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陽西三郎
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2019/10/04

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  • 事務所の中のジャッカル

    メキシコの守護犬 ある年の初夏の一日。 携帯が静かになった。「ハーイ、何している。退屈でしょうがないよ。どこかに行こうよ」 いつもの気まぐれなウサギからのメールだった。 俺は疲れていた。今日は日曜日。昨日は土曜日、にもかかわらず会社に出勤して夜遅くまで働いていた。 そして今、その残務のため、誰もいない会社の部屋で一人パソコンンに向かっている。午前中に昨日の仕事の報告書の続きを作成しなければならないのだ。「今日は、午前中、仕事でかり出されて抜け出せないよ」「なんだ、つまんない。 久々に天気がいいからどこかドライブでもしようかと思って誘ったんだよ」「ありがとう。俺も今日は外ではしゃぎたい気分でいた…

  • 八本指のエビの足

    皿に残されたエビフライの尻尾 猫の指の数が何本あるかご存じだろうか。前足が5本、後ろ足が4本あるのが通常である。 作家のヘミングウェイの愛したネコには前足の指が6本あった。それを「ヘミングウェイ・キャット」と呼び幸運を招くネコだと言われている。 海を愛したヘミングウェイは船に乗って釣りに行くことが好きだった。 知り合いの船乗りの船長からもらったネコには6本の指があった。船乗りの世界では、ネズミをとるネコは重宝され、帆船のロープを器用に渡る、それも6本指のネコはどちらもうまく「幸運を呼ぶネコ」としてお守り代わりになっていたのだ。 ヘミングウェイが譲り受けたネコも6本の指を持っていた。 指の数が多…

  • 青空のディスタンス

    鉄塔コンビ ちょっと太めのR鉄塔と、細めのA鉄塔が二つ並んでいる。 向こうの山が小さく見えるほどの威風堂々の鉄塔コンピ。 「雨にも負けず、風にも負けず、(雪にも)夏の暑さにも負けぬ」丈夫な鉄骨を持ち、鉄塔は街中の家に電気を送っている。 R「俺たちチョット働きすぎじゃない」 A「まあ、そう言うなよ。俺たちが休むとみんなが困るんだよ」 R「それにしても24時間、365日立ちっぱなしの働きづくめはキツイね」 A「それは仕方がないよ。人々が安心して生活ができるように俺たちが、頑張っているわけよ」 R「でも、最近、腰に痛みが走るようになってね。たまには、横になりたいよ」 A「そうだね。横になっても電気が…

  • 比蛇川の謎

    比謝川大橋下の比謝川 K市の中心を流れK動物園の中にある溜め池に起源をもち、K町に下り、東シナ海に流れる、長さ3キロメートルの比謝川は、梅雨時の雨に充分に水分と養分を与えられ、生い茂る雑草・雑木は密林のように川の岸辺を覆っている。 川は、灰色の粘土が川底にたまって淀んでいる。 どんな魚が生息しているのやら。テレピアは確実に潜んでいるだろう。カメも川の中央の岩に天気のいい日に日向ぼっこしているのを見かける。 深さはそれ程ないが、泥で濁っている分底なし沼のようにも見える。 個人で飼育していたニシキヘビが、比謝川の岸辺の密林に逃げたという噂がたって、数年がたつが、蛇の行方は杳として知れない。 その頃…

  • ピンクの城壁

    遊び場 公園の階段は赤、ピンク、緑のセメント丸椅子が並び、ピンク色の壁門が段々じょうに延びている。 一匹のサルがピョンと壁門からセメント丸椅子へ飛び跳ねて、空に飛んでいった。 空にはたくさんのサルが浮かんでいる。 足をバタバタさせ、手を水平に広げ、立ち泳ぎのように浮び踊っている。 サルの群れの飛行ダンス。 サルの一匹がピンクの壁門をスーッと低飛行して潜り抜け、地上に降りたった。 ネコがビックリひっくり返り、犬はクンクン鼻をのばして自分の尻尾を追う。 鳩は羽をパタパタ、目玉をグルグル(声もグルッツグル)させ、チョウチョはいつものようにヒラヒラ、優雅に知らんぷり。 公園で遊ぶこどもがサルの後を…

  • 大人も出ずに居られない街(ディズニーランド)

    ネオン輝く街 清三の耳が聞こえなくなったのには訳がある。 清三が、三歳の時である。 母親が添い寝をしていながら居眠りをした。そのあまりにも大きないびきに清三は耳をふさぐしかなかった。耳をふさいでも母親の大きないびきは清三の脳の中にまで響く程であった。 清三は神様に祈った。 「神様、僕の耳を音が聞こえないようにしてください。 ママの大きないびきが聞こえないようしてください。」 清三は、いつも母親から神様の話を聞いていたので、神様の大きな力を信じてお祈りした。 するとどうだろう。大きないびきは小さな呼吸音に変わり、清三の耳にも子守歌として静かに聞こえ安らかに眠ることが出来た。 次の日から清三の耳は…

  • 三通の手紙が来た

    郵便ポスト 三通の手紙が来た。 一通は石川県から、二通目は山梨県から、三通目は福島県からだった。 一日おきの消印だった。送り手は石川県から山梨県、そして福島県と移動しながらこの手紙を送っている。 一通目の手紙は「6月24日は晴れるだろう」と書いてある。 二通目の手紙は「6月24日は豪雨だ」との予想だった。 三通目の手紙は何も書いてなかった。「?」の文字が書かれているだけだった。 すべての手紙が同じ人物の書いたものであるのは宛名の筆跡で分かった。その意味するものは理解できなかった。いたずらで手紙を送ってきたのか。 宛先の住人Sは考えた。 三通の手紙が間違って送られたのではない。書いた人の意思によ…

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