笑左衛門残日録 85 空蝉 隠居所の庭の老木に腑抜けのような蝉の抜け殻が風に煽られ、 枯れ枝に未練たらたらぶら下がっていた。 老残のわが身に重なる思いの空蝉である。 ~空蝉や
江戸、遠山の金さんの時代を背景にした小説、 忍草シリーズ、江戸珍臭シリーズなどの小説、 江戸の裏長屋のこぼれ話を笑左衛門の残日録として書き記し、 俳句、川柳、都々逸など、江戸の町を散歩しています。
両国橋 橋番逸話 第二話 四文押し屋 ~よいしょよいしょと押し屋の声だ 両国橋に 江戸の意気~ 「よいしょ、よいしょ、両国橋の坂はきついねえ、」 「押そうかね、押そうか
両国橋 橋番逸話 第一話 一文話 ~暮れ六つに 一文話 江戸の橋~ 「あいっ、橋銭二文だよ、、」 大川の橋を渡ろうとすると橋番小屋からにゅっと長い竿の先にぶら下げた
長屋 人情歌 みそひともじ 12 野良犬迷う裏長屋 たわむれに ポチと名付けた 捨て犬が だれが親だか 長屋で迷う 可愛いな 長屋みんなで 世話やくが 飯がまずいと 消
長屋 人情歌 みそひともじ 11 浪人哀歌 裏長屋 一人寝る夜の 侘しさよ 月の明かりに 故郷おぼろ 笠張の お手伝いだね 浪人の 文字の一つも 教えてくれや
笑左衛門 拙作ざれ歌2 佃島 佃島 人足寄せ場 見つめつつ 帰る日あるかと 帰燕(きえん)飛ぶ 火付盗賊改の長谷川平蔵が提案したといわれる、 石川島の人足寄場には無宿人
笑左衛門 拙作ざれ歌 大川の渡し 江戸追われ 笠で隠した 無宿顔 時雨に濡れた 橋場の渡し 大川には 幾つもの渡し場がありまして、 江戸を追われた無宿者でありましょうか、 役
お江戸破礼句(ばれく) その2 はちゃめちゃで卑猥な俳句か川柳の如きでござりまする ~大笑い 夜這い 手に踏む 猫の糞 ~ 気を付けなされよ、、 ~炬燵より自由に
お江戸破礼句(ばれく) はちゃめちゃで卑猥な俳句か川柳の如きでござりまする ~とんだこと 婿の寝床に 母の櫛~ ~もう後家を やめねばならぬ 腹になり ~つぶれ前女衒
笑左衛門 拙作都都逸 貧乏かみさん泣くんじゃないよ 髪の毛売って 盥(たらい)で湯あみで あたしゃ女を やめたいよ 裏長屋の隅っこで、飯も食えずにかもじ屋(髪の毛を買う商人)に髪
笑左衛門 拙作都都逸 茶殻侍 煎じ詰めれば 年寄り茶殻 身分なくして 茶殻者 年取っちまえば武士も町人も、男も女もありゃしない、 みんな茶殻みてえなもの、、余生楽しくいきましょう
笑左衛門残日録 80 老残のぼやき ~気ばかりさなどとご隠居酌へさし~江戸川柳 隠居の身でありながら若い女子とさしすさされつ酒を汲みかわし、 ~まだまだ、やる気
笑左衛門残日録 79 薄月夜 みそひともじ(江戸短歌)21 凍て土を 突いているよ 寒雀 燗酒飲むか 蒲団に寝るか 拙作 おいしそうなものもない庭に来てこつこつと
笑左衛門残日録 78 隠宅に 遊びに来たり 鶺鴒(せきれい)が 寒椿の赤い花だけを残し、隠宅の庭はすっかり寒色に染まり、 庭が寒々として侘しくなるころに、毎年セキレイのつが
笑左衛門残日録 77 凧凧あがれ、 蛸もあがれ、 ~もういくつねるとおしょうがつおしょうがつには たこあげて こまをまわして あそびましょうはやくこいこいおしょうがつ~ 「元旦
御慶申し入れます 正月の歌 庭隅の 苔にさしこむ 初日の出 浮世の世には 裏表なく 庭の隅にも陽があたり、苔の緑も鮮やかに光っていた。 武士町人百姓まで身分で区切られている
御慶申し入れます、正月の風景 子供らの 弾む元気や お正月 もすこし生きると 爺闊歩する 元旦になれば、江戸の町々から子供らのはしゃぐ声が聞こえるのだった。 凧揚げに 独楽回
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笑左衛門残日録 85 空蝉 隠居所の庭の老木に腑抜けのような蝉の抜け殻が風に煽られ、 枯れ枝に未練たらたらぶら下がっていた。 老残のわが身に重なる思いの空蝉である。 ~空蝉や
笑左衛門残日録 84 己の葬式どうあるべきか~散る桜 残る桜も 散る桜~ 良寛辞世の句 ~死に方迷い うろうろしてて 穴につまずく 冬の蠅~拙作都都逸 ~死んでしまえば
笑左衛門残日録 83 往生際 ~鬼平も 銭形平次も 金さんも みんな散ったよ ああ江戸桜~ ~盥(たらい)から 盥へうつる ちんぷんかん~ 盥で産湯に浸かり、死ぬときも盥で体
笑左衛門残日録 86 鯉のぼり ~鯉のぼり 雨にうたれて ぐだぐだに~ ~空に舞う 元気な鯉が うらやまし~ ~武家屋敷 競っているよな 鯉のぼり~ ~柳原
売ト者(ばいぼくしゃ ) ~当たるも八卦当たらぬも八卦~ ジャラジャラと筮竹をすり合わせ、暇そうに歩いている人がいれば、 ~これこれ、そこな人、女難の相が出ておりますな 占ってしんぜ
十件軒次郎右衛門 お江戸には酒飲み噺に事欠きませぬ。 酒で喧嘩をしたり、銭袋をなくしたり、 挙句仕事を失敗し、財をなくし、かかあに逃げられたなんて話は 掃いて捨てるほども転がっている
笑左衛門残日録 82 どくだみ草の話 ~臭い体の 日陰の身でも 役にたちましょ どくだみ草~ 拙作都都逸
笑左衛門残日録 81 武士の情けにて候 身分など捨て 清々すれば 武士の恥など 厠いき 武士の情けと 女房の情け 秤(はかり)にかけて 井戸を汲む 江戸の
御用だ、みそひともじ 咎人に お縄を打って 自身番 得意顔だね 岡っ引き 御用だと 目明し連れて 自身番 胡坐をかいた 銭形平次 辻番じゃ 丁だ半だの 声が漏れ
定廻りのみそひともじ 辻番屋 自身番屋に木戸番屋 番屋の行燈 江戸を照らして 定廻り 自身番屋で 賭け将棋 たまにゃ息抜き 奉行所同心 定廻り 何もないかと
番屋 都都逸とみそひともじ 頼りないよな 自身番でも 迷子捨て子にゃ 頼り何処 年寄りの 辻番刀 錆びついて 役に立たずは 股とおんなじ 年寄りが 眠っているよな 番屋で
番屋 みそひともじ 目明しが 手柄欲しさに 自身番 問答無用で 罪被せ 町同心 泣く子も黙る 十手挿し 羽織着流し 銀杏髷(いちょうまげ) 自身番 地獄の一丁目 連
番屋都都逸 自身番から 三味が聞こえて いじゃねえかと 定廻り 囲碁番所 将棋番所に 歌番所 自身番屋は 寄り合い処 辻番所 隠居老人 寄り合って 火鉢囲んで 暇
辻番所3 辻番所は賭場だった 陰山退助は三田の辻番所から逃げ失せたものの、 前借りの三両が残っていてたので、口入屋天番屋権蔵に仁義を切らねばならなかった。 口入屋天番屋権蔵は ~まあ、
辻番所 2 危ねえ辻番所 江戸の町は武家地が六割、町人地は二割、寺神地が二割であった。 町人地の取り締まりは町奉行で、寺社地は寺社奉行が受け持っていた。 武士と町人の住む場所は明確に区切
辻番所 辻番請負人 出羽、童山藩二万石はお家騒動が原因で改易(お取り潰し)になり、 藩主は切腹を免れたものの他藩に預けられ蟄居させられた。 だが、迷惑千万なのは、己のお役目
自身番 2 囲碁同心 自身番には町名主に雇われた自身番役がいたが、火事の多い季節や、盗賊が多発している場合などは昼夜の自身番を命じられた。夜は五人番昼は三人番で、家主や町内の顔役、
自身番 1 定廻り同心北町奉行定廻り同心日下部退蔵は八丁堀の組屋敷を出て、辰の刻(午前八時)には奉行所に顔を出し、挨拶を済ませると、早々に江戸の町へ繰り出した。 日下部退蔵は北
江戸川柳 武家百姓 ~御新造と 内儀と噺す 敷居ごし~ ~女房は おふくろよりも邪魔なもの~ ~女房の聞くやうように 読むにせ手紙~ ~女房を恐がるやつは金が出来~
江戸川柳 番頭の女房 きびしいかな、丁稚奉公、 ~ばけそうな 花むこの出る するが丁~「ご隠居、日本橋の大店の番頭ともなれば、そりゃあ、大出世でございましょうねえ、」 「そりゃあ、
江戸ぶら、 御厩河岸(おんまいがし) ~船が出るぞうー~ 隅田川(大川)には千住大橋、両国橋、吾妻橋(大川橋)、新大橋、永代橋しかなく、その間は大川を渡るのは、渡し船が唯一の往
笑左衛門残日録 62 ~口はばったかいことを言うつもりもねえが、 ご隠居、いつまで生きるつもりでぃ、、~ ううむ、どうも暗い話じゃ 疲れてきたか、 隠居して、人生のおつりだと
左衛門残日録 61 隠居も辛いものなのじゃ ~ひとつ捨て、ひとつ減らし、 終いには身一つ残してさよならする~ 命を始末するってえことはそういうこと、 笑って暮らして人
左衛門残日録 60 大江戸大食い合戦 「ご隠居、浅草の珍珍楼で大食い合戦があるそうで、 なんでも優勝者は吉原の花魁と一夜を過ごせるってえ、目の玉が飛び出るような賞金なんだ。」
笑左衛門残日録 59 大江戸酒飲み合戦「 ご隠居、深川の常泉寺で大酒飲み合戦があるっていうじゃねえですか、」「浮の助の地獄耳は酒の話は見逃さねえようだな、 常泉寺の遊雲和尚は講和しな
お江戸隠れ唄 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 五十六十七十と 武士の人生真っ暗で 江戸の時代も おしまいか 萎んだ夢が泣く 大奥楽しというけれど 純情
大江戸すべり歌 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 私財没収 島流し 悪いことには 容赦なし 遠山奉行の 名裁き 江戸に灯がともる 貧しいなんて 泣いてねえ 明
お江戸じゃれ歌 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 夜咲く密談嘘の花 夜飛ぶ銭も嘘の花 嘘を肴に酒をくみゃ おぬしも悪じゃよな 屋台並んだ 本所堀 稼ぎ少ない
ちゃきちゃき江戸っ子じゃれ歌 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 粋と鯔背の江戸っ子でぃ お武家様でも 間違いにゃ 頭を下げて もらおうか あたぼう べらぼうよ
お江戸徳川流唄 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 前を見るよな柄じゃない 後ろを見るよな柄じゃない よそ見してたら泣きを見た 武士は斬られたよ 目黒のサンマが懐
お江戸侍嘆き節 「夢は夜開く」の節を真似て、吟詠お楽しみくだされ 赤く咲くのは 首切りで 白く咲くのは 腹切りで どう死にゃいいのさ 悪代官 せめて島送り 腰の大小 重かろに 明
亭主もいろいろ 亭主色々 奥方様に 御新造さんに かみさんと 呼び名変わって 亭主いろいろ 世話焼きの 大家の世話で くっついた 惚れた腫れたじゃ
長屋の厠 都都逸 上の絵からも悪臭がいたしますねぇ、、 早くせい 長屋の厠 急かされて でるものはでず からっ屁ひとつ 井戸端に 江戸雀きて 大はしゃぎ
裏長屋物語 裏長屋の暮らしぶりでござい〼 惚け隠し 酔ったふりして 裏長屋 威張る姿も 褪せ侍 雨降って 笠張り励む 裏長屋 士官の道は 迷夢の道よ ぼ手振
趣味も隠居のお年かな 笑左衛門 拙作川柳 按じても 浮かぶものなく 墨を摺る 蛇ほどに 筆の進まぬ 紙墨かな 筆躍る 硯の中で 悪筆が ひねっても 面白くなき
武士の生きざま、都都逸でえ、、 雨降れど 北と南の奉行所は 固まらねえな 手柄争い かたつむり のそりのそりと 江戸の町 どこを徘徊 惚けた老武士 武士
春隣 梅一輪 ぼちぼち土手を 春隣 どこまでが冬 どこからが春 拙宅の 庭のひなたに 冬雀 米粒すこし 小松菜添えて ぽかぽかと 酒を飲みたし 春隣 土手に座ろか 長屋
笑左衛門残日録 58 ~老衰を 嘲り笑う 鴉かな~ 久々に住職の遊雲和尚の話が聞きたくなり深川の常泉寺という寺へ足を延ばした。 相変わらず、年寄りたちが本堂の床にてんでばらばら
笑左衛門残日録 蟄虫ですよ ~蟄虫が 世間を覗く霜の朝 春まだ遠し 凍りつく夢~ 拙作 笑左衛門さん、相変わらず暗いねえ、春でございますよ、、 う~んと伸びを
江戸の小唄 ~夜桜~ 隠宅の庭の桜も蕾がほどけ、 お筆と二人花見酒でもいたそうのう、 ~春はうれしや 二人揃うて花見の 庭の桜に朧月それを邪魔する雨と風 チョイト 咲かせてまた散ら