chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • カラダ、芯から温めない!

    おはようウルカ。 あまりにも太陽が俺をじっくりと低温で焼きあげようとするので、日焼け止めクリームを顔面と両腕に塗りたくってみたのだが、紫外線(UV)をカットする事に特化したこのクリームは、赤外線(IR)をカットするつもりはさっぱり無いらしく、ジリジリと低温で内側から焼き上げられる感覚は全くやわらがない。 それどころか、目の周りに塗った日焼け止めクリームが眼球を刺激して涙が止まらない。 視界も朧げに日焼け止めクリームで若干色白となった俺は白昼堂々と太陽に焼かれる。 駅までの道のり、朦朧とする意識の中、脳内ではこんなCMが放映された。 常夏の南の島 照りつける太陽 IRカットクリームを塗るぽっちゃ…

  • 自撮りダンサー

    こんにちはウルカ。 私は食器を洗っている。人間は声帯を使って話すことの他に、声帯以外、または声帯を使って文章として言葉を書き残す。書物は言葉の写真のようなものだ。何度も書き直された文章は合成写真のようで、真実味がうすくなる。毛細血管のように繊細な言葉がいりくむ非常に精巧な文章と、丸太を乱雑に縛りつなげたような非常に鈍足な文章は、互いを互いで羨む。ふとそんな考えが浮かんだ。独りの食事というものはとても気楽で、好きなだけ食べて良いし、好きなだけ食べなくて良い。好きな事を考えて良いし、スマートフォンを見続けて良い。カレーを箸で食べて良いし、蕎麦をフォークで食べて良い。この生活が非常に精巧な文章なのか…

  • 喫煙ゾンビ

    おはようウルカ。 煙草というものがある。 草を紙で巻いたものに火をつけて吸い、煙を吐き出す。 映画俳優に憧れて吸いはじめた人もいるだろう。 不良の象徴として少年達の憧れだった時代もあった。 肉体、精神にたいして作用し、中毒性がある。 吸い過ぎると人体に害があるともいわれている。 近年では様々な制限を受け、自由に煙草を吸える場所は探しても見つけるのが困難な状況だ。 レストランにて食事の後、空になった器を眺めながらの一服。 居酒屋にてビールを飲みながらの一服。 見晴らしの良い公園のベンチでの一服。 そんな最高の一服がつけない世の中となっている。 ヤニで薄汚れた狭い喫煙室で見ず知らずの人間と副流煙を…

  • 蠱毒

    おはようウルカ。 自動車には外装と内装がある。 運転スペースは内側にある。 乗り込んでエンジンをかける。 ハンドルを握れば、思うがままに自動車を操ることができる。 これを人間に例える。 人間には肉体と心がある。 運転スペースは心側にある。 とり憑いて自我を端に追いやる。 魂を握れば、思うがままに人間を操ることができる。 オートバイには内装がない。 外側に運転スペースがある。 跨ってエンジンをかける。 ハンドルを握って重心移動すれば、思うがままにオートバイを操ることができる。 運転スペースが外側にあるオートバイが雨にぬれているのを見ると、なんだか洗濯ものを取りこみ忘れた時のような不甲斐ない気持ち…

  • 狼たちの宴

    こんにちはウルカ。 雨が降っているよ。 台風も近づいてきているようだ。 俺は一杯やろうと行きつけの寿司屋へやってきた。 こんな悪天候の日ほど、街の人混みは激しい。 皆家でじっとしていられない、いてもたってもいらない気持ちで外へ飛び出すのかな。 満月の夜のライカンのようだ。 俺も悪天候の昼のライカンとなって寿司屋へ繰り出したわけだが、案の定、寿司屋はライカンどもで溢れかえっている。 運良く一つ空いていたカウンター席に座る。 大将ライカンがまいどぉ〜!と威勢が良い。 隣の席ではこれまた常連客のジョーおっちゃんライカンが昼間から日本酒で鼻が真っ赤だ。 ジョーおっちゃんライカンはエグい程のズラを被って…

  • ペースト状のような昼下がり

    おはようウルカ。 ペースト状のような昼下がり。 行き交うビジネスマンの首はどれも汗でぬれている。 風に揺れる樹の影は、樹の実体と同じ速さで動いているように見える。 しかし本当は少しだけずれている。 しゃにむに見ているばかりでは、解らない事がある。 俺は街路樹の下で携帯電話をひろげている。 影が少しだけながくなる。 反射光と直接光では影ののび方が違う。 男が異常に接近している事に気がついたのは、男の睫毛が俺の頰に触れたからだった。 男はこう言った。 私は最終形の悪魔です。 あなたはご自身の首を噛み切ることが出来ますか。 出来ないでしょう。 自身で自身の首を噛み切ることが出来ないのであれば、それは…

  • こんな日もある

    こんにちはウルカ。 今日は久しぶりにクルマを運転しての出勤となった。 やっぱり運転は楽しいなあ。 俺は運転免許証を取得している。 書道は三段である。 持っている資格と言えばそれくらいか。 あれ、書道三段は資格ではないのかな。 スタンプラリーのように色々な資格を取りまくる事を趣味としている人がいるが、なんだか楽しそうだよな。 資格証明書などはたいした荷物にもならないだろうから、ミニマリスト達にもよい趣味となるのではないか。 いやいや、真のミニマリストは物体以外のものも極限まで削ぎ落としてこそなのかもしれない。 歩道を大型のオートバイを引きずって歩いている人がいる。 朝からマシントラブルかな。 走…

  • シェルビー

    おはようウルカ。 俺は横断歩道を歩いている。 車道の半ばくらいまで来ただろうか。 路地から出てきた自動車が、クラクションを鳴らしながら猛スピードでこちらに向かってくる。 人が横断歩道を渡っている状況で、けたたましいクラクションとともに猛スピードで突っ込んでくる自動車が正常なわけがない。 俺と衝突するまでに2秒とかからないだろう。 俺はポケットに手を突っ込み、シェルビーを発動させる。 薄くバニラの匂いがした。 1.8秒後、俺は自動車と衝突し、約32メートル跳ね飛ばされ、児童公園の滑り台に激突し、親子がレジャシートを広げている隣、芝生の上に落下した。 自動車は僅かにスピードを緩めたが、何事もなかっ…

  • 血だらけのたけ

    おはようウルカ。 おはうございます〜 執務室に入って来た同僚のタケは、顔面と腕を盛大に擦りむいていた。 なぜそんな事になったのかは大体察しがつく。 彼は通勤の足としてスケボー(厳密にはクルーザーという街を安定して走れる構造をしたやつらしい。安定しているのなら、すっ転んで顔面ずるむけにはならんだろうけど)を使っている。 いや〜平山ちゃん、すっ転んだよ〜久しぶりに。 おっちゃんがフラフラ歩道を歩いてやがってさぁ〜 このありさま。 マジか!歩道をフラフラ歩くなんて、そのおっちゃん狂気の沙汰だなぁ。 災難だったね。 歩道はビュンビュンと金髪あほスケボー野郎とか、電気モーターで極限までチューニングされた…

  • いま活

    おはようウルカ。 今しかやれない事をやれ。 特に若者はこのフレーズをウンザリするほどきかされていることだろう。 今しかやれない事の代表格と言えば500円玉貯金となるわけだが、電子マネーの出現により500円玉の貯まるペースは大幅に減った。 近い将来、500円玉を街で見かけることは無くなるのかもしれない。 少しづつ貯まっていく硬貨のずしりとした重みを感じるのが楽しみであったりする。 知らぬまに数十万円が貯まっていたりすると、なんだか得をしたような気持ちになる。 急な出費の際に助かる事もあるし、旅行や欲しいものを買う資金としても活躍してくれる。 こんな素晴らしいものが淘汰されていくなんてつまらない時…

  • アールポスイ

    こんにちはウルカ。 港署。 本日からお前の相棒はカオスA.Dだ。 なかなかのロクデナシだ。 まあ、よろしくたのむよ。 私はサイモン課長に言われた事を思い出していた。 私が新しく配属されたこの生活環境課は、武器、危険物の違法所持や産業廃棄物の不法投棄など、環境を脅かす犯罪を取り締まっている。 さーせん。遅くなりましたぁ。 ショッキングパープルのモヒカン頭をビンビンにおったてたパンク野郎がメロンソーダを片手に入ってきた。 署内のデータベースで顔写真を確認していた私は、それがカオスA.Dだとすぐにわかった。 私はカオスA.Dに声をかける。 やあ、本日付でここに配属になったガルダだ。 君がカオスA.D…

  • みほちゃん

    こんにちはウルカ。 小石を蹴っている。 学校から家までの道のり。 小石を失くさずに蹴り続けられたらゴールだ。 強く蹴りすぎると溝に落ちたり、車道に飛んでいって救出不可能となってしまう。 曲がる予定の道を小石が越えてしまったら、曲がらず直進しなければならないという自己流ルールもある。 しかし安全牌ばかりでは全然面白くない。 時には思い切って蹴り出す事に石蹴りの醍醐味がある。 石蹴りは人生にそっくりだ。 夕暮れ時とはいえ、まだ昼間の暑さがじんじんと通りに残っている。 体操着の入った袋が小石を蹴るのに邪魔をする。 首から落ちる汗は、僕の要らないものを次々と捨ててくれているのかな。 必要なものまで捨て…

  • 志しは死なない

    おはようウルカ。 制作会社が燃やされたね。 30人以上が死んだ。 一日中アーロンに座って、モニターを睨んで、想像して、つくって、却下されて、それでも諦めずに、美しいものや、人が感動するものを目指した者たち。 もう少しで完成する何かがあっただろう。 命を削って制作中だったものがあっただろう。 黒い煙を吸って遠のく意識の中、身体が焼けていく恐怖と痛みの中、それでも諦めずに生きようと戦った者たち。 あなた達は死んでしまった。 それでもあなた達の志しは死なない。 冥福なんて祈れやしませんが、俺はこれからアーロンに座って、モニターを睨みにいってきます。

  • まじゅつ

    こんばんはウルカ。 今日は少し遅くなってしまったな。 川崎部長は腕時計をみる。 使えない部下、吉田のミスのせいだ。 おどおどと謝るばかりの吉田の顔を思い出すと、また怒りがこみあげてきた。 気晴らしに一駅歩くか。 川崎部長は普段よりも一つ前の駅で降りると、街灯も疎らな川沿いの道を歩きはじめた。 夜風が気持ち良い。 高架下に、ぽつんと屋台がでている。 この辺りで屋台を見かけるのは初めてのことだ。 こんな場所に屋台をだして集客が見込めるのだろうか。 暖簾にはおでんやラーメンの文字はなく、「まじゅつ」とある。 何だろう。 まじゅつとは珍しいな。 ためしに寄って行くか。 川崎部長は暖簾をくぐる。 ひとり…

  • 逆さまに雨

    おはようウルカ。 雨が屋根をたたいている。 そのせわしなく点滅するストロボ光のような音は、前庭器官を酔わせる。 横になったまま、暗い宙を上方向に落ちているような感覚。 この星の物を引きつける力が、磁石の極のように逆さまになって、物を引き離す力に変わったとき、我々は空へ向かって落ちる。 人も家も牛も海もガラスの破片のようにめきめきと地面から抜けて落ちるだろう。 全部の瞼を閉じて、半分の意識は眠っている。 最近はアラームをセットする必要がなくなった。 しばらく人間をやっていると、朝目覚める時間くらいはコントロールできるようになるようだ。 俺はベッドのバネの反動で跳び起きる。 非常に高く跳び起きたの…

  • 遺伝子に組み込まれたどんぐり

    おはようウルカ。 蝉が鳴きはじめたね。 いつからか、ツクツクボウシを見かけ(聞かけ)なくなった。 俺が6歳くらいの頃にはそこそこいたが、それでもレアで、虫取り網をもった子供連中からはクマゼミと人気を二分していたよ。 あの抑揚のある鳴き声は頭について離れないコマーシャルソングのようだ。 よくきいていると、起承転結とも言える展開がある。 余裕たっぷりにじわじわと始まり、力強く情熱的な盛り上がりをみせ、最後にはジーーーーーっとライカのスローシャッターのような哀愁あるサウンドで締めくくる。 どの個体もきちんとチューニングされた鳴き声で、全く同じ曲を奏でる。 遺伝子に組み込まれた旋律。 人間もどんぐりこ…

  • 裏腹系

    おはようウルカ。 夏祭りがあるね。 俺は祭りの雰囲気が好きだ。 しかし人混みが苦手だ。 それは海が好きだが、海に入るのはあまり好きではない事と似ている。 それは気持ち良さそうな芝に寝転がると実際はチクジメして不快なのと似ている。 それは分厚いレザージャケットがちっとも温かくないことと似ている。 それは旅行雑誌の写真よりも訪れた現地がしょぼく感じることと似ている。 それは小説の映画化にがっかりすることと似ている。 俺は勝手に放送しておいて、ちゃっかり集金にやってくるNHKをみている。 恐竜超世界Xという番組を行きつけの中華料理店でみている。 この中華料理店はNHKの料金を支払っているのだろか。 …

  • ポケットは行き止まりの構造をしている

    おはようウルカ。 良いコインランドリーというものがある。 最近では良いコインランドリーは減った。 良いコインランドリーは一見してわかる。 深夜に水銀燈にぽつんと照らし出されている。 チェリオの自動販売機がある。 アイスクリームと書かれた古いベンチがある。 出入口が引き戸である。 室内照明はLEDではなく蛍光灯で、一本か二本が切れかかっている。 利用客の読み終えた古本が雑然と靴用?のラックに置かれている。 半端にレトロな家庭用の椅子と、どこに売っているのかわからないような柄の椅子に括り付けるタイプの座布団がある。 さらに良い感じに経年変化した爺さんか婆さんがアイスクリームのベンチに座り、肌着姿で…

  • 一人カルマ

    おはようウルカ。 ハナゴッソというものがある。 これは名前の通り鼻をごっそり削ぎとるものだ。 ではない。 鼻毛をごっそりいくやつだ。 商品名をハナ毛ゴッソとしなかった気持ちは何となくわかる。 ネーミング会議ではさぞ熱い議論が交わされた事だろう。 机に両手を叩きつけて、ハナ毛ゴッソに反対する熱血若手社員が目に浮かぶようだ。 パッケージにはGOSSOとローマ字で表記されており、何だかフィレンツェの風すら感じる。 そんなことはどうでもよい。 オレはハナゴッソを箱から取り出す。 マイクロウェーブに分子レベルで熱せられてどろどろに憤慨したワックスをちっぽけな綿棒のようなプラ棒にチャージする。 意を決して…

  • オツカレサマオヤスミマタアシタ

    おはようウルカ。 恐怖症というものがある。 高所恐怖症 閉所恐怖症 動物恐怖症 海洋恐怖症 対人恐怖症 血液恐怖症 広場恐怖症 風船恐怖症 集合恐怖症 挙げはじめるとキリがないほどの恐怖症が存在する。 私は恐怖症専門の臨床心理士として働いている。 本日はまた新たな症例として、対AI恐怖症患者を診察した。 対人間については全く問題ないのだが、対AIとなると途端にパニックに陥るそうだ。 AIに全てを分析され、心の奥底まで見透かされているような心的不安が要因となっているようだ。 飛躍的にAI技術が発達した現代、自動車やドライヤー、スプーンなどの食器に至るまで、殆どの人工物にAIが組み込まれており、A…

  • スクラッチ・エンジェル

    おはようウルカ。 博士は研究に研究を重ねた。 人類はマッサージチェアーを発明した。 しかしまだやり残したことがある。 そう、スクラッチチェアーである。 人は身体のコリをほぐしたい欲求と同じくらいに、背中を掻いてもらいたい。 そう、背中が痒いねん。 孫の手などという商品があるが、あれでは本来の欲求を満たす事には到底届かない。 そう、孫の手では届かないのである。 先ず、他者に掻いてもらうという所が大切なポイントとなる。 自分で痒い所を掻くのでは、全く面白みも幸福感も得られない。 これは痒い部分を一切把握していない他者が当てずっぽうに掻き、それが偶然にもKスポット、要するに痒いスポットにヒットした時…

  • 無音が騒がしくて眠れない

    おはようウルカ。 ケンジはストリートミュージシャンだった。 アコースティックギターを肩にぶらさげて、気に入った場所を見つけると立ち止まって歌う。 街路樹の下で。 溝川の土手で。 裏路地のゴミ捨て場で。 公園の砂場とジャングルジムの間で。 左手でギターのネックを掴んで右手は草叢の上 スチロールの髪が振動をコップに注いだとき 老人は無造作に濃度を並べる 粉末の答えは虹をまつ 答えの粉末は軌道に直結する ストローの髪が言動を月に注いだとき 人狼はページをめくる手をとめる ピックアップの無いギターは無人の澤 無音が騒がしくて眠れない 無音が切迫してベッドに人型がつく 左手でギターのネックを掴んで右手は…

  • 真っ白い真っ新なベテラン

    おはようウルカ。 渋谷の宿で目覚める。 薄いカーテンを幾重にも重ねたような朝は鮮明な今日になるまでもう少し時間がかかりそうだ。 ブログのアプリのアイコンにタッチする。 記事を書くというボタンに触ると、真っ白い真っ新な画面が表示される。 ここには何を書いたって良い。 写真や動画や絵をリンクしたって良いし、白紙で投稿したって別に構わない。 プチプチと白い液晶画面に黒い文字の穴を開けていく。 今初めて気がついたのだけれど、画面中央より少し下あたりに現在の文字数が表示されるのだな。 ここまでで240文字。 なんとまあ面白い。 自分の書いた文字数をリアルタイムで知らされるのは、積み上げてきた何かを数値化…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、平山タンバリンさんをフォローしませんか?

ハンドル名
平山タンバリンさん
ブログタイトル
オオトカゲに情けはあるのか
フォロー
オオトカゲに情けはあるのか

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用