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陽西三郎
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2019/10/04

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  • この道はどこに

    畑の中の石道 ある晴れた日である。 好天気に誘われて、男は車に乗ってドライブしようと思った。海が見たくなり、西海岸の方向に向けて車を運転していた。 遠くに見える水平線に向かって、道路に沿って運転していると思っていたが、どう間違えたのか、水平線が消え、突然、畑の中の細い道に出てしまっていた。 細い道は畑と草原に覆われている。かろうじて車二台がすれ違う程のぎりぎりの細さである。 男は車を引き返そうとも思ったが、たまには冒険もいい、行ける所まで行ってみよう、めったいない冒険心が湧き出た。そのままハンドルを八の字に構えて前進した。 細い道が続き、行先が行き止まりのような、奥には木の生い茂った荒れ地の広…

  • 13階のエレベーター

    エレベーターに写った影 ある週末の真夜中3時を過ぎた時刻の出来事である。 私は仕事での2泊3日の旅行を終え、自分の住んでいるマンションに帰って来た。飛行機が遅れ、こんな時間になってしまっていた。 マンションビルのフロアーに入り、暗証番号を押しエレベーターホールへの自動ドアを通り、エレベーターの前に立った。私は、エレベーターのボタンを押した。もうすでにエレベーターは、誰かが乗っている。階の数字が上がって行く。2、3、4、・・・ こんな遅い時間に誰、ああそうか、飲んだ帰りだな、私は自然にそのように考えた。 ・・7階、エレベーターが止まった。誰か乗った、あるいは下りてまた乗った。エレベーターはそのま…

  • 僕はノラ猫だよ、名前は野良。

    ノラ猫の野良 僕はノラ猫だよ、名前は野良。名前は自分でつけた。 誰も僕のことを「野良」と本当の名前で呼ばず、「タマ」、とか「ミケ」とか「ゴロニャ」とか勝手に名づけて呼んでいる。 僕の大好きな魚などをあげるなら、「ニヤッ」と鳴いたりするが、普段はそれほど人間に近づかない。面倒くさいのだ。 ノラ猫になって三年。僕も以前は家ネコだったよ。大きな家に飼われていた。 うまれた時は、五匹の兄弟猫、お母さん猫と一緒にその家で育てられたけど、ある日、外に出たら迷子になり家に帰れず、そのまま、家族と別れて僕は一人ぼっちになった。 最初は、不安で心細く、小さな声で鳴き、公園などの草むらの中などで隠れていたが、大き…

  • ピノキオ鳥の綱休み

    ピノキオ鳥の綱休み 一羽の鳥が海を渡って来た。何百万海里の海を越えて北の大陸から南の島に飛んできた。 クチバシのとがった三角頭の細身で、まるでピノキオのように木で作られたような、変わった鳥だった。鳥は疲れたのだろう、桟橋に停泊中の船の係留ロープに止っていた。 じっとこちらを伺っているように見える。密かに何かを考えているように見える。ピノキオのように人形だったのが、魔法を掛けれらて生きた鳥にされたのだろうか。それとも、人間だったのが、鳥に変身させられたのだろうか。いわくありげな風貌が人間味を感じさせる。僕は「考えるピノキオ鳥」だと思った。 「やあ、気づいたね。君ももしかしたら、無理やり人間にさせ…

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