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これからの小学校外国語活動 https://square.hatenadiary.jp/

小学校外国語活動を中心として、国語、算数など各教科の授業についての記事を書いています。小学校の先生方の授業改善のヒントになればうれしいです。 その他、映画、音楽、旅行などの記事もあります。退職教員の徒然なる日々の記録です。

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2019/11/09

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  • ありがとう、チャック。

    土曜日は学校の運動会でした。曇りの予報だったのに、思いがけずとてもいい天気。天気が良すぎて日差しが強く、すっかり疲れました。 日曜日は門司港で、黒田征太郎さんとのイベントの打ち合わせ。ずっと憧れていた天才画家と一緒に企画ができるなんて、まるで夢のようです。 先週は映画を観ました。スティーブン・キング原作の映画「サンキュー、チャック」。いろんなことを思い出させる映画。心の深いところに届く作品でした。 人の死とは、その人の心の中に広がっていた「宇宙」が消えること。人生を豊かにするのは、日常の小さな出来事の積み重ね。そして、他者とのつながり。 チャックは仕事の途中に路上で、ストリートミュージシャンの…

  • われら/やつらを越えて語り合うために

    「人を批判したくなったときは少し待て。人は皆、お前が持っているような恵まれた条件を持っているわけではない」 『グレイト・ギャツビー』(F・スコット・フィッツジェラルド)の冒頭で、語り手が父から授かった助言である。何とも印象に残る一言だ。人はつい、自分こそが正しいと思い込んでしまう。人と人が理解し合い、共に生きることが、いかに難しいことかを思わされる。 『バラバラな世界で共に生きる――リチャード・ローティの哲学』(朱喜哲 著)を読んだ。SNSや政治的対立が激化し、「われら/やつら」という線引きが強まる現代社会。この分断の時代に、私たちはどうすれば他者と語り合うことができるのだろうか。 本書では、…

  • 菊畑茂久馬が語る近代美術のドラマ

    画家や美術に関する本がこんなにもおもしろいのはなぜでしょうか。ひとつには、画家たちの人生がしばしば波乱に満ちていること。そして、作品を通して「人間とは何か」「私たちの社会はどのように歩んできたのか」という歴史的な発見があるからだと思います。 菊畑茂久馬さんの『絵描きが語る近代美術 高橋由一からフジタまで…』を読みました。先日、太宰府天満宮を訪れた際に菊畑さんの芸術作品に触れ、その流れで購入した一冊です。現在、北九州市立美術館で開催中の「日本近代洋画への道 山岡コレクションを中心に」の予習にもなると思い、手に取りました。 本書では、江戸幕末から太平洋戦争終結までの近代美術史が、菊畑さんらしい語り…

  • キセキ

    M先生が亡くなりました。かつて私は、校長だったM先生と1年間だけ一緒に働きました。穏やかで誠実な先生で、嫌な思いをしたことは一度もありません。短い期間でしたが、今も鮮やかに思い出せる場面がいくつもあります。 その年、職員室の改修工事があり、夏休みの間は体育館を職員室として使いました。暑さの中でも、休み時間になると皆で卓球をして汗を流したことを覚えています。皆既日食を見たのも、この体育館でした。黒い下敷きをかざしながら、欠けていく太陽を職員みんなで見つめました。 地域の夏祭りには、職員バンドとして参加しました。演奏したのは、GReeeeNの「キセキ」とGLAYの「HOWEVER」。あのときの笑顔…

  • 世界は何もしない

    小さな街の物語です。AさんとBさんの争いが長く続いています。街の多くの人たちは「どちらも悪いから、早く争いをやめてほしい」と言い、どちらか一方の味方をするのはよくないと話しています。 しかし、本当にそれでよいのでしょうか。 Aさんは裕福で、いつもきれいな服を着ています。街の有力者たちはAさんの味方で、「Aさんは悪くない」と人々に語ります。そのため、Bさんを心配する声はごくわずかです。 けれども、争いの始まりは、AさんがBさんの住んでいた場所を追い出し、自分がそこに住みついたことでした。その事実は街の記録にも残っています。私はその記録を読み、Bさんの話を聞きました。そして今、身近な人たちにこの出…

  • 匂いで世界を読み取る子どもたち

    「チョコレートのにおいがする…」 中休みが終わり、子どもたちが教室へ戻ってきたときのことです。 クラスでいちばん小さな女の子が、ぽつりとつぶやきました。 私は、その言葉に気づかないふりをしました。 コーヒーと一緒にチョコを流し込み、そのあと念入りにうがいまでしたのに。 それでも気づくとは、子どもの嗅覚は本当に恐ろしい。 子どもたちは、大人とはまったく違う世界を生きていると感じる瞬間があります。 匂いを手がかりに何かを特定する力は驚異的で、落とし物のハンカチやシャツの持ち主を当てることなど朝飯前。 少し鼻を近づけただけで、「これは○○さんのです」と言い当てます。 衣類だけではありません。 なんと…

  • 僕は仰向けになって目を閉じ、何時間も雲雀の唄を聴き続けた

    神戸へ行った。 何で神戸なんだろう。 はじめに浮かんだのは村上春樹。 デビュー作、「風の歌を聴け」の舞台は神戸がモデルだと推測できます。 「前は海、後ろは山、隣には巨大な港町がある。ほんの小さな街だ。港からの帰り、国道を車で飛ばすときには煙草は吸わないことにしている。マッチをすり終わる頃には車はもう、街を通りすぎているからだ。」 村上は中高時代を芦屋で過ごしました。 もう一つは、大森一樹の映画「暗くなるまで待てない」 神戸を舞台に大学生たちが映画製作に奔走する姿を描いた作品。 一晩中さわぎ疲れて明け方の街を歩く若者たち。 その中の一人の女の子がつぶやきます。 「行くところはいくらでもあるわ。帰…

  • 母語の外で生きる経験から生まれる豊かさ

    入学式前日の準備作業では体育館のトイレ掃除をしました。男子トイレの掃除を6年生の男の子と一緒に済ませてから女子トイレの確認をしました。担当の女の子に話しかけてもキョトンとしています。それを見ていた男の子が教えてくれました。「先生、その子は中国人だから言葉がよくわかりません。」どうしようかと考えているうちの男の子が中国語でその子に説明していました。もうこのような場面はよくあることなのでしょう。 多和田葉子さんの小説「研修生」を読んでいます。日本語だけでなく、ドイツ語でも小説や詩を書いている多和田さんは世界中に多くの読者を得ています。この小説は読売新聞に連載されていました。若い頃からドイツで暮らし…

  • 黄色い家 題名は磨かれた要約文

    「黄色い家」(川上 未映子 著)を読みました。 17歳の「花」は家を逃げ出し、黄美子という年上の女性に拾われ、仲間と「黄色い家」で共同生活を始めます。温かさに救われる一方、生活のために犯罪に手を染め、やがて悲劇が訪れます。よい小説はノンフィクションよりも的確に現実を伝えることができると感じました。傑作です。 物語の読み取りを研究していたころ、先輩から教えてもらった言葉があります。 「題名は磨かれた要約文」 それ以来、国語の物語の授業では、はじめに「題名読み」をさせて、単元の最後には再度、題名について考えさせていました。「黄色」は「光、希望、明るさ」などを連想させますが、「警告、危険、壊れやすさ…

  • ハイテンションと多忙で退屈を忘れようとする社会

    我が家の娘たちが幼い頃、夢中になっていたプリキュア。そのアニメが面白い進化を見せています。 プリキュアが戦う相手は自分たちに未来はないと感じている悪者たち。しかし彼らも元々は普通の存在でした。それが何かの理由で心を病み、闇の底に落ちてしまったのです。悪者たちの武器は誤情報とフェイクニュース。 名探偵プリキュアは誤解を解くことで怪物を弱体化させます。武器はコミュニケーション力です。「真実はいつもひとつじゃない!」が合言葉。何というか多面的で多角的な視点がうれしいです。この展開なら応援したくなりますね。 「スマホ時代の哲学 なぜ不安や退屈をスマホで埋めてしまうのか」(谷川嘉浩 著)を読みました。 …

  • 自分が大切にしたいのは何だったのか?

    大学生の頃、映画をたくさん見ました。ヨーロッパ映画で記憶に残るものがたくさんあります。その中でも「野いちご」が忘れられません。1957年のスウエーデン映画、監督はイングマール・ベルイマン。 老人となった大学教授はこれまでの人生を振り返ります。世間的からは、自分の仕事や地位を認められるようになったが、今までにしてきたことは、本当によかったのだろうか、と思い返します。自分の近くにいた人たちに愛情を伝えることができていたのだろうか。してはいけないことをしてしまったり、しなくてはいけないことをしなかったり。まだ自分は若かった頃なのに、老教授の心情がよく分かりました。今ならばもっとよくわかるはずです。 …

  • よいドラマは価値ある失敗の記録である

    韓国ドラマ「二十五、二十一」(Netflix全16話)を観ました。傑作です。青春の痛みと輝きが美しく描かれていました。神保哲生さんが「すばらしい」と絶賛していた作品です。韓国ドラマではいつものことですが、登場人物たちが家族や仕事について真剣に考える姿に驚かされます。日本では反対に目をそらす人が多いのではないでしょうか。 「IMF危機(1997年)」が韓国社会に与えた影響の大きさも知ることができました。「韓国では主要財閥企業十グループへの資本集中率が高く、その総売上高がGDPの約75パーセントまでを占めるといわれる。しかし、それらの企業が全求人に占める割合はわずか1パーセントだ。」(「韓国文学の…

  • 外国語を学ぶことは楽しくもあるし危険でもある

    毎日、朝5時に起きる。新聞を読みながら朝食をとって、6時25分に体操。6時45分からラジオ英会話を聴いている。このルーティンはこの10年くらい変わらない。英語学習を続けているのは単に楽しいから。そうか、英語ではこんな風に言うのか。自分は日本語でのコミュニケーションにも不完全さを感じることがあるので、これは役に立つ。日本語と英語を対比するといつも新しい気づきがある。 多和田葉子さんの「エクソフォニー 母語の外に出る旅」を読んだ。多和田さんは1960年生まれ。高校の時からドイツ語を習い始め、早稲田大学を卒業した後、ドイツの大学で学び、82年からハンブルグ在住。日本語で多くの小説を発表するだけでなく…

  • 激情が疾走するむきだしの人間ドラマ

    舞台「飛龍伝2026―かつて、若者たちが見た明日―」を観ました。原作はつかこうへい。「飛龍伝」は学生運動嵐の嵐が吹き荒れた1970年代の物語です。お互いに傷つけ合うことを回避する現代とは正反対。本音と本音がぶつかり合い、傷つけ合う人間たち。 愛とか革命について真剣に向き合い、そこで交わされる言葉たちが深く心に響きました。信じることに命を懸ける若者たちは確かに美しい、でも危険です。強すぎる愛は救いであると同時に破滅への引き金でもあります。どうしようもない人間たち、それでも美しく、愛さずにはいられません。 「生きることへの肯定」が高速のセリフ回しと圧倒的な熱量で描かれていました。脚色・演出の高橋広…

  • 今も終わらない戦争の話

    「戦争みたいな味がする」(グレイス・M・チョー著, 石山 徳子翻訳)を読みました。 コリア系アメリカ人社会学者が自分の母について書いた本です。母は1941年に大阪で生まれました。終戦で朝鮮半島に帰りますが、朝鮮戦争で父と兄を失います。その後、生きるために在韓米軍施設で働き、出会った男性と渡米します。自由を求めて渡った希望の国でしたが、偏見、孤独、差別に苦しめられます。料理で家族を養い、同郷者にキムチを配り、母は安らぎを求めますが、次第に人を信じることができなくなり心は壊れていきます。 人の生活において、食事は重要な役割を果たしています。人は食事によって、単に栄養を摂取するだけではりません。食事…

  • 毎日が旅の途中だ

    KBCシネマで「旅と日々」を観ました。監督・脚本は三宅唱、主演はシム・ウンギョン。河合優実、佐野史郎、堤真一も出演してます。原作はつげ義春の漫画「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」。 前半は夏。暑い季節なのに人物の心の中は寒い。どしゃ降りの雨の中で泳ぐ人はあまりいませんよね。 後半は冬です。雪で閉ざされた世界なのに何となく温かく、ユーモアが漂っています。 気が付きました。この作品構成は宮沢賢治の「やまなし」じゃないですか。 対比の効果。優れた作品世界は意図せずして受け継がれていきます。 「夢みたいな不思議な映画。退屈と感じるかもしれないけど一緒に観る?」 「…観る」と言っていた妻ですが、やは…

  • かれらの音楽にはなぜこんなにも人生がつまっているのだろう

    先週の職員会のできごと。 教頭先生が「最後にお知らせがあります」と話し始めました。「A先生はまだ年限ではないのですが異動となりました…。では、どうぞ伝えてください」 何の話だろう。 A先生は若い女性教師。いつも落ち着いていて慌てた様子を見たことがありません。 わたしの斜め向かい座っているA先生が立つと、なぜかB先生が近づいて横に立ちました。B先生は若い男性教師。穏やかだが熱い男。 もうみんな気づき始めました。驚きと祝福の混じった声が聞こえてきます。どよめく職員室。 この二人が一緒になるとは想像してなかったけれど、素敵なカップルです。二人は3月に入籍します。 お幸せに。 「ドリーミング・ザ・ビー…

  • Candy 思い出すよ 君の笑顔

    福岡空港のカウンターで、ふと横を見たら、「あっ、山下達郎だ…」 私が大学生の頃、1977年くらいかな。 ブレイクする前で、まだそんなに有名ではなかった。 その頃の達郎のアルバム「SPACY」を最近よく聞いています。 再発のアナログ盤です。 ベースは細野晴臣、キーボードは坂本龍一、そしてドラムは村上ポンタ秀一。 出勤前に、コーヒーを飲みながら毎日聴いています。 「LOVE SPACE」から始まって「DANCER」で終わるA面。 何回聴いてもため息がでるほど素晴らしい。 音空間の活かし方。どこにも余計な音がない。 というか余白が絶妙。 すべての音が絶妙なバランスで見事に溶け込んでいる。 甘いバラー…

  • 「行動する傍観者」って何?

    新聞で「アクティブバイスタンダー」の記事を読みました(朝日新聞1月17日)。ハラスメントや差別に第三者として遭遇したら、どうしたらいいのか? 「一般社団法人アクティブバイスタンダー協会」は、そんなときにどう動けばいいのか、考え実践する研修を開いています。 協会の共同代表は、安藤真由美さんと浜田真理さん。二人は、ジェンダー研究を深める中で、被害者や加害者より、第三者の数が多いことに着目し、空気を変えるには第三者の力が不可欠だと考えました。行動する傍観者(アクティブバイスタンダー)のポイントは、「たよレます」です。「たすけを求める」「より添う」「レコーディングする」「まちがいを指摘する」「すり替え…

  • サリンジャーとハナ肇 じわりと伝わる哀しみ

    サリンジャーを読んだ。「彼女の思い出/逆さまの森」(金原端人訳 新潮文庫)。「彼女の思い出」はこんな話。大学生の「おれ」は、いいかげんな奴で、父親からウイーンで勉強してこいと言われてやってきた。おれはそこでリーアという美しい娘に出会う。おれはドイツ語がよくできない。彼女は英語が下手。ぎこちない二人の会話。でも楽しかった。戦争が終わっておれは再びウイーンに行く。二人がよく話していた部屋は、今、士官たちの宿舎になっていた。「入ることはできない」と断られても、無理やり頼んで入れてもらった。ユダヤ人のリーアはもういない。しばらくその部屋ですごしてから帰った。それだけの話。村上春樹の初期の短編を思い出し…

  • 台湾の青春映画を見てハンナ・アーレントのことを考えた

    佐賀の「シエマ」で台湾の映画「ひとつの机、ふたつの制服」を見た。 主人公の小愛は名門女子高校の夜間部に通う生徒。 この高校では昼間の全日制に通う生徒と同じ机を使う。 小愛は同じ机を使っている敏敏と仲良くなる。 二人は対照的。 小愛は勉強が苦手で生活は苦しい。 一方、敏敏は優等生でお金持ち。 自分の気持ちを表現するのが下手な小愛、敏敏は積極的で大胆。 その二人が同じ男子生徒を好きになって…。 1990年代の台湾を舞台にしているので、ノスタルジーとエキゾチックな味がブレンドされて心地よい。 私は哲学者のハンナ・アーレントを思い出した。 彼女は、人との良好な関係のカギとして「赦し」について語っている…

  • 誰もがブラピにはなれないけれど

    元日はいつものように猪野神社に初詣。家に帰ってからおせちを食べて映画鑑賞。ブラッドピットの「F1」を観ました。30年ぶりに復帰したレーサーの物語。ペアを組む反抗的な若者との対立と…。良質のエンターテインメント。何しろ冒頭からツェッペリンの「胸いっぱいの愛を」ですから。60代を打ちのめすツボを心得ています。 さて、4月からのことを考える時期です。毎月していることは、地域の子どもたちへの英語教室。2つの読書サークル。これらは続けます。新しく増えた役割は、マンションの管理組合の理事長。同じ地域に住む皆さんと知り合えてよかったです。自分の地域に心地よいコミュニティをつくること。やはり足元が大事です。そ…

  • 清水の舞台は誰に見せるの?

    京都はいつも新しい発見があります。 今回は妻のリクエストでまずは清水寺へ。 清水寺は観光名所として満点でした。 はじめに長い坂を上っていく。 両側には土産物屋、すごい数の観光客。 外国の方が着物を着て歩いています。 その着物の派手なこと。 原色、きらきら、背中に刀を背負った人も。 みんなうれしそうで見ているこちらも楽しくなってきます。 わくわくしながら坂を上り、最後のカーブを抜けると視界が開けます。 仁王門と三重塔が出現。うわあ。 みんなここで写真をとっています。 そこから少し歩くといよいよ清水の舞台。 これがあの有名な清水の舞台か。 舞台なのに観客席がない。 どうやら見せる相手は空から見てい…

  • いいなあ

    先週の給食はカレーうどんでした。 1年生の子どもたちは朝からワクワクです。 カレーもうどんも子どもたちの大好物。 その二つが合体するなんて夢のよう。 給食の時間になって配膳も終わり、 いただきます、の挨拶とともに食べ始めると 一人の子がごはんにかけていました。 「ごはんにはかけませんよ」 先生が声をかけると その子は悲しそうでした。 「もういいから、そのまま食べなさい」 先生からなぐさめられても下を向いています。 しばらくして「カレーうどんご飯」を食べ始めました。 教室のあちこちからつぶやきが聞こえてきます。 「いいなあ…」 この後、いくつかの家庭では、 なぞの「カレーうどんごはん」が家の人を…

  • 対話への大きな希望

    「みんなの考えはどれもすばらしいです。それではこれで授業を終わります」 こんな風にして終わる国語の授業をしたことがあります。 考えを出し合うだけでよかったのか、と疑問が残りました。 「AとBはどちらが正しいのか」という授業をしたこともあります。 それなりに議論が白熱して 「これはいい授業だったかもしれない」 と思う反面、 何だか勝ち負けを決めるみたいで納得できない思いがありました。 その後、「これが一番いいかな」と思える話し合いの形ができてきました。 みんなから出た考えを黒板に書いていきます。 出し終わったらそれらの考えをみんなで見て、どれがいいと思うか意見を言い合います。 みんなで検討しなが…

  • ささやかだけれど、役に立つこと

    谷川俊太郎と村上春樹には多くの共通点がある。 その一つがアメリカの作家レイモンド・カーヴァー。 谷川は好きな小説家について語ることは少なかったが、その一人がカーヴァーだった。 村上は多くの翻訳作品を残しているが、最も力を入れていたのがカーヴァー。そのすべての作品を翻訳している。 二人はカーヴァー作品のどこに惹かれたのだろう。 人の心を理解することの難しさ、と私は推測した。 カーヴァーの小説では、ありふれた日常が突然こわれる。 人が人を傷つける。その理由が分からないこともある。 人と人が分かり合うことは本当に難しい。 文体はシンプルだが深い。ヘミングウェイスタイル。 文は簡潔で心理描写は少ない。…

  • 1回だけの魔法あります

    ピーター・バラカンさんがラジオで紹介していたアルバムが好きになって毎日聴いています。 ボズ・スキャッグスの「Detour」というアルバム。 ボズは70~80年代にヒットチャートを賑わしていた人気歌手です。 「We're All Alone」は最高ですね。 そのボズの最新作が「Detour」。 このアルバムの録音エピソードがおもしろい。 もともと発表するつもりではなく録音は始められました。 自分自身が音楽を楽しむために。 アルバムをつくる予定もなかった。 しかし、「これはなかなかいい!」 ということでロスアンゼルスとニューヨークで再び録音したのですが、 結局ファーストテイクを越えるレコーディング…

  • AIによるカウンセリングは人間を超えるか

    先週は3年生の算数「まるい形を調べよう」の授業を見ました。「球体の断面は円である」ことを学ぶところです。「では、このドッチボールを真ん中のところから半分に切ったら、どんな形になるでしょう」と教師が問うと、男の子が予想を述べ始めました。クラスで一番賢くてよく発言する子です。「ドッチボールを半分に切ったら…」言いたいことはあるのですが、うまく伝えることができずに困っています。しかし、だんだんと分かってきました。つまり、「ドッチボールを半分に切ると、中の空気が抜けてしまって、断面はなんとも表しようのない形になる」子どもたちは真面目に正直によく考えています。授業では教師にとって都合のいい反応を期待して…

  • 僕たちは地獄の世界をマンガのように笑って生きるしかない

    連休はトリアス久山で映画鑑賞。 ワン・バトル・アフター・アナザー 脚本・監督はPTAことポール・トーマス・アンダーソン。 原案はトマス・ピンチョンの小説「ヴァインランド」。 重量級ですね。見るしかない。 奇妙な人間がたくさん出てくる映画。 ディカプリオ演じる革命家は情けなくてドジ。 酒とドラッグにおぼれて、大事な場面でも失敗ばかり。 仲間と連絡をとるときの大事な合言葉を忘れてしまう。 悪いのは自分なのに相手を口汚く罵る様子は本当に笑える。 ショーン・ペン演じる保安隊長はすごい変態野郎。 金や権威や名声、それに何より女が大好きなよくあるタイプだが度を越している。 しかしこれも奇天烈すぎて気持ち悪…

  • わたしたちは真に重要な決定のために脳を使っているのだろうか?

    シーナ・アイエンガーさんのインタビューを読みました。(朝日新聞 10月23日)シーナさんはコロンビア大学ビジネススクール教授で、著書の「選択の科学」(2010年)は、世界的なベストセラーとなっています。「100種類の炭酸水から一つを選んでください」と言われたらどうしますか。私は炭酸水が好きなので、ついつい選ぶことに時間をつかってしまうかもしれません。どこの水をつかっているの? 体にいいのはどれ?迷うなあ…。 世の中には選択肢があふれています。何を優先するのか迷ってしまい、いつのまにか多くの時間を使っています。選ぶことは楽しい側面もあります。しかし、それほど重要ではない選択に時間をつかい、肝心な…

  • メトロポリタン美術館と警備員の私

    新聞の書評を読んで買った本ですが、はじめのところを読んでそのままにしていました。ボッティチェッリ、ラファエロなどの名前がありましたが、私が好きなのは近代以降の美術です。「これは違うかな…」とそのままになっていました。最近になって続きを読み始めて、「あっ」と引き込まれました。 これは「パーフェクトデイズ」だ! 大学を卒業した後、雑誌「ニューヨーカー」で働いていた青年が思うところあって退職しました。青年は働きながら悩んでいました。「自分のものではない口調を使い、自分が持ってもいない権威を誇示し、自分が実際に抱いているとは思えない意見を表明してしまう」青年は、美術館の警備員として働くことにしました。…

  • 戦争について語るのは難しいけれど

    福岡市の中心に新しくできたワンビルは私のお気に入りの場所です。その4階にある蔦屋書店で珍しい本を見つけました。タイトルは「作文」。洋書のペーパーバックみたいなつくり。出版元はあのU-NEXT。なんで本なんだろう。どうも新しい形の出版を目指しているようです。約100分間夢中で読める中編小説、というコンセプト。なるほどいいアイデアかもしれない…。約100分間夢中で読みました。大当たりです。 帯の紹介文から 唯一の戦争被爆国であり“平和”な国・日本の現在地 「ぼくのおじいちゃんは戦争で兵隊になって南方に行きました。」 祖父が亡くなったとき、祖父の戦争体験を綴った作文のことが話題に上がった。 祖父はそ…

  • ひどい戦争の記憶と冷徹な核戦略の間で

    世界がどんどん不安定になっていることが気になります。かといって軍を増強することばかりではだめでしょう。まずは外交の努力が大事。政治家の発言を聞いていると、心配になります。勇ましい言葉、危機を煽るような振る舞い。日本はかつてたどった道に再び踏み込むような気がします。ではそうすればいいのか。いい本を見つけました。軍事の専門家小泉悠さんと護憲派が語り合う安全保障。軍備増強一辺倒ではなく、非武装中立でもない。解決の糸口がありそうです。そういう組み合わせの話を聞いてみたかった。以下が目次です。 まえがき 「みんな」でない「みんな」で語り合った記録 問題提起 ウクライナ戦争から考える日本の安全保障 1 安…

  • 世界文学の体験記

    「発達障害者が旅をすると世界はどうみえるのか イスタンブールで青に溺れる」横道誠著 文春文庫 本屋でこの本を見つけた時、帯にあるブレイディみかこさんと、高野秀行さんの推薦文が目に入りました。読むと分かります。まさにその通り、これは単なる旅行記ではない。豊潤すぎる言葉とイメージの洪水に打たれて震えました。横道さんの“間違う力”に度肝を抜かれました。圧巻のワンダーランドです。 著者の横道さんは、自閉症スペクトラム症と注意欠如多動症と診断されている大学の先生です。それを読んで思います、人間は多かれ少なかれ何らかの「障害」を抱えているのではないかということです。前に学校の職員研修で自閉症スペクトラム症…

  • わかる、はわからない。

    ジャズ喫茶 おくら 熊本市 2025年9月 何だろう、と考えることは好きですか。例えば、何のために生きているのだろう。成し遂げたいことがあるから。誰かを守るために生きている。楽しいことがあるから…。一つの正しい答えはないようですね。難しいです。 考えることはつらいこともあります。はっきりしていたことがゆらいできたり、自分の考えを変えなくてはならなくなったり。考えることで不安になることも、自分の弱さに向き合ったりすることもあります。 しかし、考え続けることで自分なりの答えらしきものが見つかることがあります。答えが見つからなくても、考えることの大切さに気付くこともできます。 考えること、対話するこ…

  • わたしたちはバラバラで、同じ海の中でつながっている。

    いつも行く3年生の教室。9月の歌は「手のひらを太陽に」。わたしも一緒に歌っています。声を出して歌うのは気持ちがいい。明るい窓の方に手を広げて見ている子がいます。何が見えましたか。悲しいときは、そうするといいよ。もっと悲しくなるときもあるけれど。 熊本市現代美術館 2025年9月 「水中の哲学者たち」永井玲衣著 晶文社 海の中を深く潜るように、何かを求めて人と言葉を交わす。 水中で人と話すと、何が聞こえてくるのでしょう。例えば「待つ」について。「待つこと」「待たせること」は、よくないことばかりですか。筆者が体験したこと、そのとき考えたことを読むと、「ちがうよ。そうじゃない。」と新しい気づきにうれ…

  • なんて美しいんだ、とわたしは言った。

    「あれはズッキーニですか?」 教室で2年生の男の子が話しかけてきた。何のことだろう。窓の外を見ると学年園が見える。夏休みの間に大きく育った緑の果実。生い茂った蔓は2メートルの園芸ネットを越えて隣の木をつたい、そのてっぺんまで達している。小学校教員なら誰でも知っている。これはヘチマ。4年生になったら理科で育てて観察する。しかしヘチマをどのように説明すればいいのだろう。食材ではないのでスーパーには売っていない。スポンジの代わり…。それを使っている家庭がどれくらいある?今の子どもはズッキーニを知っていてもヘチマは知らないということ。これは収穫。 永井玲衣さんの「水中の哲学者」を読んだ。読んでいると心…

  • コッポラは市民ケーンだった

    巨匠コッポラの新作「メガロポリス」を見ました。評判が散々なので心配していたのですが私は楽しませてもらいました。分かりにくい映画です。しかし、各場面はよく作りこまれているので強い力で引きこまれます。映画と想像の世界が混ざり合っているところは「君たちはどう生きるか」のようです。文明が進歩した結果、退廃の香りが強く漂うところはフェリーニの「甘い生活」ですね。途中で偽のエルビスが星条旗を持って歌うところはトランプへの皮肉でしょうか。しかも歌い終わって「アリガト」と日本語でお礼を言うのはなぜ。謎の部分は見た人が様々に解釈して楽しめばいいし、とにかく次々に繰り広げられる深遠な言葉と幻影。それは豊かな滋養に…

  • 急に具合が悪くなる ルノワール

    「がんの転移を経験しながら生き抜く哲学者と、臨床現場の調査を積み重ねた人類学者が、死と生、別れと出会い、そして出会いを新たな始まりに変えることを巡り、20年の学問キャリアと互いの人生を賭けて交わした20通の往復書簡。」 「急に具合が悪くなる」晶文社の紹介文より 癌が移転しているということは、死が近づいているかもしれないということ。その相手にどんな言葉を語ればいいのだろう。励まし、慰め、気晴らし…。悩んでしまう。AIならいい言葉をくれるだろうか。哲学者と人類学者、研究者であり大学教員の二人は、とことん考え言語化を試みる。言葉のキャッチボールは相手が取りやすい球ばかり投げてはだめ。相手の様子を見な…

  • 佐賀にいったい何があるというんですか?

    映画館に入ると両側の様子が何か違うことに気づいた。中央の席は普通の映画館の席。しかし、通路をはさんだ両側にはソファがあった。それも一つ一つバラバラ。二人掛け、一人掛け、両肘があるものないもの。一人掛けソファの真ん中には小さなテーブルがある。どれもデザインが違う。ロビーにはカフェもある。壁には映画関係の本がたくさん。くやしいなあ。こんな映画館を作りたかった。 シアターシエマ 2025年8月 次に向かったのは、「木と本」というカフェ。入り口には「本を読んでゆっくりすごしてください」と書いてある。中に入ると、本当に皆さん本を読んだり何か書いたりしてすごしている。吹き抜けのテラス席は「おしゃべり禁止」…

  • 天上の本屋 マレーシア旅行記②

    クアラルンプールのLit Booksという本屋に行った 店内にカフェスペースもある居心地の良い本屋 文学好きなオーナー夫婦の趣味が反映された品揃え 文学だけでなく、音楽や哲学の本も充実している ジョニ・ミッチェルやレナード・コーエンも見つけた ご夫婦は私と同年代だろうか 若い店員に話しかけると、村上春樹のファンだと分かった 「『街とその不確かな壁』はとてもよかった」と伝えると 「全く同じだ」と驚いてから笑顔になった 本2冊と素敵なトートバッグを購入 Lit books、マジでヤバい本屋…。

  • イカロスたちの夏

    日本が起こした戦争について考えている。今振り返ればわかる。歴史を学べば誰でもわかるに決まっている。勝つはずがなかった。それなのになぜ始めてしまったのか。 総力戦研究所というのがつくられていた。日本が真珠湾を攻撃する直前。メンバーはまだ30代の各分野の精鋭たち。軍だけでなく各省、民間企業、ジャーナリストなども含まれている。結論は出ていた。日本は必ず負ける。始めはいくつか勝利できるだろう。でもそれは続かない。東南アジアからの石油も届かなくなる。ソ連も参戦する。分かっていたのになぜ始めたのか。当時の首相、東條英機もこの結論を聴いていたというのに。 軍人たちが強大な力を持っていたのは確かだ。しかし、多…

  • タイムマシンにお願い マレーシア旅行記①

    アジアでまだ行ったことがない国へ行ってみよう。韓国、中国、台湾、ベトナム、シンガポール、インドネシア。どこもとても楽しかった。次はどこだ? マレーシアへ行ってみよう! クアラルンプールで5日間過ごしました。安全、物価が安い。人々は明るくて親切。いいところです。 クアラルンプールのThe Groove Roomというアナログレコード店へ行きました。ここは、レコードコレクターのMohanさんが経営するお店です。Mohanさんからお話を伺うと、私とほとんど同世代。ロック、ジャズ、ブルースなど、聴いている音楽も重なるのでうれしかったです。途中で入ってきた若いイギリス人のお客さんが手にしているのはYMO…

  • ロシア文学の深い森 「鼻」ニコライ・ゴーゴリ著

    ある朝、パンを食べていたら鼻が出てきた。 ありえんやろう。そうつぶやいてしまそうな冒頭です。チェーホフ、ツルゲーネフ、トルストイ、と読んできたので、まさかそっちからボールが飛んでくるとは。「ソーンダーズ先生の小説教室」の続きです。 鼻を見つけて慌てているのは床屋。これはどうも昨日、切り落とした客の鼻のようだ。とにかく隠さなくては。街に出て、捨てる場所を探して回ります。しかし、捨てようと思って行動に移す瞬間、どうも警官がこちらを見ているようで捨てることができません。滑稽です。 物語のルールが見えてきました。この語り手は信用できない。大事とは思えないことを強調したかと思えば、些細なことにこだわって…

  • 誰も知らない

    「フロントライン、すっごくよかったすよ」 事務室のNくんが教えてくれました。見て納得。「国宝」に続いて「フロントライン」、日本映画は傑作が続いています。 この映画は、日本で初めて新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」での実話を基にしています。未知のウイルスに最前線で立ち向かった医師や看護師たちの闘いを描いたドラマです。 そのとき日本には未知の感染症に対応できる組織はありませんでした。対応していたのは、専門外のボランティアの医師や看護師たち。知らなかった…。なのに外野から、言いたいこと言う人の声がたくさん聞こえてきます。「遅いよ!」「きちんと対応しているの?」…

  • 母の話(2) 福岡の生活史 しょうけごえ

    今年92歳の母からの聞き書きを続けています。福岡から飯塚へ向かうときに通る峠を「しょうけごえ」といいます。母の話を聞きながら、じいちゃんがしょうけを抱えて峠を越えていく姿が浮かんできました。 夏はいつも篠栗に行きよった。篠栗はお母さんの里よ。あんたのばあちゃんたい。ばあちゃんはもともと篠栗の人。そこから長谷に嫁に来たとよ。車で行くわけないやろ。その頃、車とかあるわけない。リヤカーたい。リヤカーに子どもみんな乗せられて、長谷から篠栗まで行きよった。 篠栗は楽しかったあ。毎日、川で遊びよった。川で蟹やら魚やら取りよった。とった蟹と魚は食べよった。でも自分は食べんやった。好きやなかったとよ。姉さんは…

  • 誰も君を愛さない

    ジョン・レノンのインタビューを思い出した。自分の人生を振り返って、「漁師だったらよかったのに」と語っていた。本当はそんなこと思っていないだろう。だって、みんなジョンみたいになりたいと思っているのに。スーパースター、有名人、天才音楽家、みんながあこがれる存在。でも、そうかもしれない、と思うようになってきた。 映画「国宝」を見て、ジョンのことを思い出した。どこまでも自分の表現を追求し続ける芸術家の厳しさ。歌舞伎役者の喜久雄は悪魔に魂を売り渡して唯一無二の技を手に入れる。伝説のブルースギタリスト、ロバート・ジョンソンのように。才能と努力だけでは何かが足りない。そこに少しの狂気が加えられたとき、人々を…

  • 春樹とアンパンマン

    痛みは突然やってくる。2年生の教室に行ったときのことです。教室前面にある可動式黒板が下がったままだったので、上げることにました。しゃがんで両手でレバーを握って上げようとしても動かない。何十年も使っているのでこわれかけているようです。もう一度、力を入れるとやっと動きました。しかし、その瞬間、激痛が。しまった。10年前に腰痛で3日間まったく動けなくなった日々がよみがえってきました。みなさんも腰痛には気を付けてください。 やなせたかしさんが83歳のときの仕事の様子を記録したドキュメンタリーを見ました。やなせさんがお話をつくるときは、まず人物と状況を決めます。ドキンちゃんのところにもう一人のドキンちゃ…

  • それはぼくぢゃないよ

    ずっと喉に違和感があったので、気になってしかたない。もうすぐ70になるし、悪い病気かもしれない。癌か?いやだなあ…。まだもう少しは生きたい。などとくよくよと考えていた。覚悟して病院へいくと、あっさり言われた。「これは風邪ですね。薬を出しておきます」そうか…。聞いて安心したのか、痛みはすぐに消えた。病は気から。 映画「名もなき者」を見た。若き日のボブ・ディランを描いた伝記ドラマ。思い出したのはモーツァルトの映画「アマデウス」。男は周りの人をみんな驚かせる。「こいつは天才だ」。でも、なんで神様はよりによってこんな奴に才能を与えたんだ。俺ではなく、こいつに…。俺もスターになりたかった。 天才も苦悩す…

  • 生きることの肯定

    「やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく」(梯久美子著)を読みました。 やなせたかし(柳瀬嵩)が生まれたのは1919年(大正8年)。5歳のときに朝日新聞の広東特派員として単身赴任していた父が死去。7歳のとき、母の再婚に伴い、伯父の家に引き取られます。1944年(昭和19年)、弟の千尋がフィリピン沖で戦死。二人はとても仲の良い兄弟でした。自分よりも性格がよく、成績も優秀な弟がなぜ先に死んでしまったのか、なぜ弟は死に、自分は生き残っているのか。嵩は深く苦しみました。弟の死のショックを乗り越えた頃に出会った女性、暢。嵩の妻となる暢は夫を戦争で亡くしています。その最愛の妻は、癌で闘病の末、1993年に…

  • 白土三平のバラッド

    男はある日、家までの帰り道でギャーという奇妙な鳴き声を聞いた。男は、どうしてもその声の正体が知りたくなって、他人の家の敷地に入っていった。そこには鳥小屋があり、奇怪な声の正体を見た。ふと気が付くと、後ろに老人が立っていた。「ここで何をしているんだ」男は非礼を詫びて、経緯を説明した。「これは七面鳥ですよね」「うん、三羽いたが一羽はもう食った」 再び訪ねたとき、老人は男を家の中へ招き入れた。薄暗い室内には様々な種類の猟の道具や、研ぎ澄ました刃物が並んでいた。老人の家を時折訪れるようになったある日、男に連絡があった。「猪がわなにかかった。来ないか?」駆けつけると、老人が男に言った。「この槍で心臓を突…

  • 藤原新也はレッドベリーだった

    今年度、私が担当している新人の中に5年生を担任している教員がいます。これはいい機会です。私が以前から実施したいと思っていた授業が実現できそうです。釜山の教室と福岡の教室をオンラインでつないで子ども同士が英語を話す授業を計画します。通信環境は以前よりも格段とよくなってきました。70インチの大画面を通した交流は想像するだけでワクワクします。この交流を機会に、福岡と釜山の教員同士が仲良くなれるかもしれません。まずは、一番近い外国の人たちと仲良くなった方がいいですよね。韓国と日本の歴史を知ることも重要です。あと何年仕事をするのか分かりませんが、というよりあと何年この世にいるのかわかりませんが、これが私…

  • まじで、サヨナラべぃべぃ

    理科室の前を通ったらこんな言葉があった。 「人生で変えることができるのは自分と未来だけ」 野口英世の言葉らしい。人は自分よりも他人を変えたいと思うし、未来より過去を変えたいと願ってしまうからね。自分なら変えられるし、未来も変わるのに、そっちにはいかない。理科委員会の子が書いたのだろう。几帳面な字を見ていると、何だか小学生から諭されているような気になった。 この前見た是枝裕和監督の短編映画「ラストシーン」にも似たようなセリフがあったなあ。 「過去は変えられないの。変えられるのは未来だけ」 過去に自分がしたことについて考えることはありませんか? わたしはよくあります。あのときにこうしておけばよかっ…

  • 百年はもう来ていたんだな

    教え子たちのLINEグループを見ていると、若い頃の自分の動画がありました。 見知らぬ男性とハグしています。 誰だろう? こんな同僚いたっけ? なぞはすぐに解けました。 AIか。 30歳のころの自分と40歳をこえた教え子がハグする動画。 30年以上前に撮った子どもたちと一緒の遠足のスナップ写真も動きだしました。 日々進化するAIには驚くばかりです。 次には何を見せられるのか予想もつきません。 京都グラフィー 2025年5月

  • わたしたちにはなぜ物語が必要なのか

    物語を進める原動力はなんでしょう。 ソーンダーズ先生の案内で「かわいいひと」(チェーホフ)「主人と下男」(トルストイ)を読んで気づくことがありました。かわいい女は結婚と死別を繰り返します。主人と下男は雪の中の強行突破を何度も行います。思い出しました。幼稚園で読んでもらった「てぶくろ」は、手袋に入れてほしいと頼みにくる動物たち。小学校に入学して読む「大きなかぶ」では、蕪を抜くために動物たちが次々とお手伝いにきます。そうです、繰り返しは物語を進めさせる仕掛け。読者は、「次もこうなるだろう」と予想しやすくなります。「次はどうなる?」と気になります。「繰り返し」は昔からある仕掛けなのですね。 どうして…

  • 母の話 福岡の生活史

    今は長谷のダムがあるやろ、あそこの底に家があったとよ。学校までは遠かったよう。裸足で歩いて行きよった。香椎小学校まで。遠いやろう。よう歩きよったね。だけん今も元気なんかもしれんね。 農家たい。何にもなかった。店とかあるわけないよ。お菓子とかあるわけないよ。芋とか食べるくらいやね。でもコメはあったね。戦争があって食べるものがないころやったけど、コメだけはあったけんよかったね。町から人が来よったのは覚えとう。食べるもありませんか、って言いよんしゃった。 お菓子はなかったけん、おはぎとか食べるときがうれしかったね。売っとるわけないやん。家で作るとよ、小豆も育てよったけんね。小豆は収穫してから干してお…

  • 傷がないのが傑作ですか?

    学生だった1970年代後半、話題になっていたソ連(当時)の映画を見た。何とよくできたお話だろうと感心したことを覚えている。その原作がチェーホフ。以来、いつか読んでみたいと思っていた。それがこの本を選んだ理由。 「ソーンダーズ先生の小説教室」(ジョージ・ソーンダーズ著)を読んだ。ソーンダーズ先生はブッカー賞受賞の小説家。彼の大学での人気講義をまとめたのがこの本です。ニューヨークタイムズで絶賛されて全米ベストセラーにもなっている。取り上げる小説は、チェーホフ、ツルゲーネフ、トルストイ、ゴーゴリなどのロシア文学。小説の読み方や書き方だけでなく、人生とは何か人間とは何かを考えさせる。 一つの例を紹介し…

  • ロイヤルホストで夜まで語りたい

    このブログのタイトルを変えることにしました。まだしばらく仕事を続けるので「退職しない教員」に変えます。 今年度は再び1年次教員を指導する仕事をすることになりました。3つの小学校の6人の新人教員をサポートします。6つの学級を毎日順に回ります。 学級に初めて行った日には私の自己紹介をしました。そこで必ず言うことがあります。「好きなものはラーメンです。皆さんが好きなラーメンを教えてください」。これは「えさ」。休み時間になると餌に食いついた子どもたちがやってきて私に話しかけます。「先生は丸源に行ったことがありますか?」「ぼくはサッポロ一番味噌ラーメンがすきです」等々。子どもたちは、好きなラーメンのこと…

  • きちんとステップを踏んで踊り続けるんだよ

    「だけど何かが起きている そしてあんたにはわからない そうだろ? ミスター・ジョーンズ」 (「やせっぽちのバラッド」ボブ・ディラン) 3月の修了式の後から体調を崩した。咳、発熱、倦怠感。病院へ行って検査してもらったら、「風邪だと思います。働きすぎではないですか?ゆっくり休まないとよくなりませんよ。」と言われた。全くおっしゃる通り、休まないとよくなりません。 熱があってぼんやりした頭で強烈なドラマを見た。NHK土曜ドラマ「地震のあとで」。村上春樹の連作短編を原作にした「地震のあと」の4つの物語。映画「ドライブ・マイ・カー」の大江崇允が脚本、山本晃久がプロデュース、井上剛が演出。村上春樹の独特の空…

  • 主体性を育てるにはどうすればいいのか?

    3月24日は修了式。学校の1年間が終わります。私が担任していた1年2組の子どもたちともお別れです。振り返ってみると、できなかったことばかりが頭に浮かんできます。 主体性を育てることは、学習指導要領のキーワードです。私が勤めた学校でも重点の第一に掲げられていました。しかし、どれだけ主体性を育てることができたでしょうか。教師が指示したことをさせて育つのは自主性です。主体性ではありません。主体性を育てるには、自分は何をするのか、どのように取り組むのかを考えさせなければなりません。毎日毎日、カリキュラムを終わらせることばかりが気になって、それはほとんどできませんでした。 ではどうすればよかったのでしょ…

  • 百年はもう来ていたんだな

    東京都現代美術館 2025年3月 百年私の墓の傍で待っていて下さい。きっと逢いに来ますから。(夏目漱石「夢十夜」) 東京都現代美術館「坂本龍一 音を視る 時を聴く」。田中泯の声による夏目漱石「夢十夜〈第一夜〉」に引き込まれた。夢十夜はこれまで何度も読んだ作品だが、ここでは音と映像が重なることでより深く小説の世界を体験することができる。あの世とこの世のあわい。これは生まれる前に母の胎内で聞いた音のようにも聞こえるし、死ぬときに見る映像かもしれない。好きな音楽と映像の融合。ここには人間が住む世界を超えた大きな宇宙がある。 この世とあの世のあわいに その世はある 騒々しいこの世とは違って その世は静…

  • 2025年新宿の「甘い生活」

    今年初の東京です。 新宿のNTTインターコミュニケーション・センターで「evala 現われる場 消滅する像」を体験してきました。視覚を中心にした表現領域である「美術(visual arts)」に対し、聴覚を中心にした表現として「サウンド・アート」があります。サウンド・アートでは楽音(楽器で演奏される音)によらない、自然環境音を録音した素材などの、さまざまな音が使用されています。これは、サウンド・アーティストであるevalaさんの現時点における集大成となる展覧会です. 鑑賞者は靴を脱いで暗い部屋に入り、中央にある隆起した柔らかいオブジェの上で仰向きに横たわります。目を閉じると、虫や鳥の声、川、海…

  • 橋本愛「木綿のハンカチーフ」に刺された

    2月15日の土曜参観が終わったら次は2月28日のお別れ集会。卒業する6年生を送る会です。1年生は呼びかけ、歌、ダンスの練習が続いています。体育館で行われる集会で歌う曲は「ハルカ」(YOASOBI)。全校みんなで歌います。曲を選んだのは音楽委員会の子どもたちです。私はこの曲を知りませんでしたがいい曲ですね。切なさと温かさが心に沁みてきます。 「三月一一日のシューベルト」(舩木篤也著)を読みました。タイトルがうまいなあ。この本は絶対におもしろい。予想は当たりました。各章のタイトルにも惹かれます。「メメント・モリ ブラームスと永続性」「春の句読点 一葉とシューマン」「川上未映子のワーグナー 《パルジ…

  • よい文章とは

    昨日は代休なしの土曜参観。1年生は「できるようになったよ はっぴょうかい」でした。国語グループは「たぬきの糸車」の朗読劇、算数グループは時計クイズ、体育グループは縄跳び、音楽グループは「こいぬのマーチ」の合奏を発表しました。終わったあとに保護者から感想を聞くと、「時計のクイズに驚いた」と話していました。70インチのディスプレイを子どもたちが操作してクイズを出していたことに驚いたそうです。そうなんだ。言われて気づきました。昨年までのPCとプロジェクターをつないでいたときにはできなかったことです。この子どもたちと過ごすのもあと25日。やっとゴールが見えてきました。 新聞に建築家の大西麻貴さんの言葉…

  • どうして日本の牛乳は甘くないのですか?

    ベトナムからの転入生がやってきて1週間が過ぎました。予想したよりも早く適応できている様子なので安心しています。「おはようございます」「さようなら」「トイレにいきたいです」など、よく使う言葉はもう覚えて、休み時間は友達と元気に遊んでいます。小さい子どもの適応力には驚くばかりです。 金曜日には、お母さんから子どもの様子について聞きました。楽しそうに登校しているので安心しているということでした。日本に来るまでベトナムの学校で勉強していたのですが、音楽や図工の授業はあまりなかったそうです。お絵描きと歌が好きな子なので、それがうれしいのでしょう。 近くにあるベトナム語を学べる教室にも通うことにしたそうで…

  • サードプレイスのゆるいつながり

    私が発起人となって始まった読書会が21回目となりました。この読書会は香椎にできた小さな本屋「テントセンブックス」を応援することを目的として発足しました。1月25日のイベントに参加したのは17名。場所はテントセンブックス店内です。3つのグループに分かれて自分が読んだ本を紹介します。会の終了後に、今回は新年会ということで近くのファミレスに場所を移して、本のこと以外もいっぱい話すことができました。 この会の目的はテントセンブックスを盛り上げることですが、それ以外にもあります。自分が住む町に小さなコミュニティをつくること。家と職場以外の3つ目の場所があるといい。それは強いつながりでなくてもいい。そんな…

  • すきなものおしえて

    昨日の放課後、教室で採点していると1組のK先生がやってきました。急ぎの相談がある様子でしたが、話を聞くと、転入生が来週やってくるとのこと。つまり転入生をどちらの学級で受け入れるかの相談です。短い話し合いの結果、うちの学級で受け入れることに決まりました。一人でも増えると、それに伴って仕事も多くなりますが、仕方ないです。私は代理の学級担任なので最低限の仕事しかしていません。学年の仕事はほとんど全部、K先生がしているので、申し訳ないと感じていました。せめてここで恩返しをしなくては。 こんどやってくるのはベトナムからの転入生。日本語はまったく話せないそうです。先週道徳で学習した「すきなものおしえて」が…

  • 哲学は役に立つのか?

    先週は3年前に私が初任者研修を担当したSくんが結婚式の招待状を届けに来てくれました。もうすでに1児の父となっているSくんに「哲学対話」のことを伝えました。子育てについては、もっとこんなことをしておけばよかった、と今になって思うことがたくさんあるので、ついついおせっかいになります。 「親子で哲学対話」(苫野一徳著)を読みました。哲学は難しすぎて意味がつかめなかったり、役に立たない感じがしたりして敬遠していました。しかし、苫野先生の本に出合って、おもしろい、役に立つ、ということにやっと気が付きました。この本も「おもしろそうだ」「これは使える」とうなずきながら一気読みしました。 「親子で哲学対話 1…

  • わすれられないおくりもの

    「4321」(ポール・オースター著、 柴田元幸 翻訳)を読んでいます。昨年末から「ビリーサマーズ」「パチンコ」と長編小説を読んできて、やはり小説は長い方が面白さも大きい、と感じてこの本を選びました。800ページ88万字。手に持って読めば筋トレにもなりそうな厚さですが最高の面白さです。 今読んでいるのは88ページ。「あっ」と電気が走りました。「ずっと昔の人よ。クライストっていう、19世紀初めのドイツ人作家」。クライスト。どこかで聞いた名前。そうだ、多和田葉子さんの小説『白鶴亮翅(はっかくりょうし)』に出てきた人物。2016年に多和田さんが受賞したドイツの文学賞の名前も「クライスト賞」。クライスト…

  • 「パチンコ」ミン・ジン・リー (著), 池田 真紀子 (翻訳)、文春文庫

    「ビリー・サマーズ」(スティーヴン・キング著, 白石 朗 翻訳)で長編小説を読む楽しさを再認識したので、そのままこの「パチンコ」に没入しました。正月休みを利用して文庫本で上下700ページを一気に読み終えました。物語は日韓併合下の釜山沖の小さな島、影島(ヨンド)から始まる家族3世代の激動の人生を描いています。読み進めながら、国、民族、差別、そして人間について考えました。 私は韓国に友人がいて、韓国と日本の歴史について知りたいという気持ちが強くあります。この物語を読み終えて、その気持ちは一層強くなりました。この本は、全米で話題となって広く知られた後、全世界に読者を広げました。紛争や経済危機による人…

  • どこで食べるか誰と食べるか

    機張(キジャン)2024年12月 機張(キジャン)で蟹を食べました。ここは釜山近郊の蟹で有名なところです。前は車で行きましたが、今回は鉄道にしました。私が泊まったホテルがある西面(ソミョン) からKORAIL東海線釜田(プジョン)駅までは徒歩20分くらい。途中の釜田市場は中に入ると迷路のように入り組んでいて、どちらの方向に進んでいるのか分からなくなるので要注意です。 釜山の市場は何度見ても飽きることがありません。大根を売っている店には大根や蕪の仲間がたくさん並んでいます。日本では見たことのない種類もたくさんあります。ほうれん草は赤い根っこの部分を手前にして美しく重ねられています。魚介類は特に種…

  • レコードプレーヤーのあるホテル

    12月10日は人権学習参観と懇談会でした。1年生は道徳「はしのうえのおおかみ」の授業です。自分の子どもくらいの保護者の前で、孫のような子どもたちを相手に役割演技をしました。授業が終わってホッとしていると、いつもは無口なKくんが「今日の道徳はおもしろかった!」と伝えにきてくれました。来週の三者面談が終わればやっと冬休みです。 エースホテル京都 2024年12月 「レコードプレーヤーのあるホテル」 京都のエースホテルに泊まりました。このホテルは坂本龍一と縁があります。2019年には、ロサンゼルスのエースホテルにて坂本のピアノ・ソロ・コンサートが開催されました。アートを尊重するとともに、環境保護団体…

  • ロックスターが愛した古い寺

    正伝寺 京都 2024年11月 京都の正伝寺を訪れました。 街の中から離れたこの禅寺に人の姿はまばらで風に吹かれる落ち葉の音だけが響いています。 この寺は鎌倉時代に造営され、元寇の際には禅師の降伏祈願が捧げられました。 ここに「獅子の児渡し庭園」があります。 七五三調を表現した枯山水の遠くには比叡山がそびえ、その上を白い雲が流れます。 この景色を眺めながら数百年の時の流れを思うと時間の感覚が消えていきそうです。 三島由紀夫を愛読したデビットボウイもこの寺を何度も訪れています。 寺からの景色を長い時間眺めて涙を流していたロックスター。 ボウイの名作「ベルリン三部作」から聞こえてくる東洋的旋律もこ…

  • かなしみ

    谷川俊太郎さんが亡くなられました。 40年の教員生活の節目で私はいつも谷川さんの詩を読んできました。 「ネロ」の詩を紹介したのはまだ私が20代の頃。クラスで一番明るく元気な女の子が涙を流していたことを覚えています。死んだばかりの愛犬を思い出させてしまいました。佐々木さん、この詩のことを覚えていますか? 5年前に原西小学校へ新人教員の応援に行ったときは、この詩についての映像や詳しい解説を交えた授業をしました。私が全く気付かない視点から感想を書いていた子がいたので驚きました。 しかしネロ もうじき又夏がやってくる 新しい無限に広い夏がやってくる そして 僕はやっぱり歩いてゆくだろう 新しい夏をむか…

  • オンライン授業と電子黒板でできること

    11月16日は土曜参観でした。 福岡市は1年に2回の土曜参観の実施が定められています。 昨日はその1回目です。オンラインでの授業を行いました。 教師も子どももオンラインでの授業にまだ完全には慣れていません。 この土曜授業が練習です。 普段と同じように8時30分から朝の会を始めました。 健康観察では、一人一人画面越しに返事させます。 画面の背景を勝手に変えて、「ハロウィーン」や「リゾート」から話している子がいます。背景を変える場合は「ぼかし」だけ、と指示します。 好きなスタンプを画面に流す子もいます。これもやめるように指示しました。知らない機能を見つけるのは教師よりも子どもの方が上手です。 1年…

  • 「百年の手紙 日本人が遺したことば」梯 久美子著 岩波新書

    11月8日に勤務校の体育会が終わりました。 11月2日に実施の予定が雨のため延期になっていたものです。 1年生の子どもたちのモチベーションはピークを過ぎていて、前日のリハーサルは散々でした。 当日はどうなることかと心配でしたが今までで一番のダンスを見せてくれたので驚きました。 やんちゃな子ほど本番に強い。 「百年の手紙 日本人が遺したことば」梯 久美子著 岩波新書 わが子が戦場に行くことになったとき私は何を伝えるだろう? 小泉信三は経済学者であり慶応義塾大学の塾長を務めた人物です。皇太子(現天皇)の教育にもたずさわっていました。 戦前にヨーロッパへの留学を経験している小泉は日本の戦争が無謀であ…

  • パレスチナの青空

    「中学生から知りたいパレスチナのこと」(岡真理、小川哲、藤原辰史著)を読みました。 子どもの頃に見ていた西部劇では、騎兵隊は正義の味方、インディアンは悪者でした。 中学生のときに見た映画「小さな巨人」は、インディアンの視点から描かれた西部劇です。 その頃から視点の見直しが進んで、今ではそんな映画を作る人はいません。 インディアンもネイティブ・アメリカンと呼ばれるようになりました。 イスラエルは植民地国家なので、それと同じ状況なのですが、パレスチナへの支持はなかなか広がりません。 それはなぜでしょう。 同じような状況にあるウクライナと比較すると、その理由が見えてきます。 私たちはウクライナのこと…

  • スティーブンキングを読んだら村上春樹につながってしまった話

    あおぞらブルワリー博多店屋町 2024年10月18日 スティーブンキングはずっと気になっていた作家です。 シャイニング、スタンドバイミー、ショーシャンクの空に、ITなどなど。 世界で最も成功している小説家。多くの作品が映像化されています。 しかし、人気がありすぎて有名すぎてかえって敬遠していました。 ときどき本屋で小説の冒頭を読むと、これいいな、でも…。他に読みたい本がいっぱいあるし…。 新作のビリーサマーズも本屋で初めの部分を読んでみて、やっぱりおもしろそうだし、そろそろ読んでみるか、と購入。 読み始めるとキングから強く腕をつかまれて、一気に物語世界に引き込まれました。 ビリーは殺し屋。でも…

  • 安部さんとプーチンとフェラーリ

    唐戸市場 2024年10月5日 山口へ行きました。 1日目は関門海峡を眺めながら寿司を食べて、早めに宿へ向かいました。 大谷山荘は2016年に安部さんとプーチンが語り合った宿です。 さすが高級旅館、対応も館内の様子もすべてに隙がない。 夕食後にロビー横のカウンターで飲んでいたら、団体客がやってきました。 フェラーリの会の皆さんだそうです。 2000万円の車に乗る人がこんなにたくさんいるのですね。 その日の新聞にユニクロの柳井さんの言葉が載っていました。 「これからは年収1億の人と100万の人に分かれて、その中間は少なくなる」。 翌日は金子みすゞ記念館へ。 稀有な才能を認められながらも、理解のな…

  • サンショウウオの四十九日

    アップルミュージックを10年くらい聞き続けています。「お気に入り」のプレイリストは「ジャズの潮流」。ここでは現代ジャズを聴くことができます。古いジャズも大好きです。しかし、最も気になるのは何か今までのとは違う表現を求めているミュージシャンたちです。「こんな音楽は聴いたことがない!」という驚きがほしいのかもしれません。 「サンショウウオの四十九日」(朝比奈秋著)を読みました。姉妹でありながら身体は一つ。その心の動きを描いた作品です。体の一部がつながっている双生児のことは聞いたことがありました。しかし、ここに登場するのは二つの体がほとんど一つに見える形でつながっています。そして、この姉妹の父も双生…

  • 父のこと

    8月3日に父が96歳で亡くなりました。 父は日本占領下の朝鮮で生まれ、旧満州国で少年時代を過ごしました。 終戦前に日本へ帰り、海軍で訓練中に8月15日を迎えます。 戦後は米軍キャンプで働いていましたが、友人たちとタクシー会社をつくりました。 定年を迎えた後、再び頼まれて再度取締役として復帰しました。 社交的な人間ではなかったのですが、社員からの信頼は厚かったようです。 読書と囲碁が好きな無口な人間でした。 高校生のとき、父が私の部屋に来て、「今、お前が好きなものの話を聞かせてほしい」と言われたので、デビット・ボウイがどれだけ革新的で素晴らしいのか伝えました。 父がどれだけ理解したのか分かりませ…

  • 見てから読むか読んでから見るか

    Apple TV+で配信されている『Pachinko パチンコ』というドラマを見ています。 これは在米の韓国系作家ミン・ジン・リーの小説『パチンコ』をドラマ化したものです。 1900年代日本統治下の韓国から始まる、ある家族の4代にわたる日韓の狭間を生きた人たちの物語です。 このドラマの原作は2017年に「ニューヨーク・タイムズ」によってこの年のベスト10に選ばれたベストセラーです。バラク・オバマ前大統領はこの本を2019年のフェイバリット・ブックスの一つとして推薦しています。 アメリカでは批評家からも視聴者からも高い評価を受けているのに日本ではほとんど話題になっていません。 このドラマでは、1…

  • 台北のおすすめ料理

    台北で火鍋を食べました。 私たちが行ったのは西門にある無老鍋(Wulao Pot)という店です。 はじめに店員さんが英語で説明してくれました。 豆腐とご飯は食べ放題、鍋は赤いスープと白いスープの2種類、鴨の血のゼリーもおかわり自由です。 QRコードで注文したのは、牛肉、豚肉、海鮮つみれ、野菜盛り、タレは酢やニンニク汁、まど8種類くらいあったでしょうか、自分でブレンドして作ります。私はすべて混ぜてみました。 スープの中には木の実のような漢方薬膳が浮かんでいます。 豆腐は一度凍らせたものだと思います。スポンジのような感じでスープの味がよくしみます。 たくさんの味が混ざっているけど、あっさりしていて…

  • ポリフォニーを志向する研究書

    「村上春樹研究 サンプリング、翻訳、アダプテーション、批評、研究の世界文学」(横道誠著)を読みました。村上春樹をめぐる批評について私が読んできたものを振り返ると、1980年代には川本三郎さんの本を愛読していました。川本さんの「同時代を生きる『気分』」は内容を覚えるくらい読みました。その後は、加藤典洋さん、内田樹さんが私の村上作品への案内人でした。 大江健三郎も筒井康隆も私は好きです。しかし、村上作品への影響については、それほど大きいとは考えていませんでした。横道さんの研究を読んで、バラバラだったパズルが整って形が見えてきました。そもそも、村上さんは「日本の小説はあまり読みません」と答えていたの…

  • 足元の歴史から未来を思い描く

    「戦争ミュージアム 記憶の回廊をつなぐ」(梯久美子著)を読みました。 これは、日本各地の平和のための博物館を訪ねた記録です。 紹介されているのは以下の施設です。(目次から) 大久島毒ガス資料館 毒ガス使用の知られざる歴史 予科練平和記念館 大空に憧れた少年たちの「特攻」 戦没者学生慰霊美術館 無言館 遺された絵が語りかける青春の美術館 周南回天記念館 若者を兵器として扱った「人間魚雷」の実態 対馬丸記念館 子どもたちを乗せて沈んだ疎開船の悲劇 象山地下壕(松代大本営地下壕) 本土決戦に備えて掘られた巨大な地下壕 東京大空襲・戦災資料センター 記録することで記憶をつなぎとめる 八重山平和祈念館 …

  • 台北から十份へ

    台北から1時間ほど列車に乗って十份という街へ行きました。 ここは願い事をランタンに書いて空へ飛ばすことができます。 ランタンを飛ばす場所は列車の線路の上です。日本では考えられませんね。 ランタンには家族それぞれが願い事を書きました。 長女はやっと就職が決まったのに大学を卒業できるか心配なのでそのこと、次女は「素敵な相手に出会えますように」だそうです。妻は健康のこと、そして私は平和のこと。 係りの人は日本語が上手でみんなを笑わせながら写真や動画をいっぱい撮ってくれます。 私たちの願いをのせて、ランタンは空高くのぼっていきました。 十份 2024年8月

  • 台北の詩生活

    台北にある詩生活という本屋さんへ行きました。 ここは香港からきた魚さんが経営している詩の専門店です。 台湾の現代詩を中心として世界中の詩集や詩に関する雑貨が販売されています。 魚さんからは台湾の本屋事情について教えてもらいました。 台湾も日本と同じでネットを通して安く本が買えるようになって、本屋は少なくなるばかりだそうです。 この本屋は10年限定です。あと3年。 何か寂しい気もしますが、限られたものであることで、いつまでも続く存在になると感じます。 魚さんご夫婦とは、福岡のテントセンブックスでの再会を約束しました。 魚さん、楽しい時間をありがとうございました。

  • あなたにとって天国とは?

    平泉 2024年7月 2泊3日の岩手旅行。初日は花巻空港近くの宮沢賢治記念館、翌日は平泉、最後は岩手県立美術館を訪ねました。 平泉の中尊寺金色堂は平安時代後期に藤原清衡が建立したもの。内部に並ぶ仏像だけでなく柱、床、天井などお堂全体が黄金に輝いています。これこそが当時の人々が思い描いた極楽のイメージ。 その夜、ビールを飲みながら妻と金色堂の感想について語り合う中で「天国のイメージ」が話題となりました。今から1000年前以上前の人々が思い描いた天国を具現化したのが金色堂。それでは自分にとっての天国とはどんなところなのか。 天国と聞いて最初に思い出したのがアビーチーの「ヘブン」。大好きだったアビー…

  • 出生率は「住民投票」

    7月17日から三者面談。担任教師と保護者、子どもの三者が1学期の学校生活を振り返ります。一人20分、4日間で35人の保護者との面談です。私が担任となってからまだ3週間しか過ぎていないのでどれほどの話ができるのか心配です。 面談のはじめに天気の話でもしながらその後の展開を決めます。相手に話したいことがたくさんありそうだと分かれば、私は聞くことを中心に対応します。反対に、特に話したいことがない様子であれば、私が話題を提供しながら面談を進めます。1学期のテスト結果をグラフ化した資料、体力テストの結果、「ひらがな練習帳」「計算ドリル」の進み具合、生活科や道徳のワークシートなどから説明します。子どもも同…

  • 先生はえらい

    サイラーのザッハトルテ 2024年7月 7時50分、教室へ。元気な声で「おはようございます!」と挨拶される度に、こちらも元気が湧いてくる。しかし、朝から落ち着く暇はない。「先生、具合悪い」「先生、これってどうすればいいですか?」と、子どもたちからの質問が途切れない。 9時近く。やっと授業が始まる。1年生にとって、初めての授業は新鮮で刺激的。しかし1年生の集中は続かない。あの手この手で集中を続かせるのは簡単ではない。 12時からは給食の準備。子どもたちは我先にと給食を取りに行く。楽しそうに食べている姿を見ていると、こちらも心が温まる。しかし、そんな束の間の平和もすぐに崩れる。一人の子が突然嘔吐し…

  • 「想定外」が問いを深める

    大濠公園ロイヤルガーデンカフェ 2024年6月 1年生の学級担任の休みが続いています。校長先生から1年生の担任をしてほしいという依頼を受けました。家に帰って家族に相談すると、妻から反対されました。無理をして体調を崩すことを心配しているようです。しかし、一晩考えて引き受けることに決めました。他に選択肢がないことがよく分かるからです。67歳の1年生学級担任…。 「人類学者は人間の想像力には限界があると思っている。だから調査計画や仮説を喜んで捨てて、現場で偶然手にした想定外の事象から問いを深めようとするのだ」(「人類学者のレンズ」松村圭一郎著) 東日本大震災、コロナ危機など、想定外の出来事によって普…

  • 未知なものを身近なものに 身近なものを未知なものに

    参観日の前日に校長先生から相談を受けました。休みが続いている1年生担任の代わりに参観の授業をしてほしいという依頼でした。私が専科教員として担当しているのは3~5年なので、どうして私なのだろう、と驚きました。しかし、事情については察しがついたので承諾して授業しました。どこの学校も同じような状況だと思います。必要な数の教員が配置されていません。日本の教育はこれからどうなるのでしょう。 福岡市南区長丘「サイラー」 2024年6月 「人類学者のレンズ」(松村圭一郎著)を読みました。 外国の話をすると、子どもたちはその不便さや安全でないことばかりが印象に残り、授業の終わりに感想を書かせると、「日本に生ま…

  • だからあれほど言ったのに

    先週は娘の誕生日で博多駅のレストランを予約していました。家族全員の予定を合わせるのは難しく、やっと決めることができたのが11日土曜日の昼。その日は午前に歯科の予約があったが大丈夫だろうと思っていました。しかし治療は予想以上に時間がかかったうえに「3時間は食事をとらないように」と言われたのです。そのときになって思い出しました。前回の説明を。歯科医の表情から読み取ることができました。「だからあれほど言ったのに」 柳川 2024年5月18日 「だからあれほど言ったのに」内田樹著 事象を分かりやすく説明するのはいいです。しかし複雑な問題を単純化してしまってはいけません。困ったことに今の日本では複雑な問…

  • 三島由紀夫と遠藤周作

    遠藤周作文学館 連休は長崎の遠藤周作文学館へ。 読書会の友人が「深い河」について何度も熱心に語っていた。 長崎市内からバスに乗って約1時間。 海に面した最高の場所。 美しい夕日を見ることもできる。 裏切った人間にも救いはあるのだろうか。 神の沈黙について考えた。 「三島由紀夫論」平野啓一郎著 文学館で見た遠藤の日記には三島自決に大きな衝撃を受けた記述があった。 遠藤は三島最後の作品「豊饒の海」から次の小説の着想を得ている。 三島が遠藤周作にも影響を与えていたことは意外だった。 目立つことが好きで変わったことをしては人を驚かせていた三島だが、徹底して真面目で勤勉な人物だったことも間違いない。 映…

  • 世界は経営でできている

    先週は3年生の理科の授業をした。自然の生きものを観察に行って困ったのは名前が分からない花があること。調べてみると、スマートフォンのカメラで撮影すれば花の名前を教えてくれるアプリがあった。便利な道具ができたものです。 「世界は経営でできている」(岩尾俊兵著)は、楽しく読むことができて、考えさせられることの多い本だった。 「虚栄は経営でできている」の章を読んでいると「自虐と見せかけた自慢」の描写に笑ってしまったが、これに近いことを言ったような気もしてきた。少し心配しながら読み進めたが、「尊敬の奪取から尊敬の創造へ」は自分でもできそうなことなので、ほっとした。 「老後は経営でできている」の章も読んで…

  • 日台万華鏡

    来年度から働く学校は決まっていました。 しかし、勤務校へ挨拶に行って打ち合わせまでしていたのに変わりました。 教育委員会も教員不足の中、人員確保に大変なことは分かっているので文句は言えません。 この4月から再任用8年目です。 小学校の外国語専科を任せてもらいました。 デジタル教科書の特性を生かした授業づくりにチャレンジします。 台湾と日本のあいだで考えた 「日台万華鏡 台湾と日本のあいだで考えた」(栖木ひかり著 書肆侃侃房)を読みました。 馬祖(マーヅ―)は台湾の北西にある国境の島。1949年に蒋介石の国民党が毛沢東率いる共産党に敗北して以来、この馬祖と金門島が最前線となりました。ここには多く…

  • 釜山の交番で「聞く力」について考えた

    釜山の交番にあった聞くポーズの警察官の大きな写真。日本ではまず見かけない。写真を見ながらS校長先生から以前に聞いたことを思い出した。韓国の警察官はとても親切で優しいらしい。市民はそれを警察に求めているし、警察も要望に応えているという。 これは軍政時代のつらい経験から得たシステムだろう。警察は市民の安全を守ることが第一で、権力者の利益を守る組織ではない。こういうことは私たちが歴史に学び、政治をきちんとチェックしないと失われる。「聞く力」をアピールしながら支持率が下がり続けるリーダーのいる国。少しは釜山のお巡りさんを見習ってほしいですね。 釜山 2024年3月

  • 釜山で地下鉄の運賃について考えた

    1泊2日で釜山へ行きました。今回は元同僚の教員たちと一緒です。いつものように釜山のS元校長先生に案内をお願いしました。いつもと違うのは移動にすべて公共交通機関を使うこと。前回、地下鉄やバスに乗ってみると日本との違いを多く発見できて面白かったので、今回は地下鉄やバスを利用した計画を立ててもらいました。 空港から市中心部までの往復。1日目に山の近くのお寺まで行って、2日目は列車に40分乗ってキジャン市場まで出かけました。20000W(約2000円)あった交通カードにはまだ10000W残っていました。つまり使ったのは約1000円です。日本の半額以下だと感じました。S先生の説明によると、「公共交通機関…

  • 奈良と三島由紀夫

    奈良へ行きました。三島由紀夫の「豊饒の海」の月修寺のモデルとされる圓照寺に行きたいと思っていたのですが、奈良に向かう途中の新幹線で調べると、通常は非公開で一般拝観は不可とのこと。第一の目的地が消えました。 奈良駅に着いて、最初に向かったのは二月堂。大仏がある東大寺のすぐ裏にある静かな場所です。緩やかな石段の脇の石灯篭は苔に覆われていました。さっきまでは落ち着かない子どものようだった鹿たちもここでは穏やかに遠くを見つめています。二月堂からは奈良の町全体を見渡すことができました。冬の終わりの冷たい雨に濡れた古都。三島はここで何を考えたのでしょうか。 奈良 二月堂 夕食はレストランPOOL。商店街に…

  • 「恋の帰結」ブレイディみかこ

    白内障の手術をした。数日休んで学校へ行くと廊下の掲示板が変わっていたので驚いた。それは1年生から6年生までの行事の様子を並べた写真。「きれいな写真だなあ! よく撮れているじゃないか…」もう一度よく見ると、前と同じ写真だ…。 映画「パーフェクトデイズ」に関する話題がラジオから聞こえてきた。「あの写真現像屋の店主は柴田元幸さんです」えー!知らなかった! 聞いていたらもっと気を付けて見たのに。もう一度観に行こうと思っていたのでこれで決心がついた。 翻訳家の柴田元幸さんの編集による雑誌「MONKEY」第32号が発売された。伊藤比呂美、ジョン・アーヴィング、フィリップ・K・ディック、坂口恭平、古川日出男…

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