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こんにちは、ウルカ。 こんにちは、こんな年の瀬にこの記事を読んでいる奇態なあなた。 約1年間、うぉぉぉぉと更新を繰り返してきたこのブログですが、取り敢えず本日をもって、最後の更新とします。 初めてブログというものをやってみましたが、文章で何かを表現することの面白さに少しだけ触れられたような気がします。 これは今後の俺の人生にとって絢爛なパーティクルとなり、頭上よりパラパラと降り注ぐ事はもはや疑念の余地もないでしょう。 年明け1週目か2週目あたりに再開するつもりもあったりしますが、音沙汰がない場合は、デュビアの祟りでのたれ死んだか、ミクシィ(←まだあるのかね?)とか他のフィールドへ迷いこんだと考…
こんばんはウルカ。 昨日の続きを書こう。 目の前を、何かの動物の着ぐるみのような素材で作られたビッグシルエットのブルゾンを着た女が、歩行者用の地下道におりていく。 酔っているのだろうか、ヒールのあるブーツを履いたあしどりはぎくしゃくとおぼつかない。 嫌だな… 夜、人通りのない歩行者用の地下道で、見ず知らずの女と2人きりで居合わせる事ほど気まずいものはない。 チラチラと背後を意識しながら早足になられたり、それこそ悲鳴でもあげられようものなら、怪しくも疚しくも無いはずの自分が、強引に怪しくて疚しい者に覚醒させられるようで、今にも自我が剥がれ落ち、内側から変質のエキスパートにしてエクストリーマーの自…
こんばんはウルカ。 自分が生まれる以前から、当たり前のように存在するものに対しては、うっかり疑うという事を忘れてしまうね。 例えば、山や海の存在や形態を疑う人間は殆どいないだろう。 それどころか、数字、言語、傘、階段、自動車のタイヤ、カーテンレール、紙幣、メガネ、トイレ、風呂、音楽、上下関係、コラーゲン、道徳、焼きそばパンなど、人間がそれらしく拵えたモノすらも、その存在や形態を疑う者は少ない。 例えば、電車内でプラプラと揺れているつり革を見ていると、なんの疑いもなくあれを掴んでいる自分が恐ろしくなることがある。 つり革とは本当に掴む為のものなのだろうか。 もし、そうだとすれば、あれがベストな形…
こんばんはウルカ。 そういえば、随分前にオオトカゲも良いけど、リクガメの事も書いてよ。というメッセージをいただいていたんだよ。 リクガメとは不思議な生き物だな。 攻撃力 : 1 防御力 : 68 素早さ : 2 H P : 73 弱点 : 寒さ、仰向け 得意技 : 鼻から水が飲める といったところか。 いったん仰向けになると、重すぎる身体と致命的に不便な甲羅の形状から、再び起き上がる事なく生涯に幕をおろす個体も少なくないそうだ。 荒野を魔物と闘いながら囚われの姫を助けにいかなければならない場合、完全に足手纏いとなる。 ただちにその場から退避しなければならない状況などでは、その意味不明な体重量か…
こんにちはウルカ。 以前にも書いたことがあるかもしれんが、今日を休日と名付けてしまうと、本当に、ただただ、休むばかりの、ほぼ意識を失ったも同然の今日となってしまう。 言葉の力というものは本当にすごいね。 とくに名付けるという人間特有の行動は、ライセンス制にした方が良いと思うな。 休日。 まあ、そんな日があっても良いのだろうが、過去を振り返らない、未来を見据えない事で有名な俺としては、極力今日を有意識で過ごしたいものだ。 それなのに、今朝のしょうもない同僚との電話の中で、うっかり言ってしまった。 「ああ、今日、俺、休みなんだよね。」 なんという失態。 「今日、俺、休み」という俺が発した言葉は、ゾ…
こんばんはウルカ。 「おじゃましまーす」 「はいはい、ようこそ、我が野へ」 ドアをあけると、そこには瑞々しい自然が溢れている。 マジもんである。 川が流れ、草木が元気に太陽の光をあびている。 牧草地を羊の群れが悠々と移動している。 頭上には、トビが気持ちよさそうに旋回をしている。 木の実を手に持ったリスが、僕の肩に登ってきて頬をふくらませている。 彼方には、雪をかぶった8000メートル級の山々がみえる。 「いやー、先輩、ひろいっすねー!気持ちいいっす!凄い!」 「あはは、まあ、ベースは8畳一間家賃9万円のボロワンルームなんだけどな。この広さでプラス月定額16万9800円なら、なんとか頑張ってみ…
こんばんはウルカ。 わたしの住む部屋からは、海がみえる。 わたしは潮の匂いがとても苦手だし、暗い海がとても怖いのに、大きなターミナルのある湾岸近くのさびれた港街に暮らしている。 職場の寮がそこにあるから。 洗濯物を赤錆だらけのベランダに干すと、たちまち生臭い潮干物になってしまうので、狭い部屋の中は吊るされた洗濯物がスペースの大半を占領している。 掠れた窓を覗く。 朝陽を反射した海面が、聖なる魔獣のように畝っている。 わたしは作業着に着替える。 うわべばかりの柔軟剤の香りに混じって、幽かに潮の匂いがした。 わたしは鼻で呼吸する事を諦め、自転車の鍵を手にとると、ひとおもいにドアをあける。 今日も、…
こんばんはウルカ。 俺は今年最後の仕事を終える。 まるで枕投げか雪合戦のように皆で良いお年をという言葉を投げ合いながら職場を後にする。 フェイドアウトする良いお年をという言葉。 フェードインするエレベイターの静寂。 ビルを出るといつもの喧騒だね。 それでもクリスマスやニュウイヤーの騒ぎはまだまだこれからが本番らしい。 他の社会人と比べるとなんとなく早めの仕事おさめだろうか。 来年は1月6日から仕事のスケジュールが入っている。 他の社会人と比べると何となく同じくらいの仕事始めだろうか。 例えるなら、早寝、普通起きってところか。 早寝、遅起きが最高だとすると、2番目に最高なやつだね。 吉?中吉?な…
こんばんはウルカ。 いきつけのカフェがある。 日当たりの良い場所にアウトサイドスペースがあって、暑くも寒くも雨も風もない時季には俺にとって絶好のアイデア湧く湧くプレイスとなる。 ラップトップを持ちこんで、だらだらと過ごすのが好きだね。 仕事用に、そうじゃ無い用に、プチプチとアイデアが湧いてくる。 目の前には、まあまあ人通りのある露地と、味のある街路樹があって、よく鳥が遊びにくるのがとても良い。 暫くこの街を離れていた俺は、久しぶりにこのカフェを訪れた。 さすがに今日は寒いから、アウトサイドスペースにはダウンジャケットを着込んだアウトサイダーな欧米人くらいしか座っていないな。 店のドアを開けると…
こんばんはウルカ。 カウンターで、ビールの入った瓶とビールの入ったグラスを、ビールの入った俺が、交互にみている。 この三者の違いは器の形だけで、内容物は同じラガー・ビールである。 EIZO・モニターに映し出されるピクセルみたいに、全部の原材料が詰まるところ全部同じだとすれば、瓶からグラス、グラスから俺、に注ぎうつされたラガー・ビールは、海水につかるクジラで、妖刀ムラマサで、杉田玄白で、雲で、オゾン層で、アフリカ大陸で朽ちおちたランド・クルーザーで、若大将の燃えてしまったボートで、樹海のあくびを響かせた大気で、合格して拳を突きあげるあの子の感情で、一発ギャグでブレイクしてしまった芸人の苦悩で、泣…
こんばんはウルカ。 眉間に接触するほどにスマートフォンを顔に近づけている男がいる。 50代くらいだろうか。 スーツに甲羅のようなリュックを背負っている。 何をみているのだろう。 嬉しそうに笑っている。 水族館の水槽に顔にをひっつけて、ウミガメを夢中でみている子供を思い出すね。 あの男が眉間にひっつけているものは、スマートフォンなんかではなくて、水族館の水槽、又は海そのもので、悠々と泳ぐウミガメの群れを見ているのかもしれんね。 絶対そうだといいな。 今日のニュース 「二日酔いなので休みます」が許可されるイギリスの企業、事前の欠勤予約もOK ネコはアルミホイルが嫌いと良く聞くけど 本当かどうか検証…
こんにちはウルカ。 最近は「アプリdeサプリ」が世界中で人気だね。 先ず、スマートフォンの中で冒険をする。 迷宮を弄り魔獣や魔王を倒したり、地下を弄りアイドルを育てたり、ゴミ箱を弄るホームレスとなって骨肉の縄張り争いに勝利したり、リズムにあわせて絶妙のタイミングで太鼓を叩きながらヨイトマケの唄を歌うなどして、アイテムを集める。 集めたアイテムを調合してサプリを作る。 現実世界にもどり、コンビニエンスストアに設置されているポッピーという端末でアプリで調合したサプリをプリントアウトする。 サプリを飲む。 凄いことになる。 という流れである。 犬族を超える聴覚嗅覚サプリ 急速アルコール分解サプリ 寒…
こんばんはウルカ。 中国大陸にある大きな都市の路上に立っている。 脂の腐ったような臭いのする街。 道沿いに沢山の檻が並んでいて、ペット用と札が下げられた犬々が売られている。 客に犬売りがアブラガノッテオイシイヨと話している。 客と犬売りがニタニタと話す真下の檻に閉じ込められた黒い犬が、真っ直ぐにこちらを見ている。 俺は、すみません、この黒い犬、幾らですか?美味しいですかと犬売りに聞く。 犬売りは三千元ダヨ。あんた日本人かなにかかね? と言う。 食用にしては高いねと俺が言う。 ペット用だよ、ラブラドールレトリバーだよ、イングランドだよと犬売りが言う。 ああ、そうですかと俺は三千元を払う。 あの時…
こんばんはウルカ。 ガリガリ君・レーズンバターサンド味を食べた事があるか? あれはもはやガリガリ君自体の割合は数パーセントであり、隠し味程度にしか残っていない。 それなのに、最終的には間違いなくガリガリ君という存在で完結しており、見事にレーズン・バター味を従えている。 数や量では決して敵わないものが、この世には存在する。 それは概念という物体であり、質的評価という現象であり、寝ぼけたこと言ってんじゃねぇよ、という戯言である。 アンドロイドが夢をみるのかどうかは知らんし、オオトカゲに情けがあるのかどうかは依然としてわからんが、人間はこの寝ぼけたこと言ってんじゃねぇよ、という戯言に縋って生きている…
こんばんはウルカ。 洗濯機を買ったぜ! うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 「貴方の用途にぴったりハマるのはこちらです。間違いありません。寧ろ他の商品は貴方にとってクソです。見る価値すらありません。とっととこの年末売れ残りセールのヤツを買っていきやがれよ。私は忙しいんだよ。」 と、目は口ほどにものを言うという言葉の生き証人度を競う世界選手権があれば、銅メダルくらいには食い込めそうな店員のクソな営業スマイルに、逆に心を動かされた俺は、まんまと洗濯機を買ったぜ! 最近の販売手法は輪をかけて巧みなんだな。 なんかこの前も掃除機を買った気がするぞ… 今月は家電の月…
こんばんはウルカ。 僕は電車の先頭車両に乗るのが、子供の頃から大好きなんだ。 ほら、他の車両の乗客よりも真っ先に新しい場所へ進んでいるってことになるでしょ。 僕はいつも先頭車両の一番前の隅っこの壁に張り付くように立つよ。 必ず後ろ向きにね。 ほら、前を向いてしまったら、僕よりも先に運転士さんがいるのが悔しくなる。 それに、線路脇やホームから電車に飛び込んでくる無垢な犬や、哀しい人間と目が合うのが怖いんだ。 君も、僕とおんなじだろ?だから先頭車両の先っぽで後ろ向きに壁に張り付いているんでしょ? でも、そこは僕の場所なんだ。 悪いけど、どいてくれるかい? 40歳前後だろうか。 クリーム色のダウンコ…
こんばんはウルカ。 街を歩いている。 俺の家にいるデュビアの大群よりも遥かに夥しい人間の群れがモシャ〜と蠢いている。 宝くじ売り場に、喫煙スペースに、駅ビルや街路樹やいかがわしいネオンの灯りやバス停や自転車置き場に。 横断歩道のシマシマが、点滅する緑青色の信号の光を反射して、人々を尚更不気味に演出している。 中でも何故か独りで笑いながら横断歩道を走っている奴は、とびきりキモく見えるな。 何が面白いのだろう。 毎朝、俺にピンセットで摘まれて輪廻転生するデュビアと、街ゆく人々の生命は、どのくらいに価値が違うのだろう。 街ゆく人々が俺にとってピンセットで摘まめるサイズだった場合、デュビアと同じ生命の…
こんばんはウルカ。 電車に乗っている。 まあ、空いているかな。 皆、忘年会に忙しいのだろう。 オリーブとグレーの中間の色の髪をした異常に痩せた男がスマートフォンに向かって顔を顰めている。 スマートフォンはその顰めっ面に応えるようにブルーとホワイトの中間の色をした光をじんわりと放つ。 その顰めっ面の男のとなりで、小柄な女がトートバッグを弄っている。 何を探しているのか、なかなか見つからないようだ。 どうした、鍵でもなくしたか? トートバッグの中でせわしなく動いていた小柄な女の手がとまる。 小柄な女がゆっくりとトートバッグから取り出したのは、小さなシロクマのイヤリングだった。 小柄な女は安心したよ…
こんばんはウルカ。 選択機というものがある。 コートの色に迷ったとき 昼食のメニューに迷ったとき 贈る言葉、かける言葉に迷ったとき 進学先、就職先に迷ったとき T字路や樹海の獣道に迷ったとき など、人生の岐路に立たされた者の心強い味方として昔から人々に親しまれてきた。 近年では医療メーカーの参入により、人体に埋め込むタイプの選択機が人気を博している。 先月、業界最大手のサニーが満を持して発売した選択機は、高級ブランドのメルメスとのコラボということでも話題となっている。 このラグジュアリーな選択機をなんとしても手に入れようと、富裕層のみならず、国内外の転売屋、キャバ嬢、学生、サラリーマン、サラリ…
こんにちはウルカ。 クレジットカードを入れてください。 薄いピンク色で頼りなさそうなプラスチック製の箱には、クレジットカード挿入口と暗証番号を入力するためのプッシュボタン、クレジットカードを入れてくださいと書かれたガムテープが貼り付けてある。 私は飛行機と電車とバスとタクシーを乗り継ぎ、さらに車の入れない山道を8時間歩いて、やっとのことでこの薄いピンク色で頼りなさそうなプラスチック製の箱にたどり着いた。 断崖絶壁の頂点にたつその箱の前で私は、ポケットからクレジットカードを取り出す。 それからその箱のクレジットカード挿入口へ入れ、暗証番号を入力する。 ひと息おいて、確認と書かれたボタンを押す。 …
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