ユーチューブでも石佳というチャンネル名で自作の詩を朗読しています
私にあるのは 光と愛と僅かばかりの優しさで 私の世界も 光と愛と優しさでできています 私にできることは 私に見える世界をうたうこと ありのままで美しい 世界を見えたままにうたうこと 私は光と愛と僅かばかりの優しさで 光と愛と優しさの世界をうたいます その世界がどうかどうか 誰にとっても優しくありますように
甘えたキスに甘い恋 甘い唾液が流れ込む 二人の甘さは止めどなく 一瞬の蜜月が永遠の生命(いのち)を抱(いだ)く 言葉は何にもいらなくて 世界は二人で完結してるの…… あなたの手のひらが私のそれだし、 私の唇は、あなたの熱で溶けてしまった 私はあなたで、あなたは私なの 二人で...
どうしてかわいそうなんて言葉をかけるの? 魂は四次元のもので あの人は同じ時代に生まれ変わって 今この瞬間、同じ時間を、どこかで 同じくらいの歳で笑っているかもしれない この世界で生きていることが あちらでは死んでいることかもしれない 此岸と彼岸とを行き来して そのどちら...
どうしてかわいそうなんて言葉をかけるの? 魂は四次元のもので あの人は同じ時代に生まれ変わって 今この瞬間、同じ時間を、どこかで 同じくらいの歳で笑っているかもしれない この世界で生きていることが あちらでは死んでいることかもしれない 此岸と彼岸とを行き来して そのどちら...
大いなる深淵が魂を呑み込む 足らぬ足らぬ、まだ足らぬ 深淵はここにそこに 海の中に山の中に よく知る道にも家の中にも まるで見境なく深淵が口を開ける 多すぎる魂は深淵が呑み込む たくさんの虐殺を深淵は引き起こす まるで蟻地獄のように 魂は引き寄せられ呑まれていく 人の数ほど...
窓際に活けられた一輪の花が 無機質な壁のそばの優しい彩りが 「まだ私はあなたを忘れていませんよ」 と、でも言いたげに 美しい色でうなだれがちに自分を見ている その花はけして枯れずに変えられて 季節が移ろい、窓の向こうが冬になっても 変わらず美しい色で自分を見ている 「まだ私...
小春日和のうららかさに 切り取られた空を見上げ目を閉じる 身体の上を雲が走る 喧騒は雨のようだ あるいは潮の満ち引き 眠りの中に沈む かたちのない夢を見る 届かない言葉がざわめきになるような オーロラのような夢 切り取られた空が消えかけている 身体の上をうっすらと影が覆う ...
君の頭の中が理解できたら 色んなことがたやすいはずなのに わからないことを前提に わかろうとすることが愛みたいに 答えもヒントもくれないままに いつ問題が出たのかさえわからないのに いきなり君は不正解を叩きつける ただの数字や ただのアルファベットの羅列が 誰かにとっては限...
吹き荒れる砂の景色を覚えているよ 遠く山のような稜線が見えていた 乾ききった世界にくっきりと あそこには何もないんだ それはわかっているけど空想をする 想像できる限りの美しい世界を ある日、僕はクレヨンを拾ったんだ 色のない世界で長い間熟成された ないはずの色が凝縮された鉱...
あなたが偉大な地位に就いたとき みんなその地位にひれふした あなたじゃなく その地位の持つ力に あなたが偉大な地位に就いたとき まるで大きな着ぐるみを着たように 前任者の面影のあった地位が あなたをあなたより偉大に見せた あなたの偉大な地位は あなたがあなたより偉大だと錯覚...
種には意思がある 自分はどこで咲きたいのか 明確な意思をもって 産まれた土地で 川や山を越えたその先で 気流に乗って海まで越えて 自分の生きたいその土地まで…… 種には意思がある 綿毛のように風に運ばれ どんぐりのようにリスに運ばれ イチゴのように鳥に運ばれ 遠く遠くあるい...
君がいなくなっても続く日常は 何も変わらないからこそ残酷で 当たり前に見ていた姿も 当たり前に聞いていた声も いなくなってはじめて 明確な形のなかったことを知る 君が私の中に融けてしまったのなら いつでも取り出し声を聞き 君のアドバイスに耳を傾けられるのに 君はどこか遠くへ...
家には家の 組織には組織の 学校には学校の それぞれにある小さな小さなプロバガンダ こうあれと仕向ける見えない教官 できなきゃダメだと煽り立て 画一的な優秀さへと導いていく どうしてという問いはバカのするもの 聞いてはならない 理由などない、そういうものだ 限られた空間での...
あたしがうまれたとき 世界はまっさらな可能性で 何にでもなれるあたしはみんなに祝福された 空の色、雲の色、星のキラめき 美しさはまっすぐ胸に届いた あたしが大人になったとき まっさらな可能性は塗りつぶされて 幾本かの白い筋だけが残った 空をきれいと見上げることもなく 雲の形...
不確かだけど確かな存在を確かめる 小さくどこかに亀裂が入れば 私もあなたもどこか遠く 手の届かないところへ行ってしまう ほんの一瞬ほんの偶然 惹かれ合っただけだけれど 確かな存在としてここにいる 不確かだけど確かな存在を確かめる 吐息を聴く、手を伸ばす 匂いを体温を感じる ...
大丈夫大丈夫 その人の口癖は大丈夫で どんなに無茶に思えるプロジェクトも 上司の急な方針転換も どんな無理難題も 大丈夫大丈夫 そう言い聞かせて切り抜けてきた もちろん成功もあれば 失敗だってあった そしてどんなときも 大丈夫大丈夫 その言葉が隣にあった 彼はどんな気持ちで...
あの頃一番都会だった町は 歳とともに段々都会ではなくなって そのうちいわゆる田舎を離れて 私はいわゆる上京をした 誰もが認める都会で 時折誰かが、寂しくはないかと尋ねる 寂しいとはどういう感情なのだろう? どこにあっても私は私なのに…… イントネーションの違いが 如実によそ...
ありのままの日常を ありのままに綴ろう 日がのぼるとか 日がしずむとか そんなこと 今日の朝ごはんのこと 明日も続くだろう日々のこと 楽しい驚きと、憎らしくなるくらいの平凡と 何も変わらないようで 一日歳をとった自分のこと ありのままの日常を ありのままに綴ろう 今日も同じ...
何でもないこの日を 何でもないように祝おう この世界のほぼ何十億人が知らない 単なる日を特別な日に変えて祝おう 何でもないこの日を 何でもないように祝おう 日々の雑事にかまけて忘れてしまう そんなささいな一年の節目 何でもないこの日を 何でもないように祝おう この一刻が成長...
見慣れていたはずの景色が 聞き慣れていたはずの地名が 馴染みのないものになっていたことに驚き 懐かしいはずの景色に何の感慨も起こらず 離れてもなお故郷の住人という自負は崩れ お前はもう違うのだと告げられたようで 家族は不思議と優しく思え 自分の物たちは思い出に変わり 居心地...
それまでキラキラしてたものが 突然キラキラと見えなくなると 少しだけ少しだけショックを受ける 私が成長したからであると思いたい けれど大切に大切に キラキラを仕舞ってきたはずなのに それが無意味になったような虚しさ そうか、こんな世界にいたのか、なんて もう、終わったことと...
あなたのためにうたをおくろう あなたが大きくなったとき めでたい席にうたをおくろう あなたのためにうたをおくろう あなたが大人になったとき あなたの成長に感謝してうたをおくろう あなたのためにうたをおくろう あなたが新たになるとき 新しいあなたを歓びうたをおくろう あなたの...
※雑誌、詩とファンタジーに掲載された詩です 世界が丸いというのなら、 知らない世界もあるのでしょう 世界が丸いというのなら、 怖い世界もあるのでしょう 目に見えない、 小暗い世界は知りません 日の当たる、 よく知る世界で生きてきた 世界が丸いというのなら、 知らない世界もあ...
ざわざわざわざわ、声の森 黒くうごめくたくさんの声が あちらこちらと私を招く ねぇ、ほら、こっちだよ 違う違う、あっちへおいき さぁ、よく来た、いい子だね 声はよしよしと頭を撫でて いいものをあげると笑って言った さぁ、顔をあげて 私をよく見るんだよ そら、これは甘い蜜だよ...
ある日ふと撮った 何気ない景色が、何気ない仕草が 急にかけがえのない思い出になる いつでも手の届く場所にあったそれらが いつの日か手の届かない場所へ行ってしまう そんなことは知らずに ただ愛しいものをフレームに収める 空気と匂いと感情と 時間と空間のカケラ けして手に入らな...
あなたのためにうたをうたおう とても美しいうたを あなたはけして手に入らぬ花だけれど あなたのためにうたをうたおう あなたのためにうたをうたおう とても優しいうたを あなたの優美さをたたえて あなたのためにうたをうたおう あなたのためにうたをうたおう とても切ないうたを あ...
もし私のことを とても思ってくれるなら 心を半分残していこう あなたが心配しないように 寂しくならないように 半分だけ私を置いて帰ろう もし私のことを とても頼りにしてくれるなら 心を半分残していこう あなたが心細くならないように いざというときのために 半分だけ私を置いて...
君と行く 君と行くんだ、どこへでも けだるげに君が手を振り払い ものうそうに髪を掻きあげる でも行くんだ、僕は君と 僕は君と生きたい 君が悲しげに首を振り 顔を覆ってしまったとしても 僕はいつでも希望とともにある 僕は生きるんだ、君と 僕は手を差し伸べる 君から届かない位置...
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