「百年法」という小説を以前に興味深く読んだ。前提はだいぶ違うのだけれど、この映画はそのテーマをどう扱っているのだろうと。その制度についての確たるこたえはない。でもこの映画の価値は、制度を描いているようでいて、制度の成立有無とは関係なく、老いの世代が直面する事実の救われなさや手立てのなさの表出であったり、周辺社会で起こっていることを、ふつうに起こりうることとして描き切っているところにあるのではないだろうか。劇中の「PLAN75」はとても杜撰なシステムに見える。負債があったら処理は国がやるのだろうか…制度の破綻が早そう。それに申し込むのはミチさんのような、働く気力もあって善良で生真面目に思考する人が先行して、"迷惑上等"な人は申し込まないかもしれない。そういう杜撰さも含め、杜撰なまま制度が出来上がってしまう可...【映画】PLAN75