笑左衛門残日録 85 空蝉 隠居所の庭の老木に腑抜けのような蝉の抜け殻が風に煽られ、 枯れ枝に未練たらたらぶら下がっていた。 老残のわが身に重なる思いの空蝉である。 ~空蝉や
江戸、遠山の金さんの時代を背景にした小説、 忍草シリーズ、江戸珍臭シリーズなどの小説、 江戸の裏長屋のこぼれ話を笑左衛門の残日録として書き記し、 俳句、川柳、都々逸など、江戸の町を散歩しています。
師走の煩悩 晦(つごもり)て これでしまいと 除夜の鐘 愚慮纏わりて 煩悩消えず 百八つの煩悩を煩悩を祓うために除夜の鐘を搗くという。 日本橋本石町から除夜の鐘が聞こえてき
師走の風 おや、煤払いでございますか? 老残に まだここからだと 師走雲 喝を入れたら 腰ひねり 体は毎年衰えていくが、雲一つない師走の空をみあげ よし、頑張る
笑左衛門残日録 75 慌ただしさも 娯楽となりぬ 江戸の師走 師走になり、江戸の町にも忙しい空気が流れてきていた。 隠棲の身には世間とは関わり少ないとはいえ、 師走の風が吹くと、心
師走の川柳 笑左衛門 もう師走 ついこの間 お正月 ここにおる 師走の風の 干し柿が 古寺や 静まり返る 師走かな すすはらい 師走の蜘蛛の たくましさ 師走かな 餅搗
笑左衛門残日録 74 神様を造った小太郎 柳下の隠宅に小太郎が煮物を抱えてやってきた。 小太郎の父は請負い大工で神田の棟梁源八から仕事を受けていて、 母は煮売り屋で働いている。両親
笑左衛門残日録 73 「小」こそお江戸の粋でござんす お筆の寺子屋にふた月前から通いだしたおから長屋の10歳になる小太郎がお筆に難問をぶつけていた。「お筆師匠、教えてください、どうしてお
笑左衛門 拙作都都逸 お江戸の親分 おいでなすった 親分さんが 袖を振り振り ご挨拶 国定忠治、清水次郎長、笹川繁蔵、大前田栄五郎、島村の伊三郎、 など有名な博徒打ちの親分
貸本屋のへた絵画廊でござい〼。 「どうです、この絵草子なんかは、なかなかの人気でございますよ、」 貸本屋文吉が大店の奥方に貸本を薦めてますね、 「客がこねえな、まっ一服やるか、
貸本屋文吉 天保騒動 11 最終章 ~貸本屋 裏稼業は 捨てられず~拙作 鳥居耀蔵が失脚すれば、鳥居耀蔵の密偵の元締めを務めていた 千鳥橋を渡った弥平町の貸本屋桜春堂善兵衛が無事
貸本屋文吉 天保騒動 10 ~ふる石や瓦とびこむ水の(水野)家~~江戸川柳 将軍徳川家慶が家斉の薨去を経て、幕政の実験を握ると、 家斉の旧側近を罷免し、幕府財政の再興や物価の
貸本屋文吉 天保騒動 9 ~騒動を背負つて廻る貸本屋~ 江戸川柳 貸本屋文吉は吉原遊郭のお得意さんの遊女や下女たちに 本を貸し出した帰り道には必ず、吉原五十間道の地本問屋本屋『耕
貸本屋文吉 天保騒動 8 ~ 貸本屋これはおよしと下へ入れ~ 江戸川柳 ~貸本屋人のひまをば付ねらひ~江戸川柳 文吉にあてがわれた得意先は大名屋敷や旗本屋敷の奥だけではなかった。
貸本屋文吉 天保騒動 7 ~この本は 屋敷おもだと貸本屋~ 江戸川柳 ~うっかりきて 本屋鴨居へ蹴躓き~江戸川柳 ~へえっい、千鳥橋の貸本屋桜春堂でごぜえます、、~ 背中
貸本屋文吉 天保騒動 6 ~貸本屋密書三冊持つて来る~ 江戸川柳 南町奉行所の鳥居耀蔵の役宅に文吉は呼び出されていた。 お調べにしてはおかしいなと、文吉は感じていた。 凄み
貸本屋文吉 天保騒動 5 ~本の虫だね 盗見してる 蔵の本~拙作 文吉は神田富沢町の米問屋近江屋源兵衛の次男坊であった。 五才から通った万禅寺の手習い師匠は 一にも弐にも読書をす
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笑左衛門残日録 85 空蝉 隠居所の庭の老木に腑抜けのような蝉の抜け殻が風に煽られ、 枯れ枝に未練たらたらぶら下がっていた。 老残のわが身に重なる思いの空蝉である。 ~空蝉や
笑左衛門残日録 84 己の葬式どうあるべきか~散る桜 残る桜も 散る桜~ 良寛辞世の句 ~死に方迷い うろうろしてて 穴につまずく 冬の蠅~拙作都都逸 ~死んでしまえば
笑左衛門残日録 83 往生際 ~鬼平も 銭形平次も 金さんも みんな散ったよ ああ江戸桜~ ~盥(たらい)から 盥へうつる ちんぷんかん~ 盥で産湯に浸かり、死ぬときも盥で体
笑左衛門残日録 86 鯉のぼり ~鯉のぼり 雨にうたれて ぐだぐだに~ ~空に舞う 元気な鯉が うらやまし~ ~武家屋敷 競っているよな 鯉のぼり~ ~柳原
売ト者(ばいぼくしゃ ) ~当たるも八卦当たらぬも八卦~ ジャラジャラと筮竹をすり合わせ、暇そうに歩いている人がいれば、 ~これこれ、そこな人、女難の相が出ておりますな 占ってしんぜ
十件軒次郎右衛門 お江戸には酒飲み噺に事欠きませぬ。 酒で喧嘩をしたり、銭袋をなくしたり、 挙句仕事を失敗し、財をなくし、かかあに逃げられたなんて話は 掃いて捨てるほども転がっている
笑左衛門残日録 82 どくだみ草の話 ~臭い体の 日陰の身でも 役にたちましょ どくだみ草~ 拙作都都逸
笑左衛門残日録 81 武士の情けにて候 身分など捨て 清々すれば 武士の恥など 厠いき 武士の情けと 女房の情け 秤(はかり)にかけて 井戸を汲む 江戸の
御用だ、みそひともじ 咎人に お縄を打って 自身番 得意顔だね 岡っ引き 御用だと 目明し連れて 自身番 胡坐をかいた 銭形平次 辻番じゃ 丁だ半だの 声が漏れ
定廻りのみそひともじ 辻番屋 自身番屋に木戸番屋 番屋の行燈 江戸を照らして 定廻り 自身番屋で 賭け将棋 たまにゃ息抜き 奉行所同心 定廻り 何もないかと
番屋 都都逸とみそひともじ 頼りないよな 自身番でも 迷子捨て子にゃ 頼り何処 年寄りの 辻番刀 錆びついて 役に立たずは 股とおんなじ 年寄りが 眠っているよな 番屋で
番屋 みそひともじ 目明しが 手柄欲しさに 自身番 問答無用で 罪被せ 町同心 泣く子も黙る 十手挿し 羽織着流し 銀杏髷(いちょうまげ) 自身番 地獄の一丁目 連
番屋都都逸 自身番から 三味が聞こえて いじゃねえかと 定廻り 囲碁番所 将棋番所に 歌番所 自身番屋は 寄り合い処 辻番所 隠居老人 寄り合って 火鉢囲んで 暇
辻番所3 辻番所は賭場だった 陰山退助は三田の辻番所から逃げ失せたものの、 前借りの三両が残っていてたので、口入屋天番屋権蔵に仁義を切らねばならなかった。 口入屋天番屋権蔵は ~まあ、
辻番所 2 危ねえ辻番所 江戸の町は武家地が六割、町人地は二割、寺神地が二割であった。 町人地の取り締まりは町奉行で、寺社地は寺社奉行が受け持っていた。 武士と町人の住む場所は明確に区切
辻番所 辻番請負人 出羽、童山藩二万石はお家騒動が原因で改易(お取り潰し)になり、 藩主は切腹を免れたものの他藩に預けられ蟄居させられた。 だが、迷惑千万なのは、己のお役目
自身番 2 囲碁同心 自身番には町名主に雇われた自身番役がいたが、火事の多い季節や、盗賊が多発している場合などは昼夜の自身番を命じられた。夜は五人番昼は三人番で、家主や町内の顔役、
自身番 1 定廻り同心北町奉行定廻り同心日下部退蔵は八丁堀の組屋敷を出て、辰の刻(午前八時)には奉行所に顔を出し、挨拶を済ませると、早々に江戸の町へ繰り出した。 日下部退蔵は北
江戸川柳 武家百姓 ~御新造と 内儀と噺す 敷居ごし~ ~女房は おふくろよりも邪魔なもの~ ~女房の聞くやうように 読むにせ手紙~ ~女房を恐がるやつは金が出来~
江戸川柳 番頭の女房 きびしいかな、丁稚奉公、 ~ばけそうな 花むこの出る するが丁~「ご隠居、日本橋の大店の番頭ともなれば、そりゃあ、大出世でございましょうねえ、」 「そりゃあ、
江戸ぶら、 御厩河岸(おんまいがし) ~船が出るぞうー~ 隅田川(大川)には千住大橋、両国橋、吾妻橋(大川橋)、新大橋、永代橋しかなく、その間は大川を渡るのは、渡し船が唯一の往
笑左衛門残日録 62 ~口はばったかいことを言うつもりもねえが、 ご隠居、いつまで生きるつもりでぃ、、~ ううむ、どうも暗い話じゃ 疲れてきたか、 隠居して、人生のおつりだと
左衛門残日録 61 隠居も辛いものなのじゃ ~ひとつ捨て、ひとつ減らし、 終いには身一つ残してさよならする~ 命を始末するってえことはそういうこと、 笑って暮らして人
左衛門残日録 60 大江戸大食い合戦 「ご隠居、浅草の珍珍楼で大食い合戦があるそうで、 なんでも優勝者は吉原の花魁と一夜を過ごせるってえ、目の玉が飛び出るような賞金なんだ。」
笑左衛門残日録 59 大江戸酒飲み合戦「 ご隠居、深川の常泉寺で大酒飲み合戦があるっていうじゃねえですか、」「浮の助の地獄耳は酒の話は見逃さねえようだな、 常泉寺の遊雲和尚は講和しな
お江戸隠れ唄 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 五十六十七十と 武士の人生真っ暗で 江戸の時代も おしまいか 萎んだ夢が泣く 大奥楽しというけれど 純情
大江戸すべり歌 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 私財没収 島流し 悪いことには 容赦なし 遠山奉行の 名裁き 江戸に灯がともる 貧しいなんて 泣いてねえ 明
お江戸じゃれ歌 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 夜咲く密談嘘の花 夜飛ぶ銭も嘘の花 嘘を肴に酒をくみゃ おぬしも悪じゃよな 屋台並んだ 本所堀 稼ぎ少ない
ちゃきちゃき江戸っ子じゃれ歌 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 粋と鯔背の江戸っ子でぃ お武家様でも 間違いにゃ 頭を下げて もらおうか あたぼう べらぼうよ
お江戸徳川流唄 「夢は夜開く」の節を真似、吟詠お楽しみくだされ 前を見るよな柄じゃない 後ろを見るよな柄じゃない よそ見してたら泣きを見た 武士は斬られたよ 目黒のサンマが懐
お江戸侍嘆き節 「夢は夜開く」の節を真似て、吟詠お楽しみくだされ 赤く咲くのは 首切りで 白く咲くのは 腹切りで どう死にゃいいのさ 悪代官 せめて島送り 腰の大小 重かろに 明
亭主もいろいろ 亭主色々 奥方様に 御新造さんに かみさんと 呼び名変わって 亭主いろいろ 世話焼きの 大家の世話で くっついた 惚れた腫れたじゃ
長屋の厠 都都逸 上の絵からも悪臭がいたしますねぇ、、 早くせい 長屋の厠 急かされて でるものはでず からっ屁ひとつ 井戸端に 江戸雀きて 大はしゃぎ
裏長屋物語 裏長屋の暮らしぶりでござい〼 惚け隠し 酔ったふりして 裏長屋 威張る姿も 褪せ侍 雨降って 笠張り励む 裏長屋 士官の道は 迷夢の道よ ぼ手振
趣味も隠居のお年かな 笑左衛門 拙作川柳 按じても 浮かぶものなく 墨を摺る 蛇ほどに 筆の進まぬ 紙墨かな 筆躍る 硯の中で 悪筆が ひねっても 面白くなき
武士の生きざま、都都逸でえ、、 雨降れど 北と南の奉行所は 固まらねえな 手柄争い かたつむり のそりのそりと 江戸の町 どこを徘徊 惚けた老武士 武士
春隣 梅一輪 ぼちぼち土手を 春隣 どこまでが冬 どこからが春 拙宅の 庭のひなたに 冬雀 米粒すこし 小松菜添えて ぽかぽかと 酒を飲みたし 春隣 土手に座ろか 長屋
笑左衛門残日録 58 ~老衰を 嘲り笑う 鴉かな~ 久々に住職の遊雲和尚の話が聞きたくなり深川の常泉寺という寺へ足を延ばした。 相変わらず、年寄りたちが本堂の床にてんでばらばら
笑左衛門残日録 蟄虫ですよ ~蟄虫が 世間を覗く霜の朝 春まだ遠し 凍りつく夢~ 拙作 笑左衛門さん、相変わらず暗いねえ、春でございますよ、、 う~んと伸びを
江戸の小唄 ~夜桜~ 隠宅の庭の桜も蕾がほどけ、 お筆と二人花見酒でもいたそうのう、 ~春はうれしや 二人揃うて花見の 庭の桜に朧月それを邪魔する雨と風 チョイト 咲かせてまた散ら