読では「追い読み」をさせました。短く区切りながら教師が読んで聞かせて、その後を続けて子どもたちが読みます。 意外性と驚き 取り上げる詩は意外性があって、子どもたちが驚くようなものを選び…

  • 子どもたちに民主主義を教えよう

    「子どもたちに民主主義を教えよう 対立から合意を導く力を育む」(工藤勇一・苫野一徳著)あさま社 憲法とは何でしょう。すべての法律の中心にあるもの、私たちが守らなければならないものと考えてしまいます。しかし、憲法とは、私たち市民が対等で自由であることをルールとして保障するものです。国家は権力を濫用することがあります。そうならないように権力に歯止めをかけるためにあるのが憲法です。公教育においても「ルールを守ること」が強調されて、意味のないルールや不合理なルールがそのままになっている例があります。ルールは何のためにあるのか、よく考えないまま指導する教師とそれを受け入れる子どもがいます。「ルールは与え…

  • 宮島への旅

    あけましておめでとうございます。 年末は宮島へ行きました。驚くほどたくさんの観光客。英語や中国語だけでなく、ロシア語やスペイン語(たぶん)も聞こえてきました。インバウンド復活は進んでいるようです。 広島駅のお好み焼き店で順番を待っていたらすごい音がしました。振り向くと男性がスーツケースを取り上げて逃げるように去っていきました。ふと見ると正面の板には穴があいています。エスカレーターを滑り落ちたスーツケースがつけた傷のようです。そこに人がいなくて本当によかった。スーツケースをエスカレーターで運ぶと何が起きるのかよく分かりました。厳島神社で安全を祈願しておいてよかった。 今年もよろしくお願いします。

  • 釜山市立美術館

    釜山旅行2日目は釜山市立美術館。 サムソン2代目会長Lee Kun-hee氏のコレクションが公開中でした。 展示作品のほとんどが1920年代から現代までの韓国作家の作品。 韓国の現代絵画は福岡のアジア美術館で何度も見ていますが、今回はより多様な韓国美術界の歴史を知ることができました。 水墨画風の作品から抽象画まで、韓国の画家たちが新しい表現を追究した足跡が分かります。 抽象画からは韓国独自の美意識を感じ取れます。 S校長先生の説明によると、作品のいくつかは教科書にも掲載されていて、みんながよく知っている絵だということです。 韓国は子どもの絵画教室もたくさんあります。 このような芸術を大事にする…

  • サムルノリを知っていますか?

    クイーンビートルから見た釜山港 3年ぶりの釜山。もう10年以上の交流があるS校長先生との再会も楽しみです。 今回の1日目は韓国伝統音楽のコンサート。韓国は伝統音楽をとても大事にします。小学校を訪問したときは、音楽室にある伝統音楽楽器の充実に驚きました。西洋音楽中心の日本とは大きな違いです。コンサートでの発見は、韓国音楽と沖縄音楽との類似点です。歌う時の発声、旋律、踊るときの手の動きなどが似ています。プログラム最後の4つの打楽器による演奏(サムルノリ)は圧巻でした。複雑なリズムが美しい光のように変化していきます。私は70年代マイルス・デイビスの複合リズムを思い出しました。客席の反応も日本よりスト…

  • 「聞く技術 聞いてもらう技術」東畑 開人著 ちくま新書

    私の今の仕事は若い教師たちに授業のアドバイスをすることです。授業に関することが中心ですが、学級づくりや保護者対応などについて相談を受けることもあります。だから、「もっと上手に聞きたい」「聞いてもらうにはどうしたらいいのだろう」といつも悩んでいます。この本で紹介されている技術では「沈黙に強くなろう」「返事は短く」で、「そうだなあ」と気づかされました。私は沈黙に耐えられません。相手が話さないと不安になって落ち着かなくなります。相手から何か聞かれると、とりあえず返事をしてしまいます。でも、違う場合もありますよね。こちらが黙って待つことで相手の言葉を引き出せることもあるでしょう。相手の心の動きを察して…

  • 個人美術館の愉しみ「かみや美術館」

    初めての愛知。 福岡なら少し車で走れば山ですが、ここでは山が遠くで見えないほど広い平野が広がっています。 列車が街の中心部から離れると田畑が続いている。 そうか、これが『とよた』! 「かみや美術館」は、愛知県半田市にある個人美術館です。 児島善三郎、熊谷守一、村山槐多、長谷川利行など、私が好きな作品が揃っています。 浜田知明「初年兵哀歌」シリーズが全作品あるのは、美術館の創立者神谷幸之氏も出征の経験があるから。 私が行ったとき入館者は一人だったので、絵について詳しい説明を聞かせてもらいました。 浜田のエッチング作品はジブリアニメにも影響を与えているという話が面白かった。 実にその通り、似たキャ…

  • 光と陰のアンソロジー つなぎ美術館

    3回目の「つなぎ美術館」。 前回は福岡から新幹線とローカル線を乗り継いで行きました。 「肥薩おれんじ鉄道」という小さな電車はジブリ映画のようです。 今回はプリウスで約3時間のドライブ。 前回はたどり着けなかった野外作品も観ることができました。 《達仏》西野達 2018年 石の中から聞こえてくる津奈木町の歴史に耳を傾けました。 《石霊の森》柳幸典 2021年 美術館の今回のテーマは「光と陰のアンソロジー この世界にただ独り立つ」(平川恒太い、山本草介、外山恒一)。 「混沌とした先行きの見えない時代を迎えるいま。本展が多くの困難を乗り越えるための思考を深める機会となれば幸いです」が美術館からのメッ…

  • 「ルポ 誰が国語力を殺すのか」石井光太著

    今日は中州のbills(ビルズ)でチーズサンドを食べました。少し高い店ですが、外国に来たみたいな雰囲気で、気分が上がります。 「ルポ 誰が国語力を殺すのか」石井光太著 国語力低下の問題は単に学力の問題ではありません。もっと大きな問題、社会全体に関わる重大な危機です。 この本に暴力事件を起こした中学生のインタビューがあります。その子は自分がしたことを言葉で説明できません。言葉の力が身についていないからです。しかし、よく考えてみましょう。言葉が足りないから説明できないのではなく、言葉が足りないから、そもそも考えることができていないのです。自分がしたことの意味が分かっていないということです、 私は最…

  • 「映画を早送りで観る人たち」稲田豊史著 光文社新書

    「映画を早送りで観る人たち」稲田豊史著 光文社新書 先日、映画「百花」を観ました。監督の川村元気さんは、「近頃は映画を早送りで観る人が多い。だから私は早送りできない映画を作った」と語っていました。この本を読んで、川村監督の思いが何となく分かりました。「映画を早送りで観る」という現象には、人々の心の変化が現れているのです。 早送りで観るようになった原因の一つは、ネットフリックスやアマゾンプライムなどのサブスクリプション(定額見放題)を利用する人が多くなったことです。観ることができる映画やドラマの数は何千、何万という数になりました。多くの作品を観るためには、時間を短縮しなくてはなりません。安く何回…

  • コーチング(1)「相手の心のシャッターを上げる」

    小倉リーセントホテルはJR西小倉駅から歩いてすぐのところにあります。教職員であれば互助会の割引(補助)と県民割が併用できるので、驚くほど安く泊まれます。(というかほとんど手出しゼロ) 気になるのはレストランでビールを飲んでいると、「職員室」とか「学年主任」とか話す声が聞こえてくること。 小倉城も八坂神社も朝6時から入れます。 すぐ近くのリバーウォーク。朝の風が心地よい。 今の私の仕事、小学校の先生たちへのコーチングについての記録です。 コーチング(1)「相手の心のシャッターを上げる」 修学旅行の引率のとき、宿泊のホテルで「夕食会場はどこですか?」と聞かれることがありました。「何で私に聞くのかな…

  • 「ぼくらの戦争なんだぜ」高橋源一郎著

    藤原新也さんの写真と言葉は、強く深く響く。 今回は絵画や書まで含めた表現の全体を見ることができた。 2022年の私たちに届けられた言葉は「祈り」。 福岡市へ来たら博多駅近くのホテル「ザ・ベーシックス福岡」のロビーを見てほしい。 高くそびえる本棚が圧巻。画集、写真集、ガルシア・マルケス。見て美しく、読んで楽しい本が並んでいます。 ここは、その昔、マイケル・ジャクソンが泊まったホテル。 「ぼくらの戦争なんだぜ」高橋源一郎著 小学生のとき、歴史学習は明治頃までで終わっていた。何故なのかあまり気にならなかった。そういうものと思っていた。 自分が教える立場になったとき、先輩から「歴史は現代が大事だからね…

  • 「運動脳」アンデシュ・ハンセン著

    「運動脳」を読んだ。「これは人生を変える本かもしれない」と思った。 私の知人、教員Aさんは、現在「うつ」に苦しんでいる。 疲れがとれない、眠れない、暗い気分が続く、などのメンタルの不調を訴えている。 「休日は、学校のことを考えないで、自分の好きなことをしてみたら」「規則正しい生活をして、栄養のあるものを食べるようにね」など、会うたびに声をかけているのだが、私にできることは話を聞いてあげることくらいである。 この本では、運動を通して「うつ」が克服できることが、データを基に証明されている。 問題の解決は、実はとても簡単だということが分かった。「運動」である。 「運動」で「うつ」は改善する。これは複…

  • 授業で学級をつくる

    夏季休業中は延べ29回の面談を実施しました。授業や学級づくりに関すること、指導案作成など、1人約1時間。普段は短い時間しか話ができないので、まとまった時間にゆっくり話を聞くことができるのは貴重な機会でした。 先生方との面談で聞いたことは、「もっとよい授業がしたい」「よい学級をつくりたい」という願いでした。よい学級、よい授業はどのようにして実現されるのでしょうか。この2つは別のものと考えないようにしましょう。授業を通して学級づくりをするのです。 学級づくりの基礎的資質は4つあります。「積極性」「スピード」「丁寧さ」「他者尊重」です。 積極性とは「やる気」です。具体的な姿としては、「自分から動く」…

  • ジョン・レノン、三島、風立ちぬ

    万平ホテル 客室 1970年代、ジョンは毎年のように万平ホテルで夏を過ごしていました。 音楽活動は休業して育児に専念していました。 「ジョンは軽井沢にいるらしいよ」と聞いて、大学生だった私は「早く次のアルバムを作ってくれよ」としびれを切らしていました。 そして数年後、やっと復帰すると同時に、ジョンは永遠に消えてしまったのです。 ジョンが好きだったアップルパイとミルクティー 万平ホテルカフェ 万平ホテル カフェ入り口 三島は川端康成のノーベル文学賞獲得のために奔走します。 そして川端のノーベル賞受賞後のインタビューで次のように答えています。 「次のノーベル賞は私ではなく大江だ」 人を驚かせるのが…

  • 「教育書の生かし方」松村英治著 東洋館出版

    この本は小学校教師の著者が今までに読んだ本(1500冊)から「私の考えや実践を創ったり変えたりしたきっかけを与えてくれた教育書」の22冊を選んで紹介した本です。 「読書をどのように実践に生かすのか」が語られています。例えば私も「クラス全員が熱心に取り組む! 漢字指導法」(土居正博著)を読みました。これはとてもいい本だと思ったので若い先生方にも勧めています。しかし、読んだことをどのように自分の実践に生かすのか、私は上手に説明できていませんでした。「なるほど、本を読んでもそのすべてを同じように実践する必要はないし、一部をアレンジして取り入れることもできるんだ。」その具体的な実践例を読んで、納得しま…

  • 成果や能力をほめるのは危険!?

    猪野神社の奥にある茅乃舎(かやのや)カフェに行きました。 真空管アンプからはチェロの優しい調べが聞こえてきます。 初夏には蛍が舞う小川の横にあります。 成果や能力をほめるのは危険!? 「すごい!100点だね」「全部できたね。完璧!」のように子どもをほめることはありますよね。これのどこがいけないのでしょう? 次のような研究結果があります。小学生を2つのグループに分けて、パズルに取り組ませました。Aグループにはできたパズルの数(X)を伝えて、「(X)もできている。よくできたね。頭いいね」といって成果と知性をほめる言葉をかけます。Bグループには「(X)できているね。すごくよく頑張って考えたね」と努力…

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