笑左衛門残日録 85 空蝉 隠居所の庭の老木に腑抜けのような蝉の抜け殻が風に煽られ、 枯れ枝に未練たらたらぶら下がっていた。 老残のわが身に重なる思いの空蝉である。 ~空蝉や
江戸、遠山の金さんの時代を背景にした小説、 忍草シリーズ、江戸珍臭シリーズなどの小説、 江戸の裏長屋のこぼれ話を笑左衛門の残日録として書き記し、 俳句、川柳、都々逸など、江戸の町を散歩しています。
宿下がりにて候 2 さてさて、お玉の宿下がりで信濃屋九兵衛はすっかり浮かれちまった。 ~信濃屋九兵衛の喜びようったら半端じゃありませんよ、店先じゃ祝酒の一斗樽から店の前を通る人々に振る舞
江戸小噺 宿下がりにて候 1 日本橋箱屋町の味噌問屋信濃屋九兵衛の娘、勝ち気で、おへちゃなお玉が 松平家に武家奉公に上がることとなったのだ。 お玉の母親は亀有の百姓出で信濃屋の下女を
裏長屋哀歌にて候 急ぐ旅じゃないよね 長屋の店子 明日のことで 悩みはしねえよ 大家さん 贔屓(ひいき)しないで 店(たな)廻り 親切ですよ 節介じゃない 井戸端で 日に何
お江戸暮らしで候 江戸暮らし 淋しかないよと 虚勢をはるが 人情長屋は 映画だけ 江戸のどこがいいのだと 郷里の母が嘆いても 風があったかいよ 淋しかないよ おっかさん 江
貧乏長屋で候 銭なんか ためてどうすると 啖呵切ってた江戸っ子も 銭なけりゃ心もとなく 眠りにつけず 威勢のいいのも江戸っ子ですが、米櫃も味噌樽も空っぽじゃ 安眠できね
御新造さんと土左衛門 助兵衛に 笑左衛門に どじ右衛門 みんないつかは 土左衛門 飲みすぎじゃ 頭割れそう げろ吐いて 亭主本日 土左衛門質屋では 頭を下げて 御新造さん 匂い襦袢
両国橋 本所橋番裏話 十話 津軽藩大名行列 両国橋は大川に架かる四本の橋の中でも 一番安全な橋だと町人からも根っから信頼されていた。 橋番、荒巻又右衛門が本所の壁蝨(だに)と嫌わ
両国橋 本所橋番裏話 九話 きんちゃっきりをふんじばる ~橋番の 情けにほろり くず拾い~ 両国橋の上では喧嘩だけじゃねえ、種々雑多盛りだくさんの騒動がおき、 そのたびに、橋番が
両国橋 橋番逸話 八話 辰巳芸者の橋番お舟 ~橋番小屋から覗いた景色、 人生てえのは筋書き通りにはいかねえようでござんすね~ 大川に両国橋が架かり、永代島の砂州一帯が埋
両国橋 橋番逸話 七話 ~泪橋、悲し橋、嬉し橋、夢橋、 橋板にゃ、いろんな滲みがついてますねぇ~ 徳川家康が江戸に幕府を成立(1603)した当時、軍事防衛上の理由から 大
両国橋 橋番逸話 六話 江戸に舞い戻った又右衛門 荒巻又右衛門に散々な目にあわされ、腹の虫がおさまらない黒天狗組の 旗本奴たちは、事の顛末を歪曲し、荒巻又右衛門が一方的に乱暴
両国橋 橋番逸話 五話 荒巻又右衛門、旗本奴を成敗する ~泥水は 啜るらぬほうが 腹にはいいが 啜った分だけ 世の中が見えてますよ~ 北町奉行所本所方与力の
両国橋 橋番逸話 第四話 橋下の乞食橋番になる ~橋下で 腹をすかしたご浪人~ 陽のあるうちにいっぱいやるってえのも、おつなものですよ、~ 荒巻又右衛門が橋番になったのは
両国橋 橋番逸話 第三話 勝手押し屋 ~ここは天下の往来でぃ、 ごちゃごちゃもめてちゃ橋が歪んじまうよ、 橋番さんの出番だよ ~ 両国橋の押し屋にはもめ
「ブログリーダー」を活用して、朽木一空の江戸時代小説さんをフォローしませんか?
笑左衛門残日録 85 空蝉 隠居所の庭の老木に腑抜けのような蝉の抜け殻が風に煽られ、 枯れ枝に未練たらたらぶら下がっていた。 老残のわが身に重なる思いの空蝉である。 ~空蝉や
笑左衛門残日録 84 己の葬式どうあるべきか~散る桜 残る桜も 散る桜~ 良寛辞世の句 ~死に方迷い うろうろしてて 穴につまずく 冬の蠅~拙作都都逸 ~死んでしまえば
笑左衛門残日録 83 往生際 ~鬼平も 銭形平次も 金さんも みんな散ったよ ああ江戸桜~ ~盥(たらい)から 盥へうつる ちんぷんかん~ 盥で産湯に浸かり、死ぬときも盥で体
笑左衛門残日録 86 鯉のぼり ~鯉のぼり 雨にうたれて ぐだぐだに~ ~空に舞う 元気な鯉が うらやまし~ ~武家屋敷 競っているよな 鯉のぼり~ ~柳原
売ト者(ばいぼくしゃ ) ~当たるも八卦当たらぬも八卦~ ジャラジャラと筮竹をすり合わせ、暇そうに歩いている人がいれば、 ~これこれ、そこな人、女難の相が出ておりますな 占ってしんぜ
十件軒次郎右衛門 お江戸には酒飲み噺に事欠きませぬ。 酒で喧嘩をしたり、銭袋をなくしたり、 挙句仕事を失敗し、財をなくし、かかあに逃げられたなんて話は 掃いて捨てるほども転がっている
笑左衛門残日録 82 どくだみ草の話 ~臭い体の 日陰の身でも 役にたちましょ どくだみ草~ 拙作都都逸
笑左衛門残日録 81 武士の情けにて候 身分など捨て 清々すれば 武士の恥など 厠いき 武士の情けと 女房の情け 秤(はかり)にかけて 井戸を汲む 江戸の
御用だ、みそひともじ 咎人に お縄を打って 自身番 得意顔だね 岡っ引き 御用だと 目明し連れて 自身番 胡坐をかいた 銭形平次 辻番じゃ 丁だ半だの 声が漏れ
定廻りのみそひともじ 辻番屋 自身番屋に木戸番屋 番屋の行燈 江戸を照らして 定廻り 自身番屋で 賭け将棋 たまにゃ息抜き 奉行所同心 定廻り 何もないかと
番屋 都都逸とみそひともじ 頼りないよな 自身番でも 迷子捨て子にゃ 頼り何処 年寄りの 辻番刀 錆びついて 役に立たずは 股とおんなじ 年寄りが 眠っているよな 番屋で
番屋 みそひともじ 目明しが 手柄欲しさに 自身番 問答無用で 罪被せ 町同心 泣く子も黙る 十手挿し 羽織着流し 銀杏髷(いちょうまげ) 自身番 地獄の一丁目 連
番屋都都逸 自身番から 三味が聞こえて いじゃねえかと 定廻り 囲碁番所 将棋番所に 歌番所 自身番屋は 寄り合い処 辻番所 隠居老人 寄り合って 火鉢囲んで 暇
辻番所3 辻番所は賭場だった 陰山退助は三田の辻番所から逃げ失せたものの、 前借りの三両が残っていてたので、口入屋天番屋権蔵に仁義を切らねばならなかった。 口入屋天番屋権蔵は ~まあ、
辻番所 2 危ねえ辻番所 江戸の町は武家地が六割、町人地は二割、寺神地が二割であった。 町人地の取り締まりは町奉行で、寺社地は寺社奉行が受け持っていた。 武士と町人の住む場所は明確に区切
辻番所 辻番請負人 出羽、童山藩二万石はお家騒動が原因で改易(お取り潰し)になり、 藩主は切腹を免れたものの他藩に預けられ蟄居させられた。 だが、迷惑千万なのは、己のお役目
自身番 2 囲碁同心 自身番には町名主に雇われた自身番役がいたが、火事の多い季節や、盗賊が多発している場合などは昼夜の自身番を命じられた。夜は五人番昼は三人番で、家主や町内の顔役、
自身番 1 定廻り同心北町奉行定廻り同心日下部退蔵は八丁堀の組屋敷を出て、辰の刻(午前八時)には奉行所に顔を出し、挨拶を済ませると、早々に江戸の町へ繰り出した。 日下部退蔵は北
江戸川柳 武家百姓 ~御新造と 内儀と噺す 敷居ごし~ ~女房は おふくろよりも邪魔なもの~ ~女房の聞くやうように 読むにせ手紙~ ~女房を恐がるやつは金が出来~
江戸川柳 番頭の女房 きびしいかな、丁稚奉公、 ~ばけそうな 花むこの出る するが丁~「ご隠居、日本橋の大店の番頭ともなれば、そりゃあ、大出世でございましょうねえ、」 「そりゃあ、
江戸ぶら、 御厩河岸(おんまいがし) ~船が出るぞうー~ 隅田川(大川)には千住大橋、両国橋、吾妻橋(大川橋)、新大橋、永代橋しかなく、その間は大川を渡るのは、渡し船が唯一の往
笑左衛門残日録 62 ~口はばったかいことを言うつもりもねえが、 ご隠居、いつまで生きるつもりでぃ、、~ ううむ、どうも暗い話じゃ 疲れてきたか、 隠居して、人生のおつりだと
左衛門残日録 61 隠居も辛いものなのじゃ ~ひとつ捨て、ひとつ減らし、 終いには身一つ残してさよならする~ 命を始末するってえことはそういうこと、 笑って暮らして人
左衛門残日録 60 大江戸大食い合戦 「ご隠居、浅草の珍珍楼で大食い合戦があるそうで、 なんでも優勝者は吉原の花魁と一夜を過ごせるってえ、目の玉が飛び出るような賞金なんだ。」
笑左衛門残日録 59 大江戸酒飲み合戦「 ご隠居、深川の常泉寺で大酒飲み合戦があるっていうじゃねえですか、」「浮の助の地獄耳は酒の話は見逃さねえようだな、 常泉寺の遊雲和尚は講和しな
お江戸隠れ唄 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 五十六十七十と 武士の人生真っ暗で 江戸の時代も おしまいか 萎んだ夢が泣く 大奥楽しというけれど 純情
大江戸すべり歌 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 私財没収 島流し 悪いことには 容赦なし 遠山奉行の 名裁き 江戸に灯がともる 貧しいなんて 泣いてねえ 明
お江戸じゃれ歌 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 夜咲く密談嘘の花 夜飛ぶ銭も嘘の花 嘘を肴に酒をくみゃ おぬしも悪じゃよな 屋台並んだ 本所堀 稼ぎ少ない
ちゃきちゃき江戸っ子じゃれ歌 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 粋と鯔背の江戸っ子でぃ お武家様でも 間違いにゃ 頭を下げて もらおうか あたぼう べらぼうよ
お江戸徳川流唄 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 前を見るよな柄じゃない 後ろを見るよな柄じゃない よそ見してたら泣きを見た 武士は斬られたよ 目黒のサンマが懐
お江戸侍嘆き節 「夢は夜開く」の節を真似て、吟詠お楽しみくだされ 赤く咲くのは 首切りで 白く咲くのは 腹切りで どう死にゃいいのさ 悪代官 せめて島送り 腰の大小 重かろに 明
亭主もいろいろ 亭主色々 奥方様に 御新造さんに かみさんと 呼び名変わって 亭主いろいろ 世話焼きの 大家の世話で くっついた 惚れた腫れたじゃ
長屋の厠 都都逸 上の絵からも悪臭がいたしますねぇ、、 早くせい 長屋の厠 急かされて でるものはでず からっ屁ひとつ 井戸端に 江戸雀きて 大はしゃぎ
裏長屋物語 裏長屋の暮らしぶりでござい〼 惚け隠し 酔ったふりして 裏長屋 威張る姿も 褪せ侍 雨降って 笠張り励む 裏長屋 士官の道は 迷夢の道よ ぼ手振
趣味も隠居のお年かな 笑左衛門 拙作川柳 按じても 浮かぶものなく 墨を摺る 蛇ほどに 筆の進まぬ 紙墨かな 筆躍る 硯の中で 悪筆が ひねっても 面白くなき
武士の生きざま、都都逸でえ、、 雨降れど 北と南の奉行所は 固まらねえな 手柄争い かたつむり のそりのそりと 江戸の町 どこを徘徊 惚けた老武士 武士
春隣 梅一輪 ぼちぼち土手を 春隣 どこまでが冬 どこからが春 拙宅の 庭のひなたに 冬雀 米粒すこし 小松菜添えて ぽかぽかと 酒を飲みたし 春隣 土手に座ろか 長屋
笑左衛門残日録 58 ~老衰を 嘲り笑う 鴉かな~ 久々に住職の遊雲和尚の話が聞きたくなり深川の常泉寺という寺へ足を延ばした。 相変わらず、年寄りたちが本堂の床にてんでばらばら
笑左衛門残日録 蟄虫ですよ ~蟄虫が 世間を覗く霜の朝 春まだ遠し 凍りつく夢~ 拙作 笑左衛門さん、相変わらず暗いねえ、春でございますよ、、 う~んと伸びを
江戸の小唄 ~夜桜~ 隠宅の庭の桜も蕾がほどけ、 お筆と二人花見酒でもいたそうのう、 ~春はうれしや 二人揃うて花見の 庭の桜に朧月それを邪魔する雨と風 チョイト 咲かせてまた散ら