笑左衛門残日録 83 往生際 ~鬼平も 銭形平次も 金さんも みんな散ったよ ああ江戸桜~ ~盥(たらい)から 盥へうつる ちんぷんかん~ 盥で産湯に浸かり、死ぬときも盥で体
江戸、遠山の金さんの時代を背景にした小説、 忍草シリーズ、江戸珍臭シリーズなどの小説、 江戸の裏長屋のこぼれ話を笑左衛門の残日録として書き記し、 俳句、川柳、都々逸など、江戸の町を散歩しています。
お江戸隠れ唄 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 五十六十七十と 武士の人生真っ暗で 江戸の時代も おしまいか 萎んだ夢が泣く 大奥楽しというけれど 純情
大江戸すべり歌 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 私財没収 島流し 悪いことには 容赦なし 遠山奉行の 名裁き 江戸に灯がともる 貧しいなんて 泣いてねえ 明
お江戸じゃれ歌 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 夜咲く密談嘘の花 夜飛ぶ銭も嘘の花 嘘を肴に酒をくみゃ おぬしも悪じゃよな 屋台並んだ 本所堀 稼ぎ少ない
ちゃきちゃき江戸っ子じゃれ歌 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 粋と鯔背の江戸っ子でぃ お武家様でも 間違いにゃ 頭を下げて もらおうか あたぼう べらぼうよ
お江戸徳川流唄 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 前を見るよな柄じゃない 後ろを見るよな柄じゃない よそ見してたら泣きを見た 武士は斬られたよ 目黒のサンマが懐
お江戸侍嘆き節 「夢は夜開く」の節を真似て、吟詠お楽しみくだされ 赤く咲くのは 首切りで 白く咲くのは 腹切りで どう死にゃいいのさ 悪代官 せめて島送り 腰の大小 重かろに 明
亭主もいろいろ 亭主色々 奥方様に 御新造さんに かみさんと 呼び名変わって 亭主いろいろ 世話焼きの 大家の世話で くっついた 惚れた腫れたじゃ
長屋の厠 都都逸 上の絵からも悪臭がいたしますねぇ、、 早くせい 長屋の厠 急かされて でるものはでず からっ屁ひとつ 井戸端に 江戸雀きて 大はしゃぎ
裏長屋物語 裏長屋の暮らしぶりでござい〼 惚け隠し 酔ったふりして 裏長屋 威張る姿も 褪せ侍 雨降って 笠張り励む 裏長屋 士官の道は 迷夢の道よ ぼ手振
趣味も隠居のお年かな 笑左衛門 拙作川柳 按じても 浮かぶものなく 墨を摺る 蛇ほどに 筆の進まぬ 紙墨かな 筆躍る 硯の中で 悪筆が ひねっても 面白くなき
武士の生きざま、都都逸でえ、、 雨降れど 北と南の奉行所は 固まらねえな 手柄争い かたつむり のそりのそりと 江戸の町 どこを徘徊 惚けた老武士 武士
春隣 梅一輪 ぼちぼち土手を 春隣 どこまでが冬 どこからが春 拙宅の 庭のひなたに 冬雀 米粒すこし 小松菜添えて ぽかぽかと 酒を飲みたし 春隣 土手に座ろか 長屋
笑左衛門残日録 58 ~老衰を 嘲り笑う 鴉かな~ 久々に住職の遊雲和尚の話が聞きたくなり深川の常泉寺という寺へ足を延ばした。 相変わらず、年寄りたちが本堂の床にてんでばらばら
笑左衛門残日録 蟄虫ですよ ~蟄虫が 世間を覗く霜の朝 春まだ遠し 凍りつく夢~ 拙作 笑左衛門さん、相変わらず暗いねえ、春でございますよ、、 う~んと伸びを
江戸の小唄 ~夜桜~ 隠宅の庭の桜も蕾がほどけ、 お筆と二人花見酒でもいたそうのう、 ~春はうれしや 二人揃うて花見の 庭の桜に朧月それを邪魔する雨と風 チョイト 咲かせてまた散ら
江戸の端唄、~春雨~ 写真はめじろでござい〼 隠宅の老梅の枝から鶯の囀りが聞こえてきた。 春告げ鳥なのに、まだ、囀りを一生懸命勉強中なのか、 ちょっと音痴、訛りもあるようだ。 ホ
ぶらり甲州道7 八王子千人隊 「彦五郎、なんといっても八王子では八王子千人隊(八王子千人同心)を抜きには語れないのだよ、 徳川家康は江戸城西の甲州道の護りとして、旧武田家
ぶらり甲州道 6 日野宿から八王子横山宿 6 日本橋 ~内藤新宿 ~下高井戸 ~上高井戸 –~ 国領 ~ 下布田 ~上布田 ~下石原 ~上石原 ~府中~日野、そして、今回の旅の終
ぶらり甲州道 日野宿土方歳三 5 多摩川を渡った甲州道日野宿は伝馬囲い五人五疋の宿場である。 街道脇には大木が茂り、宿場に入ると大きな構えの本陣と脇本陣が軒を連ねていた。 そ
ぶらり甲州道 府中宿暗闇祭り 4 甲州道を西に足を進めると、湯島天神、亀戸天神とならぶ関東三天神のひとつ谷保天神(谷保天満宮)が左手に見えてきた。 この神社も菅原道真を祀ってある
ぶらり甲州道 布田五宿 3 甲州道は内藤新宿から布田宿までは起伏もなく 平らで、ほぼまっすぐな道でなので、歩きやすい街道であった。 布田五宿(国領・下布田・上布田・下石原・上石原)の布田天
ぶらり甲州道 高井戸宿から布田宿 2 四谷大木戸門を潜ると江戸の町とは景色が一変して、 街道際にぽつりぽつりと農家があり、野菜畑が広がる長閑な農村風景が続いていた。内藤新宿から二里日本橋から
江戸ぶら 番外編 ぶらり甲州道 四谷大木戸門 1 ご隠居の福右衛門衛門と彦五郎、明け六つ半(朝7時)に旅支度をして日本橋を出立した。 ご隠居の福右衛門は旅道楽で、三年前にはお伊勢参りに
笑左衛門残日録 55 小林一茶 俳句談義4 「 おふで、月も出てきたようだ、 我らも 茶汚しに、575でも詠もうではないか、 ばれ句、真似句、川柳でもよい、楽しもうではないか、」「御
笑左衛門残日録 56 芭蕉男色疑惑 俳句談義 3 ~俳聖も 美少年には 足が出る~ 拙作 「お筆の好きな、俳聖といわれておる松尾芭蕉についても 男色ではないかという疑いがあるのじゃ。
笑左衛門残日録 54 小林一茶 俳句談義2 さて、話を小林一茶に戻そうか、 「はいっ、では熱い一茶を淹れましょうかね、、」 一茶は奉公先での苦労がたたったのか、40歳で白髪になり、50
笑左衛門残日録 53 小林一茶 俳句談義1 隠居所の陽だまりの縁側が部屋の中より暖かいので お筆とふかし芋を食べながら茶を楽しんでいた。 「のう、お筆は俳人ではだれが好きかのう、」 「や
囲い者(めかけ)5 坊主の妾 ~坊さんを、抱いて寝てみりゃ可愛いものよ、どこが尻やら頭やら~ 江戸都都逸 江戸時代の坊主の戒律は厳しく、飲酒、肉食は破門され寺から、追放となりま
囲い者(めかけ)3 小便組 ~御妾のおつなやまいは寝小便~ 江戸川柳 ~小便をして逃げるは妾と蝉~ 江戸川柳 肝煎屋 御奉公人口入稼業の中にも悪辣な輩もおりますので 詐欺など
囲い者(めかけ)3 妾奉公はつらいよ さて囲者の格といっても松竹梅の下、桜か杉かは知りませぬが、 妾奉公を職業にしていた手練れの女もいたのでございます。 ~肝煎屋 御奉公人口入
囲い者(妾)2 竹梅の妾 ~奥様といはれて顔が別になり~ 江戸川柳 ~お妾の昼間はしごく無口なり~ 江戸川柳 妾にしてみれば、あくせく働く者があほくさく見えるのか、
囲い者(妾)1 極上松の巻 ~親のため 我落ちにきと 女郎花~ 江戸川柳 江戸の男は妾を持つのがが男の甲斐性などといわれておりまして、 大店の主人に大番頭、大名や旗本のお武家
千社札の 天愚孔平 下 南総里見八犬伝の作者、滝沢馬琴がみずから天愚孔平に取材して書いた「天愚孔平伝」という書物の中にこう書いてある。 「文化九年(1812)のことし、私は百五歳になり
江戸の変人奇人狂人伝 千社札の 天愚孔平 何とも変てこな名前である。高慢なので世人から天狗と異名され、それを逆手にとって天愚と名乗り、さらに、わしは孔子の子孫の妾を
~下手でよい、下手はよくない 拙劣(せつれつ)画 そのままでいい そのままじゃだめ 幼稚な絵~ へた絵画廊にてござりますれば、、 とにかく、江戸人は酒が好き 朝起きて飲み
~雑すぎて 筆が泣いてる 長屋の絵 下手な臭いの ぷんぷん画~ へた絵画廊でございまする。 間男さん、不義密通は命を取られても文句は言えねえよ、 それとも、7両2分(江戸の不義
~へたくそめ 褒めようもない 劣弱画 それでも描くか 忍者が泣くぞ~ 忍者とは影の者にて描いてくれるな 大名屋敷の天井裏、 影に生き影に消えた忍者、忍草シリーズで活躍の忍者でご
~拙い絵 いい味でてると 褒められる 味だ味だと 魚じゃねえよ~ へた絵画廊でございまする おはなに魔法でもかけられているのか、 今日もおはなに魅了されてしまっている
まだ描くか 下手がいいねと 煽てられ ~未熟画も 二日の命じゃ 哀れなり~ 「瓢箪から駒が出てこないかねえ、、」 瓢箪に囲まれた夫婦ものは何を願ってますかな? 秀吉様の馬印でも
燻り侍 江戸詭計 9 幸せな殿様でござります 崖淵藩では国元へ帰るための参勤交代の準備に忙しかった。 ところが、芋野茂兵衛、扇菊三郎、橘千之助の三人部屋では、 「おらあ、
謀られたり!燻り侍 8 江戸よさらば 勤番武士の江戸暮らしも早や一年が過ぎようとしていた。 ~江戸は大層ぶっそうなところで、掏(す)りや、かっぱらいが横行していて、 道を歩く時
謀られたり!燻り侍 7 茂兵衛の女 私用では屋敷の外に出ることが許されなかった勤番武士としては、数少ない外出日は制限時間いっぱいまで使いたいところである。 門限は暮れ六つ(午後
謀られたり!燻り侍 6 役者と傾奇者、 ~江戸の役者はやっぱり立ち回りも芝居も上手だのう、~ 扇菊三郎は、留守居役の目を盗んでは猿若町や浅草寺裏の浅草奥山の芝居小屋”山崎座”
た謀られたり!燻り侍 5 ~江戸見物じゃ~ だが、干し大根が出羽から送られてこなくなれば、燻りがっこを作ることもなくなり、江戸勤番の下級武士の仕事は、門番や、炊事、洗濯、庭掃除、
謀られ 謀られたり!燻り侍4 ~燻られて いい男になりぬ 長屋門~ 小石川出羽崖淵藩の江戸藩邸の敷地は1000坪を越える広さがあり、屋敷内には江戸詰めの殿様を護るための家臣がおり、江
謀られたり!燻り侍 3 ~貧乏草が 揺れて街道 参勤交代 江戸が待ってる れんげ草~ 出羽崖淵藩にとって参勤交代の出費は尋常ではなかった。 大名行列の100人の侍の飯代、旅
謀られたり謀られたり!燻り侍 2 参勤交代貧寒行人 ~町民よ、そこのけそこのけ大名行列が通る、 貧乏行列威張るでないぞ、~ 崖淵藩などの小藩の参勤交代の旅
謀られたり!燻り侍 1 ~江戸と背中が見て死にてえな ~ 江戸からはるかに遠い雪深い奥羽の国に慈しみに満ちた殿様がいて、人々は争うことも飢餓に苦しむこともなく、平和で幸せに
江戸川柳 居候(いそうろう) 江戸川柳 食客のことですな、他人の家に寄食する者、つまり無為な同居人で、厄介(やっかい)者でございます。 「えっあっしの居所でございますか?へえ
笑左衛門残日録 54 初春川柳 こいつぁ春から縁起が良いわい ~元旦や 膨れてにらむ 餅女房~ 狭い長屋でごろごろしてちゃ、恋女房もっちょいと膨れて餅の様じゃ、 ~御新造さん つき
笑左衛門残日録 53 正月川柳 だるまさん ~だるまさん 手も足も出ぬ お正月~ 銭がなけりゃ吉原にも繰り出せねえよ、 ~ 門松に 小便かけて 武士の犬~ 犬だけじゃ
笑左衛門残日録 52 正月川柳でお笑いくださいませ ~初詣 掏りも繁忙 浅草寺~ 掏りの本場の浅草にや、万吉、虎、勇九郎など名うての掏り名人がおりまして、 浅草界隈を跳梁跋扈し初
笑左衛門残日録 51 ~初春や 乱れ俳句で暇つぶし~ 今年もお付き合いくださいませ、、 ~正月や 今年も来るか 大晦日~詠み人不明 ~老人の 日課の如く走馬燈~高浜虚子 ~またきた
笑左衛門残日録 50 隠居の江戸のお正月 武士の世界は元旦から繁多の極みであった。 江戸城では、元旦明け六ツより三日にかけて、尾張、紀伊、水戸の御三家を筆頭に譜代大名、外様大名
笑左衛門残日録 49 新年之御吉慶目出度申納候 (しんねんのごきっけいめでたくもうしおさめそうろう) ~手で掃き寄せる元旦の塵(ちり)~ 元旦は何もしないのが江戸庶民の流儀
笑左衛門残日録 48 ~隠居人 暇もてあそぶ 師走だが 忙しいふり してみたくなり~ 拙作 師走ともなれば、新しい年を迎えるためのまずは煤払いをしなければな
笑左衛門残日録 47 ”葉隠”山本常朝の話 2 「さあ、皆の衆、酒を飲みながら聞き流してくだされ、つまらなければ居眠りをしていてもいいのだぞ、ただし、鼾は迷惑になるがな、」 遊雲和尚も
笑左衛門残日録 46 ”葉隠”山本常朝の話 1 「ご隠居、遊雲和尚という坊主がね、隠居した老人を集めて講和をしてる 面白い集まりがあるんですよ。老人たちはてんでに酒を飲みながら、 残
笑左衛門残日録 45 人の世は一酔の夢、 ~盥(たらい)から 盥(たらい)へうつる ちんぷんかん~小林一茶 産湯のたらいの誕生から死んで湯灌のたらいを使うまでの一生は、 あっと
笑左衛門 残日録 44 隠居所の墨跡 5 ~筆跡に 思いを馳せる 来し方に 方丈記書き 無常漂う ~ 春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり ~道元禅師
笑左衛門残日録 43 隠居所の墨跡 4 ~蛞蝓が 辿ったあとか 墨の跡~ 下載清風(あさいのせいふう) 積荷を降ろして軽くなった船は清風にのって軽やかに航海していくよ、 心の中の
笑左衛門残日録 42 隠居所の墨跡 3 ~稚拙筆 今日もせっっせと 紙汚す 隠れ家の隅 カラスが鳴いた~ いろは歌 いろは四十七文字は手習いのかなの手本
笑左衛門残日録 41 隠居所の墨跡 2 ~何なぞる 思いめぐらせ 筆汚し 一期一会に あるべきよう~ 一期一会 今が一期一会、今の景色、今の空気、
笑左衛門残日録 40 隠居所の墨跡 1 ~墨跡を 味があるねと 煽てられ 墨をこぼした 夕空のよう ~ 行雲流水 空に浮かぶ雲のように、留まることない水のよう
笑左衛門残日録 39 心身一如、冥土の土産にて候、 ~何事も 夢まぼろしと 思ひ知る 身には憂ひも 喜びもなし~ 足利義政 この世のことは夢まぼろし故に、この世を去ることの憂う気持
笑左衛門残日録 38 蛇を愛(いと)おしむ2 ~理不尽は わかっちゃいるが 怖いのだ それでも武士か へなちょこ武士か ~ 柳原土手は神田川の土手であるから、湿気があり、蛙、蛞
笑左衛門残日録 37 蛇を愛(いと)おしむ、1 ~やれぶつな 怖いものなし武士ならば~拙作 ~蛇ほどに 筆の進まぬ 梅雨の午後~拙作 庭を眺めながら、茶話をしていると、
笑左衛門残日録 36 同心悲哀3 非番の日、息子の正直が笑左衛門の好物の鮒屋佐吉の浅利の佃煮をぶら下げて 隠居所にやってきた。 「父上、お顔の色がよろしいようで、、」 「まあ、いつ
笑左衛門残日録 35 同心悲哀2 酒も廻り頬を赤らめご機嫌であった掛井蔵乃介の口から愚痴が毀れ始めた。「臨時見回りの職は心づけも多く三十俵二人扶持とは思えぬほど、懐が温かいといわ
笑左衛門残日録 34 同心悲哀1 黒羽織に十手、小銀杏髷の粋な身なりの北町同心、掛井蔵乃介が、 日本橋長門の久寿もちと大野屋の鰻飯を手土産に持って訪ねてきた。 貧乏同
笑左衛門残日録 33 お筆の寺子屋 3 ~寺子屋で習った文字の 恥と愛~拙作 ~隠居所で はじける笑い お勉強~拙作 ~ちょいと、そこいくお武家さんのご子弟さん、
笑左衛門残日録 32 お筆の寺子屋 2 ~ 読み書きの道を急ぐべし無筆無学はならぬ役人~ 番衆狂歌~ ~寺子屋で 習った文字が 貧と困~拙作 江戸天保の頃になると、
笑左衛門残日録 31 お筆の寺子屋 1 ~寺子屋で読み書き覚え親を越え、~拙作 同居人の相方お筆がお願い事があるという。滅多に某に相談など持ちかけぬし、改まってそう言わ
笑左衛門残日録 30 無理せず期待せずにて候 ~分を知らずして、しいいてはげむは、おのれがあやまちなり~ 徒然草題31段 何事も己の分際を知り、無理に励
笑左衛門残日録 29 刀研ぎ 鐵五郎にて候 3 ~人の世は一酔の夢~ 研ぎ師。鐵五郎は朝から酒を飲んでいるのだ、酒を切らすことがない、いつも酒臭い臭を漂わせている。 「鐵五郎さ
笑左衛門残日録 28 刀研ぎ 鐵五郎にて候 2 胴斬り刀 刀研ぎ師にも二通りあり、天保の時代ともなれば、江戸幕府が開かれて以後、200年もの間争いがなく、武士の刀が活躍するということ
笑左衛門残日録 27 刀研ぎ 鐵五郎にて候 1 その男がふらりと柳原土手下の居酒屋ひょっとこの暖簾をくぐると、ぽん吉姐さん、その男を奥の小上がりに招いた。 男はぽん吉お姉さん
笑左衛門残日録 26 柊(ひいらぎ)を見て候 ~棘なくなりて 葉も丸くなり 老柊の 冬日和 ~ 拙作 ~命あるものをみるに ひとばかり久しきはなし かげろ
笑左衛門残日録 25 辞世の句にて候 ~この世をば どりゃお暇(いとま)に 線香の 煙とともに 灰(はい)さようなら~ 十返舎一九の辞世の句、享年66歳 灰(はい)、さようならと
笑左衛門残日録 24 いざ、蛙と勝負にて候 ~夕暮れに 蛙に睨まれ 後ずさり ~拙作 ~紫陽花の 葉に座りたる 夕蛙~拙作 ~風流を 教えてくれた 青蛙~拙作 アジ
笑左衛門残日録 23 庭のカマキリにて候 ~かまきりを 怒らせ怯え 垣根かな~ 拙作 ~かまきりに 威嚇されたる 弱き武士~拙作 ~かまきりが 斧かざしたり 縁
笑左衛門残日録 22 浮の助の人生訓にて候 ~所縁を放下すべきときなり、 信をまぼらじ、礼儀をも思わじ。 此の心をもえざらん人は物狂いともいえ。うつつなし、情けなしとも思い、
笑左衛門残日録 21 影筆者(影ひつもの)にて候 影筆者(影ひつもの)にて候 河童の手紙 凧の糸が切れたようにふらふらしてる浮の助がぶらりとやってきた。 ただ飯とただ
笑左衛門残日録 20 いつもにこにこ現金払いにて候 ~名利(みょうり)につかわれて、しずかなるいとまなく 一生をくるしむこそおろかなれ ~(徒然草題8段) 名誉と利得に振
笑左衛門残日録 19 ~宵越しの銭はもたねえ~ ~江戸っ子の生まれそこない金を貯め~ いやあ、気前のいいこと、某(ソレガシ)なんぞ、とてもとても及びません。 銭を残らず使い切るな
笑左衛門残日録 18 風来坊浮の助のこと ~空でおどける奴凧 長生きしたいとも思わぬが、 明日死んでもいいとも思わなねえ、~ ~褌の下 暖
笑左衛門残日録 17 酒にまつわる江戸川柳、集めて酔いて柳原にて候 ~土蜘(どぐも)の身振りでなめるこぼれ酒~ ああいやだ、呑兵衛は酒には意地汚いもので、毀れた酒を
笑左衛門残日録 16 貧乏徳利にて候 ~禁酒して何を頼りの夕しぐれ~ 拙作 ~腰の差料 質屋に預け 後悔肴に 酒を呑む~拙作 ~無刀で帰宅仕り 以後 禁酒~
笑左衛門残日録 15 居酒屋は酒を飲みに来るところにあらず 淋しい男の愚痴の捌け口にて候 ~ていぃ、酒が飲みたくて居酒屋へ来てるわけじゃねえよ、 おいらの話を
笑左衛門残日録 14 酔って候 ~あっしは酔っ払い、いつでも酔っ払い、だからこの世は天国さ、 口は軽いし、気も大きいし、陽気で楽しく太っ腹、 徳川様の帳(とばり)の中で楽しく
笑左衛門残日録 13 居酒屋ひょっとこにて候、 ~酒飲みは 世間を覗く 居酒屋で 隠居爺さん 居心地いいね ~拙作 さて、隠居暮しも一息つけば、 なにも気
笑左衛門残日録 12 俳人になりそこねて候、 ~お筆さん、空の雲はうろこ雲ですか、いわし雲ですか?~ ~いいえ、旦那様、あの雲の形はひつじ雲ですよ、~ 秋の高い空にはい
笑左衛門残日録 11 武士との別れにて候、 ~旗本は今ぞ淋しさまさりけり 御金もとらず暮らすと思へば~お給金が借り上げ(早い話減俸です)になるなんてことも再三あったのでございます
笑左衛門残日録 10 侘び住まいにて候、 ~役にも立たぬ 大小棄てて 腰も身軽な 町住まい よいよい よいよい よいやさっと~ ~てのわろき人の はばからず文か
笑左衛門残日録 9 ”代筆処笑筆”店開きぃ~ ~銭がなければ ご隠居さんも 花を落とした 枯尾花~ 拙作 柳原土手下の某(ソレガシ)の隠居所の軒下に ~代筆申しうけ
笑左衛門残日録 8 代筆処笑筆にて候、 ~他人の恋路の 世話焼きなが ら 代筆稼業で飯を食う ~ 拙作 ~芸は身を助くると云ふが、侍の芸は身を亡ぼすなり。何にても一芸これあ
笑左衛門残日録 7 隠居の極意にて候 欲も捨てたよ、銭も捨てたよ、いいひとに思われたいという気持ちも捨てたよ、 捨てた捨てたよ、もうはだかんぼうだ、ああ気持ちがいい
笑左衛門残日録 6 還暦同棲にて候、 ~惚れて悪けりや 見せずにおくれ 主の優しい気心を ~ ~江戸川柳~ 柳原土手下の隠居所にはおしかけ女
笑左衛門残日録 5 柳原の隠居所にて候、 ~世の中は なんのへちまと思えども ぶらりとしては暮らされもせず ~ 詠み人知らず お筆
笑左衛門残日録 4 八丁堀組屋敷出奔にて候 ~夕間暮れ 振り返り見れば 江戸の空 しあわせ色の 茜雲あり~拙作 ~まっ、それでもここまで来たんだ
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笑左衛門残日録 83 往生際 ~鬼平も 銭形平次も 金さんも みんな散ったよ ああ江戸桜~ ~盥(たらい)から 盥へうつる ちんぷんかん~ 盥で産湯に浸かり、死ぬときも盥で体
笑左衛門残日録 86 鯉のぼり ~鯉のぼり 雨にうたれて ぐだぐだに~ ~空に舞う 元気な鯉が うらやまし~ ~武家屋敷 競っているよな 鯉のぼり~ ~柳原
売ト者(ばいぼくしゃ ) ~当たるも八卦当たらぬも八卦~ ジャラジャラと筮竹をすり合わせ、暇そうに歩いている人がいれば、 ~これこれ、そこな人、女難の相が出ておりますな 占ってしんぜ
十件軒次郎右衛門 お江戸には酒飲み噺に事欠きませぬ。 酒で喧嘩をしたり、銭袋をなくしたり、 挙句仕事を失敗し、財をなくし、かかあに逃げられたなんて話は 掃いて捨てるほども転がっている
笑左衛門残日録 82 どくだみ草の話 ~臭い体の 日陰の身でも 役にたちましょ どくだみ草~ 拙作都都逸
笑左衛門残日録 81 武士の情けにて候 身分など捨て 清々すれば 武士の恥など 厠いき 武士の情けと 女房の情け 秤(はかり)にかけて 井戸を汲む 江戸の
御用だ、みそひともじ 咎人に お縄を打って 自身番 得意顔だね 岡っ引き 御用だと 目明し連れて 自身番 胡坐をかいた 銭形平次 辻番じゃ 丁だ半だの 声が漏れ
定廻りのみそひともじ 辻番屋 自身番屋に木戸番屋 番屋の行燈 江戸を照らして 定廻り 自身番屋で 賭け将棋 たまにゃ息抜き 奉行所同心 定廻り 何もないかと
番屋 都都逸とみそひともじ 頼りないよな 自身番でも 迷子捨て子にゃ 頼り何処 年寄りの 辻番刀 錆びついて 役に立たずは 股とおんなじ 年寄りが 眠っているよな 番屋で
番屋 みそひともじ 目明しが 手柄欲しさに 自身番 問答無用で 罪被せ 町同心 泣く子も黙る 十手挿し 羽織着流し 銀杏髷(いちょうまげ) 自身番 地獄の一丁目 連
番屋都都逸 自身番から 三味が聞こえて いじゃねえかと 定廻り 囲碁番所 将棋番所に 歌番所 自身番屋は 寄り合い処 辻番所 隠居老人 寄り合って 火鉢囲んで 暇
辻番所3 辻番所は賭場だった 陰山退助は三田の辻番所から逃げ失せたものの、 前借りの三両が残っていてたので、口入屋天番屋権蔵に仁義を切らねばならなかった。 口入屋天番屋権蔵は ~まあ、
辻番所 2 危ねえ辻番所 江戸の町は武家地が六割、町人地は二割、寺神地が二割であった。 町人地の取り締まりは町奉行で、寺社地は寺社奉行が受け持っていた。 武士と町人の住む場所は明確に区切
辻番所 辻番請負人 出羽、童山藩二万石はお家騒動が原因で改易(お取り潰し)になり、 藩主は切腹を免れたものの他藩に預けられ蟄居させられた。 だが、迷惑千万なのは、己のお役目
自身番 2 囲碁同心 自身番には町名主に雇われた自身番役がいたが、火事の多い季節や、盗賊が多発している場合などは昼夜の自身番を命じられた。夜は五人番昼は三人番で、家主や町内の顔役、
自身番 1 定廻り同心北町奉行定廻り同心日下部退蔵は八丁堀の組屋敷を出て、辰の刻(午前八時)には奉行所に顔を出し、挨拶を済ませると、早々に江戸の町へ繰り出した。 日下部退蔵は北
江戸川柳 武家百姓 ~御新造と 内儀と噺す 敷居ごし~ ~女房は おふくろよりも邪魔なもの~ ~女房の聞くやうように 読むにせ手紙~ ~女房を恐がるやつは金が出来~
江戸川柳 番頭の女房 きびしいかな、丁稚奉公、 ~ばけそうな 花むこの出る するが丁~「ご隠居、日本橋の大店の番頭ともなれば、そりゃあ、大出世でございましょうねえ、」 「そりゃあ、
江戸川柳 吉原お化け ~つね体の なりでばんとう どらを打ち~ どらを打つとは道楽をするという意味でございます。 ~すががきの 中を手代は 出て帰り~ 「てっ、ご隠居、店者(た
宿下がりにて候 4 ~ねえ、ご隠居、好いた同士は泣いても連れるなんていいますから、男と女は惚れあった者同士が所帯を持つというのが一番いいと思いますがねえ、、~~彦五郎は江戸の甘味噌だな、惚れ
お江戸隠れ唄 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 五十六十七十と 武士の人生真っ暗で 江戸の時代も おしまいか 萎んだ夢が泣く 大奥楽しというけれど 純情
大江戸すべり歌 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 私財没収 島流し 悪いことには 容赦なし 遠山奉行の 名裁き 江戸に灯がともる 貧しいなんて 泣いてねえ 明
お江戸じゃれ歌 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 夜咲く密談嘘の花 夜飛ぶ銭も嘘の花 嘘を肴に酒をくみゃ おぬしも悪じゃよな 屋台並んだ 本所堀 稼ぎ少ない
ちゃきちゃき江戸っ子じゃれ歌 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 粋と鯔背の江戸っ子でぃ お武家様でも 間違いにゃ 頭を下げて もらおうか あたぼう べらぼうよ
お江戸徳川流唄 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 前を見るよな柄じゃない 後ろを見るよな柄じゃない よそ見してたら泣きを見た 武士は斬られたよ 目黒のサンマが懐
お江戸侍嘆き節 「夢は夜開く」の節を真似て、吟詠お楽しみくだされ 赤く咲くのは 首切りで 白く咲くのは 腹切りで どう死にゃいいのさ 悪代官 せめて島送り 腰の大小 重かろに 明
亭主もいろいろ 亭主色々 奥方様に 御新造さんに かみさんと 呼び名変わって 亭主いろいろ 世話焼きの 大家の世話で くっついた 惚れた腫れたじゃ
長屋の厠 都都逸 上の絵からも悪臭がいたしますねぇ、、 早くせい 長屋の厠 急かされて でるものはでず からっ屁ひとつ 井戸端に 江戸雀きて 大はしゃぎ
裏長屋物語 裏長屋の暮らしぶりでござい〼 惚け隠し 酔ったふりして 裏長屋 威張る姿も 褪せ侍 雨降って 笠張り励む 裏長屋 士官の道は 迷夢の道よ ぼ手振
趣味も隠居のお年かな 笑左衛門 拙作川柳 按じても 浮かぶものなく 墨を摺る 蛇ほどに 筆の進まぬ 紙墨かな 筆躍る 硯の中で 悪筆が ひねっても 面白くなき
武士の生きざま、都都逸でえ、、 雨降れど 北と南の奉行所は 固まらねえな 手柄争い かたつむり のそりのそりと 江戸の町 どこを徘徊 惚けた老武士 武士
春隣 梅一輪 ぼちぼち土手を 春隣 どこまでが冬 どこからが春 拙宅の 庭のひなたに 冬雀 米粒すこし 小松菜添えて ぽかぽかと 酒を飲みたし 春隣 土手に座ろか 長屋
笑左衛門残日録 58 ~老衰を 嘲り笑う 鴉かな~ 久々に住職の遊雲和尚の話が聞きたくなり深川の常泉寺という寺へ足を延ばした。 相変わらず、年寄りたちが本堂の床にてんでばらばら
笑左衛門残日録 蟄虫ですよ ~蟄虫が 世間を覗く霜の朝 春まだ遠し 凍りつく夢~ 拙作 笑左衛門さん、相変わらず暗いねえ、春でございますよ、、 う~んと伸びを
江戸の小唄 ~夜桜~ 隠宅の庭の桜も蕾がほどけ、 お筆と二人花見酒でもいたそうのう、 ~春はうれしや 二人揃うて花見の 庭の桜に朧月それを邪魔する雨と風 チョイト 咲かせてまた散ら
江戸の端唄、~春雨~ 写真はめじろでござい〼 隠宅の老梅の枝から鶯の囀りが聞こえてきた。 春告げ鳥なのに、まだ、囀りを一生懸命勉強中なのか、 ちょっと音痴、訛りもあるようだ。 ホ
ぶらり甲州道7 八王子千人隊 「彦五郎、なんといっても八王子では八王子千人隊(八王子千人同心)を抜きには語れないのだよ、 徳川家康は江戸城西の甲州道の護りとして、旧武田家
ぶらり甲州道 6 日野宿から八王子横山宿 6 日本橋 ~内藤新宿 ~下高井戸 ~上高井戸 –~ 国領 ~ 下布田 ~上布田 ~下石原 ~上石原 ~府中~日野、そして、今回の旅の終
ぶらり甲州道 日野宿土方歳三 5 多摩川を渡った甲州道日野宿は伝馬囲い五人五疋の宿場である。 街道脇には大木が茂り、宿場に入ると大きな構えの本陣と脇本陣が軒を連ねていた。 そ
ぶらり甲州道 府中宿暗闇祭り 4 甲州道を西に足を進めると、湯島天神、亀戸天神とならぶ関東三天神のひとつ谷保天神(谷保天満宮)が左手に見えてきた。 この神社も菅原道真を祀ってある