楽園
楽園(アンリ・ルソー風?) 南の海にはぽっかりと小さな島が数個並んでいた。 真っ青な空に黄色い太陽が輝き、大きな緑の樹木が生い茂り、真っ赤な花が咲き誇る地上の楽園。 手をのばせば身近に黄色の食べ物があふれ、川には手でつかむことのできる程の無数の銀色の魚が泳いでいた。 海からは何にでも使える色とりどりの漂流物が流れ着き、簡単にカラフルな家を造ることができた。多彩な色、赤、青、黄色、緑の魚が釣れた。 透明な雨は雨水となって池に貯められ、黄金の雷の光は火となり夜を照らし魚を焼いた。 人々は苦労もせずに一日の生活をバラ色に送ることができるはずだった。 そう、南の島は「楽園」と呼ばれていた。 その日が来…
2020/04/25 00:49