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陽西三郎
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2019/10/04

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  • 灯台島の謎 2

    灯台 2 「財宝箱」は跡形もなく消えていた。 誰があんな重い箱を持っていったのだろうか。Sは朝早く起き、「財宝箱」がなくなったと大騒ぎした。だが、二人は何食わぬ顔でまるで何も無かったかのように、「それがとうした」と平気な顔をしているフリをしていた。 Sはピンときた。「俺が寝ている間に、二人でどこかに運んだんだな」と半分寝ぼけた頭をフル回転させて考えた。 MはSの動揺を察して言う。「海の漂流物は、会社の規則で裏の倉庫に保管することになっている。お前が起きる前に、俺たち二人で箱は裏の倉庫に持っていったよ。何か、財宝でも入っていそうだと、俺たちが妙な気をおこさないよう、隠したのさ」 Kも情けない顔で…

  • 灯台島の悲劇

    灯台 1 数十年前の話である。 その灯台は離れ島にあった。 本島から船で2時間、周辺1㎞の小さな無人島は、海峡が激流のため航海安全用に灯台が設置されていた。3名の灯台守が3か月分の食料、燃料などを積み込み灯台を管理・運営していた。 3月から3か月間、春の季節の灯台守の3人は、KとMとSだった。 Kは灯台守職25年のベテランで三名一組の主任である。Mは灯台守職10年の中堅で、おもに技術職である。Sは灯台守職1年目の若手で、記録その他の事務職を受け持っている。 三名は官舎の中で寝泊まり自活しながら、これからの3か月間、灯台の点灯運営を行っていくのだ。 朝は早くから起き定期点検を行い、灯台に昇り照明…

  • 戻り橋

    橋 隣町M町に行くのには、その橋を渡る必要があった。 その橋はそれほど長くないが、車が一台しか通れない横幅の小さな橋だった。だれもが、昼間でもライトを照らし、軽くクラクションを鳴らし向こう側に合図を送り、車の鉢合わせを防ぐようにしていた。 一台の車が橋を渡って行った。 その車は橋を渡るときの礼儀を知っていなかったのだろう。昼間であったのでヘッドライトを点けず、向こう側からの車も来ないだろうと、クラクションも鳴らさず橋を渡って行った。 橋の真ん中あたりまで来たとき、一台の車が止まっているのに出会った。車を運転していた男はビックリした。前方を見ながら反対側からは車が来る気配もないと判断し、一気に通…

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