事務所の中のジャッカル
メキシコの守護犬 ある年の初夏の一日。 携帯が静かになった。「ハーイ、何している。退屈でしょうがないよ。どこかに行こうよ」 いつもの気まぐれなウサギからのメールだった。 俺は疲れていた。今日は日曜日。昨日は土曜日、にもかかわらず会社に出勤して夜遅くまで働いていた。 そして今、その残務のため、誰もいない会社の部屋で一人パソコンンに向かっている。午前中に昨日の仕事の報告書の続きを作成しなければならないのだ。「今日は、午前中、仕事でかり出されて抜け出せないよ」「なんだ、つまんない。 久々に天気がいいからどこかドライブでもしようかと思って誘ったんだよ」「ありがとう。俺も今日は外ではしゃぎたい気分でいた…
2019/11/15 00:00