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  • 【映画】PLAN 75

    「百年法」という小説を以前に興味深く読んだ。前提はだいぶ違うのだけれど、この映画はそのテーマをどう扱っているのだろうと。その制度についての確たるこたえはない。でもこの映画の価値は、制度を描いているようでいて、制度の成立有無とは関係なく、老いの世代が直面する事実の救われなさや手立てのなさの表出であったり、周辺社会で起こっていることを、ふつうに起こりうることとして描き切っているところにあるのではないだろうか。劇中の「PLAN75」はとても杜撰なシステムに見える。負債があったら処理は国がやるのだろうか…制度の破綻が早そう。それに申し込むのはミチさんのような、働く気力もあって善良で生真面目に思考する人が先行して、"迷惑上等"な人は申し込まないかもしれない。そういう杜撰さも含め、杜撰なまま制度が出来上がってしまう可...【映画】PLAN75

  • 【展覧会】ボテロ展 ふくよかな魔法

    膨、なインパクトの迫力たるや。モノが内側から外に押し出す圧、表面張力?…とも少し違う。果物を題材とした静物は、どう見ても果物なのになぜか身体の一部が描かれているかのように感じられたりする。バナナは大腿、オレンジは二の腕、ヘタは臍…(妄想)。随所の濃いピンク(ヴァチカンのバスルームの石鹸の色)がお茶目に思うのは私が日本の人だからで、現地の方の受け取りはまた違うのかもしれない。無表情の描くのも手法なのだという。ふくよかと、無表情と、ルネサンスなど古典からの題材引用と。そうして描かれた作品は、意味を押し付けず(あるいは解釈をゆるさず)、くらしの苦しみや思わぬ運命がさまざま起こりながら流転していく時間の、一瞬を、ただ切り取って留めているよう。南米出身作家の文学や映画の感性と通じると思うのは頭を働かせすぎか。切り取...【展覧会】ボテロ展ふくよかな魔法

  • 【映画】ベイビー・ブローカー

    なんとも、どの画面でも、景色の中の俳優さんたちの身体の存在感たるや。悪い?ひとたち。やさしいひとたち。軽くふざけあった遣り取りの折々に切実が見え隠れする。出自にまつわるさまざまについて、私には語れる言葉がない。ただ、観てよかったと思う。-----公式サイト:https://gaga.ne.jp/babybroker/(2022.7.1)【映画】ベイビー・ブローカー

  • 【映画】メタモルフォーゼの縁側

    歳の差58歳のふたりがどちらも素直でかわいらしい。うらら(芦田愛菜さん)、「BL好き」のうしろめたさを薄くあらわしつつも卑屈に落ちず決して痛々しくなく熱量を内包する17歳が絶妙。何度か象徴的に出てくる走りっぷりもよく。じっくりすごい。宮本信子さん演じる雪さん。楽しむことに開いている明るさと、自然に背を押す胆力。老いのステージとのつきあい具合。ものがたりは起伏ありつつも軽やかで、おとぎ話の香りを纏っているような気がするのは、かかわる人たちのひとのよさだろうか。-----公式サイト:https://metamor-movie.jp/(2022.6.26)【映画】メタモルフォーゼの縁側

  • 【気になる本】2022年4-6月

    上半期棚卸その2@7月-----我感ずる、ゆえに我あり──内受容感覚の神経解剖学A・D・(バド)クレイグ青灯社https://seitosha-p.com/2022/06/post-106.html土の中の生き物たちのはなし島野智之長谷川元洋萩原康夫朝倉書店https://www.asakura.co.jp/detail.php?book_code=17179お嬢さんと噓と男たちのデス・ロードジェンダー・フェミニズム批評入門北村紗衣文藝春秋https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163915609感情の向こうがわ武術家と精神科医のダイアローグ光岡英稔名越康文国書刊行会https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336073419/ウ...【気になる本】2022年4-6月

  • 【気になる本】2022年2-3月

    メルロ=ポンティの倫理学誕生・自由・責任川崎唯史ナカニシヤ出版http://www.nakanishiya.co.jp/book/b602740.html土が変わるとお腹も変わる土壌微生物と有機農業吉田太郎築地書館http://www.tsukiji-shokan.co.jp/mokuroku/ISBN978-4-8067-1631-0.html太陽の支配神の追放、ゆがむ磁場からうつ病までデイビッド・ホワイトハウス築地書館http://www.tsukiji-shokan.co.jp/mokuroku/ISBN978-4-8067-1632-7.htmlAIはどのように社会を変えるかソーシャル・キャピタルと格差の視点から佐藤嘉倫編稲葉陽二編藤原佳典編東京大学出版会http://www.utp.or.jp/...【気になる本】2022年2-3月

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